189 / 361
番外編7 カンヅメ小旅行
一
しおりを挟む
「わー、きれーな景色ですねぇ!」
広い部屋。海を一望できる一面の窓。なんの障害物もない水色の空と紺碧の海。すごく近い。水平線。ベランダが広くて、外にヒノキ風呂がついてる。
振り返ると和臣さんは後ろ手にドアを閉めて、にこにこしながら荷物をおろしてる。
「ねー。露天風呂がついてるのいいよね」
「めっちゃいい部屋です!」
「気に入った?」
「はい!」
俺が元気よく答えると、和臣さんはとろけるような笑顔。ドキッとして、顔が熱くなって、不自然にならないように目をそらしてしまう。なんて嬉しそうに笑うんだよ。反則だろ。
「海が見えるの、いいですよね」
今日はふたりで旅行。近場の海沿いのホテルに泊まるだけなんだけど、気分転換に。近くに古い町並みもあるし、町歩きしたりさ。
「ベランダ広いね」
早速窓に寄っていって開けてみる。潮騒と潮風。涼しいなー。和臣さんが後ろからついてきて、隣に並ぶ。顔を見合わせて笑ってみたり。
「俺、あっちのベッド使いますね」
「多紀くん、窓側使って。どのみち一緒に寝るし」
それもそっか。もぐりこんでくるね。
「少し休憩したら、散歩しにいこうか」
「はい!」
薄手の上着を脱いでTシャツ一枚になって、靴も脱いでベッドにうつ伏せに倒れ込む。解放感ー。
和臣さんも上着を脱いで、ポロシャツ。靴を脱いで、俺のベッドに早速もぐりこんできた。隣にうつ伏せてきた和臣さんの肩にすり寄って、こっちを向いたタイミングで口づける。ちゅ。
「旅行、叶いましたねー!」
「うん。ふふ」
和臣さんは、俺の髪を優しく優しく撫でてくる。少し暑いから汗っぽいのに。
風呂に入りたいな。露天風呂楽しみだなぁ。
和臣さん、今日はいつも以上に優しい。気遣ってくれてる。嬉しいな。忙しい時間を縫って計画してくれてありがたい。
そんなふうに思いながら、俺はふたたび和臣さんの唇に吸いついていく。最初は重ねるだけだけど、舌の先を出して唇を割りにいくと、和臣さんも応えるように唇をひらいて、濡れた舌先を合わせてくる。
それをきっかけに、ふたりとも息を吸い込みながら、目を閉じて、くちゅくちゅ音を立てながらのキス。和臣さんは遠慮がち。俺のほうが積極的にしていくから、吐息を漏らしている。
手を繋いで、指先を絡ませる。
「ん、ふ、ん」
すっかり耳まで熱くなった頃。唾液を引きながら、唇を離した。
和臣さんは困ったように顔をしかめている。
「せっかく、我慢してるのに」
「へ?」
「このままじゃ、観光できなくなるよ。抱きたくて仕方ない……多紀くん」
真っ赤な和臣さんが可愛くて、俺はくすぐったい気持ちになる。バンコクでは軟禁だったので、ちゃんと観光したいです、と釘を差しておいたので、我慢してたのか。申し訳ないことをしたな。
和臣さんとのキスがやめられない。俺も我慢できなくなってる。
広い部屋。海を一望できる一面の窓。なんの障害物もない水色の空と紺碧の海。すごく近い。水平線。ベランダが広くて、外にヒノキ風呂がついてる。
振り返ると和臣さんは後ろ手にドアを閉めて、にこにこしながら荷物をおろしてる。
「ねー。露天風呂がついてるのいいよね」
「めっちゃいい部屋です!」
「気に入った?」
「はい!」
俺が元気よく答えると、和臣さんはとろけるような笑顔。ドキッとして、顔が熱くなって、不自然にならないように目をそらしてしまう。なんて嬉しそうに笑うんだよ。反則だろ。
「海が見えるの、いいですよね」
今日はふたりで旅行。近場の海沿いのホテルに泊まるだけなんだけど、気分転換に。近くに古い町並みもあるし、町歩きしたりさ。
「ベランダ広いね」
早速窓に寄っていって開けてみる。潮騒と潮風。涼しいなー。和臣さんが後ろからついてきて、隣に並ぶ。顔を見合わせて笑ってみたり。
「俺、あっちのベッド使いますね」
「多紀くん、窓側使って。どのみち一緒に寝るし」
それもそっか。もぐりこんでくるね。
「少し休憩したら、散歩しにいこうか」
「はい!」
薄手の上着を脱いでTシャツ一枚になって、靴も脱いでベッドにうつ伏せに倒れ込む。解放感ー。
和臣さんも上着を脱いで、ポロシャツ。靴を脱いで、俺のベッドに早速もぐりこんできた。隣にうつ伏せてきた和臣さんの肩にすり寄って、こっちを向いたタイミングで口づける。ちゅ。
「旅行、叶いましたねー!」
「うん。ふふ」
和臣さんは、俺の髪を優しく優しく撫でてくる。少し暑いから汗っぽいのに。
風呂に入りたいな。露天風呂楽しみだなぁ。
和臣さん、今日はいつも以上に優しい。気遣ってくれてる。嬉しいな。忙しい時間を縫って計画してくれてありがたい。
そんなふうに思いながら、俺はふたたび和臣さんの唇に吸いついていく。最初は重ねるだけだけど、舌の先を出して唇を割りにいくと、和臣さんも応えるように唇をひらいて、濡れた舌先を合わせてくる。
それをきっかけに、ふたりとも息を吸い込みながら、目を閉じて、くちゅくちゅ音を立てながらのキス。和臣さんは遠慮がち。俺のほうが積極的にしていくから、吐息を漏らしている。
手を繋いで、指先を絡ませる。
「ん、ふ、ん」
すっかり耳まで熱くなった頃。唾液を引きながら、唇を離した。
和臣さんは困ったように顔をしかめている。
「せっかく、我慢してるのに」
「へ?」
「このままじゃ、観光できなくなるよ。抱きたくて仕方ない……多紀くん」
真っ赤な和臣さんが可愛くて、俺はくすぐったい気持ちになる。バンコクでは軟禁だったので、ちゃんと観光したいです、と釘を差しておいたので、我慢してたのか。申し訳ないことをしたな。
和臣さんとのキスがやめられない。俺も我慢できなくなってる。
54
お気に入りに追加
1,832
あなたにおすすめの小説
元会計には首輪がついている
笹坂寧
BL
【帝華学園】の生徒会会計を務め、無事卒業した俺。
こんな恐ろしい学園とっとと離れてやる、とばかりに一般入試を受けて遠く遠くの公立高校に入学し、無事、魔の学園から逃げ果すことが出来た。
卒業式から入学式前日まで、誘拐やらなんやらされて無理くり連れ戻されでもしないか戦々恐々としながら前後左右全ての気配を探って生き抜いた毎日が今では懐かしい。
俺は無事高校に入学を果たし、無事毎日登学して講義を受け、無事部活に入って友人を作り、無事彼女まで手に入れることが出来たのだ。
なのに。
「逃げられると思ったか?颯夏」
「ーーな、んで」
目の前に立つ恐ろしい男を前にして、こうも身体が動かないなんて。
親友だと思ってた完璧幼馴染に執着されて監禁される平凡男子俺
toki
BL
エリート執着美形×平凡リーマン(幼馴染)
※監禁、無理矢理の要素があります。また、軽度ですが性的描写があります。
pixivでも同タイトルで投稿しています。
https://www.pixiv.net/users/3179376
もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿
感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_
Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109
素敵な表紙お借りしました!
https://www.pixiv.net/artworks/98346398
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
食事届いたけど配達員のほうを食べました
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
なぜ自転車に乗る人はピチピチのエロい服を着ているのか?
そう思っていたところに、食事を届けにきたデリバリー配達員の男子大学生がピチピチのサイクルウェアを着ていた。イケメンな上に筋肉質でエロかったので、追加料金を払って、メシではなく彼を食べることにした。
貧乏Ωの憧れの人
ゆあ
BL
妊娠・出産に特化したΩの男性である大学1年の幸太には耐えられないほどの発情期が周期的に訪れる。そんな彼を救ってくれたのは生物的にも社会的にも恵まれたαである拓也だった。定期的に体の関係をもつようになった2人だが、なんと幸太は妊娠してしまう。中絶するには番の同意書と10万円が必要だが、貧乏学生であり、拓也の番になる気がない彼にはどちらの選択もハードルが高すぎて……。すれ違い拗らせオメガバースBL。
エブリスタにて紹介して頂いた時に書いて貰ったもの
言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる