上 下
155 / 362
第三部 1 ある事件直後の土日

十二 脱がされる(※)

しおりを挟む
 マンションに着いたら、午後四時。
 忙しかったな……。金曜からくったくただわ。
 土日のうちに色んなことが片づいてよかったとは思う。とくに紗英さんには、申し訳ない思いがあったものだから。
 観客については、俺には手の打ちようがない。
 買い物に寄ってきたので、和臣さんは晩飯作り。いいにおいが漂ってくる。
 俺は洗濯物を取り込んだり、畳んだり、片づけたり。取り入れたワイシャツを寝室のクローゼットに仕舞いこんでいく。
 あ、そうだ。和臣さんの服を着たままだ。脱いだらすっ飛んできそう。
 どうしようか迷っていると、寝室に和臣さんがやってくる。

「多紀くん。まだ晩ごはんには早いよね?」
「ですね」

 まだ午後四時半。

「先に多紀くんを食べちゃいたいな」
「どーぞ」

 気づいたら口づけられてた。脱ぐか迷っていた服はそのまま。

「あはっ、俺の服着てる多紀くん、最高に可愛い」

 俺はぶかぶか。
 和臣さんはめろめろ。
 ズボンの裾、大きくふたつもまくってる。半袖なのに五分袖。不格好。手足の長さ違いすぎ。くやしい。
 ベッドに腰掛けてズボンの前を開けたら、すぐぺろぺろしてくる。
 亀頭をぱくりと食まれて、唇をすぼめて吸いながら、舌先が縦横無尽にぬるぬると皮膚をこする。カリを確かめるような動きに、思わず腰が揺れる。

「あっ……和臣さん、いきなり」

 そんな美味しそうに食べられると、すぐ出そう。激弱の俺。

「多紀くん、俺の、足でシて」

 床に座り込む和臣さんは、俺のを口で咥えて、自分のスラックスのファスナーをおろして取り出して、自分の手でローションで軽く扱いたあと、俺の足首を掴んで誘導。
 靴下を脱がせてきて、裸足に和臣さんの肉棒が触れる。膝を開いて、両足の裏で挟むみたいに。
 難しいよ。
 舐められてて気持ちいいから力抜けるし。びんびんなんだからさっさと挿入してほしい。つながりたい。気持ちよくなりたい。
 和臣さんの巧みな舌テクに負けそうになりながら引き剥がして、俺は和臣さんをベッドに引っ張りあげる。ベッドの上に胡座をかいた和臣さんの上に、着衣のまま跨っていく。対面座位。
 でも上手くない俺は和臣さんの膝の上で身動きが取れなくなる。

「多紀くん」
「和臣さん、して、入れて……!」
「多紀くん、目を見て」

 和臣さんを見る。まともに見れないけど。肉食獣みたいな真剣な瞳に捉えられて、くらくらする。食われる。食われたい。
 体の力が抜けて、腰が重く疼いて、自分の体が和臣さんを欲しがっているのを否応なく自覚する。

「多紀くんは俺のものだよ」
「……じゃあ、和臣さんは?」
「俺はもちろん多紀くんのものだよ?」
「じゃあ、わからせてください」

 体で。
 だけど和臣さんは、シャツをまくって、その舌で俺の乳輪を撫でたり突起を押し潰したり、かと思えばちゅうと吸ってみたり、ころころ転がしたりと遊んでいて、なかなか入れてくれない。どんどん高まってくる。左は舌で、右は指で、嫐られる。そのたびにくすぐったさに似た快感が走る。

「やっ、和臣さんっ、それ……っ」

 息が荒くなってくる。
 敏感になって勃起した先端を唇で弄んだり舐めたあとに、和臣さんが口を離すと、糸が引いて、濡れた乳首がその僅かな感触にひくついていた。

「ぅ……っ」
「膨れてるね。ピンク色で可愛いおっぱい。どうされるのが好き?」
「も、だめぇ……」
「こんなにぷっくりしてるのに、だめなの?」

 と言いながら、もう右も同じように、いや、少し弱くされる。
 ちゅくちゅくと音を立てながら、左よりやさしくされたそこは、左にされたみたいな強い刺激を欲しがって疼く。

「和臣さん、おねがい」

 強くして、と言いかけたそのとき、指が、左の突起を強く弾くようにした。

「やっ、あっ」

 意識が飛びかけて、俺は和臣さんの肩をつかむ。
 息が絶え絶えになって、血が上る。
 強い刺激に慣れた左を指先で優しくくるくる撫で回されて、右は柔らかく潰されて、和臣さんの腹に当たる俺のものは情けなく勃起して先っぽからだらだらとよだれを垂らしている。

「軽くイったかな?」
「うう……」
「ふふ。右もしてあげる」

 右を徐々に強くされることに、体が期待して勝手に震える。びんびんになった突起に吸い付かれて、背筋から腰にかけて電気が走った。

「あっ、ああっ」
「乳首イキする多紀くん、顔見せて」

 取り繕うこともできない。恥ずかしいのに。
 顔を見られながら。

「かずおみさん、イく」
「いやらしいね。とろとろでぐずぐずの多紀くん。やらしくてたまんない」

 両方を指で挟んでこりこりされながら、和臣さんの固くなった巨大なものの先端を、裏筋にこすりつけられて、ずくずくと疼いてくる。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

浮気をしたら、わんこ系彼氏に腹の中を散々洗われた話。

丹砂 (あかさ)
BL
ストーリーなしです! エロ特化の短編としてお読み下さい…。 大切な事なのでもう一度。 エロ特化です! **************************************** 『腸内洗浄』『玩具責め』『お仕置き』 性欲に忠実でモラルが低い恋人に、浮気のお仕置きをするお話しです。 キャプションで危ないな、と思った方はそっと見なかった事にして下さい…。

くまさんのマッサージ♡

はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。 2024.03.06 閲覧、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。 2024.03.10 完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m 今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。 2024.03.19 https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy イベントページになります。 25日0時より開始です! ※補足 サークルスペースが確定いたしました。 一次創作2: え5 にて出展させていただいてます! 2024.10.28 11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。 2024.11.01 https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2 本日22時より、イベントが開催されます。 よろしければ遊びに来てください。

美形な幼馴染のヤンデレ過ぎる執着愛

月夜の晩に
BL
愛が過ぎてヤンデレになった攻めくんの話。 ※ホラーです

今夜、恋人の命令で変態に抱かれる

みつきみつか
BL
【R18】恋人の命令で、年上の既婚者おじさん(自称:明るくて優しい変態)に抱かれることとなった主人公(受)のAくん。待ち合わせ場所に現れた美形Bさんについていき、命令どおり抱かれようとするものの――。 四十代会社経営者美形×大学生無自覚美人受 本番なし(途中まで) 少し流血表現あり 変態プレイはありません シリアス気味 ※最終回後に本番ありのおまけ追加しました※

親友だと思ってた完璧幼馴染に執着されて監禁される平凡男子俺

toki
BL
エリート執着美形×平凡リーマン(幼馴染) ※監禁、無理矢理の要素があります。また、軽度ですが性的描写があります。 pixivでも同タイトルで投稿しています。 https://www.pixiv.net/users/3179376 もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿ 感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_ Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109 素敵な表紙お借りしました! https://www.pixiv.net/artworks/98346398

【R18】【Bl】魔力のない俺は今日もイケメン絶倫幼馴染から魔力をもらいます

ペーパーナイフ
BL
俺は猛勉強の末やっと魔法高校特待生コースに入学することができた。 安心したのもつかの間、魔力検査をしたところ魔力適性なし?! このままでは学費無料の特待生を降ろされてしまう…。貧乏な俺にこの学校の学費はとても払えない。 そんなときイケメン幼馴染が魔力をくれると言ってきて… 魔力ってこんな方法でしか得られないんですか!! 注意 無理やり フェラ 射精管理 何でもありな人向けです リバなし 主人公受け 妊娠要素なし 後半ほとんどエロ ハッピーエンドになるよう努めます

エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!

たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった! せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。 失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。 「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」 アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。 でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。 ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!? 完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ! ※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※ pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。 https://www.pixiv.net/artworks/105819552

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

処理中です...