はじめての契約つがい

みつきみつか

文字の大きさ
上 下
13 / 51
3 新婚旅行の申し込みと発育不良のΩ

三 すり合わせ(※)

しおりを挟む

 ベッドに腰掛ける文弥さんの足元に座り込んで、俺は文弥さんのペニスを舐めている。

「尚くん、気持ちいい……」

 先ほど、文弥さんは旅行代理店に電話して、申込書を、マンションのコンシェルジュというひとを呼んで取りに来てもらい、投函依頼をして、それから、二人でデリバリーの昼飯を食べて、その片づけをした。
 そのとき、俺が、

「つがいって、何をすればいいんですか?」

 と、具体的な内容を聞いたところ、文弥さんは、

「仕事以外の時間に、一緒にごはんを食べて、掃除洗濯などの生活を整えるのを一緒にして、一緒に寝て、一緒に出かけてほしい。あと、対外的に紹介したいときは付き合ってほしい」

 と答えた。
 午後は一緒に出かけるのかなと思ったのだけど、今日はとくに予定がなくて、文弥さんは夫婦関係についてすり合わせをしたいということだった。で、ベッドの上。
 すり合わせの意味が違う気がする……。
 俺はほんの少しずつ体調が悪くなっていて元気がなくて、挿れるのは様子見にしよっかと文弥さんが言ってくれて、ベッドでくっついていたら、文弥さんがすごく勃起していて、それに気づいた俺もなんだかそわそわしてきて、どちらからともなく触り合いっこになった。
 俺は自分が舐められると、どうしても気持ちよくて何も考えられなくなって、いつもより敏感なので、俺のほうから文弥さんを舐めてみることにした。
 文弥さんは俺の髪を撫でてる。少し長めの髪を指ですいてる。

「尚くんの髪、さらさらしてる」
「ぁい」

 こんなんでいいのかな。
 膝を床について、大きく屹立した巨根を両手で持って、唾液を絡ませながら先っぽを含んでる。
 しょっぱくて、弾力のあるゴムみたいな食感に、歯を立てないようにしながら、喉のほうまで入れてみたりする。
 気持ちいいかな、と文弥さんを仰ぐけれど、文弥さんはにこにこしてる。

「ふみやさ」
「ふふ。尚くん可愛い」

 余裕そう。
 俺が舐めても気持ちよくないのかな。俺が文弥さんにしゃぶられると、文弥さんの口の中が蠢くみたいで、食べられていて、すぐ射精してしまうぐらいの快感なのに。
 文弥さんはうっとりしながら俺の髪をすいて、俺の額にキスをしたりしてる。
 俺は唾液の糸を引きながら、唇を離した。

「あの……気持ちよくないですか?」
「え? とっても気持ちいいよ?」
「どこが好きですか?」

 俺は自分が弱い裏側を、つつつと舌を這わせてみるけれど、文弥さんはくすぐったそうに微笑むだけ。

「尚くんの口の中、好きだよ」
「でも……」
「尚くんの口、ちっちゃくて可愛い」

 やっぱり刺激が足りないのかな……。
 俺はベッドに乗って、そのまま、文弥さんに跨ってみる。肌が過敏になっていて、触れるだけで、なんだかひりひりしてくる。

「え、挿れるの? 具合、大丈夫?」
「……少しだけ……」

 なんだか欲しいんだもん。おねだりするみたいに腰をすりつけてしまう。
 でも挿入しながら腰をおろすのが難しい。上手く挿れられない。

「尚くん……っ!」
「えっ、わっ」

 文弥さんは俺をひっくり返して、あっという間に上になった。
 肩を固定されて、両足を開かされて、腰をあげさせられて、あそこに狙いを定めている。
 喉まで使っても全部は入らない文弥さんのペニスの先端が、粘液を垂らしながらあてがわれる。俺のそこは文弥さんのを舐めてしゃぶるうちに潤って、熱くなっていた。
 すっかり組み敷かれて、身動きがとれない。
 文弥さんは興奮して真っ赤で、息が荒い。

「そんなことされたら、我慢できない……」
「文弥さん」

 ずぷ、と深くまで来た。
 いきなりのことに苦しくて耐えていると、キスをされて、舌がねじこまれる。

「んふっ、んっ」
「尚くん、尚くんごめん。止まらない」

 そう言って文弥さんは、俺を激しくすり潰してる。
 口を塞がれて声すらあげられず、俺は文弥さんの興奮のままに、喰らわれるみたいにやられるばかりだった。

しおりを挟む
感想 75

あなたにおすすめの小説

暑がりになったのはお前のせいかっ

わさび
BL
ただのβである僕は最近身体の調子が悪い なんでだろう? そんな僕の隣には今日も光り輝くαの幼馴染、空がいた

それ以上近づかないでください。

ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」 地味で冴えない小鳥遊凪は、ある日、憧れの人である蓮見馨に不意に告白をしてしまい、2人は付き合うことになった。 まるで夢のような時間――しかし、その恋はある出来事をきっかけに儚くも終わりを迎える。 転校を機に、馨のことを全てを忘れようと決意した凪。もう二度と彼と会うことはないはずだった。 ところが、あることがきっかけで馨と再会することになる。 「凪、俺以外のやつと話していいんだっけ?」 かつてとはまるで別人のような馨の様子に戸惑う凪。 「お願いだから、僕にもう近づかないで」

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

ベータですが、運命の番だと迫られています

モト
BL
ベータの三栗七生は、ひょんなことから弁護士の八乙女梓に“運命の番”認定を受ける。 運命の番だと言われても三栗はベータで、八乙女はアルファ。 執着されまくる話。アルファの運命の番は果たしてベータなのか? ベータがオメガになることはありません。 “運命の番”は、別名“魂の番”と呼ばれています。独自設定あり ※ムーンライトノベルズでも投稿しております

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた

翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」 そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。 チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

美形な幼馴染のヤンデレ過ぎる執着愛

月夜の晩に
BL
愛が過ぎてヤンデレになった攻めくんの話。 ※ホラーです

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

処理中です...