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3 新婚旅行の申し込みと発育不良のΩ
三 すり合わせ(※)
しおりを挟むベッドに腰掛ける文弥さんの足元に座り込んで、俺は文弥さんのペニスを舐めている。
「尚くん、気持ちいい……」
先ほど、文弥さんは旅行代理店に電話して、申込書を、マンションのコンシェルジュというひとを呼んで取りに来てもらい、投函依頼をして、それから、二人でデリバリーの昼飯を食べて、その片づけをした。
そのとき、俺が、
「つがいって、何をすればいいんですか?」
と、具体的な内容を聞いたところ、文弥さんは、
「仕事以外の時間に、一緒にごはんを食べて、掃除洗濯などの生活を整えるのを一緒にして、一緒に寝て、一緒に出かけてほしい。あと、対外的に紹介したいときは付き合ってほしい」
と答えた。
午後は一緒に出かけるのかなと思ったのだけど、今日はとくに予定がなくて、文弥さんは夫婦関係についてすり合わせをしたいということだった。で、ベッドの上。
すり合わせの意味が違う気がする……。
俺はほんの少しずつ体調が悪くなっていて元気がなくて、挿れるのは様子見にしよっかと文弥さんが言ってくれて、ベッドでくっついていたら、文弥さんがすごく勃起していて、それに気づいた俺もなんだかそわそわしてきて、どちらからともなく触り合いっこになった。
俺は自分が舐められると、どうしても気持ちよくて何も考えられなくなって、いつもより敏感なので、俺のほうから文弥さんを舐めてみることにした。
文弥さんは俺の髪を撫でてる。少し長めの髪を指ですいてる。
「尚くんの髪、さらさらしてる」
「ぁい」
こんなんでいいのかな。
膝を床について、大きく屹立した巨根を両手で持って、唾液を絡ませながら先っぽを含んでる。
しょっぱくて、弾力のあるゴムみたいな食感に、歯を立てないようにしながら、喉のほうまで入れてみたりする。
気持ちいいかな、と文弥さんを仰ぐけれど、文弥さんはにこにこしてる。
「ふみやさ」
「ふふ。尚くん可愛い」
余裕そう。
俺が舐めても気持ちよくないのかな。俺が文弥さんにしゃぶられると、文弥さんの口の中が蠢くみたいで、食べられていて、すぐ射精してしまうぐらいの快感なのに。
文弥さんはうっとりしながら俺の髪をすいて、俺の額にキスをしたりしてる。
俺は唾液の糸を引きながら、唇を離した。
「あの……気持ちよくないですか?」
「え? とっても気持ちいいよ?」
「どこが好きですか?」
俺は自分が弱い裏側を、つつつと舌を這わせてみるけれど、文弥さんはくすぐったそうに微笑むだけ。
「尚くんの口の中、好きだよ」
「でも……」
「尚くんの口、ちっちゃくて可愛い」
やっぱり刺激が足りないのかな……。
俺はベッドに乗って、そのまま、文弥さんに跨ってみる。肌が過敏になっていて、触れるだけで、なんだかひりひりしてくる。
「え、挿れるの? 具合、大丈夫?」
「……少しだけ……」
なんだか欲しいんだもん。おねだりするみたいに腰をすりつけてしまう。
でも挿入しながら腰をおろすのが難しい。上手く挿れられない。
「尚くん……っ!」
「えっ、わっ」
文弥さんは俺をひっくり返して、あっという間に上になった。
肩を固定されて、両足を開かされて、腰をあげさせられて、あそこに狙いを定めている。
喉まで使っても全部は入らない文弥さんのペニスの先端が、粘液を垂らしながらあてがわれる。俺のそこは文弥さんのを舐めてしゃぶるうちに潤って、熱くなっていた。
すっかり組み敷かれて、身動きがとれない。
文弥さんは興奮して真っ赤で、息が荒い。
「そんなことされたら、我慢できない……」
「文弥さん」
ずぷ、と深くまで来た。
いきなりのことに苦しくて耐えていると、キスをされて、舌がねじこまれる。
「んふっ、んっ」
「尚くん、尚くんごめん。止まらない」
そう言って文弥さんは、俺を激しくすり潰してる。
口を塞がれて声すらあげられず、俺は文弥さんの興奮のままに、喰らわれるみたいにやられるばかりだった。
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