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幕間「愛の女神」
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それは白馬達が転生の泉へ入る数日前のことだ。
「水の神様の側仕えと約束がある」と言う白馬と別れて1人酪農地域から屋敷へ戻ろうとしていた牧草地の神は、途中で偶然森の神に会い、そのまま立ち話をして時を過ごしていた。
【地界】に転生している森の神の側仕え『梟』はそろそろこの【天界】へ戻ってくる頃であり、話は自然とそのことについてになる。
「梟殿が転生の泉に入ってから、もう随分と時が経ちましたね」
「うん、そうだね。本当に本当に長かった……目醒めてから今までだって長い時を過ごしてきたのは間違いないけれど、それに比べても1日1日が長かったな。でも、それでも梟のことを待ち続ける気持ちに変わりはないんだ、不思議なくらいにね。梟は必ずここへ戻ってきて、それからはもう二度と別れることはないという予感めいたものがしてるからかもしれない。実際、梟は僕にそう言って泉に入ったからね。私にできることは梟が帰ってくる『その日』をひたすら待つことだったけど、この長い年月に比べたらあとの数日なんて、ワクワクする気持ちと一緒ならすぐだよ。たった数日だ」
嬉しそうな、気恥ずかしそうな笑みを見せる森の神。
「梟殿は立派な神力を得て戻ってくるに違いありませんね」
「うん、きっとね。元々充分にその素質を備えている子なんだ、立派な姿で戻ってきてくれるよ」
「わぁ…もう、そんなに嬉しそうな表情をして…!やめてくださいよ、私の方が気恥ずかしくなってきてしまうじゃありませんか…」
「そう?ふふふっ、そんなに嬉しそうにしてる?」
「していますよ!あぁっ、そんな風に照れないでくださいってば!な、なぜ私がこんなに気恥ずかしくならなくちゃいけないんですか…」
なにかと気が合う森の神との会話はよく弾み、時も忘れるほど夢中になってしまう。
すっかり太陽が真上に昇り、昼を越えようとしても2神は和やかに談笑を続けていたのだが、ふと森の神は「あれ、森に人間が入ってきたみたいだ」と目を瞬かせた。
「2人…かな。なんだろう、木材の調達が目当てというわけじゃないみたいだけど…うん?森の中に入ってきてる。なにか目的があるみたいだけど、道に迷っちゃうかもしれないな……」
少し考えた後、森の神は「少し心配だから様子を見てくるよ」と牧草地の神に言う。
「やっぱり慣れていない人間が森の中を歩き回るのは危ないからね、無事を確かめてあげないと。…そうだ、蒼ちゃんも一緒にどう?」
「え、いいんですか?」
「もちろん!様子を見るのに少し【地界】へ降りるけど、2人がいるところは牧草地からも近いみたいだから蒼ちゃんも行けると思うよ。なにより、僕がまだ少し蒼ちゃんと話していたいんだ」
穏やかな森の神の提案は牧草地の神にとっても嬉しいものであり、すぐさま「はい、ぜひ!」と答えると、2神はそのまま連れ立って森の中へ分け入っていった。
ーーーーーーーー
「…でね、その時、梟ったら僕に1番上等な羽根を渡してきて『お慕いしています』って言ったんだ!」
「えぇ!?とてもまっすぐな告白ですね!?」
「でしょでしょ!?もう、ただでさえ素敵だったのに、その姿がかっこよくて可愛くて、綺麗で……今でもはっきりと覚えているんだよ。その時にもらった羽根は汚しちゃうのが嫌で屋敷に大切に仕舞ってあるんだけど、時々髪に挿したりするんだ。そうすると梟がすぐそばに居る気がするからね」
道中、牧草地の神は森の神から側仕え『梟』との馴れ初めや胸がときめくような思い出話を聞きながら歩いた。
いつも森の神の一歩後ろに控え、恭しく、話す時も静かな声と口調が特徴的な梟だが、どうやら森の神の話を聞く限り、その胸の内には情熱的な部分も多く持ち合わせているらしい。
白馬もよく気持ちを伝えてくる方だとは思っていたが、それとはまた違った熱さで梟が森の神に想いを寄せているのは話を聞いていても明らかだ。
森の神もそんな梟を深く想っている。
2人の相性が非常に良いのは疑うまでもない。
「さぁ、そろそろ【地界】に降りようか。どう?この辺りなら蒼ちゃんも大丈夫だと思うんだけど」
森の中を少し行ったところで森の神が尋ねてきたため、牧草地の神は「はい、大丈夫ですよ」と頷いて応える。
「まだこの辺りには牧草の一種が…ほら、そこにもありますから」
「それなら良かった!それじゃ姿を消したまま【地界】に降りよう」
「はい」
森の神と共に意識を集中させて【地界】へ降りた牧草地の神は、神力で姿を隠しつつ、樹上へ飛び上がって人間達の姿を捜す森の神の後に続く。
「この辺りにいると思うんだけど……うーん………」
何本か木を移った森の神。
高いところからの景色を目にする機会が少ない牧草地の神は間近で見る木々の立派な枝葉に気を取られ、突然歩みを止めた森の神に気づかずに背へぶつかってしまいそうになった。
(おっと…)とよろめいた牧草地の神に森の神は静かな声を出す。
「…蒼ちゃん、帰ろうか」
「え?でも人間達の様子を見に来たのでは…」
「うん…でも大丈夫そうだから」
神力で姿を隠している以上、どれだけ声を出しても人間達に聞かれることはないのだが、なぜか声を潜めている森の神。
その様子が気になる牧草地の神は森の神の後ろからそっと身を乗り出し、森の神の視線の先を辿った。
「わわっ……」
思わず牧草地の神は手で口を覆う。
〈んっ……んぅっ………〉
森の中の美しく苔むした地面の上に、その人間達はいた。
しっかりと体を引き寄せ合いながら、熱烈に顔を傾けている2人。
漏れ聞こえてくる声がなくても、2人が何をしているかは はっきりと分かる。
「こ…れは、森の神……」
「…ごめんね蒼ちゃん、まさかこんな場面を目にするとは」
「い、いえ、あの……」
互いにしどろもどろになってしまう森の神と牧草地の神だが、なぜかその人間達から目を離すことができない。
気まずいにもかかわらず、なぜ見入ってしまうのか。
それはその口づけを交わす人間達がやけに美しく見えるからだろう。
〈んっ……はぁっ…〉
〈あぁ…本当にお前は最高だよ……〉
〈もう…何言ってんの……〉
深い口づけを軽いものへ変えながら、その人間達はしっかりと腕を回して抱きしめ合う。
唇を離したことで、それまでしっかりとした体躯の男に覆い隠されていたもう1人の姿があらわになった。
(あっ…あれは……)
牧草地の神はしっかりとその目でたしかめる。
その2人の人間はどちらも男だった。
小柄で華奢そうに見えるが、なかなかの筋肉を衣の下に隠しているらしい男が1人と、がっしりとした体躯と日に焼けた肌が印象的な男が1人。
がっしりとした体躯の男に縋りつくようにしながら、小柄な男は〈ねぇ…お前こそ最高なんだけど〉と誘うような声を出す。
〈口づけが上手すぎる…なんだよ、どうしてそんな上手いんだ?なんなんだよ〉
〈さぁな…ただお前が喜ぶやり方を学んだだけだ〉
〈なんだよそれ……なんかムカつく〉
言葉を交わしながら再び深く激しい口づけをしだした2人は、少しずつ移動しながら森の神と牧草地の神がいる木の下まで来た。
眼下で繰り広げられるその熱烈な様子から目を背けなければと思うものの、どうしても体は動かない。
森の神もそれは同じようだ。
〈っはぁ、なぁ…ヤりたい……〉
体躯のいい男の声がはっきりと聞こえてくる。
〈お前の中に挿れて…喘がせたい〉
〈はは……ほんと?俺の中に挿れたいって?〉
〈そう言ってるだろ……〉
森の中、倒れ込んだ2人はさらに手や足を忙しなく動かして互いを愛撫し始めた。
間近で繰り広げられる官能的なそれは、どうにも目を惹きつけてやまない。
どのように深く口づけをするのか、どのように相手の体に触れるのか、どのように相手を心地良くさせるのか…
どんな些細な動き1つでも、まるで観察するかのようにしてじっくりと見てしまう。
(うわわ…あんなに深く舌を………)
「ごきげんよう、お兄様方」
「うっわぁぁぁぁ!!!!!」
突然上の方から聞こえてきた声。
牧草地の神が飛び上がりながら大きく叫び声をあげると、「ふふっ、そんなに驚いちゃって~」とくすくす笑う声が辺りに響いた。
森の神も相当驚いていたらしく、胸を押さえながら「驚くに決まっているでしょう」と呆れ顔で言う。
「降りてきてください、愛の神。いつからそこにいたんですか」
「ふふふっ、ほんの少し前からよ。本当はすぐ声をかけようかと思ったんだけどね、2人共すごく真剣に見てたから躊躇っちゃった。じっと見てらっしゃるお兄様方を邪魔しちゃ悪いかと思って」
「愛の神……お兄様とはなんですか、からかわないでください。それに躊躇ったのではなく、面白がっていたんでしょう?」
森の神に「蒼ちゃん、大丈夫?」と心配される牧草地の神。
なんとか頷いて応えると、同じ木の枝に降りてきた愛の女神は「相変わらず驚き方が可愛いんだから」と目を細めてきた。
「まさかここで2人に会うとはね~!とっても嬉しいわ、あの子達に興味がおありなんでしょ?ふふっ、じっと見つめちゃって~」
「まさか…私達はこれで失礼します」
「ちょっとちょっと!どこに行くの?ここにお座りなさいよ、ほら、2人共!」
その場を立ち去ろうとした牧草地の神と森の神は愛の女神に手を引かれ、強引に木の枝に座らされてしまう。
やけに上機嫌な愛の女神は気まずそうにしている2神をよそに、ニコニコとしながら眼下で繰り広げられている2人の熱い絡み合いを眺めて弾んだ声を出す。
「はぁ……こんな明るいうちから見れるなんてね、それも美しい森の中で。あの子達はとっても趣味が良いわよ…はぁっ!やだ、あんなことして!もう~愛がなきゃできないわよね?」
「………」
「あの子達、初めはあんなにぎこちなかったのに…愛が深まるって本当に素晴らしいわ、あぁっ!見て!まぁお熱いこと~!」
キャアキャアと嬉しそうな声をあげる愛の女神に対し、両隣にいる神々はなんとも言えない表情を浮かべている。
「愛の神…いくら人間達には聞こえないからといっても、あまりそう騒いでは……」
「だめ?私、いっつもキャアキャア言ってるわよ。だってこんな幸せそうな姿を見たら…ねぇ?黙ってなんていられるはずがないでしょ?」
まったく悪びれることなく言う愛の女神。
そう、愛の女神はこうして人間達の愛を、特に情事を眺めるのが好きな女神なのだ。
それに付き合わされる羽目になった牧草地の神と森の神は逃げるに逃げられない状況となってしまった。
だが、どちらの神もなぜか強引にでもその場を離れようという気には なれずにいる。
絡み合う2人は男同士。
一目見た時からその2人に自らと『誰か』を重ね合わせて見てしまっていたからだ。
「男の子達って、こういう大胆なところもあるのに可愛いところも沢山あるのよね。女の子達はいつも隠れてて、なかなかこういうところでは始めてくれないから……ちょっと寂しいわ。まぁ、だからこそ 見かけた時にはもっと楽しめるんだけどね」
足をゆらゆらと前後に揺らしながら言う愛の女神に、森の神は「それは…女性同士もあるということですか」と問いかけた。
「男同士のも…よく見かけるような言い方をしますね」
静かに話す森の神とは対象的に、愛の女神は「もちろん!」と明るい声を出す。
「愛に性別は関係ないもの、男女も男の子同士も、女の子同士もね。きちんとした愛があるのなら、私はいつも見守っているわよ。どの子達のことも」
「そう…なんですか」
「えぇ、そうよ」
愛の女神はそれまでのはしゃいでいた様子とは異なり、穏やかに話をし始める。
「男の子同士も女の子同士も、なかなか大変なのよ。男女の恋人とは違って愛し合う相手を見つけることは簡単ではないからね、色々なことのせいで苦しんでいるのを見たことだってあるわ。だからこそ、こうして心から愛し合える人を見つけた子達には幸せになってほしいの。私には愛を生み出すことはできない。もどかしいけれど、それができるのはあの子達自身だからね。私はただ愛が生まれる『きっかけ』を作ってあげられるだけ。…まぁ、愛を知るきっかけを作っても、それをはねつけてしまう子だってたまにはいるけど」
「そうなんですか」
「うん、残念なことにね。本当に本当に、ごくたまに、だけど。そういう子は…もう私の加護の対象ではなくなるわ。私には見守るべき子が沢山いるの、愛を受け入れられない子にばかり構って他の子達を疎かにするなんてことは絶対にしない。充分に愛を知るきっかけを用意して、それでも知ろうとしないのなら それは仕方のないことね。人の気持ちを操ることはできないもの、その子がそうやって愛を退けて生きたいというのなら好きにさせてあげなきゃ。何度も言うけど、私にできるのは『愛が生まれるきっかけを作ること』。躊躇う子達の背中を押してあげることだけよ。ただの執着を愛と思い違いをしているような人から本当の愛を知るべき子を守ったり、愛のないことをする人から愛すべき子を救い出してあげること。それこそが私の大切な務めなの」
いつになく真剣に、真面目に語る愛の女神の言葉には1つ1つに重みがあって、不思議な力がこもっているようにさえ感じられるほどだ。
それは森や風、水や花や牧草、火といった自然のものを司る神々とは違い、直接人間達に関わっている愛の女神だからこそのものなのだろう。
実際、神々がいくら神力を使って務めをはたしていたとしても、愛の女神がいなければ陸国はこうして続くこともなかったのだ。
「そうそう、親子愛なんかも私は大好きだけど、それには血の繋がりって関係なかったりするのよね。芽生えやすさの違いはあるかもしれないけど、でもそこにたしかな愛があればそれでいいのよ。ふふっ、陸国は建国から今までで やっと土台を作り上げたといったところよね、これから私がもっと愛に溢れた国にしてあげるんだから!沢山きっかけを作って、沢山恋人達を……」
「愛の神、それは素敵なことですが、あまり行き過ぎると貞操の神が大変ですよ」
徐々に元の調子に戻りつつある愛の女神を諌めようとした森の神だが、なぜか「ふふっ、そうそう、私の夫は大変かもね。でも大変そうにしているのが可愛いのよ、夫は。ふふっ」と惚気話の方向へ向かってしまう。
「ちょっとしたことで嫉妬しちゃってさ、私が兎の男の子を側仕えにするって言ったらすぐに女の子の兔を連れてきたのよ?あれには笑っちゃったわ、本当に面白くって可愛い夫なんだから」
くすくすと笑う愛の女神はなんだかとても楽しそうだ。
貞操の神はさぞ苦労も多いのだろうが、それでもこの夫婦の仲はかなりいいようだ。
あまりにもご機嫌な様子で夫神である貞操の神の話をする愛の女神に、森の神と牧草地の神は顔を見合わせて微笑む。
〈んっ………はぁ、いやらしいな、お前…〉
和やかだったところへ下の方から再び話し声がしだした。
〈はぁ…もうこのまま挿れてヤりたいのに……〉
〈だめだよ…俺、今、後ろの準備できてない…〉
〈分かってる…けどもう1週間できてないだろ、限界なんだよ…〉
いつの間にか上衣をはだけていた2人の男達。
下になっている小柄な男の胸の尖りはぷっくりと熟れて立ち上がり、艶やかだ。
ちゅっ、ちゅっという吸い付くような音も絶えることがない。
〈俺もお前とヤりたいよ……中が疼くんだ、お前のが欲しくて……〉
〈煽るなよ……準備ができてたら、こんな明るいうちからヤっても良かったっていうのか?外なのに〉
〈うるせー、俺をここに連れてきたのはお前だろ……こんな誰も来ないようなとこに連れてきて、俺を押し倒したくせに………んっ〉
まだ下衣は着たままだが、2人はどちらもしきりに股の間のものを擦り合わせている。
甘い吐息が響く中、愛の女神は「きゃぁ~!誰もいないって、私達がいるのに~!!」と歓声をあげた。
「そうよね、ここまで来る人はなかなかいないわよね、森の奥深くだもの!」
「ちょ、ちょっと、愛の神……」
〈なぁ…もういいだろ?この…太ももなら準備はいらない〉
〈うん……シよ、俺のとお前のとで……〉
〈あぁ、分かってる……脱がすからな〉
「っ!?」
2人の男達はついに下衣に手をかけて尻と太ももとをあらわにした。
それと同時に目を背けた森の神と牧草地の神は、まったく所作で枝の上に立ち上がり、まったく同じ声の大きさで「し、失礼します、愛の神!」と叫ぶ。
「あっ、ちょっと!2人共!!」
愛の女神は目にも止まらぬ速さで立ち去っていっ牧草地の神と森の神をそれ以上引き止めようとはしなかった。
「愛を大切にしてね、ウブなお兄様方」
ーーーーーーーーー
愛の女神の呼び止める声をものともせず、走ってその場を後にした牧草地の神と森の神。
【天界】に戻ってもなお、2神は揃って走り続けていた。
どれだけ走り、どれだけあの場から遠く離れたとしても2神の耳にはあの熱く甘い雰囲気と言葉、吐息が残っている。
「その……ごめんね、蒼ちゃん、あの……」
「い、いえ、森の神、私は、その……」
どちらからともなく あはは…という苦笑いが聞こえてくるまでに、いくつもの涼やかな風が2神の間を吹き抜けていった。
「水の神様の側仕えと約束がある」と言う白馬と別れて1人酪農地域から屋敷へ戻ろうとしていた牧草地の神は、途中で偶然森の神に会い、そのまま立ち話をして時を過ごしていた。
【地界】に転生している森の神の側仕え『梟』はそろそろこの【天界】へ戻ってくる頃であり、話は自然とそのことについてになる。
「梟殿が転生の泉に入ってから、もう随分と時が経ちましたね」
「うん、そうだね。本当に本当に長かった……目醒めてから今までだって長い時を過ごしてきたのは間違いないけれど、それに比べても1日1日が長かったな。でも、それでも梟のことを待ち続ける気持ちに変わりはないんだ、不思議なくらいにね。梟は必ずここへ戻ってきて、それからはもう二度と別れることはないという予感めいたものがしてるからかもしれない。実際、梟は僕にそう言って泉に入ったからね。私にできることは梟が帰ってくる『その日』をひたすら待つことだったけど、この長い年月に比べたらあとの数日なんて、ワクワクする気持ちと一緒ならすぐだよ。たった数日だ」
嬉しそうな、気恥ずかしそうな笑みを見せる森の神。
「梟殿は立派な神力を得て戻ってくるに違いありませんね」
「うん、きっとね。元々充分にその素質を備えている子なんだ、立派な姿で戻ってきてくれるよ」
「わぁ…もう、そんなに嬉しそうな表情をして…!やめてくださいよ、私の方が気恥ずかしくなってきてしまうじゃありませんか…」
「そう?ふふふっ、そんなに嬉しそうにしてる?」
「していますよ!あぁっ、そんな風に照れないでくださいってば!な、なぜ私がこんなに気恥ずかしくならなくちゃいけないんですか…」
なにかと気が合う森の神との会話はよく弾み、時も忘れるほど夢中になってしまう。
すっかり太陽が真上に昇り、昼を越えようとしても2神は和やかに談笑を続けていたのだが、ふと森の神は「あれ、森に人間が入ってきたみたいだ」と目を瞬かせた。
「2人…かな。なんだろう、木材の調達が目当てというわけじゃないみたいだけど…うん?森の中に入ってきてる。なにか目的があるみたいだけど、道に迷っちゃうかもしれないな……」
少し考えた後、森の神は「少し心配だから様子を見てくるよ」と牧草地の神に言う。
「やっぱり慣れていない人間が森の中を歩き回るのは危ないからね、無事を確かめてあげないと。…そうだ、蒼ちゃんも一緒にどう?」
「え、いいんですか?」
「もちろん!様子を見るのに少し【地界】へ降りるけど、2人がいるところは牧草地からも近いみたいだから蒼ちゃんも行けると思うよ。なにより、僕がまだ少し蒼ちゃんと話していたいんだ」
穏やかな森の神の提案は牧草地の神にとっても嬉しいものであり、すぐさま「はい、ぜひ!」と答えると、2神はそのまま連れ立って森の中へ分け入っていった。
ーーーーーーーー
「…でね、その時、梟ったら僕に1番上等な羽根を渡してきて『お慕いしています』って言ったんだ!」
「えぇ!?とてもまっすぐな告白ですね!?」
「でしょでしょ!?もう、ただでさえ素敵だったのに、その姿がかっこよくて可愛くて、綺麗で……今でもはっきりと覚えているんだよ。その時にもらった羽根は汚しちゃうのが嫌で屋敷に大切に仕舞ってあるんだけど、時々髪に挿したりするんだ。そうすると梟がすぐそばに居る気がするからね」
道中、牧草地の神は森の神から側仕え『梟』との馴れ初めや胸がときめくような思い出話を聞きながら歩いた。
いつも森の神の一歩後ろに控え、恭しく、話す時も静かな声と口調が特徴的な梟だが、どうやら森の神の話を聞く限り、その胸の内には情熱的な部分も多く持ち合わせているらしい。
白馬もよく気持ちを伝えてくる方だとは思っていたが、それとはまた違った熱さで梟が森の神に想いを寄せているのは話を聞いていても明らかだ。
森の神もそんな梟を深く想っている。
2人の相性が非常に良いのは疑うまでもない。
「さぁ、そろそろ【地界】に降りようか。どう?この辺りなら蒼ちゃんも大丈夫だと思うんだけど」
森の中を少し行ったところで森の神が尋ねてきたため、牧草地の神は「はい、大丈夫ですよ」と頷いて応える。
「まだこの辺りには牧草の一種が…ほら、そこにもありますから」
「それなら良かった!それじゃ姿を消したまま【地界】に降りよう」
「はい」
森の神と共に意識を集中させて【地界】へ降りた牧草地の神は、神力で姿を隠しつつ、樹上へ飛び上がって人間達の姿を捜す森の神の後に続く。
「この辺りにいると思うんだけど……うーん………」
何本か木を移った森の神。
高いところからの景色を目にする機会が少ない牧草地の神は間近で見る木々の立派な枝葉に気を取られ、突然歩みを止めた森の神に気づかずに背へぶつかってしまいそうになった。
(おっと…)とよろめいた牧草地の神に森の神は静かな声を出す。
「…蒼ちゃん、帰ろうか」
「え?でも人間達の様子を見に来たのでは…」
「うん…でも大丈夫そうだから」
神力で姿を隠している以上、どれだけ声を出しても人間達に聞かれることはないのだが、なぜか声を潜めている森の神。
その様子が気になる牧草地の神は森の神の後ろからそっと身を乗り出し、森の神の視線の先を辿った。
「わわっ……」
思わず牧草地の神は手で口を覆う。
〈んっ……んぅっ………〉
森の中の美しく苔むした地面の上に、その人間達はいた。
しっかりと体を引き寄せ合いながら、熱烈に顔を傾けている2人。
漏れ聞こえてくる声がなくても、2人が何をしているかは はっきりと分かる。
「こ…れは、森の神……」
「…ごめんね蒼ちゃん、まさかこんな場面を目にするとは」
「い、いえ、あの……」
互いにしどろもどろになってしまう森の神と牧草地の神だが、なぜかその人間達から目を離すことができない。
気まずいにもかかわらず、なぜ見入ってしまうのか。
それはその口づけを交わす人間達がやけに美しく見えるからだろう。
〈んっ……はぁっ…〉
〈あぁ…本当にお前は最高だよ……〉
〈もう…何言ってんの……〉
深い口づけを軽いものへ変えながら、その人間達はしっかりと腕を回して抱きしめ合う。
唇を離したことで、それまでしっかりとした体躯の男に覆い隠されていたもう1人の姿があらわになった。
(あっ…あれは……)
牧草地の神はしっかりとその目でたしかめる。
その2人の人間はどちらも男だった。
小柄で華奢そうに見えるが、なかなかの筋肉を衣の下に隠しているらしい男が1人と、がっしりとした体躯と日に焼けた肌が印象的な男が1人。
がっしりとした体躯の男に縋りつくようにしながら、小柄な男は〈ねぇ…お前こそ最高なんだけど〉と誘うような声を出す。
〈口づけが上手すぎる…なんだよ、どうしてそんな上手いんだ?なんなんだよ〉
〈さぁな…ただお前が喜ぶやり方を学んだだけだ〉
〈なんだよそれ……なんかムカつく〉
言葉を交わしながら再び深く激しい口づけをしだした2人は、少しずつ移動しながら森の神と牧草地の神がいる木の下まで来た。
眼下で繰り広げられるその熱烈な様子から目を背けなければと思うものの、どうしても体は動かない。
森の神もそれは同じようだ。
〈っはぁ、なぁ…ヤりたい……〉
体躯のいい男の声がはっきりと聞こえてくる。
〈お前の中に挿れて…喘がせたい〉
〈はは……ほんと?俺の中に挿れたいって?〉
〈そう言ってるだろ……〉
森の中、倒れ込んだ2人はさらに手や足を忙しなく動かして互いを愛撫し始めた。
間近で繰り広げられる官能的なそれは、どうにも目を惹きつけてやまない。
どのように深く口づけをするのか、どのように相手の体に触れるのか、どのように相手を心地良くさせるのか…
どんな些細な動き1つでも、まるで観察するかのようにしてじっくりと見てしまう。
(うわわ…あんなに深く舌を………)
「ごきげんよう、お兄様方」
「うっわぁぁぁぁ!!!!!」
突然上の方から聞こえてきた声。
牧草地の神が飛び上がりながら大きく叫び声をあげると、「ふふっ、そんなに驚いちゃって~」とくすくす笑う声が辺りに響いた。
森の神も相当驚いていたらしく、胸を押さえながら「驚くに決まっているでしょう」と呆れ顔で言う。
「降りてきてください、愛の神。いつからそこにいたんですか」
「ふふふっ、ほんの少し前からよ。本当はすぐ声をかけようかと思ったんだけどね、2人共すごく真剣に見てたから躊躇っちゃった。じっと見てらっしゃるお兄様方を邪魔しちゃ悪いかと思って」
「愛の神……お兄様とはなんですか、からかわないでください。それに躊躇ったのではなく、面白がっていたんでしょう?」
森の神に「蒼ちゃん、大丈夫?」と心配される牧草地の神。
なんとか頷いて応えると、同じ木の枝に降りてきた愛の女神は「相変わらず驚き方が可愛いんだから」と目を細めてきた。
「まさかここで2人に会うとはね~!とっても嬉しいわ、あの子達に興味がおありなんでしょ?ふふっ、じっと見つめちゃって~」
「まさか…私達はこれで失礼します」
「ちょっとちょっと!どこに行くの?ここにお座りなさいよ、ほら、2人共!」
その場を立ち去ろうとした牧草地の神と森の神は愛の女神に手を引かれ、強引に木の枝に座らされてしまう。
やけに上機嫌な愛の女神は気まずそうにしている2神をよそに、ニコニコとしながら眼下で繰り広げられている2人の熱い絡み合いを眺めて弾んだ声を出す。
「はぁ……こんな明るいうちから見れるなんてね、それも美しい森の中で。あの子達はとっても趣味が良いわよ…はぁっ!やだ、あんなことして!もう~愛がなきゃできないわよね?」
「………」
「あの子達、初めはあんなにぎこちなかったのに…愛が深まるって本当に素晴らしいわ、あぁっ!見て!まぁお熱いこと~!」
キャアキャアと嬉しそうな声をあげる愛の女神に対し、両隣にいる神々はなんとも言えない表情を浮かべている。
「愛の神…いくら人間達には聞こえないからといっても、あまりそう騒いでは……」
「だめ?私、いっつもキャアキャア言ってるわよ。だってこんな幸せそうな姿を見たら…ねぇ?黙ってなんていられるはずがないでしょ?」
まったく悪びれることなく言う愛の女神。
そう、愛の女神はこうして人間達の愛を、特に情事を眺めるのが好きな女神なのだ。
それに付き合わされる羽目になった牧草地の神と森の神は逃げるに逃げられない状況となってしまった。
だが、どちらの神もなぜか強引にでもその場を離れようという気には なれずにいる。
絡み合う2人は男同士。
一目見た時からその2人に自らと『誰か』を重ね合わせて見てしまっていたからだ。
「男の子達って、こういう大胆なところもあるのに可愛いところも沢山あるのよね。女の子達はいつも隠れてて、なかなかこういうところでは始めてくれないから……ちょっと寂しいわ。まぁ、だからこそ 見かけた時にはもっと楽しめるんだけどね」
足をゆらゆらと前後に揺らしながら言う愛の女神に、森の神は「それは…女性同士もあるということですか」と問いかけた。
「男同士のも…よく見かけるような言い方をしますね」
静かに話す森の神とは対象的に、愛の女神は「もちろん!」と明るい声を出す。
「愛に性別は関係ないもの、男女も男の子同士も、女の子同士もね。きちんとした愛があるのなら、私はいつも見守っているわよ。どの子達のことも」
「そう…なんですか」
「えぇ、そうよ」
愛の女神はそれまでのはしゃいでいた様子とは異なり、穏やかに話をし始める。
「男の子同士も女の子同士も、なかなか大変なのよ。男女の恋人とは違って愛し合う相手を見つけることは簡単ではないからね、色々なことのせいで苦しんでいるのを見たことだってあるわ。だからこそ、こうして心から愛し合える人を見つけた子達には幸せになってほしいの。私には愛を生み出すことはできない。もどかしいけれど、それができるのはあの子達自身だからね。私はただ愛が生まれる『きっかけ』を作ってあげられるだけ。…まぁ、愛を知るきっかけを作っても、それをはねつけてしまう子だってたまにはいるけど」
「そうなんですか」
「うん、残念なことにね。本当に本当に、ごくたまに、だけど。そういう子は…もう私の加護の対象ではなくなるわ。私には見守るべき子が沢山いるの、愛を受け入れられない子にばかり構って他の子達を疎かにするなんてことは絶対にしない。充分に愛を知るきっかけを用意して、それでも知ろうとしないのなら それは仕方のないことね。人の気持ちを操ることはできないもの、その子がそうやって愛を退けて生きたいというのなら好きにさせてあげなきゃ。何度も言うけど、私にできるのは『愛が生まれるきっかけを作ること』。躊躇う子達の背中を押してあげることだけよ。ただの執着を愛と思い違いをしているような人から本当の愛を知るべき子を守ったり、愛のないことをする人から愛すべき子を救い出してあげること。それこそが私の大切な務めなの」
いつになく真剣に、真面目に語る愛の女神の言葉には1つ1つに重みがあって、不思議な力がこもっているようにさえ感じられるほどだ。
それは森や風、水や花や牧草、火といった自然のものを司る神々とは違い、直接人間達に関わっている愛の女神だからこそのものなのだろう。
実際、神々がいくら神力を使って務めをはたしていたとしても、愛の女神がいなければ陸国はこうして続くこともなかったのだ。
「そうそう、親子愛なんかも私は大好きだけど、それには血の繋がりって関係なかったりするのよね。芽生えやすさの違いはあるかもしれないけど、でもそこにたしかな愛があればそれでいいのよ。ふふっ、陸国は建国から今までで やっと土台を作り上げたといったところよね、これから私がもっと愛に溢れた国にしてあげるんだから!沢山きっかけを作って、沢山恋人達を……」
「愛の神、それは素敵なことですが、あまり行き過ぎると貞操の神が大変ですよ」
徐々に元の調子に戻りつつある愛の女神を諌めようとした森の神だが、なぜか「ふふっ、そうそう、私の夫は大変かもね。でも大変そうにしているのが可愛いのよ、夫は。ふふっ」と惚気話の方向へ向かってしまう。
「ちょっとしたことで嫉妬しちゃってさ、私が兎の男の子を側仕えにするって言ったらすぐに女の子の兔を連れてきたのよ?あれには笑っちゃったわ、本当に面白くって可愛い夫なんだから」
くすくすと笑う愛の女神はなんだかとても楽しそうだ。
貞操の神はさぞ苦労も多いのだろうが、それでもこの夫婦の仲はかなりいいようだ。
あまりにもご機嫌な様子で夫神である貞操の神の話をする愛の女神に、森の神と牧草地の神は顔を見合わせて微笑む。
〈んっ………はぁ、いやらしいな、お前…〉
和やかだったところへ下の方から再び話し声がしだした。
〈はぁ…もうこのまま挿れてヤりたいのに……〉
〈だめだよ…俺、今、後ろの準備できてない…〉
〈分かってる…けどもう1週間できてないだろ、限界なんだよ…〉
いつの間にか上衣をはだけていた2人の男達。
下になっている小柄な男の胸の尖りはぷっくりと熟れて立ち上がり、艶やかだ。
ちゅっ、ちゅっという吸い付くような音も絶えることがない。
〈俺もお前とヤりたいよ……中が疼くんだ、お前のが欲しくて……〉
〈煽るなよ……準備ができてたら、こんな明るいうちからヤっても良かったっていうのか?外なのに〉
〈うるせー、俺をここに連れてきたのはお前だろ……こんな誰も来ないようなとこに連れてきて、俺を押し倒したくせに………んっ〉
まだ下衣は着たままだが、2人はどちらもしきりに股の間のものを擦り合わせている。
甘い吐息が響く中、愛の女神は「きゃぁ~!誰もいないって、私達がいるのに~!!」と歓声をあげた。
「そうよね、ここまで来る人はなかなかいないわよね、森の奥深くだもの!」
「ちょ、ちょっと、愛の神……」
〈なぁ…もういいだろ?この…太ももなら準備はいらない〉
〈うん……シよ、俺のとお前のとで……〉
〈あぁ、分かってる……脱がすからな〉
「っ!?」
2人の男達はついに下衣に手をかけて尻と太ももとをあらわにした。
それと同時に目を背けた森の神と牧草地の神は、まったく所作で枝の上に立ち上がり、まったく同じ声の大きさで「し、失礼します、愛の神!」と叫ぶ。
「あっ、ちょっと!2人共!!」
愛の女神は目にも止まらぬ速さで立ち去っていっ牧草地の神と森の神をそれ以上引き止めようとはしなかった。
「愛を大切にしてね、ウブなお兄様方」
ーーーーーーーーー
愛の女神の呼び止める声をものともせず、走ってその場を後にした牧草地の神と森の神。
【天界】に戻ってもなお、2神は揃って走り続けていた。
どれだけ走り、どれだけあの場から遠く離れたとしても2神の耳にはあの熱く甘い雰囲気と言葉、吐息が残っている。
「その……ごめんね、蒼ちゃん、あの……」
「い、いえ、森の神、私は、その……」
どちらからともなく あはは…という苦笑いが聞こえてくるまでに、いくつもの涼やかな風が2神の間を吹き抜けていった。
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