彼と姫と

蓬屋 月餅

文字の大きさ
上 下
22 / 25
登場人物について~物語読了後推奨~

『霙』

しおりを挟む
 高い身長とかすかに青みがかった色の瞳が特徴的な男。
 名前は農業地域の言葉で『恵みをもたらすみぞれ 』を意味します。
産まれた日に霙が降っていたため、両親がそのように名付けました。
(彼が生まれた年は大雪が何度も降るような特に寒さが厳しい年だったため、雪が霙になり、次第に『春が近づいていることを知らせている』、つまり『春という恵みをもたらす霙の日に生まれた子』という意味で名付けられたようです)
 愛称は『霙』。
 冴曰く、雰囲気を色で例えると『薄めの青、よく晴れ渡った青空のよう』なんだとか。

 彼は漁業地域との境である農業地域の奥地に生まれました。
  主に穀類(小麦など)の栽培と、穀類を挽いて粉に加工する仕事をしている一家の長男です。
 2歳年下の妹『のぎ』のことをよく世話していたせいもあって、何かと世話焼きなところがありますが、あまり料理はできません。
 スッとした目つきをしている上に身長も高いため、黙っていると恐ろしいような印象をもたれがちですが、話してみると意外にとっつきやすく面白みがあって、当初の印象とは大きく異なる人気者の素質が顔を覗かせます。
 しかし自分から積極的に周りの人へ話しかけるような性格でもないため、相手の方からきっかけを作らなければ『物静かでちょっと冷たそうな人』という印象のままになるでしょう。
 実家の近所の人々は彼のことを『面倒見のいい頼りになる子』だとよく知っているので、農作業の合間などによく話しかけては彼との会話を楽しんでいます。

 一度は農業地域外で暮らして『実家とは異なる仕事をしてみなければ』と思い、社会経験のために行った漁業地域で冴と出会いました。
 彼にしてみれば、たしかに冴には女性のような美しさがあるものの、『姫』という愛称が本当に冴自身にとって喜ばしいものなのかと疑問にも思っていたようです。
(冴が自身の性を『男性』だと認識しており、姿であってもと思っていたのを感じ取っていたからこその意識であって、そういったことを抜きにすればその愛称がまさにぴったりだとは思っていた)
 そのため、冴にどう思うかと問われた際は冴を女性扱いせず素直に『誰とでも心を通わせることのできる姿が 』と言おうとしましたが、それが冴にとっては衝撃的であり、結果として大きなすれ違いを生むことになりました。
 その後は作中にある通りです。
 霙は比較的遅くに授かった子なので、両親は体が大きく成長した霙には力仕事や他方とのやり取りでは何かと助けになってもらうことが多く、妹ののぎの結婚では色々と準備なども請け負って忙しかったようです。

 1歳年上でありながらも愛らしさに満ち溢れている冴のことは『放っておけない何か』があると感じていて、なにが何でも自分がそばにいなくてはという強い想いのもと、一心に愛しています。
 少々冴の快感を探求する姿勢には戸惑うこともありますが…霙も一般的な人以上の欲とをもっていることは間違いないため、2人であれこれとこっそり試したりしながら日々を楽しんでいる…ようです。
 なんにせよ、冴と霙がなのは言うまでもありません。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

君が好き過ぎてレイプした

眠りん
BL
 ぼくは大柄で力は強いけれど、かなりの小心者です。好きな人に告白なんて絶対出来ません。  放課後の教室で……ぼくの好きな湊也君が一人、席に座って眠っていました。  これはチャンスです。  目隠しをして、体を押え付ければ小柄な湊也君は抵抗出来ません。  どうせ恋人同士になんてなれません。  この先の長い人生、君の隣にいられないのなら、たった一度少しの時間でいい。君とセックスがしたいのです。  それで君への恋心は忘れます。  でも、翌日湊也君がぼくを呼び出しました。犯人がぼくだとバレてしまったのでしょうか?  不安に思いましたが、そんな事はありませんでした。 「犯人が誰か分からないんだ。ねぇ、柚月。しばらく俺と一緒にいて。俺の事守ってよ」  ぼくはガタイが良いだけで弱い人間です。小心者だし、人を守るなんて出来ません。  その時、湊也君が衝撃発言をしました。 「柚月の事……本当はずっと好きだったから」  なんと告白されたのです。  ぼくと湊也君は両思いだったのです。  このままレイプ事件の事はなかった事にしたいと思います。 ※誤字脱字があったらすみません

私の彼氏は義兄に犯され、奪われました。

天災
BL
 私の彼氏は、義兄に奪われました。いや、犯されもしました。

雪狐 氷の王子は番の黒豹騎士に溺愛される

Noah
BL
【祝・書籍化!!!】令和3年5月11日(木) 読者の皆様のおかげです。ありがとうございます!! 黒猫を庇って派手に死んだら、白いふわもこに転生していた。 死を望むほど過酷な奴隷からスタートの異世界生活。 闇オークションで競り落とされてから獣人の国の王族の養子に。 そこから都合良く幸せになれるはずも無く、様々な問題がショタ(のちに美青年)に降り注ぐ。 BLよりもファンタジー色の方が濃くなってしまいましたが、最後に何とかBLできました(?)… 連載は令和2年12月13日(日)に完結致しました。 拙い部分の目立つ作品ですが、楽しんで頂けたなら幸いです。 Noah

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!

音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに! え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!! 調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。

壁穴奴隷No.19 麻袋の男

猫丸
BL
壁穴奴隷シリーズ・第二弾、壁穴奴隷No.19の男の話。 麻袋で顔を隠して働いていた壁穴奴隷19番、レオが誘拐されてしまった。彼の正体は、実は新王国の第二王子。変態的な性癖を持つ王子を連れ去った犯人の目的は? シンプルにドS(攻)✕ドM(受※ちょっとビッチ気味)の組合せ。 前編・後編+後日談の全3話 SM系で鞭多めです。ハッピーエンド。 ※壁穴奴隷シリーズのNo.18で使えなかった特殊性癖を含む内容です。地雷のある方はキーワードを確認してからお読みください。 ※No.18の話と世界観(設定)は一緒で、一部にNo.18の登場人物がでてきますが、No.19からお読みいただいても問題ありません。

バイバイ、セフレ。

月岡夜宵
BL
『さよなら、君との関係性。今日でお別れセックスフレンド』 尚紀は、好きな人である紫に散々な嘘までついて抱かれ、お金を払ってでもセフレ関係を繋ぎ止めていた。だが彼に本命がいると知ってしまい、円満に別れようとする。ところが、決意を新たにした矢先、とんでもない事態に発展してしまい――なんと自分から突き放すことに!? 素直になれない尚紀を置きざりに事態はどんどん劇化し、最高潮に達する時、やがて一つの結実となる。 前知らせ) ・舞台は現代日本っぽい架空の国。 ・人気者攻め(非童貞)×日陰者受け(処女)。

図書塔の2人

蓬屋 月餅
BL
 陸国の中心にある広場のそばに、その図書塔はある。  数々の本がおさめられている図書塔で司書を務める『樫』は、特殊な体質をもつ『蔦』と同じ家に住んでいて、朝から晩まで一緒の夫婦同然の暮らしをしている。  外では仕事仲間、家では夫夫。  甘えて、甘えられ、襲って、襲われて。  そんな「樫」と「蔦」が陸国の後世に残すものとは…? 「…あれ?もしかしてお前、むしろ叩かれたくてわざと理性とばしたフリをしてるわけじゃないよな?」 ※作品中の医療知識は現実とは異なる場合がございます。

侯爵令息セドリックの憂鬱な日

めちゅう
BL
 第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける——— ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。

処理中です...