3 / 44
第1章 コラボ配信
1話
しおりを挟む
「皆さんこんにちは、葵です! 今日も一緒にダンジョン攻略をしていくよ!」
ダンジョン配信。それは今一番盛り上がっているエンタメ。 葵はふわふわと浮かんでいる相棒のドローンに手を振った。この子を買うために貯金がごっそり持っていかれたけど、自動で動いて撮影をしてくれるから凄く助かっている。
まるで子犬のように必死に後をついてくるのが本当に可愛い。たまに障害物にぶつかって墜落したり、充電切れで突然やる気を無くすこともあるけど、それすら愛らしさを感じる。
〈1コメ、おはよう葵ちゃん!〉
〈葵ちゃんおはよう~〉
【1000円】〈おはようございます! 今日のお昼代にどうぞ!〉
【500円】〈葵ちゃん、今日も頑張って~!!!!!〉
〈葵ちゃんの笑顔で今日も頑張れる!〉
ダンジョン配信を初めてかれこれ3年。最初のうちは全く見られなくて心が折れそうだった。でもある時、『どうせ見られないなら好き勝手してやる!』と決めてから登録者数がぐんぐん伸びていった。
〈葵ちゃん、今日も可愛い!〉
〈葵ちゃん、今日もお美しい……〉
〈今日のコーデも決まってるね!〉
学生の頃は……といっても数年前だけど、その頃は特にファッションに興味がなかった。でも配信を始めてからは気を使うようになった。
今日のコーデは、清潔感のある白色のキャミソールを着て、その上にライトブルーのフード付きパーカーを羽織り、ショートパンツを合わせてみた。シンプルだけど、これが一番動きやすくて気に入っている。
「今回、挑むのはこの神殿のダンジョンです!」
数十年前からダンジョンが突如として現れて、今では当たり前のように多くの人が挑んでいる。神殿のダンジョンはその名の通り見た目が宮殿みたいでおしゃれだからそう言われている。
他にも火山地帯に似ている火のダンジョンや、お化けが出ると噂されている館のダンジョンなど、種類は色々でまだ分かっていない事の方が多いらしい。
普通に考えたら、一般人がダンジョンに入れるのは変な話だけど、ここで取れる魔石やらアイテムがないと今の世の中は成り立たない。それで自己責任でやる分には国も許可をしてくれた。
「さてと、今日はどんな冒険が始まるかな?」
早速葵はダンジョンに足を踏み入れると、もう一つの相棒である自撮り棒を握りしめた。
〈出た、葵ちゃんの神器!〉
〈今日もまた、自撮り棒で無双が見られるぞ!〉
〈初見です。自撮り棒でどうやって戦うのですか?〉
〈それは見た方が早い〉
〈前から何か来てるよ! 気をつけて!〉
ドローンに装着してあるタブレットにコメントが流れ始める。前から何か来ている? あれは……ゴブリンね。しかも仲間を連れている。
「いいわよ。かかって来なさい!」
葵は自撮り棒を構えると、鋭い突きを放った。自撮り棒は如意棒のように伸びて一体目のゴブリンの顔面にヒットした。
「動画の尺が長くなると編集が面倒だからまとめて来なさい!」
ゴブリンはケラケラと不気味な笑い声をあげると、一斉に襲いかかってきた。しかし連携することもなく、動きも単純でわかりやすい。
「足元がお留守になってるよ!」
足を狙って自撮り棒を薙ぎ払うと、無知なモンスターたちはどさっと転けて拗ねを抑えた。
〈一斉に転けるのは草〉
〈やっぱりゴブリンは無知だな(笑)」
〈ねぇ、まだ何か来てるよ!〉
〈あれがボスなのか?〉
雑魚敵を倒すと、黒くて立派な牙を持つゴブリンが奥から出てきた。体長は軽く2メートルは超えており、その手には棍棒を握りしめている。まるで鬼みたいだ。
「少しは撮れ高のありそうなモンスターが来たね」
「グオおおおお!!!!」
黒いゴブリンは雄叫びをあげると、重たそうな体を動かしながら向かってくる。葵は迎え撃つようにゴブリンに向かって全力疾走した。そして棒高跳びをするように自撮り棒を地面について大きく跳躍した。
「そこよ!」
落下とともに振り下ろした一撃が、黒いゴブリンの脳天に直撃して確かな手応えを感じた。ゴブリンはフラフラしながら葵を睨みつける。
「これで止め!」
今度は槍投げのように自撮り棒を構えると、助走と共に投げ飛ばした。自撮り棒は一直線に飛んで行き、見事命中した。黒ゴブリンはどさりと地面に膝をつくと、そのまま消滅した。
〈初見です。まじでどういうこと? なんでこの人、自撮り棒で戦っているの〉
〈自撮り棒でゴブリンを倒す人初めて見た。それにしても強すぎだろwww〉
〈説明しよう。葵氏の自撮り棒には魔鉱石が使われており、その強度は鋼と同等と言える。さらに伸び縮みも自由にできるため、もはや如意棒と言える。さらに葵氏が元陸上部で棒高跳びと槍投げの経験がある為、それが戦いに生かされているのだ〉
〈ありがとう解析ニキ助かる!〉
〈オタク特有早口ならぬ、早打ち。まじでこの人のタイピング早すぎ(笑)〉
「皆んな、無事に倒せたよ……って、あれ? ラッキー宝箱がドロップしたじゃん!」
魔物を倒す事で素材やら魔石が落ちる事はあるけど宝箱は珍しい。何が入ってるのかな?
〈なんか怪しくない?〉
〈葵ちゃん気をつけて! トラップかもしれないよ〉
〈こんな階層で宝箱はまずない。怪しすぎる〉
何やらコメント欄は疑いの意見で溢れている。でも、配信者として宝箱を見逃すわけにはいかない。
「トラップ? 大丈夫、大丈夫。どこかのエルフじゃないから、食べられたりしないよ。やばそうならすぐに逃げるから安心して」
〈どこかのエルフ(笑〉
〈確かミミックって美味しいらしいよ〉
〈でも、危ないよ!〉
〈嫌な予感がする……〉
念の為いつでも逃げられるようにしつつ、葵はゆっくりと蓋を開いた。ギシギシと古い扉を開けた時のような音と共に眩い光が溢れ出す。
「うっ、眩しい!」
強烈な光と共に体が浮いたような感覚がする。やばい酔いそう……
〈なんだなんだ? 前が見えない!〉
〈やばい、目が、目が!!!!!!〉
〈フラグ回収早すぎ、やっぱり罠だったー〉
ようやく謎の光と浮遊感が収まった。危ない危ない、キラキラを出して放送事故をするところだった……
「えっと……ここはどこ?」
明らかにさっきまでとは雰囲気が違う。全体的に薄暗くて、殺気のような視線がちくちくと感じる。まさか下の階層まで飛ばされたの⁉︎
〈ワープ系のトラップか……災難だな……〉
〈確かあれだよね? 遭難事故の半数以上がワープ系のトラップのせいだよね?〉
〈葵ちゃん、これ帰れるの?〉
「だっ、大丈夫でしょ、帰り道は知らないけど……ダンジョンボスを倒したら自動的に戻るでしょ?」
〈でも、このダンジョンのボスって確かSSランクだよね? 流石にキツくない?〉
〈単独で倒すのは鬼畜すぎる……〉
〈最低でもSランクハンターが数人いないと勝ち目がない……〉
コメント欄にちらほらと不安な声が集まる。ボスは1人では勝てない……帰り道も分からない。そもそも一階層しか探索する予定がなかったから食料もほぼない。これってまさか……詰んでる?
「とっ、とにかく、状況を確認しなくちゃ、まずは位置関係を把握して
……」
底知れぬ不安に押されて葵は早足で周囲を探索した。何もしないと、この異様な空気に押し潰されて心が病んでしまいそうだ。
「こっちであっているよね? 私……帰れるよね?」
最近ようやく人気が出始めて、やっと憧れていたダンジョン配信者に近づけたのに……もしかして、このまま終わっちゃうの……?
〈これって救難信号出したら来てくれないの?〉
〈流石にこの階層まで助けは来ないだろ……〉
〈じゃぁ、葵ちゃんはどうなるの⁉︎〉
【5000円】〈お願い、無事に帰還して!!!〉
コメント欄は絶望的な内容が高速で流れ、周辺からは不気味な魔物の声がする。これって本当にやばくない?
「嫌だよ……こんなところで終わりたくない!」
不意に涙が込み上げてきて、頬が濡れる。それでもほんの少しの希望にかけてダンジョンを彷徨っていると……
「何? あの光……」
暗闇のなかに蛍のような淡い光が浮かんでいた。なんとなくこの先に出口がある気がして微かな希望が胸に灯る。
〈なんだあの光?〉
〈もしかして、他の配信者がいるのかな?〉
〈魔物じゃないよね? 近づいて大丈夫?〉
〈お願いします。どうか人でありますように!〉
〈とりあえずいつでも逃げれる準備はしようよ〉
コメント欄も期待と不安の声が入り乱れる。葵は一歩、また一歩と導かれるように歩き始めた。そして光の源に辿り着くと……
「これは……ゲート?」
謎の光は謎のゲートから発生していた。もしかしてこの先に出口があるかもしれない。そんな期待が葵の胸に広がる。しかし、手を差し伸ばして触れようとすると、人影が勢いよく向かってきた。
「えっ、誰? うわ⁉︎」
避けることも出来ずに衝突してしまい、押し倒される。ぶつけた頭をさすりながらよく見ると、謎の人影の正体は可愛らしい女の子だった。
──────
あとがき
ご覧いただき、ありがとうございました!
【読者の皆様へのお願い】
・面白そう!
・続きが気になる!
・応援してあげてもいいかな?
と感じて頂けましたら、
ハートマークを押して、高評価をもらえると嬉しいです。しおりを付けてもらえると凄く、凄く!嬉しいです。
皆様の応援が励みになりますので、なにとぞ、よろしくお願いします。
ダンジョン配信。それは今一番盛り上がっているエンタメ。 葵はふわふわと浮かんでいる相棒のドローンに手を振った。この子を買うために貯金がごっそり持っていかれたけど、自動で動いて撮影をしてくれるから凄く助かっている。
まるで子犬のように必死に後をついてくるのが本当に可愛い。たまに障害物にぶつかって墜落したり、充電切れで突然やる気を無くすこともあるけど、それすら愛らしさを感じる。
〈1コメ、おはよう葵ちゃん!〉
〈葵ちゃんおはよう~〉
【1000円】〈おはようございます! 今日のお昼代にどうぞ!〉
【500円】〈葵ちゃん、今日も頑張って~!!!!!〉
〈葵ちゃんの笑顔で今日も頑張れる!〉
ダンジョン配信を初めてかれこれ3年。最初のうちは全く見られなくて心が折れそうだった。でもある時、『どうせ見られないなら好き勝手してやる!』と決めてから登録者数がぐんぐん伸びていった。
〈葵ちゃん、今日も可愛い!〉
〈葵ちゃん、今日もお美しい……〉
〈今日のコーデも決まってるね!〉
学生の頃は……といっても数年前だけど、その頃は特にファッションに興味がなかった。でも配信を始めてからは気を使うようになった。
今日のコーデは、清潔感のある白色のキャミソールを着て、その上にライトブルーのフード付きパーカーを羽織り、ショートパンツを合わせてみた。シンプルだけど、これが一番動きやすくて気に入っている。
「今回、挑むのはこの神殿のダンジョンです!」
数十年前からダンジョンが突如として現れて、今では当たり前のように多くの人が挑んでいる。神殿のダンジョンはその名の通り見た目が宮殿みたいでおしゃれだからそう言われている。
他にも火山地帯に似ている火のダンジョンや、お化けが出ると噂されている館のダンジョンなど、種類は色々でまだ分かっていない事の方が多いらしい。
普通に考えたら、一般人がダンジョンに入れるのは変な話だけど、ここで取れる魔石やらアイテムがないと今の世の中は成り立たない。それで自己責任でやる分には国も許可をしてくれた。
「さてと、今日はどんな冒険が始まるかな?」
早速葵はダンジョンに足を踏み入れると、もう一つの相棒である自撮り棒を握りしめた。
〈出た、葵ちゃんの神器!〉
〈今日もまた、自撮り棒で無双が見られるぞ!〉
〈初見です。自撮り棒でどうやって戦うのですか?〉
〈それは見た方が早い〉
〈前から何か来てるよ! 気をつけて!〉
ドローンに装着してあるタブレットにコメントが流れ始める。前から何か来ている? あれは……ゴブリンね。しかも仲間を連れている。
「いいわよ。かかって来なさい!」
葵は自撮り棒を構えると、鋭い突きを放った。自撮り棒は如意棒のように伸びて一体目のゴブリンの顔面にヒットした。
「動画の尺が長くなると編集が面倒だからまとめて来なさい!」
ゴブリンはケラケラと不気味な笑い声をあげると、一斉に襲いかかってきた。しかし連携することもなく、動きも単純でわかりやすい。
「足元がお留守になってるよ!」
足を狙って自撮り棒を薙ぎ払うと、無知なモンスターたちはどさっと転けて拗ねを抑えた。
〈一斉に転けるのは草〉
〈やっぱりゴブリンは無知だな(笑)」
〈ねぇ、まだ何か来てるよ!〉
〈あれがボスなのか?〉
雑魚敵を倒すと、黒くて立派な牙を持つゴブリンが奥から出てきた。体長は軽く2メートルは超えており、その手には棍棒を握りしめている。まるで鬼みたいだ。
「少しは撮れ高のありそうなモンスターが来たね」
「グオおおおお!!!!」
黒いゴブリンは雄叫びをあげると、重たそうな体を動かしながら向かってくる。葵は迎え撃つようにゴブリンに向かって全力疾走した。そして棒高跳びをするように自撮り棒を地面について大きく跳躍した。
「そこよ!」
落下とともに振り下ろした一撃が、黒いゴブリンの脳天に直撃して確かな手応えを感じた。ゴブリンはフラフラしながら葵を睨みつける。
「これで止め!」
今度は槍投げのように自撮り棒を構えると、助走と共に投げ飛ばした。自撮り棒は一直線に飛んで行き、見事命中した。黒ゴブリンはどさりと地面に膝をつくと、そのまま消滅した。
〈初見です。まじでどういうこと? なんでこの人、自撮り棒で戦っているの〉
〈自撮り棒でゴブリンを倒す人初めて見た。それにしても強すぎだろwww〉
〈説明しよう。葵氏の自撮り棒には魔鉱石が使われており、その強度は鋼と同等と言える。さらに伸び縮みも自由にできるため、もはや如意棒と言える。さらに葵氏が元陸上部で棒高跳びと槍投げの経験がある為、それが戦いに生かされているのだ〉
〈ありがとう解析ニキ助かる!〉
〈オタク特有早口ならぬ、早打ち。まじでこの人のタイピング早すぎ(笑)〉
「皆んな、無事に倒せたよ……って、あれ? ラッキー宝箱がドロップしたじゃん!」
魔物を倒す事で素材やら魔石が落ちる事はあるけど宝箱は珍しい。何が入ってるのかな?
〈なんか怪しくない?〉
〈葵ちゃん気をつけて! トラップかもしれないよ〉
〈こんな階層で宝箱はまずない。怪しすぎる〉
何やらコメント欄は疑いの意見で溢れている。でも、配信者として宝箱を見逃すわけにはいかない。
「トラップ? 大丈夫、大丈夫。どこかのエルフじゃないから、食べられたりしないよ。やばそうならすぐに逃げるから安心して」
〈どこかのエルフ(笑〉
〈確かミミックって美味しいらしいよ〉
〈でも、危ないよ!〉
〈嫌な予感がする……〉
念の為いつでも逃げられるようにしつつ、葵はゆっくりと蓋を開いた。ギシギシと古い扉を開けた時のような音と共に眩い光が溢れ出す。
「うっ、眩しい!」
強烈な光と共に体が浮いたような感覚がする。やばい酔いそう……
〈なんだなんだ? 前が見えない!〉
〈やばい、目が、目が!!!!!!〉
〈フラグ回収早すぎ、やっぱり罠だったー〉
ようやく謎の光と浮遊感が収まった。危ない危ない、キラキラを出して放送事故をするところだった……
「えっと……ここはどこ?」
明らかにさっきまでとは雰囲気が違う。全体的に薄暗くて、殺気のような視線がちくちくと感じる。まさか下の階層まで飛ばされたの⁉︎
〈ワープ系のトラップか……災難だな……〉
〈確かあれだよね? 遭難事故の半数以上がワープ系のトラップのせいだよね?〉
〈葵ちゃん、これ帰れるの?〉
「だっ、大丈夫でしょ、帰り道は知らないけど……ダンジョンボスを倒したら自動的に戻るでしょ?」
〈でも、このダンジョンのボスって確かSSランクだよね? 流石にキツくない?〉
〈単独で倒すのは鬼畜すぎる……〉
〈最低でもSランクハンターが数人いないと勝ち目がない……〉
コメント欄にちらほらと不安な声が集まる。ボスは1人では勝てない……帰り道も分からない。そもそも一階層しか探索する予定がなかったから食料もほぼない。これってまさか……詰んでる?
「とっ、とにかく、状況を確認しなくちゃ、まずは位置関係を把握して
……」
底知れぬ不安に押されて葵は早足で周囲を探索した。何もしないと、この異様な空気に押し潰されて心が病んでしまいそうだ。
「こっちであっているよね? 私……帰れるよね?」
最近ようやく人気が出始めて、やっと憧れていたダンジョン配信者に近づけたのに……もしかして、このまま終わっちゃうの……?
〈これって救難信号出したら来てくれないの?〉
〈流石にこの階層まで助けは来ないだろ……〉
〈じゃぁ、葵ちゃんはどうなるの⁉︎〉
【5000円】〈お願い、無事に帰還して!!!〉
コメント欄は絶望的な内容が高速で流れ、周辺からは不気味な魔物の声がする。これって本当にやばくない?
「嫌だよ……こんなところで終わりたくない!」
不意に涙が込み上げてきて、頬が濡れる。それでもほんの少しの希望にかけてダンジョンを彷徨っていると……
「何? あの光……」
暗闇のなかに蛍のような淡い光が浮かんでいた。なんとなくこの先に出口がある気がして微かな希望が胸に灯る。
〈なんだあの光?〉
〈もしかして、他の配信者がいるのかな?〉
〈魔物じゃないよね? 近づいて大丈夫?〉
〈お願いします。どうか人でありますように!〉
〈とりあえずいつでも逃げれる準備はしようよ〉
コメント欄も期待と不安の声が入り乱れる。葵は一歩、また一歩と導かれるように歩き始めた。そして光の源に辿り着くと……
「これは……ゲート?」
謎の光は謎のゲートから発生していた。もしかしてこの先に出口があるかもしれない。そんな期待が葵の胸に広がる。しかし、手を差し伸ばして触れようとすると、人影が勢いよく向かってきた。
「えっ、誰? うわ⁉︎」
避けることも出来ずに衝突してしまい、押し倒される。ぶつけた頭をさすりながらよく見ると、謎の人影の正体は可愛らしい女の子だった。
──────
あとがき
ご覧いただき、ありがとうございました!
【読者の皆様へのお願い】
・面白そう!
・続きが気になる!
・応援してあげてもいいかな?
と感じて頂けましたら、
ハートマークを押して、高評価をもらえると嬉しいです。しおりを付けてもらえると凄く、凄く!嬉しいです。
皆様の応援が励みになりますので、なにとぞ、よろしくお願いします。
10
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件
フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。
寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。
プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い?
そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない!
スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる