86 / 122
第二部 三流調剤師と大罪
12
しおりを挟む
いくら害意がなかろうが、魔女は魔女。
極度の緊張状態に皆が置かれていた。
ポタリ、ポタリと床の上に血だまりが出来ていく。
ややしてラグナルは殺気を削ぐように長くゆっくり息を吐いた。彼の力が抜けたのを見て取ったオーガスタスが刃を離すと、黒剣は鞘に収められる。
「暖かい寝台をとのご希望でしたな。ではここの客室はいかがですかな。ホルトンにご滞在の間、お好きにお使いください」
掌から流れる血を拭いもせず、オーガスタスは和かに言葉を紡ぐ。
「私はイーリスの家がいいんだけど? ゆっくり話したいし」
リュンヌは不満気に口を尖らせる。
これ以上彼女の機嫌を損ねるのは得策ではない。そう判断して私はラグナルの後ろから進みでる。
「なら――」
しかし、オーガスタスが遮った。
「イーリスはまだまだ若輩。偉大なる魔女と昼夜ともにあれば参ってしまうでしょう。どうかご勘弁を」
深々と頭を下げるオーガスタス。
魔女の怒りを買うのを承知で矢面に立つ。その背中は実際よりもずっと大きく見えた。キーラン達が全幅の信頼を寄せるのもわかる。
「あなた随分、気骨があるのね。気に入ったわ。仕方ないから言う通りにしてあげる」
魔女に認められるって、そうそうないと思う。
「あの、手当を……」
私はポーチからサオ茸の軟膏を出してオーガスタスの掌に塗っていく。五指すべてに切り傷ができていた。利き手ではないとはいえ、しばらく不便だろう。
「人間は不便ね。こんなときにホウリのエルフがいれば便利なのに、ダークエルフじゃ役にたたないわね」
手当の様子を眺めながら魔女が言う。
ラグナルの気配がちょっぴり不穏なものになった気がしたけど、彼は黙って耐えた。
「お待たせしました。え、と、話を聞きたいとの仰せでしたよね」
包帯を巻き終わると、私はリュンヌに向き直った。
何がなんだからわからないが、私の話を聞いて満足してくれるならいくらでも語ってやる。ついでにラグナルの印の解除をお願いできれば万々歳。そんな気持ちで。
「そうねえ、その前にお腹が空いたわ。どこか美味しい料理をだすところ知らない?」
魔女はどこまでもマイペースだった。
人気のない街の端の端にある料理屋に案内したいところだが、美味しい料理をと指定された手前、味の保証がもてない店にはいけない。
結局私はロフォカレの隣にある店に魔女を案内した。
馴染みの人間に声をかけて、店の隅、目立たない場所に通してもらう。
お勧めの品を一通り注文して、料理が運ばれてくるのを待つ。
席についたのはリュンヌ、ラグナル、私の三人。
ゼイヴィアはオーガスタスに付き合って、師匠の家に向かった。痛み止めと化膿止めを処方してもらうためだ。
オーガスタスは食事についてくる気のようだったけど、これ以上彼に負担をかけるわけにはいかない。そう思ったのはゼイヴィアも同じだったらしく、オーガスタスを半ば引きずるようにしてギルドを出て行った。
「わぁ、美味しそう。人間の一番いいところは料理に対する探究心よね」
目の前に置かれた鳥肉の香草焼きにリュンヌは目を輝かせる。
その様子はどこから見ても無邪気な少女そのままだ。
淡水魚の塩焼き、ごろごろ野菜煮込み、香ばしく焼けたパンに、新鮮な果実のジュース。その小さな体のどこに入るのかという量を平らげ、リュンヌは満足げに腹をさすった。
「美味しかった! ごちそうさまでした」
本当に普通の少女にしか見えない。
そのせいだろうか、息の詰まるような緊張は徐々に薄れてきていた。
「それでリュンヌ……私のことですか」
私は他の席の人々に聞こえぬよう、リュンヌの側に椅子を寄せて話し始めた。
確か幸せかどうか聞いてたよね?
「今の私は幸せとも、そうでないとも言えます」
本当は今のところ幸せと言えるぐらいには満たされている。しかし彼女がどちらの答えを望んでいるかがわからない以上迂闊に答えられない。
「信頼できる人々がそばにいて、食べていけるだけの収入がありますので、その点では幸せであると言えます。一方で郷を追われ、自身だけが頼りの生活には不安を感じます。怪我や病に倒れたら、貯蓄はすぐに底を尽きてしまうでしょうし。その点では不幸だと言えると思います」
できうる限り曖昧に言葉にした。
リュンヌは布で口元を拭いながら、私を見た。
「ようするに、一生困らないお金があれば幸せってこと?」
……今の説明だとそうなりますね。
何か言いたげなラグナルは無視して、どう説明したものかと考えを巡らせる。
リュンヌの求める答えを用意せねばならないが全く見当がつかない。
ラートーンの名を出されたときは、彼を陥れたトヨ・アキーツを恨んでいるのかと思ったが、それにしては態度が友好的だ。
「あなた達、彼の力を使って儲けているんじゃなかったの? 東の大陸では大層羽振りがよかったそうじゃない」
いったいいつの話をしているんだ。
それははるか昔のことである。魔女にとっては千年前だろうが十数年前がそう変わらないのかもしれないが、短い人の生では何代も世代が変わるほど時が過ぎ去っていると言うのに。
「昔の話です。尊い方の怒りを買い、故郷を追われました。支配を免れた力は解呪だけ。その力もいつまで受け継がれるか」
「そういえばそうだったかしら。ごめんなさいね。まだちょっと記憶が混乱してて」
リュンヌは眉間を抑えて可愛らしくウンウン唸る。
――もしかしてとリュンヌは……。
話をすればするほど感じる妙なひっかかり。私の想像が当たっているとしたら、ラグナルの印を解いてもらうのは夢ではないかもしれない。
「あの、リュンヌ……」
一層声を落として自分の考えが当たっているのか尋ねようとすると、ポンッとリュンヌが手を打つ。
「わかった! その支配。私が解けばいいのよ。そうしたらイーリスは幸せよね?」
――は?
支配を解く? ラートーンにかけられたヘソの印を?
私はテーブルに手をつき勢いよく立ち上がった。
椅子が倒れて派手な音を立てる。
周りの人々が怪訝な顔で振り向く。その視線に我に返った。軽く頭を下げて騒ぎを起こしたことを謝りつつ、椅子を起こそうするが、腕が震えて椅子がつかめなかった。
「イーリス大丈夫か?」
見かねたラグナルが椅子をたて、私を座らせた。
「ね、いい案でしょう? イーリスも嬉しいでしょう? 力が取り戻せるのよ?」
そんな私の様子を見てどうとったのかリャンヌは上機嫌だ。
「い、いえ、そのような恐ろしいことは……」
占者トヨ・アキーツが大罪を犯して子に、孫に、子孫に与えた力。
かつてのイーは奴隷を生み出すときのように、痛めつけたり、薬を使って心神喪失状態に追い込むなんて必要はなく、たやすく人に印を刻めたという。誰にも悟られることなく手駒を増やし、意のままにした。
その力を取り戻す?
冗談ではない。そんなものはいらない。
どんな状況に陥っても絶対に使わないとは言い切れないと分かっているから余計にだ!
「東の魔人が与え封じた力です。それを解除しようなどとは……」
「だから余計によ。私、あの男が嫌いなの。だって彼だけずるいじゃない?」
極度の緊張状態に皆が置かれていた。
ポタリ、ポタリと床の上に血だまりが出来ていく。
ややしてラグナルは殺気を削ぐように長くゆっくり息を吐いた。彼の力が抜けたのを見て取ったオーガスタスが刃を離すと、黒剣は鞘に収められる。
「暖かい寝台をとのご希望でしたな。ではここの客室はいかがですかな。ホルトンにご滞在の間、お好きにお使いください」
掌から流れる血を拭いもせず、オーガスタスは和かに言葉を紡ぐ。
「私はイーリスの家がいいんだけど? ゆっくり話したいし」
リュンヌは不満気に口を尖らせる。
これ以上彼女の機嫌を損ねるのは得策ではない。そう判断して私はラグナルの後ろから進みでる。
「なら――」
しかし、オーガスタスが遮った。
「イーリスはまだまだ若輩。偉大なる魔女と昼夜ともにあれば参ってしまうでしょう。どうかご勘弁を」
深々と頭を下げるオーガスタス。
魔女の怒りを買うのを承知で矢面に立つ。その背中は実際よりもずっと大きく見えた。キーラン達が全幅の信頼を寄せるのもわかる。
「あなた随分、気骨があるのね。気に入ったわ。仕方ないから言う通りにしてあげる」
魔女に認められるって、そうそうないと思う。
「あの、手当を……」
私はポーチからサオ茸の軟膏を出してオーガスタスの掌に塗っていく。五指すべてに切り傷ができていた。利き手ではないとはいえ、しばらく不便だろう。
「人間は不便ね。こんなときにホウリのエルフがいれば便利なのに、ダークエルフじゃ役にたたないわね」
手当の様子を眺めながら魔女が言う。
ラグナルの気配がちょっぴり不穏なものになった気がしたけど、彼は黙って耐えた。
「お待たせしました。え、と、話を聞きたいとの仰せでしたよね」
包帯を巻き終わると、私はリュンヌに向き直った。
何がなんだからわからないが、私の話を聞いて満足してくれるならいくらでも語ってやる。ついでにラグナルの印の解除をお願いできれば万々歳。そんな気持ちで。
「そうねえ、その前にお腹が空いたわ。どこか美味しい料理をだすところ知らない?」
魔女はどこまでもマイペースだった。
人気のない街の端の端にある料理屋に案内したいところだが、美味しい料理をと指定された手前、味の保証がもてない店にはいけない。
結局私はロフォカレの隣にある店に魔女を案内した。
馴染みの人間に声をかけて、店の隅、目立たない場所に通してもらう。
お勧めの品を一通り注文して、料理が運ばれてくるのを待つ。
席についたのはリュンヌ、ラグナル、私の三人。
ゼイヴィアはオーガスタスに付き合って、師匠の家に向かった。痛み止めと化膿止めを処方してもらうためだ。
オーガスタスは食事についてくる気のようだったけど、これ以上彼に負担をかけるわけにはいかない。そう思ったのはゼイヴィアも同じだったらしく、オーガスタスを半ば引きずるようにしてギルドを出て行った。
「わぁ、美味しそう。人間の一番いいところは料理に対する探究心よね」
目の前に置かれた鳥肉の香草焼きにリュンヌは目を輝かせる。
その様子はどこから見ても無邪気な少女そのままだ。
淡水魚の塩焼き、ごろごろ野菜煮込み、香ばしく焼けたパンに、新鮮な果実のジュース。その小さな体のどこに入るのかという量を平らげ、リュンヌは満足げに腹をさすった。
「美味しかった! ごちそうさまでした」
本当に普通の少女にしか見えない。
そのせいだろうか、息の詰まるような緊張は徐々に薄れてきていた。
「それでリュンヌ……私のことですか」
私は他の席の人々に聞こえぬよう、リュンヌの側に椅子を寄せて話し始めた。
確か幸せかどうか聞いてたよね?
「今の私は幸せとも、そうでないとも言えます」
本当は今のところ幸せと言えるぐらいには満たされている。しかし彼女がどちらの答えを望んでいるかがわからない以上迂闊に答えられない。
「信頼できる人々がそばにいて、食べていけるだけの収入がありますので、その点では幸せであると言えます。一方で郷を追われ、自身だけが頼りの生活には不安を感じます。怪我や病に倒れたら、貯蓄はすぐに底を尽きてしまうでしょうし。その点では不幸だと言えると思います」
できうる限り曖昧に言葉にした。
リュンヌは布で口元を拭いながら、私を見た。
「ようするに、一生困らないお金があれば幸せってこと?」
……今の説明だとそうなりますね。
何か言いたげなラグナルは無視して、どう説明したものかと考えを巡らせる。
リュンヌの求める答えを用意せねばならないが全く見当がつかない。
ラートーンの名を出されたときは、彼を陥れたトヨ・アキーツを恨んでいるのかと思ったが、それにしては態度が友好的だ。
「あなた達、彼の力を使って儲けているんじゃなかったの? 東の大陸では大層羽振りがよかったそうじゃない」
いったいいつの話をしているんだ。
それははるか昔のことである。魔女にとっては千年前だろうが十数年前がそう変わらないのかもしれないが、短い人の生では何代も世代が変わるほど時が過ぎ去っていると言うのに。
「昔の話です。尊い方の怒りを買い、故郷を追われました。支配を免れた力は解呪だけ。その力もいつまで受け継がれるか」
「そういえばそうだったかしら。ごめんなさいね。まだちょっと記憶が混乱してて」
リュンヌは眉間を抑えて可愛らしくウンウン唸る。
――もしかしてとリュンヌは……。
話をすればするほど感じる妙なひっかかり。私の想像が当たっているとしたら、ラグナルの印を解いてもらうのは夢ではないかもしれない。
「あの、リュンヌ……」
一層声を落として自分の考えが当たっているのか尋ねようとすると、ポンッとリュンヌが手を打つ。
「わかった! その支配。私が解けばいいのよ。そうしたらイーリスは幸せよね?」
――は?
支配を解く? ラートーンにかけられたヘソの印を?
私はテーブルに手をつき勢いよく立ち上がった。
椅子が倒れて派手な音を立てる。
周りの人々が怪訝な顔で振り向く。その視線に我に返った。軽く頭を下げて騒ぎを起こしたことを謝りつつ、椅子を起こそうするが、腕が震えて椅子がつかめなかった。
「イーリス大丈夫か?」
見かねたラグナルが椅子をたて、私を座らせた。
「ね、いい案でしょう? イーリスも嬉しいでしょう? 力が取り戻せるのよ?」
そんな私の様子を見てどうとったのかリャンヌは上機嫌だ。
「い、いえ、そのような恐ろしいことは……」
占者トヨ・アキーツが大罪を犯して子に、孫に、子孫に与えた力。
かつてのイーは奴隷を生み出すときのように、痛めつけたり、薬を使って心神喪失状態に追い込むなんて必要はなく、たやすく人に印を刻めたという。誰にも悟られることなく手駒を増やし、意のままにした。
その力を取り戻す?
冗談ではない。そんなものはいらない。
どんな状況に陥っても絶対に使わないとは言い切れないと分かっているから余計にだ!
「東の魔人が与え封じた力です。それを解除しようなどとは……」
「だから余計によ。私、あの男が嫌いなの。だって彼だけずるいじゃない?」
0
お気に入りに追加
715
あなたにおすすめの小説
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
王子妃だった記憶はもう消えました。
cyaru
恋愛
記憶を失った第二王子妃シルヴェーヌ。シルヴェーヌに寄り添う騎士クロヴィス。
元々は王太子であるセレスタンの婚約者だったにも関わらず、嫁いだのは第二王子ディオンの元だった。
実家の公爵家にも疎まれ、夫となった第二王子ディオンには愛する人がいる。
記憶が戻っても自分に居場所はあるのだろうかと悩むシルヴェーヌだった。
記憶を取り戻そうと動き始めたシルヴェーヌを支えるものと、邪魔するものが居る。
記憶が戻った時、それは、それまでの日常が崩れる時だった。
★1話目の文末に時間的流れの追記をしました(7月26日)
●ゆっくりめの更新です(ちょっと本業とダブルヘッダーなので)
●ルビ多め。鬱陶しく感じる方もいるかも知れませんがご了承ください。
敢えて常用漢字などの読み方を変えている部分もあります。
●作中の通貨単位はケラ。1ケラ=1円くらいの感じです。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界の創作話です。時代設定、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。
早稲 アカ
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。
宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。
彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。
加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。
果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる