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第二部 三流調剤師と真紅の印
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傷薬の改良は後日に流れてしまい、その日はその他の常備薬の調薬をして過ごすことになった。ジーニーはロフォカレ専属ではあるが、街の医術師からも依頼を受けて薬を卸していた。その手伝いだ。最初の半年間、それらの作業は見習い扱いで無給だったが、今ではきっちり給金が支払われる。
つまり今の私はロフォカレのパーテイーの一員としての取り分と、調剤師としての実入りで二重に収入があるのだ。おかげでひもじい思いをすることもなく、貯蓄に回せる余裕もできた。ロフォカレ様様である。あの時、ホルトンの街に戻ると決めて、ほんとーーーーーによかった。
師の家を辞す頃には、空は藍色に染まっていた。
街のあちこちで灯りがともされはじめ、暗い空とは対照的に街壁の中は暖かい光につつまれている。
家路につく人や、夜の商売にそなえる人、飲みに繰り出す人々が入り混じり、ホルトンの街が最も賑やかになる時間だ。
ホルトンに来た頃、私はこの時間が怖かった。大勢の人の波のどこを探しても知った顔はなく、一人であることをいやでも痛感させられたから。
イーの里が決して好きなわけではなかったが、それでも里心はつくものだと知った。
バートや調剤師の仲間ができた頃にはその気持ちも少し薄らいだけれど、まだまだよそ者だという感覚が強かった。常に肩肘をはって生活していたと思う。
それがこの一年でガラリと変わった。私の力を知っている人々がいて、守られている。それがどれだけ気持ちを軽くしてくれたか……
高い街壁に囲まれた、雑多で活気に溢れる街ホルトン。
私はこの街を以前よりずっと好きになっていた。
今の目標はお金を貯めて、師のような立派な家兼店舗兼作業場を構えることだ。
この一年間なんとなく思い描いていた将来像が、軋む音が聞こえる気がする。
師の家を出た途端、さらりと繋がれた手を私は複雑な気持ちで眺めた。
昨日、コールの森でラグナルに出会った時は信じられなかった。
白昼夢かと思ったぐらいだ。
でも私を探して見つけ出してくれたんだと知って、嬉しかった。
再会したラグナルは以前より少し意地悪で、戸惑いもあったけど、その気持ちは変わらなくて……。ラグナルと別れたあとなどは、どうにも落ち着かず、ずっとふわふわした心地だった。空に浮かぶ雲の上を歩いたらこんな感じがするんじゃないかと思ったものだ。
でも一晩経って、変わらぬ日常を過ごすと、現実が降りかかる。
ラグナルはきっと約束を守るつもりだろう。
早く大人になって稼ぐという約束を。
記憶を取り戻した彼が、人間の街で人間に混じって生きる。それが彼にとって良いことなのかと問われれば、首を横に振らざるを得ない。
だって、どうしたって人間とエルフの寿命は違う。短い人間の一生に彼を付き合わせていいものかと考えないはずがない。やはり故郷に帰って同族と暮らしたほうが彼の為になるのでは……
考えれば考えるほど鬱々として、迷う。そんな私の名を背後から呼ぶものがいた。
「イーリス!」
見ずともわかる。もう聞き慣れたその声は、ロフォカレの年若い魔術師のもの。
きゅっと繋いだ手に力がこもる。ラグナルにも誰の声か分かったのだろう。
手を繋いだまま振り返ると、そこには思った通りノアがいた。少し離れて、キーラン達の姿も見える。
「イーリス……と、やっぱりラグナル」
駆け寄ってきたらしいノアは、ラグナルを認めて眉を寄せる。お世辞にも嬉しそうな顔ではない。
「どっかで見たような銀髪だと思ったら」
スタッフを持ったまま腕を組むと、ノアはラグナルを睨む様に見上げる。
「ふぅん、戻ってきたんだ。イービル山脈に帰らなくていいのー?」
私が聞きたくても聞けなかったことを、なんの気負いもなく口にするノア。
「俺がどこにいようが、お前には関係ない」
そんなノアに対するラグナルの答えはすげないものだった。
「一年前にも思ったけど、ラグナルさあ、解呪が終わっても、あんま変わってないよねぇ」
そうだろうか? 私はしげしげとラグナルを眺めた。
別れた時も、もう少年とは言えなかったが、今よりも線は細かったし、どこかに幼さが残っていた。今はすっかりその幼さが……
――本当に消えた?
ふと今朝覚えた違和感を思いだす。
「もう物知らずな子供ではない」と言って拗ねたように見えたラグナル。
悠久の時を生きるダークエルフ。
そのダークエルフが子供っぽく拗ねる?
何かおかしい。何か見落としてはいないかと、過去の記憶を探って冷や汗がでた。
最後の解呪を施したあのとき、消えゆく印を見ながら私は服を戻した。
もしも解呪に失敗していたら……解けたと思っていた印が、再び再構築したのだとしたら……
「記憶が戻ったら、もーちょっと変わるかと思ったのに中身そのまんまじゃん。ほんとに印術解けてんの?」
そんな考えを肯定するようなノアのその言葉を聞き、私はいてもたってもいられなくなった。
「ラグナルちょっと来て!」
言うなり、ラグナルの手を引いて歩きだす。
「おい、急にどうした」というラグナル声と「は? どこいくのさ」と言いながら追いかけてくるノアを無視して、強引に歩くと、人気の少ない路地にラグナルを引き入れた。
『お前はせっかちだねえ。最後まで見極める分別を持ったらどうなんだい?』
イーにいた頃、兄に幾度となく言われた言葉が頭の中で何度も繰り返し流れる。
路地の壁にラグナルを押し付けると有無を言わせず上着の留め具を外していく。
「イーリス、何をっ。まっまて!」
ラグナルが何か言ってるか無視だ無視。
最後の留め具を外し終わると、今度はシャツをたくしあげた。
――この角度じゃ見えない。それにズボンが邪魔。
ラグナルの印は背中側の腰のあたりにあったのだ。
私はラグナルの前で膝をつくとベルトを外し一気にズボンを下ろし……かけたところで褐色の指にその手を阻まれた。
「ラグナル離して。すぐに済むから」
ちょっと背中を確認したいだけなのだ。
「馬鹿か! 時と場所を考えろ!」
上擦った声がしたかと思うと、手を引っ張り上あげるようにして立たされる。
目の前には、暗闇の中でもはっきりとわかる、真っ赤になったラグナル。
「イーリス……あんたさぁ」
「すげえな。イーリスさん。ダークエルフを襲う女、初めてみたぜ」
背後からかけられるノアとウォーレスの声。
そこでやっと自分が何をやらかしたのか理解した。
――や、やっちまった。
つまり今の私はロフォカレのパーテイーの一員としての取り分と、調剤師としての実入りで二重に収入があるのだ。おかげでひもじい思いをすることもなく、貯蓄に回せる余裕もできた。ロフォカレ様様である。あの時、ホルトンの街に戻ると決めて、ほんとーーーーーによかった。
師の家を辞す頃には、空は藍色に染まっていた。
街のあちこちで灯りがともされはじめ、暗い空とは対照的に街壁の中は暖かい光につつまれている。
家路につく人や、夜の商売にそなえる人、飲みに繰り出す人々が入り混じり、ホルトンの街が最も賑やかになる時間だ。
ホルトンに来た頃、私はこの時間が怖かった。大勢の人の波のどこを探しても知った顔はなく、一人であることをいやでも痛感させられたから。
イーの里が決して好きなわけではなかったが、それでも里心はつくものだと知った。
バートや調剤師の仲間ができた頃にはその気持ちも少し薄らいだけれど、まだまだよそ者だという感覚が強かった。常に肩肘をはって生活していたと思う。
それがこの一年でガラリと変わった。私の力を知っている人々がいて、守られている。それがどれだけ気持ちを軽くしてくれたか……
高い街壁に囲まれた、雑多で活気に溢れる街ホルトン。
私はこの街を以前よりずっと好きになっていた。
今の目標はお金を貯めて、師のような立派な家兼店舗兼作業場を構えることだ。
この一年間なんとなく思い描いていた将来像が、軋む音が聞こえる気がする。
師の家を出た途端、さらりと繋がれた手を私は複雑な気持ちで眺めた。
昨日、コールの森でラグナルに出会った時は信じられなかった。
白昼夢かと思ったぐらいだ。
でも私を探して見つけ出してくれたんだと知って、嬉しかった。
再会したラグナルは以前より少し意地悪で、戸惑いもあったけど、その気持ちは変わらなくて……。ラグナルと別れたあとなどは、どうにも落ち着かず、ずっとふわふわした心地だった。空に浮かぶ雲の上を歩いたらこんな感じがするんじゃないかと思ったものだ。
でも一晩経って、変わらぬ日常を過ごすと、現実が降りかかる。
ラグナルはきっと約束を守るつもりだろう。
早く大人になって稼ぐという約束を。
記憶を取り戻した彼が、人間の街で人間に混じって生きる。それが彼にとって良いことなのかと問われれば、首を横に振らざるを得ない。
だって、どうしたって人間とエルフの寿命は違う。短い人間の一生に彼を付き合わせていいものかと考えないはずがない。やはり故郷に帰って同族と暮らしたほうが彼の為になるのでは……
考えれば考えるほど鬱々として、迷う。そんな私の名を背後から呼ぶものがいた。
「イーリス!」
見ずともわかる。もう聞き慣れたその声は、ロフォカレの年若い魔術師のもの。
きゅっと繋いだ手に力がこもる。ラグナルにも誰の声か分かったのだろう。
手を繋いだまま振り返ると、そこには思った通りノアがいた。少し離れて、キーラン達の姿も見える。
「イーリス……と、やっぱりラグナル」
駆け寄ってきたらしいノアは、ラグナルを認めて眉を寄せる。お世辞にも嬉しそうな顔ではない。
「どっかで見たような銀髪だと思ったら」
スタッフを持ったまま腕を組むと、ノアはラグナルを睨む様に見上げる。
「ふぅん、戻ってきたんだ。イービル山脈に帰らなくていいのー?」
私が聞きたくても聞けなかったことを、なんの気負いもなく口にするノア。
「俺がどこにいようが、お前には関係ない」
そんなノアに対するラグナルの答えはすげないものだった。
「一年前にも思ったけど、ラグナルさあ、解呪が終わっても、あんま変わってないよねぇ」
そうだろうか? 私はしげしげとラグナルを眺めた。
別れた時も、もう少年とは言えなかったが、今よりも線は細かったし、どこかに幼さが残っていた。今はすっかりその幼さが……
――本当に消えた?
ふと今朝覚えた違和感を思いだす。
「もう物知らずな子供ではない」と言って拗ねたように見えたラグナル。
悠久の時を生きるダークエルフ。
そのダークエルフが子供っぽく拗ねる?
何かおかしい。何か見落としてはいないかと、過去の記憶を探って冷や汗がでた。
最後の解呪を施したあのとき、消えゆく印を見ながら私は服を戻した。
もしも解呪に失敗していたら……解けたと思っていた印が、再び再構築したのだとしたら……
「記憶が戻ったら、もーちょっと変わるかと思ったのに中身そのまんまじゃん。ほんとに印術解けてんの?」
そんな考えを肯定するようなノアのその言葉を聞き、私はいてもたってもいられなくなった。
「ラグナルちょっと来て!」
言うなり、ラグナルの手を引いて歩きだす。
「おい、急にどうした」というラグナル声と「は? どこいくのさ」と言いながら追いかけてくるノアを無視して、強引に歩くと、人気の少ない路地にラグナルを引き入れた。
『お前はせっかちだねえ。最後まで見極める分別を持ったらどうなんだい?』
イーにいた頃、兄に幾度となく言われた言葉が頭の中で何度も繰り返し流れる。
路地の壁にラグナルを押し付けると有無を言わせず上着の留め具を外していく。
「イーリス、何をっ。まっまて!」
ラグナルが何か言ってるか無視だ無視。
最後の留め具を外し終わると、今度はシャツをたくしあげた。
――この角度じゃ見えない。それにズボンが邪魔。
ラグナルの印は背中側の腰のあたりにあったのだ。
私はラグナルの前で膝をつくとベルトを外し一気にズボンを下ろし……かけたところで褐色の指にその手を阻まれた。
「ラグナル離して。すぐに済むから」
ちょっと背中を確認したいだけなのだ。
「馬鹿か! 時と場所を考えろ!」
上擦った声がしたかと思うと、手を引っ張り上あげるようにして立たされる。
目の前には、暗闇の中でもはっきりとわかる、真っ赤になったラグナル。
「イーリス……あんたさぁ」
「すげえな。イーリスさん。ダークエルフを襲う女、初めてみたぜ」
背後からかけられるノアとウォーレスの声。
そこでやっと自分が何をやらかしたのか理解した。
――や、やっちまった。
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