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体験入店
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車を降りると3人の男性がお店の前に立っていた。1人はこうきさん、もう1人は面接の際に案内してくれたおじさん、もう1人は初めて会う30代半ばくらいの男性だった。
こうきさんが車を駐車場まで停めに行ってくれた。
その間に、初めて会う男性に促され、事務所で私はお客さんに見せる自分のプロフィールを書くことになった。パネルと呼ばれるものだ。
まず、お店の人が設定したスリーサイズの数字を書いた。
80、54、78。
計ったことはないけれど、きっとどれも出鱈目だ。身長は正直に書くのは何となく良くないかなと思い、164cmと1cm高く鯖を読んだ。
そして、最後に一言メッセージを書いてほしいと言われた。
迷った私は「よろしくお願いします。でもいいですか?」と尋ねた。
すると初めて会う男性は「それだとちょっと固いから、よろしく♥️にしようか」と言った。
私は言われた通りパネルの紙に「よろしく♥️」と書いた。何だか気恥ずかしかった。
パネルの写真は事前にこうきさんに送ってほしいと言われ送った写真で、顔はハートマークのスタンプで完全に隠したものだった。
「ホームページって見た?」
初めて会う男性に聞かれた。
「あ、はい。エレンちゃんってもしかして私ですか?」
「うん。そうだよ。何か使いたい名前とかある?」
朝ホームページを見ていて、自分はエレンちゃんというお嬢様っぽいキャラではないだろうと思っていた。もし自分で考えた名前をつけられるなら、これがいいなというものがあった。
「えーと。なな。か……。ななみ。がいいなと思っていて」
「どっちにする?」
「じゃあ、ななみで」
迷ったが私は本名の名が2文字で、昔から3文字の名前に憧れがあったので「ななみ」を選んだ。
「じゃあ今日からこのお店では、ななみちゃんね」初めて会う男性はそう言った。
次に手渡されたのは制服だった。
ベージュのブレザーと紺色のスカートだ。
更衣室で確かめてみると、どちらもサイズはぴったりで、スカートは膝上20cmはあろうかという短さだった。学生時代でもそんな短さで履いたことがなかったので戸惑った。
靴はスリッパに履き替えた。
勇気を出して更衣室から出ると、駐車場から事務所に戻ってきたこうきさんがいて「似合うね」と一言言った。
そして初めて会う男性を紹介してくれた。
このお店、放課後クラブの店長とのことだった。
「店長のたかさきです。よろしくね」
「よろしくお願いします」
次に歯ブラシと紙コップを手渡された。
歯ブラシには「ななみ」の文字のシールが貼ってあった。
「上に行こうか」こうきさんは言った。
事務所を出て、階段を上りブースへ向かった。こうきさんについていく。
階段を上り終えると左手に、電気のついた人がギリギリすれ違える広さの部屋があった。入り口のカーテンを潜ると、洗濯機と洗面台と小さな冷蔵庫みたいなものが見えた。
「まずお客さんが入ったら歯磨きね」
「はい」
こうきさんは洗面台に並んだ歯磨き粉の中から、ひとつを私に手渡してくれた。
「これがお店用かな」
歯磨き粉には黒のマジックで「お店」と書かれていた。歯磨き粉の中には女の子の名前が書かれたものもあった。
何だか人に見られながら歯磨きをするのは緊張するなあ、と思いながら私は歯磨きをした。
こうきさんが車を駐車場まで停めに行ってくれた。
その間に、初めて会う男性に促され、事務所で私はお客さんに見せる自分のプロフィールを書くことになった。パネルと呼ばれるものだ。
まず、お店の人が設定したスリーサイズの数字を書いた。
80、54、78。
計ったことはないけれど、きっとどれも出鱈目だ。身長は正直に書くのは何となく良くないかなと思い、164cmと1cm高く鯖を読んだ。
そして、最後に一言メッセージを書いてほしいと言われた。
迷った私は「よろしくお願いします。でもいいですか?」と尋ねた。
すると初めて会う男性は「それだとちょっと固いから、よろしく♥️にしようか」と言った。
私は言われた通りパネルの紙に「よろしく♥️」と書いた。何だか気恥ずかしかった。
パネルの写真は事前にこうきさんに送ってほしいと言われ送った写真で、顔はハートマークのスタンプで完全に隠したものだった。
「ホームページって見た?」
初めて会う男性に聞かれた。
「あ、はい。エレンちゃんってもしかして私ですか?」
「うん。そうだよ。何か使いたい名前とかある?」
朝ホームページを見ていて、自分はエレンちゃんというお嬢様っぽいキャラではないだろうと思っていた。もし自分で考えた名前をつけられるなら、これがいいなというものがあった。
「えーと。なな。か……。ななみ。がいいなと思っていて」
「どっちにする?」
「じゃあ、ななみで」
迷ったが私は本名の名が2文字で、昔から3文字の名前に憧れがあったので「ななみ」を選んだ。
「じゃあ今日からこのお店では、ななみちゃんね」初めて会う男性はそう言った。
次に手渡されたのは制服だった。
ベージュのブレザーと紺色のスカートだ。
更衣室で確かめてみると、どちらもサイズはぴったりで、スカートは膝上20cmはあろうかという短さだった。学生時代でもそんな短さで履いたことがなかったので戸惑った。
靴はスリッパに履き替えた。
勇気を出して更衣室から出ると、駐車場から事務所に戻ってきたこうきさんがいて「似合うね」と一言言った。
そして初めて会う男性を紹介してくれた。
このお店、放課後クラブの店長とのことだった。
「店長のたかさきです。よろしくね」
「よろしくお願いします」
次に歯ブラシと紙コップを手渡された。
歯ブラシには「ななみ」の文字のシールが貼ってあった。
「上に行こうか」こうきさんは言った。
事務所を出て、階段を上りブースへ向かった。こうきさんについていく。
階段を上り終えると左手に、電気のついた人がギリギリすれ違える広さの部屋があった。入り口のカーテンを潜ると、洗濯機と洗面台と小さな冷蔵庫みたいなものが見えた。
「まずお客さんが入ったら歯磨きね」
「はい」
こうきさんは洗面台に並んだ歯磨き粉の中から、ひとつを私に手渡してくれた。
「これがお店用かな」
歯磨き粉には黒のマジックで「お店」と書かれていた。歯磨き粉の中には女の子の名前が書かれたものもあった。
何だか人に見られながら歯磨きをするのは緊張するなあ、と思いながら私は歯磨きをした。
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