上 下
7 / 10
第一章 変わり果てた日常

7 相棒

しおりを挟む
「……」

 俺は呆然としたまま、自分の隣にたつ女子に目を向ける。

「やるしかないわね」

 綾月キョウカは、自分に言い聞かせるようにいって、こちらを振り向く。
 艶やかな長い黒髪、初雪のように白く澄んだ肌、切れ長の涼しげな目、桜色の繊細な唇──。
 この学校で五本の指に入るといわれる美貌の持ち主とペアになれた俺は、かなり幸運だといえるだろう。
 ただ美しいだけでなく、性技のセンスも抜群のキョウカが相棒じゃなかったら、俺はとっくの昔に工場送りにされていたかもしれない。

「どうしたの? はやく出して。時間が惜しいわ」
「あ、うん」

 急かされて、俺はあわててズボンと下着をまとめて脱ぐ。
 キョウカにはもう何度も見られているし、触られているので、いまさら羞恥心などはない。
 先ほど、ユウカたちの激しすぎる行為を間近で見てしまったために、すでに俺自身は限界まで怒張し、先端からはだらだらと先走りが垂れてしまっている。

「すごい……」

 低く呟いたキョウカは、俺に一歩近づいて手を伸ばし、パンパンに腫れあがった俺の陰嚢にそっと指で触れた。
 たったそれだけで、

「ぁくっ……!」

 目の覚めるような快感の波が下半身を走り抜け、俺はたまらず喘いでしまう。

「ずっしりしてる。限界まで溜まってる感じ……。痛い?」
「う、うん……。正直、かなり……」

 先週の金曜日、授業中にペアの女子から長時間の寸止め地獄を味わわされた俺たち男子は、なんと、そのままおあずけ状態で週末を過ごすことをジリアナに命じられてしまったのだ。
 おかげで、もうザーメンが溜まりに溜まった陰嚢には常に痛みが走り、俺の精神は限界寸前まで消耗してしまっている。
 今なら、八十の婆さんが相手でもイけてしまう自信がある。絶対にお断りだが。

「すぐに、楽にしてあげる」

 いつもよりほんの少し優しい声でいったキョウカは、自分の机から黒い円筒形の容器を取り出した。
 それは、みんなが勝手に「搾精ボトル」と呼んでいるサキュバスから支給された魔法具で、そこに貯められた精液はあらゆる不純物を取り除かれた上で長期間新鮮な状態を保つことができるのだという。
 ボトルの口を開いたキョウカは、それを左手で持ち、右手で俺の熱い牡竿をそっと握った。

「はぁぅっ!」
「まだ握っただけなのに、そんなに気持ちいいの?」

 キョウカの冷静な問いに、俺は無言でコクコクとうなずく。
 
「もっと、よくしてあげる」

 少女がいつもの氷のような微笑みをみせて、絶妙な力加減でゆっくりと右手を動かしはじめると、

「くぁうああぁあっ!!!」

 俺はたまらず仰け反って、情けない叫び声をあげてしまった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

ねえ、私の本性を暴いてよ♡ オナニークラブで働く女子大生

花野りら
恋愛
オナニークラブとは、個室で男性客のオナニーを見てあげたり手コキする風俗店のひとつ。 女子大生がエッチなアルバイトをしているという背徳感! イケナイことをしている羞恥プレイからの過激なセックスシーンは必読♡

スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件

フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。 寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。 プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い? そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない! スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。

校長先生の話が長い、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。 学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。 とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。 寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ? なぜ女子だけが前列に集められるのか? そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。 新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。 あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。

幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。

スタジオ.T
青春
 幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。  そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。    ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。

13歳女子は男友達のためヌードモデルになる

矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。

就職面接の感ドコロ!?

フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。 学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。 その業務ストレスのせいだろうか。 ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。

処理中です...