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一日目
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「っ、誰!?」
驚いた男は、普段より半オクターブ高い声で言いつつ、片手で握っていたモノを慌ててパンツの中に戻した。
無言のまま、暗がりをすべるように近づいてきた黒い人影は、そのまま素早くベッドに上がって、男の腹に馬乗りになった。
「っ!?」
ショックで固まる男の口をさっと片手で塞ぎつつ、黒いワンピースの女は自分の唇に人差し指を当てる。
「静かにして。みんなが起きちゃうから……」
「……?」
男が曖昧に頷くと、女は切なげな顔をしてみせた。
「今夜は、すごくさびしくて……どうしてもひとりで眠れなくて……。だから、ここで一緒に寝てもいい? お返しに、すごく気持ちよくしてあげるから……」
言った女は、相手の返事を待たずに片手を後ろに回して、そのまま男のパンツの中に潜り込ませた。
「っ!?!?」
「あっ、もうこんなになってる……。もしかして、ひとりでシテたの?」
女は、甘い声で言いつつすぐに五本の指を動かして、あの世にも恐ろしい「責め苦」をはじめる。
自分でしごいていたせいですでに感度が高まっていたそれは、女の指が与える未知の刺激を何倍にも増幅させた。
「んっ!? んーっ! んんーっ!」
口を押さえられたままの男は、声にならない叫びを上げながら、女の股の下でビグンビグンッ、と何度も体の仰け反らせる。
「うふふ、自分でするより、ずうっといいでしょう?」
女が指を動かすスピードをあげると、男は涙を流しながらさらに激しく身をよじらせる。
「んんっ!! んんんーっっ!!! んんんんっっっ!!!!」
「すごぉい、馬みたい……」
微笑みながらいう女はしかし、やはり男をけして絶頂までには至らせず、延々と快楽の拷問を続ける。
「んんっっ!!! んんんんっっ! んんっんんっんんんんーっ!!」
「そんなに泣いちゃって、くるしいの? じゃあ、やめようか?」
「んんんんっ!!」
男はぶんぶんと首を振って、その必死の眼差しで体内で暴れ回る欲望の解放を懇願する。
「やめてほしくないの? じゃあ、続けるね……」
「んんんんんんんんんーーーっっっ!!!」
悶え苦しむ男をみて興奮した女の股からも、どくどくと愛液が溢れ出し、男の腹をべったりと濡らす。
その熱い液体が放つ刺激的な匂いを嗅いだ瞬間、男はいっそう興奮を高めると同時に、これまで経験したことのない恐怖を感じた。
(なんだ……? なにかが、おかしい……)
(このまま続けていたら、すごく恐ろしいことが起きるような気がする……)
(二度と戻れない、永遠の地獄に突き落とされてしまうような――)
その一瞬、恐怖がわずかに快感を上回り、涙で顔をぐしゃぐしゃにした男は、残り少なくなった意志の力を振り絞って、自分に馬乗りになった女を全力で押しのけた。
驚いた男は、普段より半オクターブ高い声で言いつつ、片手で握っていたモノを慌ててパンツの中に戻した。
無言のまま、暗がりをすべるように近づいてきた黒い人影は、そのまま素早くベッドに上がって、男の腹に馬乗りになった。
「っ!?」
ショックで固まる男の口をさっと片手で塞ぎつつ、黒いワンピースの女は自分の唇に人差し指を当てる。
「静かにして。みんなが起きちゃうから……」
「……?」
男が曖昧に頷くと、女は切なげな顔をしてみせた。
「今夜は、すごくさびしくて……どうしてもひとりで眠れなくて……。だから、ここで一緒に寝てもいい? お返しに、すごく気持ちよくしてあげるから……」
言った女は、相手の返事を待たずに片手を後ろに回して、そのまま男のパンツの中に潜り込ませた。
「っ!?!?」
「あっ、もうこんなになってる……。もしかして、ひとりでシテたの?」
女は、甘い声で言いつつすぐに五本の指を動かして、あの世にも恐ろしい「責め苦」をはじめる。
自分でしごいていたせいですでに感度が高まっていたそれは、女の指が与える未知の刺激を何倍にも増幅させた。
「んっ!? んーっ! んんーっ!」
口を押さえられたままの男は、声にならない叫びを上げながら、女の股の下でビグンビグンッ、と何度も体の仰け反らせる。
「うふふ、自分でするより、ずうっといいでしょう?」
女が指を動かすスピードをあげると、男は涙を流しながらさらに激しく身をよじらせる。
「んんっ!! んんんーっっ!!! んんんんっっっ!!!!」
「すごぉい、馬みたい……」
微笑みながらいう女はしかし、やはり男をけして絶頂までには至らせず、延々と快楽の拷問を続ける。
「んんっっ!!! んんんんっっ! んんっんんっんんんんーっ!!」
「そんなに泣いちゃって、くるしいの? じゃあ、やめようか?」
「んんんんっ!!」
男はぶんぶんと首を振って、その必死の眼差しで体内で暴れ回る欲望の解放を懇願する。
「やめてほしくないの? じゃあ、続けるね……」
「んんんんんんんんんーーーっっっ!!!」
悶え苦しむ男をみて興奮した女の股からも、どくどくと愛液が溢れ出し、男の腹をべったりと濡らす。
その熱い液体が放つ刺激的な匂いを嗅いだ瞬間、男はいっそう興奮を高めると同時に、これまで経験したことのない恐怖を感じた。
(なんだ……? なにかが、おかしい……)
(このまま続けていたら、すごく恐ろしいことが起きるような気がする……)
(二度と戻れない、永遠の地獄に突き落とされてしまうような――)
その一瞬、恐怖がわずかに快感を上回り、涙で顔をぐしゃぐしゃにした男は、残り少なくなった意志の力を振り絞って、自分に馬乗りになった女を全力で押しのけた。
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