後ろの少女だーれ

壱話引っ越し

晴れる日のか僕はこの村笹野丘村に引っ越してきた。
東京に住んでいたせいでこの村は殺風景のように見えコンビニもろくに無いまさに、タイムトラベラーをしたような感覚になった、平成から昭和の世界に戻されたのかようだった。
「こんなところまだ残っているんだな」
ふとそんな言葉をぼやきながら、親が運転している車に揺られ、家に向かった。
「これが新居かよ…..」
新居というには程遠い、昭和のトタン家だった。
「荷物運ぶから、手伝ってくれ」
「父さんの会社倒産でもしたのかよ…..」
「何を失礼な！立派な新居じゃないか！」
ごめんよ、俺にはそう見えないんだ。
新居に入ってのまず一言。
「ほぉ…」
この言葉で察してもらいたい。
荷物運びは意外に早く一時間辺りで終わった。
日も落ち時計を見たら四時を針は指していた。
下で親父が近所の老夫婦に挨拶をしてる声が聞こえた。
この村笹野丘村は限界集落要するに子供がいない状態が続いているらしい、学校も小中高と同じ校舎だそうだ。
１０代が２０人しかいないとかなんとか、村の人たちは東京から来た僕らのことを歓迎してくれた。
その晩町内会が僕らの為に歓迎会なるものを開催してくれた。
俺と親父は日が完全に落ち切った時刻六時に集会所に向かった。
家から見えなかったが街灯しかない舗装もされてない一本道にぽつりと電話ボックスが引き寄せるように目に入った。
微かに何かが聞こえる、囁かれてる感覚だ。
「父さん、何か言った？」
「何にも言ってないぞ」
いや、聞こえた声は、少女の声だった。
俺には聞こえた、この村から出ていけと。