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○月×日
使用人が王に言ってくれたらしい。
王はすぐに俺の所に来て、管理が行き届かずすまなかった。大事な時に辛かっただろうと謝ってきた。
俺もまさかそんな事されるとは思わなかったし、使用人が入れ替わるなんて思わない。首謀者さえ捕まえてくれれば問題ないと言っておいた。
でも、やはり気分が悪かったから、嫌がらせをしたやつにも謝罪させて欲しいとも言った。
こういうのはきっちり締めないと繰り返すからと告げたら、それは必ずと約束してくれた。
ただ、こっちが無理矢理聞き出すのではなく、向こうから言うように仕向けた方がいいとは言っておいた。こっちが悪者にされる場合があるからと。
使用人は、いくらなんでも身重の人間にする事じゃないと憤慨していた。俺よりも怒っていて怖かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
○月×日
王に言ってから嫌がらせは無くなった。
夜に部屋に来た王に聞いてみたら、これからは使用人や大臣達自ら俺に出される食事や贈り物をチェックする事にしたそうだ。
改めて調べてみると、やはり妊婦に悪い食事や栄養の偏った物を用意していたという。
体調がまた優れなかったのもそのせいだろうと。
そういう食事が出されるのは決まっていつもの使用人がいない時だった。
この部屋に入れる人間は決まっているから、あぶり出すのは早いかもと言っていた。
*
厨房の責任者を王の前に呼び出し、これらは誰の言い付けかと問いただすと、彼はこう言ったらしい。
婚約者…つまり、全て俺からの注文だ、と。
誰が伝えた、婚約者は体調を崩していて部屋から出ていないはずだと聞くと、使用人が伝えに来たのだという。
俺付きの使用人を呼んで、彼かと聞くと、違う、女だったと証言した。
婚約者からの伝言は必ず彼づてに伝えられる、女が行くはずはない。
それに婚約者は妊娠している、このような食事を求めるはずがないと告げると、料理人は絶句し、ようやく白状したらしい。
イシュラ様に頼まれたのだと。
彼に頼まれ、仕方なくやってしまったと。
なぜ彼の言う事を聞いたのかと聞けば、彼は王族で逆らえる訳がない。それに、どこの出身とも分からない人間より、王族の彼の方が相応しいと王に訴えたようだ。
無理矢理頼まれたにしては彼を庇っているような素振りを見せている料理人に、王も宰相も違和感を覚えた。
だから、宰相がカマをかけるつもりで言ってみたそうだ。
まさか、イシュラ様と関係を持っていませんよね?と。
すると料理人の顔がみるみるうちに青くなり、黙ってしまったという。
それは肯定したも同然だった。
*
いきなりの展開に驚いたが、なんでそんな話になるんだ?と聞いてみたら、使用人が王の代わりに教えてくれた。
イシュラ様と男の使用人がよく一緒にいると、使用人の間で噂になっていたんですと。
昔からそういう噂が絶えず、お妃候補になっていながら選ばれる事がなかったのはそういう理由もあるそうだ。
まあ、スキャンダルだらけの王妃って嫌だよな。
使用人は「きっと陛下に相手にされなくて魔が差したか、自分の駒になる人間を探していたんでしょう」と言っていたが、仮にも王の目が行き届く所でそんな事出来る神経が凄いと思った。
ーーーーーーーーーーーーーーー
○月×日
予想通り、料理人はクビになった。
クビになったけど牢に入れられたらしい。
下手したら俺は流産するはめになったし、もしかしたら命も危なかったかもしれない。それは立派な王族殺害未遂にあたると。
それにしても、まさかイシュラがそこまでするとは思わなかった。
妊娠を知っていてやっているなら本当にまずい。必ず誰かと一緒にいるようにしなければ。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
○月×日
王が散歩に誘ってくれた。公務が落ち着いたらしい。
調子も良くなっていたし、一緒に空中庭園に行った。
久しぶりに行った気がする。
少し歩くと庭師が二人で整備していた。
一人は以前散歩していた時に会った若い見習いだ。
二人は俺達に気づくなり頭を下げてきた。
王が構わない、頭を上げてくれと言うとありがとうございますとお礼を言ってきた。そして、王は俺を紹介した。
見習いは俺を見るなり驚いていた。使用人だと思っていたらしい。あのときは馴れ馴れしく話してしまいましたと恐縮していた。気にしてないと言ったら感動された。
何の事だと王が聞いてきたので、初めて会った日の事を話したら笑っていた。
二人は俺達を見ながら微笑んでいた。
使用人が少し離れた場所に控えていると言ったので、王と二人で城下町の見える場所から景色を眺めた。
また行きたいなあと呟いたら、子どもが生まれて落ち着いたら行こうと言ってくれた。この国は他にも素晴らしい所が沢山あるんだと。
難しいとは思うけど、そう言ってくれるだけで嬉しかった。
思わず王に寄り添ってしまったら、王も腰に手を回してきた。
そして、この庭園はお前をイメージして作られていると言ってきた。
そういえば見習いが婚約者をイメージしてとか言ってた気がする。でもあのときは婚約してなかったし、王が嫌だった。
もしかして、かなり前から俺と結婚する気満々だったのか?と冗談で聞いてみたら、真剣な顔で「ああ」と言われた。
初めて会った時に一目惚れして、言葉を交わした時に番だと気づき、それからずっと結婚を意識していたそうだ。
全然気づかなかった。
鈍くてごめんなとまた言ってしまったら、今が幸せだから構わないと言われた。
王ってけっこうストレートに言うんだなと最近よく思う。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
○月×日
やはりイシュラは認めないらしい。
料理人の事など知らない、彼の狂言だと言い張っているそうだ。
彼の親が問い詰めても駄目らしい。
往生際が悪いと言うかなんと言うか。
彼の親は責任を取って自分が償うと言ってくれたが、本人が認めないなら同じ事の繰り返しだと王が言ったら肩を落としていたそうだ。
イシュラ本人と彼の使用人は外に出られないように監視付きで拘束されているらしいが、まだ王と結婚する気でいるらしく、自分はやってない、あいつがはめたんだと俺への暴言をひたすら口にしているらしい。
どんな人間でも、こんな事をした人物を王妃になんてしないと思うが、彼は分からないのだろうか。
彼らは俺への接触禁止を言い渡したらしいが、念のために絶対に一人になるなと言われた。
それはもちろん分かってる。
彼が罪を認めるにはどうすればいいのか。
もう決定的な何かがないと駄目な気がする。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
○月×日
嫌がらせは何も無くなった。
心も落ち着いている。
明日は城の一部を開放して祭りが開かれるらしい。年に二回ほど、二日間かけて開催されるらしく、一般人も入れるそうだ。
屋台などもあるようで、祭りの様子を見てみたいと言ったら遠目からならと言われてしまった。
やっぱこの身体じゃ駄目だよな。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
○月×日
祭り一日目。
城の入口付近を開放し、賑やかに開催されていた。
婚約が決まってから初めてというだけあって、いつもより人の出入りが激しいようだ。
城の厨房からいくつか屋台が出ていて美味しそうだった。今は食べられないけど、赤ちゃんが生まれたら作ってもらおうかなあ。
何かあったらまずいからと、指定された場所は祭りの場所からほど遠かった。
寂しい。
他にも色々な出し物があったらしく、使用人達も休憩時間や暇を見つけて覗きに行っていた。
劇とか見たかったなあ。
明日も何か見れるといいな。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
***
日記の主と王は順調に愛を育んでいるようだ。
本人はまだ、どれだけ王に愛されているのか自覚がないようだが、読んでいて微笑ましい。
イシュラという男も徐々にボロが出ているようだ。解決すればいいのだけれど。
「あれ?」
だが、次のページをめくった時に気づいた。
日記の日付が祭りの日から三ヶ月ばかり空いているのだ。
頻繁に日記をつけている人物にしては珍しい。
まさか、日記をつけられない何かがあったのか?
日記の主の無事を祈りながら、私はさらに読み進めていった。
使用人が王に言ってくれたらしい。
王はすぐに俺の所に来て、管理が行き届かずすまなかった。大事な時に辛かっただろうと謝ってきた。
俺もまさかそんな事されるとは思わなかったし、使用人が入れ替わるなんて思わない。首謀者さえ捕まえてくれれば問題ないと言っておいた。
でも、やはり気分が悪かったから、嫌がらせをしたやつにも謝罪させて欲しいとも言った。
こういうのはきっちり締めないと繰り返すからと告げたら、それは必ずと約束してくれた。
ただ、こっちが無理矢理聞き出すのではなく、向こうから言うように仕向けた方がいいとは言っておいた。こっちが悪者にされる場合があるからと。
使用人は、いくらなんでも身重の人間にする事じゃないと憤慨していた。俺よりも怒っていて怖かった。
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○月×日
王に言ってから嫌がらせは無くなった。
夜に部屋に来た王に聞いてみたら、これからは使用人や大臣達自ら俺に出される食事や贈り物をチェックする事にしたそうだ。
改めて調べてみると、やはり妊婦に悪い食事や栄養の偏った物を用意していたという。
体調がまた優れなかったのもそのせいだろうと。
そういう食事が出されるのは決まっていつもの使用人がいない時だった。
この部屋に入れる人間は決まっているから、あぶり出すのは早いかもと言っていた。
*
厨房の責任者を王の前に呼び出し、これらは誰の言い付けかと問いただすと、彼はこう言ったらしい。
婚約者…つまり、全て俺からの注文だ、と。
誰が伝えた、婚約者は体調を崩していて部屋から出ていないはずだと聞くと、使用人が伝えに来たのだという。
俺付きの使用人を呼んで、彼かと聞くと、違う、女だったと証言した。
婚約者からの伝言は必ず彼づてに伝えられる、女が行くはずはない。
それに婚約者は妊娠している、このような食事を求めるはずがないと告げると、料理人は絶句し、ようやく白状したらしい。
イシュラ様に頼まれたのだと。
彼に頼まれ、仕方なくやってしまったと。
なぜ彼の言う事を聞いたのかと聞けば、彼は王族で逆らえる訳がない。それに、どこの出身とも分からない人間より、王族の彼の方が相応しいと王に訴えたようだ。
無理矢理頼まれたにしては彼を庇っているような素振りを見せている料理人に、王も宰相も違和感を覚えた。
だから、宰相がカマをかけるつもりで言ってみたそうだ。
まさか、イシュラ様と関係を持っていませんよね?と。
すると料理人の顔がみるみるうちに青くなり、黙ってしまったという。
それは肯定したも同然だった。
*
いきなりの展開に驚いたが、なんでそんな話になるんだ?と聞いてみたら、使用人が王の代わりに教えてくれた。
イシュラ様と男の使用人がよく一緒にいると、使用人の間で噂になっていたんですと。
昔からそういう噂が絶えず、お妃候補になっていながら選ばれる事がなかったのはそういう理由もあるそうだ。
まあ、スキャンダルだらけの王妃って嫌だよな。
使用人は「きっと陛下に相手にされなくて魔が差したか、自分の駒になる人間を探していたんでしょう」と言っていたが、仮にも王の目が行き届く所でそんな事出来る神経が凄いと思った。
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○月×日
予想通り、料理人はクビになった。
クビになったけど牢に入れられたらしい。
下手したら俺は流産するはめになったし、もしかしたら命も危なかったかもしれない。それは立派な王族殺害未遂にあたると。
それにしても、まさかイシュラがそこまでするとは思わなかった。
妊娠を知っていてやっているなら本当にまずい。必ず誰かと一緒にいるようにしなければ。
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王が散歩に誘ってくれた。公務が落ち着いたらしい。
調子も良くなっていたし、一緒に空中庭園に行った。
久しぶりに行った気がする。
少し歩くと庭師が二人で整備していた。
一人は以前散歩していた時に会った若い見習いだ。
二人は俺達に気づくなり頭を下げてきた。
王が構わない、頭を上げてくれと言うとありがとうございますとお礼を言ってきた。そして、王は俺を紹介した。
見習いは俺を見るなり驚いていた。使用人だと思っていたらしい。あのときは馴れ馴れしく話してしまいましたと恐縮していた。気にしてないと言ったら感動された。
何の事だと王が聞いてきたので、初めて会った日の事を話したら笑っていた。
二人は俺達を見ながら微笑んでいた。
使用人が少し離れた場所に控えていると言ったので、王と二人で城下町の見える場所から景色を眺めた。
また行きたいなあと呟いたら、子どもが生まれて落ち着いたら行こうと言ってくれた。この国は他にも素晴らしい所が沢山あるんだと。
難しいとは思うけど、そう言ってくれるだけで嬉しかった。
思わず王に寄り添ってしまったら、王も腰に手を回してきた。
そして、この庭園はお前をイメージして作られていると言ってきた。
そういえば見習いが婚約者をイメージしてとか言ってた気がする。でもあのときは婚約してなかったし、王が嫌だった。
もしかして、かなり前から俺と結婚する気満々だったのか?と冗談で聞いてみたら、真剣な顔で「ああ」と言われた。
初めて会った時に一目惚れして、言葉を交わした時に番だと気づき、それからずっと結婚を意識していたそうだ。
全然気づかなかった。
鈍くてごめんなとまた言ってしまったら、今が幸せだから構わないと言われた。
王ってけっこうストレートに言うんだなと最近よく思う。
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やはりイシュラは認めないらしい。
料理人の事など知らない、彼の狂言だと言い張っているそうだ。
彼の親が問い詰めても駄目らしい。
往生際が悪いと言うかなんと言うか。
彼の親は責任を取って自分が償うと言ってくれたが、本人が認めないなら同じ事の繰り返しだと王が言ったら肩を落としていたそうだ。
イシュラ本人と彼の使用人は外に出られないように監視付きで拘束されているらしいが、まだ王と結婚する気でいるらしく、自分はやってない、あいつがはめたんだと俺への暴言をひたすら口にしているらしい。
どんな人間でも、こんな事をした人物を王妃になんてしないと思うが、彼は分からないのだろうか。
彼らは俺への接触禁止を言い渡したらしいが、念のために絶対に一人になるなと言われた。
それはもちろん分かってる。
彼が罪を認めるにはどうすればいいのか。
もう決定的な何かがないと駄目な気がする。
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嫌がらせは何も無くなった。
心も落ち着いている。
明日は城の一部を開放して祭りが開かれるらしい。年に二回ほど、二日間かけて開催されるらしく、一般人も入れるそうだ。
屋台などもあるようで、祭りの様子を見てみたいと言ったら遠目からならと言われてしまった。
やっぱこの身体じゃ駄目だよな。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
○月×日
祭り一日目。
城の入口付近を開放し、賑やかに開催されていた。
婚約が決まってから初めてというだけあって、いつもより人の出入りが激しいようだ。
城の厨房からいくつか屋台が出ていて美味しそうだった。今は食べられないけど、赤ちゃんが生まれたら作ってもらおうかなあ。
何かあったらまずいからと、指定された場所は祭りの場所からほど遠かった。
寂しい。
他にも色々な出し物があったらしく、使用人達も休憩時間や暇を見つけて覗きに行っていた。
劇とか見たかったなあ。
明日も何か見れるといいな。
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日記の主と王は順調に愛を育んでいるようだ。
本人はまだ、どれだけ王に愛されているのか自覚がないようだが、読んでいて微笑ましい。
イシュラという男も徐々にボロが出ているようだ。解決すればいいのだけれど。
「あれ?」
だが、次のページをめくった時に気づいた。
日記の日付が祭りの日から三ヶ月ばかり空いているのだ。
頻繁に日記をつけている人物にしては珍しい。
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