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デザートのお味 番外編

番外編ミックスジュースのお味は? 後半

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ガク(宮本)視点

「おはようございます・・。すみません、自己管理なってなくて。」
出すもん出して、ようやく吐き気の止まった俺は、本日フレックスで出社し、冴木課長に謝罪する。
社会人としての意識が・・とかお叱りを受ける事間違いなし。
そう思っていると、
「その件は安藤課長から聞いてる。まあ・・気をつけろ。」
お前はそれでも社会人か!ぐらいの叱責を受けると思いきや思いきや、思いのほか緩い注意に直角90度まで下げていた頭をそろりと上げてみた。
「今日は二人分働け。山城が使いもんになんねえから。」
首を傾げ困った様にため息を吐く冴木課長。
・・なんか悩ましげっすね。
課長の整い過ぎて冷たささえ感じる麗しい顔を悩ましげに歪めさせるなんて・・
山城さん、二次災害が起こりますよ。特に肉食女子に。
そう思い山城さんに非難の目を向けると・・

あ・・。
黙想スタイル・・。

「了解です。なんとなく分かりました。朝は普通だったのに社内でなんかあったんですか?」
「・・まあ、色々あったんだ。その辺はまた後で。とりあえず・・働け。」

その日、本当に山城さんはポンコツで。
俺なんかに契約書のミスを指摘されたり、コピー機詰まらせたり、コーヒーこぼしたり・・
結局、いい加減見るに見かねた美魔女谷口さんが喝を入れたところで、通常の半分ぐらいまで持ち直し、終業時間になると冴木課長に連れていかれていた。

で、俺は今安藤課長と加藤さんと三人で残業中というわけで・・。

「ほんと山城くんダメダメだったわね。まあ、原因作っちゃった私が言うのもなんだけどさ。」と安藤課長。
「朝、俺が一緒に行ってたら、誤解されなかったんじゃないかと思うと、なんだか申し訳ないっすね。」
「山城さん、その子の事すごく好きなんですね。誤解されたって言ってもあんなになるなんて。」と加藤さん。
山城さんの話をしつつ、微妙なメンツでもどうにか仕事をこなせていることにほっとする。
安藤課長が冴木課長となんかあったとしても過去の事だと思うけど・・
今カノと元カノ?の間にいると精神衛生上厳しい。
「そうね、どんだけ溺愛してんのかって感じ。これが片思いだったら・・。」
天井を遠い目で見つめる安藤課長。
三人の頭に年下女子に振られ撃沈した山城さんが浮かぶ。
「・・黙想スタイルの進化系って?」と真面目な顔で加藤さんがポツリと呟く。
「二課の終わりっす。」とうなだれる俺。
そんな絶望的な空気の中、安藤課長が呟いた。

「・・羨ましいなぁ。」

「「えっ・・」」
思わず加藤さんとハモった。

「ああ、ごめんね。エース(山城)が戦力外なんて非常事態なんだけどさ、あの山城くんが我を忘れてダメダメになっちゃうぐらい惚れるって、正直羨ましいと思っちゃった。」
うふふと笑う安藤課長。
「安藤課長ならいくらでも選び放題じゃないっすか。」
思わず・・思わず口に出したところで、自分の失言に気がついた。
加藤さんがどんな顔してるかめっちゃ気になるけど、なんか見ちゃいけない気がする。
「そうかしら?」
にっこり笑顔の安藤課長に内心ほっと安心する。
話題を変えようと思ったところで・・

「加藤さんも溺愛されてるわよね。重いぐらい。」
キター!
怖いっ!その質問・・。
それって、今はあなたが愛されてるんでしょうが、昔は私が愛されてたのよ?的な?
いやそれとも、
あの全てにおいて完璧なクールビューティだった冴木課長が、加藤さんに入れ込んだから残念キャラになっちゃったわ的な?
まずい!
非常にまずい!
こんな時、いつもの山城さんがいてくれたらっ!
ここには、今カノ加藤さんと元カノ?安藤課長の一騎打ち。
間に・・俺。
お、お、俺に何が出来るんだぁぁっ!
全身に嫌な汗が噴き出した。
が・・、
「はい。ものすっごい溺愛されてます。」
あの加藤さんが顔を真っ赤にさせて挑むように安藤課長に言い放った。
加藤さん・・。
「なので、ユウマさんは私のモノです。」
と畳み掛ける加藤さんは恥ずかしいっていうのが前面に出ていて・・、
「「たまんない」」
つい口から出た言葉は、まさかの今日二回目のハモリ。
驚いて安藤課長を見ると、ぐふぐふとにやけるせっかくの美貌が崩れ残念な感じになっていた。
「ほんとっ!可愛い!冴木課長にはもったいないぐらい!」
そう言った安藤課長は、
「泣かされたら、いつでもいらっしゃい。」と悩ましげに囁いた。
思わずズキュンっ!と・・。
お、俺には美樹さんというエロ美神が!そう思っていると、
「これだから、綺麗な人はっ!!」と加藤さんが悶えてた。
うん、すげー分かるその気持ち。。

そうして残業を終えた俺は美樹さんのカフェへと向かった。
いやだってほら、もう限界。
美樹さんが圧倒的に足りない。
なんか今日は俺にしては珍しく精神的に疲れた。
ちらっと顔を見るだけでも美樹さんチャージをしないと、心と身体のゲージが0になってしまう。
美樹さんの異動で距離が離れてしまって、何の理由なく会社から山手線6駅分離れた美樹さんのカフェまでの距離をランチの為に行くのははばかれた。
あっちも仕事してるし、副店長だし、顔が見たかったなんて彼氏が頻繁に来たら迷惑だって分かるから。
分かってるけど・・

会いたい。

また来たのってちょっと呆れたように微笑んで欲しい。
そう思うのは俺だけなのか?
あれからおやすみ、とかおはようとかぐらいしかラインもしてない。
忙しいって言ってるのに、会いたいとうだうだしたら捨てられそうだし。

そしてカフェに着いた時、俺は・・

自分の存在の意味を思い知らされた。


美樹視点

それは呑気にもお風呂から出て冷たいハーブティでも飲もうかなんて思ってる時だった。
ピンポン、ピンポン、ピンポン!
夜の10時近くにインターフォンの連打。
ちょっとした殺意がわくのは当たり前でしょ。一体こんな時間になんだよとドアの覗き穴を覗くと、俯いたガクの姿。
え?ちょっとどうした。何事?
ドアの鍵を開けると、ものすごい力でドアが開かれ、身体がバランスを崩す。
あっ、こける!そう思った瞬間、力任せに抱きしめられた。
「!?ど、どうしたの?くるし・・、ちょっと、離して。」
「やだ。」
話がしたくて言ってるのに、なんだ「やだ」って!
「もう、訳わかんないよ。とりあえず、部屋にっ・・うわっ。」
ぐんっと自分の視線の高さが上がる。
ガクに腰を持ち上げられ、バランスをとろうとガクの肩を焦って掴んだ。
ズンズンと部屋に入っていくガクはいつものキラキラワンコじゃない・・。
「ガク?」
呼んでもこちらを見ようともしない。
不安にかられたとき、ふわっとベッドに押し倒され、ガクに見下ろされる私。
「なんで・・そんな顔してんの?」
見上げたガクは辛そうな顔。
「俺って美樹さんの何?」
何って・・。
「答えてよ!」
眉毛をしならせたガクは今にも泣きそうで・・。
「ガクは・・私の大事な人・・。」
なんだ、すごい恥ずかしいんですけど。
これっていちいち言わなきゃなんないの?
「っ!じゃあ!なんで、連絡してくれなかったんですかっ!」
怒るガクにようやく合点がいった。
「俺、そんなに頼りないですかっ!?」
「頼りないって思ったわけじゃない。うつしたら悪いなって思って・・。」
ガクはカフェに行って、私がインフルエンザで休んでるのを聞いたんだ。
「俺は、美樹さんに甘えて欲しいよっ!」
私に覆いかぶさるようにぎゅっと私を囲い込むガクの熱い吐息が首筋にかかる。
甘えて欲しいって・・これじゃどっちが甘えてるんだか・・。
自分の顔が緩むのが分かった。
覆いかぶさるガクの頭にスリスリとほほを寄せ、ガクの頭を両手でよしよしする。
「ごめんね?」
自分でもびっくりするぐらいの甘い声でガクに囁く。
「・・謝って欲しいんじゃないよ。」
すっかりスネモードなガク。
うーん。どうしたものか・・。
ガクは私に甘えて欲しいのは分かるけど、それって私にはハードル高いんだけど。

「こんな可愛くて、美味しいご飯作れて、とんでもなくエロくて・・、
こんなめんどくさい俺を抱きしめてくれる美樹さんを誰にも取られたくないんだ。」
「ちょっと・・。」やめてほしい。
かあっと顔が熱を持った。
ストレートすぎて恥ずかしいんだけど。
・・でも嫌じゃない。
私を包み込むガクの体温も。
甘えてよっ!って拗ねるガクも。
私を取られたくないって不安になるガクも。
私をいつでも優しい気持ちにしてくれる。

「私・・幸せだよ。ガクと出会えて。」
ガクの大きな背中をぎゅっと抱きしめる。
「だから・・。」
なんて言ったらいいんだろう。
優しい気持ちと幸せな気持ちなのに、どこか泣きそうになる気持ち。
いろんな気持ちがミックスされて、言葉にならない。
言葉につまっていると、ガクが私の首元から顔を上げた。
何か言おうと口を開くと、ガブッと深いキスをされた。
私のこめかみに手を差し入れ、頭を抱えるようにキスをする。
ガクの熱い舌が口の中で優しくゆっくりと労わるように動く。

大好きだよ

ガクの気持ちが流れ込んでくる。
胸がじいんとあったかくなる。
深いキスの合間にガクの唇がそっと離れた瞬間・・。

「結婚しよ。」
そう言った自分にびっくりした。
相手はキラキラワンコ。
まだ25才。結婚なんて重いはず。
まずった!
身体がざっと冷えるような感覚。
「ダメだよ。」
上から降ってきたのは、ガクの固い声。
・・ですよね。
何を一人で盛り上がっちゃって・・。
つい視線を下げた私をガクがぎゅっと抱きしめ、べっどの上をグルンと回る。
今度は私がガクを見下ろすような体制。
「発言には責任持って。」
キラキラワンコの尻尾がバタバタ振られている気がした。
その嬉しそうな顔を見てると、もう・・手放せそうにない。
「じゃあ・・甘く・・優しく抱いて?」
少しだけ自分に正直になってみる。
「・・やっばい。。」
困ったように笑うガクの下半身は正直者。
その触れ合う熱でさえ、愛おしいと思う。

その日のガクは、やっぱり我慢が出来なくて。
でもその日の私は・・。

下半身は腰を突き出すようにガクの両手で固定され、上半身は快感に崩れるようにシーツにしがみついている。
後ろからガクの固くて長いのが私を深く突き刺して、張り出した部分が中をゴリゴリと擦り上げる。
深い抽送は何度も何度も繰り返される。
「はぁっ、っ、くっ、、、。」
ガクのたまらないといったうわずった声。
ベッドがギシギシと軋む。
「んっ、ふっ、ああっん・・。」
あまりの気持ちよさに喘ぎは止まらず、口を閉じられない。
「美樹さん・・ぐちゅぐちゅ・・やらしいね。」
抽送を小刻みにさせたガクが、上から私に覆いかぶさり私の口の端から垂れる唾液をべろりと舐める。
そして、ぐちゅぐちゅと泡立つ部分をグリグリ押しつぶす。
「ひゃっあっ!またイッちゃうっ・・。」
快感に流された私は涙でぐちゃぐちゃな顔を左右にブルブル振る。
「っんとにっ!かわいすぎっ!」
後ろから抱えられるようにして、力の入らない両膝を開いたままガクのあぐらの上に乗り上げ、
ガクの左手は胸は強く揉みしごき、ガクの指がぐにゃぐにゃと私の胸の形を変える。
そして、右手は私の身体を支えるように抱きしめながら、上下に揺する。
私は奥に感じるガクをぎゅっと捕まえる。
「くっ!!」
ゴム越しに放たれるガクの熱さ。
小刻みに打ち付け一層固くなったエラがゴリゴリ最奥をこじ開けようとし、ビュルビュル出てるのを感じる。
優しくなんて・・ほど遠い。
汗と涙と唾液と・・その他諸々で理性を飛ばして熱を分け合う。
奥が、脚が、ぶるぶると痙攣する。
気が遠くなりそうな快感。
でも今日はその快感に立ち向かうのではなく安心して身を委ねた。

大好きだから。
私の全部を食べて。
そう伝わるように。

「すげー・・。」

まだ繋がったまま、後ろからぎゅっと優しく抱きしめるガク。

ああ、この感じ。

言葉よりも伝わるこの想い。

ふわっと力を抜いて体重を後ろにかけると、
「あ、大丈夫?美樹さん。」
ツヤツヤ顔のキラキラワンコは言った。
「お世話して。」
ぐったりな私。
体力差は否めない。
「喜んで!!!」
見えない尻尾を振り回しいそいそとお風呂へ私を運ぶ、私だけのキラキラワンコ。
・・嬉しそうなら、まあいいか。
節々に痛みを感じながらもそう思ってしまう私はきっと、甘い飼い主。









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