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初恋は香りとともに
運命 前半
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華視点
12月23日土曜日 15:50
某駅改札口を出てすぐのクリスマスムード一色のお店達を見つつ、駅敷地内の柱にもたれかかり物憂げに腕組みするイケメンを前方に確認。
やばい、課長殿、、目立ってます。
どうも、駅改札を出る前に、課長を見つけてしまった私です。
イケメン課長殿は私服姿も麗しかった。
グレーの襟が立ち上がったタイプの細身コートを前を開け、中に着ている濃い色のデニムのテーラードジャケットがチラッと見え、ジャケット下は薄手のVネックのグレーのニット。細身のキレイめ白パンは長い足をさらに素敵に見せています。足元はちょっと黒みがかったエンジ色の皮製スニーカー。
オシャレさんですっ!写真取られちゃいそうですよ!
やだー、あの隣に行くの?私。。。なんか遠巻きにチラチラと女子が見てますよ。。これは声をかけるのにも勇気がいる。
改札3メートルまえで止まった私は、多分通行人の邪魔です。
ちょっと、人にぶつかりそうになったところで、正気に戻り、時計を見れば16時5分前。待ち合わせが16時なので時間が迫っている。
もう、これは行くしかない。。。
「か、課長、お待たせしまして、、」
なんだか既に泣きそうです。
私のささやきボイスな声がけに顔をあげたイケメン課長様、一瞬停止後ひどく甘い笑顔で
「華、、すごくかわいい。」
と、ささやきボイスで聞き間違いなければおっしゃいました。
ひえぇぇぇっー。
恥ずかしくて、顔から湯気が出そうです。
そんな課長にまたもや背中に軽く手を添わされ、水族館へエスコートされました。
こ、これはやはりデート?イケメンは経験値高すぎてわからんっ!
そんな私の心の中を知らぬ課長様は駅から歩いてすぐのクリスマスイルミネーションでこれでもか!ってぐらいキラキラした水族館に着くと、スマートにすでに用意されたチケットで入場口に入っていく。
さすが、手慣れておりますね。。。
そのスマートさ、素敵ですがなんとなく胸の内をもやっとさせるのは何故か。。
仕方ないよ!相手はイケメン様。
経験豊富でいらっしゃる。よく分からないが自分を説得する。
でも、もしかして来たことあるのかな?私が水族館行きたいって言ったから。。。
「課長、もしかしてここ来た事ありました?つき合わせちゃってすみません。」
ここの水族館、イルカのショーと光の映像を合わせたショーがすごいらしく、インスタ映えすると人気らしい。
病み上がりの課長に遠出は無理だし、プラネタリウムはなんか暗闇で隣ってちょっと緊張する、、映画は好みもあるし、、そんなこんなでの妥協案。
そしてそれは王道デートコース。。。狙ってないよ、決して。
ここを指定したのは課長だし。
「学生の時一回来たことあったんだ。すごい前だよ。だいぶ変わってる。こないだ山城が行ったらしくてオススメされたんだ。」
甘やかな課長の言葉に、私はここにはいない冷静沈着男子がこんなキラキラしたところに来たのを想像して、違和感を覚えた。
「え?山城さん?なんかイメージちがいますね?こういうとこ好きなんだ。」
ほう、やはり人は見た目とは違うなぁなんて思っていると、
「なんか連れて行けって、ねだられてって言ってたよ。くく、あやしいよな。相手、学生っぽかったんだけど、ちょっと突っ込んで聞いたらあの山城がしどろもどろしちゃってさ。高校生ではないって言ってたから大学生だと思うけど。あ、これ内緒ね。」
へぇぇぇ!なんと、あの山城さん、年下彼女がいるんですね。
幾つ違い?5、6こ?あのいつも冷静な山城さんが年下女子を甘やかしているのだろうか。。
それは、ちょっと見てみたい。
にやりと笑っていると、
「年が7個離れてるとおじさんみたいかな?」
課長が言う。
ん?おじさん?山城さんが?だとしたら私もおばさんですね。
「俺と、華は7個違いだろ?」
あ!課長と私ね。
「課長がおじさんなわけないじゃないですか。そんなにオシャレでかっこいいのに。」
なんとなく何言ってんだこいつと上目遣いで不服そうに言うと、
「、、ありがとう。」
なんだか気恥ずかしげな課長。いやいや、あなた聞き慣れてますよね、このセリフ。
「そうだ、さっきから思ったんだけど、休日に課長はないだろ。名前で呼んでくれ。」
でた!またおねだり&甘い笑み
「、、じゃあ、冴木さんで!」
ここは譲れないでしょ。
「華。俺の名前はユウマ。」
ぎゃっ!耳元で甘い声を出すのはヤメロ。心臓が時を止めてしまう危険性が。
「、、今日だけ!今日だけですユウマさん。」
「、、破壊力っぱない。」
課長が顔を背け言った言葉はざわつく水族館では聞こえなかった。
クリスマス近くという今日はすごい人出。どこに行っても混んでるから夕方水族館行ったら、どこかで飲みながらご飯を食べようかと決めていたが、想像以上の混雑だ。
水族館は天井からライトがキラキラと当たり、水槽の魚達を幻想的に見せている。クラゲもライトが当たると、半透明な体はとても綺麗なんだと気付かされる。まあ、毒持ってんだろうけど。。怖い怖い。
でも、ゆらゆらと泳ぐその姿はなんだか癒される。こんな混んでない時に来たかったなあ。。なんて思っていたら
「今度はもっと空いてる時に来ようか。」
課長がクラゲを見ながら言う。
今度?今度ってネクスト?ネクストあるんですか?
「そ、そうですね?」
あれか、私を誘ったわけじゃなく、単に再来店したいな的なやつ?
「良かった。」
嬉しそうに笑うか、課長じゃなくてユウマさん。乙女の破壊兵器です。
順路通りに行くとライトでまばゆいバーがあった。すごい。水族館にバー。今時はこんな感じなんだ。お酒を片手にお魚鑑賞か、洒落てんなー。
決して居酒屋の水槽であの魚焼いてくれる?的な雰囲気ではないよ。魚は美味しそうだけど。
でも、今日はイルカショーメインなので、通り過ぎショースタジオへすぐに入る。
360℃のショースタジオ。どこに座ってもイルカ君達のショーを観れる。
どんどんと人が入り、前の方は水かかってもいい、違うな、水かけて欲しい人達がぎゅうぎゅうに詰めて座っている。私と、か、、もう課長でいいよね。は濡れたくないので後方の一番後ろからゆったり観ます。入り口近くでビールを買い、お酒片手にイルカ君達の華麗なショーと迫力の3Dマッピング。
超楽しいよ!もうデート?なんてどうだっていいいよね。
迫力のショーに私は釘付けで、この後何が起こるか想像できていなかった。
神さまって、今日はみんなに優しいんじゃないの?
それはサンタか?
12月23日土曜日 15:50
某駅改札口を出てすぐのクリスマスムード一色のお店達を見つつ、駅敷地内の柱にもたれかかり物憂げに腕組みするイケメンを前方に確認。
やばい、課長殿、、目立ってます。
どうも、駅改札を出る前に、課長を見つけてしまった私です。
イケメン課長殿は私服姿も麗しかった。
グレーの襟が立ち上がったタイプの細身コートを前を開け、中に着ている濃い色のデニムのテーラードジャケットがチラッと見え、ジャケット下は薄手のVネックのグレーのニット。細身のキレイめ白パンは長い足をさらに素敵に見せています。足元はちょっと黒みがかったエンジ色の皮製スニーカー。
オシャレさんですっ!写真取られちゃいそうですよ!
やだー、あの隣に行くの?私。。。なんか遠巻きにチラチラと女子が見てますよ。。これは声をかけるのにも勇気がいる。
改札3メートルまえで止まった私は、多分通行人の邪魔です。
ちょっと、人にぶつかりそうになったところで、正気に戻り、時計を見れば16時5分前。待ち合わせが16時なので時間が迫っている。
もう、これは行くしかない。。。
「か、課長、お待たせしまして、、」
なんだか既に泣きそうです。
私のささやきボイスな声がけに顔をあげたイケメン課長様、一瞬停止後ひどく甘い笑顔で
「華、、すごくかわいい。」
と、ささやきボイスで聞き間違いなければおっしゃいました。
ひえぇぇぇっー。
恥ずかしくて、顔から湯気が出そうです。
そんな課長にまたもや背中に軽く手を添わされ、水族館へエスコートされました。
こ、これはやはりデート?イケメンは経験値高すぎてわからんっ!
そんな私の心の中を知らぬ課長様は駅から歩いてすぐのクリスマスイルミネーションでこれでもか!ってぐらいキラキラした水族館に着くと、スマートにすでに用意されたチケットで入場口に入っていく。
さすが、手慣れておりますね。。。
そのスマートさ、素敵ですがなんとなく胸の内をもやっとさせるのは何故か。。
仕方ないよ!相手はイケメン様。
経験豊富でいらっしゃる。よく分からないが自分を説得する。
でも、もしかして来たことあるのかな?私が水族館行きたいって言ったから。。。
「課長、もしかしてここ来た事ありました?つき合わせちゃってすみません。」
ここの水族館、イルカのショーと光の映像を合わせたショーがすごいらしく、インスタ映えすると人気らしい。
病み上がりの課長に遠出は無理だし、プラネタリウムはなんか暗闇で隣ってちょっと緊張する、、映画は好みもあるし、、そんなこんなでの妥協案。
そしてそれは王道デートコース。。。狙ってないよ、決して。
ここを指定したのは課長だし。
「学生の時一回来たことあったんだ。すごい前だよ。だいぶ変わってる。こないだ山城が行ったらしくてオススメされたんだ。」
甘やかな課長の言葉に、私はここにはいない冷静沈着男子がこんなキラキラしたところに来たのを想像して、違和感を覚えた。
「え?山城さん?なんかイメージちがいますね?こういうとこ好きなんだ。」
ほう、やはり人は見た目とは違うなぁなんて思っていると、
「なんか連れて行けって、ねだられてって言ってたよ。くく、あやしいよな。相手、学生っぽかったんだけど、ちょっと突っ込んで聞いたらあの山城がしどろもどろしちゃってさ。高校生ではないって言ってたから大学生だと思うけど。あ、これ内緒ね。」
へぇぇぇ!なんと、あの山城さん、年下彼女がいるんですね。
幾つ違い?5、6こ?あのいつも冷静な山城さんが年下女子を甘やかしているのだろうか。。
それは、ちょっと見てみたい。
にやりと笑っていると、
「年が7個離れてるとおじさんみたいかな?」
課長が言う。
ん?おじさん?山城さんが?だとしたら私もおばさんですね。
「俺と、華は7個違いだろ?」
あ!課長と私ね。
「課長がおじさんなわけないじゃないですか。そんなにオシャレでかっこいいのに。」
なんとなく何言ってんだこいつと上目遣いで不服そうに言うと、
「、、ありがとう。」
なんだか気恥ずかしげな課長。いやいや、あなた聞き慣れてますよね、このセリフ。
「そうだ、さっきから思ったんだけど、休日に課長はないだろ。名前で呼んでくれ。」
でた!またおねだり&甘い笑み
「、、じゃあ、冴木さんで!」
ここは譲れないでしょ。
「華。俺の名前はユウマ。」
ぎゃっ!耳元で甘い声を出すのはヤメロ。心臓が時を止めてしまう危険性が。
「、、今日だけ!今日だけですユウマさん。」
「、、破壊力っぱない。」
課長が顔を背け言った言葉はざわつく水族館では聞こえなかった。
クリスマス近くという今日はすごい人出。どこに行っても混んでるから夕方水族館行ったら、どこかで飲みながらご飯を食べようかと決めていたが、想像以上の混雑だ。
水族館は天井からライトがキラキラと当たり、水槽の魚達を幻想的に見せている。クラゲもライトが当たると、半透明な体はとても綺麗なんだと気付かされる。まあ、毒持ってんだろうけど。。怖い怖い。
でも、ゆらゆらと泳ぐその姿はなんだか癒される。こんな混んでない時に来たかったなあ。。なんて思っていたら
「今度はもっと空いてる時に来ようか。」
課長がクラゲを見ながら言う。
今度?今度ってネクスト?ネクストあるんですか?
「そ、そうですね?」
あれか、私を誘ったわけじゃなく、単に再来店したいな的なやつ?
「良かった。」
嬉しそうに笑うか、課長じゃなくてユウマさん。乙女の破壊兵器です。
順路通りに行くとライトでまばゆいバーがあった。すごい。水族館にバー。今時はこんな感じなんだ。お酒を片手にお魚鑑賞か、洒落てんなー。
決して居酒屋の水槽であの魚焼いてくれる?的な雰囲気ではないよ。魚は美味しそうだけど。
でも、今日はイルカショーメインなので、通り過ぎショースタジオへすぐに入る。
360℃のショースタジオ。どこに座ってもイルカ君達のショーを観れる。
どんどんと人が入り、前の方は水かかってもいい、違うな、水かけて欲しい人達がぎゅうぎゅうに詰めて座っている。私と、か、、もう課長でいいよね。は濡れたくないので後方の一番後ろからゆったり観ます。入り口近くでビールを買い、お酒片手にイルカ君達の華麗なショーと迫力の3Dマッピング。
超楽しいよ!もうデート?なんてどうだっていいいよね。
迫力のショーに私は釘付けで、この後何が起こるか想像できていなかった。
神さまって、今日はみんなに優しいんじゃないの?
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