執着系上司の初恋

月夜(つきよ)

文字の大きさ
上 下
7 / 110
初恋は香りとともに

乙女な佐々木女史は見た

しおりを挟む
「佐々木さん、おはよございます。コーヒーいかがですか?朝はブラックでしたよね?」
効果音をつけるなら、まさにキラキラ

朝から眼福です。職場に来ると若返る気がします。

始業前、今日も今日とて、かわいいアイドル宮本くんがみんなにコーヒーを入れてくれる。
ああ、こんな息子が欲しかった。。。

「今日からでしたよね、広報から新しい人来るの。」

「そうよー、なんでも転職して二年目で、海外向けのホームページ作成や、記者クラブに向けてのマンスリーリリースとか、海外投資家からの問い合わせ対応してて、あの気難しい本田取締役にも一目置かれてるって話よ。」

「えっ、なにそのハイスペック。でもうち国内担当だし、営業と広報なんて畑違いじゃないですか」

「だからさ、9月の人事異動で営業部門結構動いたじゃない。管理部門からしか人動かせなかったらしいのよ。広報の子、前の会社で営業経験があるんだって事で、人事部長が独断で決めたらしいわよ。」

「でた、川上人事部長!あの人が使えない佐藤係長をこっちに送り込んできたんですよね?大丈夫なんですかね?」

「問題ならあるわよ」
もったいつけて私の秘密の情報網からのシークレット情報をかわい子ちゃんに言う。

「何ですか?やばいんですか?」

冴木課長に心酔中のかわい子ちゃんには厳しい現実を伝える
「29才女子なのよ」

「えーっ!もう目に見えるようじゃないですか。ハイスペック肉食ギラギラ女子に俺の課長が狙われるっ!」
、、うん、予想通りの返しだねー。

「よほど、人材不足なんですね、その人事は冴木課長も了承したのだから。」とツンデレ山城氏

まあ、前情報じゃそんなに悪い事にはならない気がするんだけど。。。


始業5分前
「広報から参りました加藤です。本日からこちらに配属となりました。どちらが私の席でしょうか」

落ち着いた女子にしては低めな声ながら、不思議と温かみを感じる声に好感を持ちつつ振り返ると、グレーのスーツに身を包み、ダンボールとノートパソコンを抱える加藤さんがいた。

「私の隣なのでこちらです。」そう案内をしつつ、文子(佐々木女史の名前)の全身チェックターイムッ!
髪の毛は肩甲骨ぐらい、一本に縛っているけどサラサラで天使の輪が出来てる。
お手入れ行き渡ってるわねー。
目鼻立ちは、キリッと系切れ長の奥二重、意志が強そう、、。
メークはほとんどしてないぐらい、ナチュラルメイク。肌のキメがすごいんだけどー。
文子羨ましいぃっ!
グレーのスーツも体型にジャストフィットでデザインはシンプルなのに野暮ったさはない。
つまり、ジャケットに隠れているがスタイルがいいんだって事。
爪はほとんど伸ばさず、うっすいピンクベージュのマニキュアに同系色のリップ、靴は5センチヒールのスッキリとしたグレージュパンプス

この間ざっと90秒。
文子のチェックタイムは完了

結果 

この子計算して地味な装いをしてる。元はいいのに、服のセレクトと、メイク、何よりもその無表情がすべてを打ち消して、なんとなく人間味に欠けるような冷たい印象。

「挨拶は後ほどさせていただきますが、本日よりよろしくお願いします。不慣れな為ご迷惑をおかけする場面があるかと思いますが、どうぞ遠慮なく指導してください。」
ダンボールを置いた偽地味子な加藤さんはこちらの目を見ながら話し、言い終わると深々とお辞儀をした。

「私は派遣だから、そんなに畏まらなくて良いのよー。」
観察に夢中になっていたら予想外の礼儀正しさに驚いた。

「派遣だろうと社員だろうとこの部で私は一番の下っ端です。教えていただくことはあっても、私が佐々木さんに教えられることなど何もありません。よろしくお願いします。」と言ってまたお辞儀をした。

地味子なんて言ってごめんなさい。あなたとってもいい子なんじゃないかしら。私の年の功が直感を告げる。
でも、冴木課長を目の前にしたら、その礼儀正しさ保っていられるかしら。。。

加藤さんは礼儀正しくみんなに挨拶すると、冴木課長より指示を受ける。

この瞬間、部内全員があなたの様子を見てるんですよっ!

さあ、さあ、どうなの!

「とりあえず、加藤さんには、、」

「ありがとうございます。」

出たー。まさかの無表情っ!!
冴木課長の流し目をスルー!

冴木課長も、緊張の面持ちから、気が抜けたような顔してる。


うん、うん、この子きっと良い子に違いない。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】エリートビジネスマンの裏の顔

白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます​─​──​。 私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。 同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが…… この生活に果たして救いはあるのか。 ※サムネにAI生成画像を使用しています

【R18】豹変年下オオカミ君の恋愛包囲網〜策士な後輩から逃げられません!〜

湊未来
恋愛
「ねぇ、本当に陰キャの童貞だって信じてたの?経験豊富なお姉さん………」 30歳の誕生日当日、彼氏に呼び出された先は高級ホテルのレストラン。胸を高鳴らせ向かった先で見たものは、可愛らしいワンピースを着た女と腕を組み、こちらを見据える彼の姿だった。 一方的に別れを告げられ、ヤケ酒目的で向かったBAR。 「ねぇ。酔っちゃったの……… ………ふふふ…貴方に酔っちゃったみたい」 一夜のアバンチュールの筈だった。 運命とは時に残酷で甘い……… 羊の皮を被った年下オオカミ君×三十路崖っぷち女の恋愛攻防戦。 覗いて行きませんか? ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ・R18の話には※をつけます。 ・女性が男性を襲うシーンが初回にあります。苦手な方はご注意を。 ・裏テーマは『クズ男愛に目覚める』です。年上の女性に振り回されながら、愛を自覚し、更生するクズ男をゆるっく書けたらいいなぁ〜と。

冷徹御曹司と極上の一夜に溺れたら愛を孕みました

せいとも
恋愛
旧題:運命の一夜と愛の結晶〜裏切られた絶望がもたらす奇跡〜 神楽坂グループ傘下『田崎ホールディングス』の創業50周年パーティーが開催された。 舞台で挨拶するのは、専務の田崎悠太だ。 専務の秘書で彼女の月島さくらは、会場で挨拶を聞いていた。 そこで、今の瞬間まで彼氏だと思っていた悠太の口から、別の女性との婚約が発表された。 さくらは、訳が分からずショックを受け会場を後にする。 その様子を見ていたのが、神楽坂グループの御曹司で、社長の怜だった。 海外出張から一時帰国して、パーティーに出席していたのだ。 会場から出たさくらを追いかけ、忘れさせてやると一夜の関係をもつ。 一生をさくらと共にしようと考えていた怜と、怜とは一夜の関係だと割り切り前に進むさくらとの、長い長いすれ違いが始まる。 再会の日は……。

極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました

白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
恋愛
早瀬 果歩はごく普通のOL。 あるとき、元カレに酷く振られて、1人でハワイへ傷心旅行をすることに。 そこで逢見 翔というパイロットと知り合った。 翔は果歩に素敵な時間をくれて、やがて2人は一夜を過ごす。 しかし翌朝、翔は果歩の前から消えてしまって……。 ********** ●早瀬 果歩(はやせ かほ) 25歳、OL 元カレに酷く振られた傷心旅行先のハワイで、翔と運命的に出会う。 ●逢見 翔(おうみ しょう) 28歳、パイロット 世界を飛び回るエリートパイロット。 ハワイへのフライト後、果歩と出会い、一夜を過ごすがその後、消えてしまう。 翌朝いなくなってしまったことには、なにか理由があるようで……? ●航(わたる) 1歳半 果歩と翔の息子。飛行機が好き。 ※表記年齢は初登場です ********** webコンテンツ大賞【恋愛小説大賞】にエントリー中です! 完結しました!

私の心の薬箱~痛む胸を治してくれたのは、鬼畜上司のわかりづらい溺愛でした~

景華
恋愛
顔いっぱいの眼鏡をかけ、地味で自身のない水無瀬海月(みなせみつき)は、部署内でも浮いた存在だった。 そんな中初めてできた彼氏──村上優悟(むらかみゆうご)に、海月は束の間の幸せを感じるも、それは罰ゲームで告白したという残酷なもの。 真実を知り絶望する海月を叱咤激励し支えたのは、部署の鬼主任、和泉雪兎(いずみゆきと)だった。 彼に支えられながら、海月は自分の人生を大切に、自分を変えていこうと決意する。 自己肯定感が低いけれど芯の強い海月と、わかりづらい溺愛で彼女をずっと支えてきた雪兎。 じれながらも二人の恋が動き出す──。

【R18】十六歳の誕生日、許嫁のハイスペお兄さんを私から解放します。

どん丸
恋愛
菖蒲(あやめ)にはイケメンで優しくて、将来を確約されている年上のかっこいい許嫁がいる。一方菖蒲は特別なことは何もないごく普通の高校生。許嫁に恋をしてしまった菖蒲は、許嫁の為に、十六歳の誕生日に彼を自分から解放することを決める。 婚約破棄ならぬ許嫁解消。 外面爽やか内面激重お兄さんのヤンデレっぷりを知らないヒロインが地雷原の上をタップダンスする話です。 ※成人男性が未成年女性を無理矢理手込めにします。 R18はマーク付きのみ。

大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました

扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!? *こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。 ―― ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。 そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。 その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。 結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。 が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。 彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。 しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。 どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。 そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。 ――もしかして、これは嫌がらせ? メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。 「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」 どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……? *WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。

優しい微笑をください~上司の誤解をとく方法

栗原さとみ
恋愛
仕事のできる上司に、誤解され嫌われている私。どうやら会長の愛人でコネ入社だと思われているらしい…。その上浮気っぽいと思われているようで。上司はイケメンだし、仕事ぶりは素敵過ぎて、片想いを拗らせていくばかり。甘々オフィスラブ、王道のほっこり系恋愛話。

処理中です...