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第25話
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その後、一度謁見の間に全員集合してもらう事にした。
司ちゃんを紹介しないといけないからな。とはいえ、この場合女の子って事で良いのかな?まぁ、本人が女だって言ってるんだから良いのか。
そうそう。司ちゃんが何故スカートじゃなったのか。それは、アレが気になって動き辛かったからだそうな。
スカートが捲れたらどうしよう。そう考えると、外に出たくなかったのだそうだ。
しかし、元の世界に帰るには魔王が――って話だったから、仕方なくズボンをもらったと。
何か可哀そう過ぎるな。
とまぁ、とりあえず。そのままって訳にもいかないから服を用意してあげた訳だ。
ゆったりとしたデニムのオーバーオールと大きめシャツ。
これなら、体形を気にしなくて済むだろ。
「何度も行き来させてすまんな。皆に紹介しておく。新しくこの城に住むことになった司ちゃんだ」
そう言って皆に司ちゃんの事を紹介する。
「あ、白鳥 司と言います。宜しくお願いします」
司ちゃんがしっかりお辞儀をする。
うんうん。ちゃんと挨拶が出来る子ってやっぱり良いよね。
「リルリーは……もう知ってるから良いか。こっちはマチルダ。それで、そっちの猫耳はサザンスターだ。で、その子がさおりちゃん。そしてアキラだ。まぁ、仲良くやってくれ」
「うふふ、宜しくね」「司ね、宜しく」「さおりちゃん……?つかさちゃん……?」
「お、俺っ、アキラって言います!宜しくお願いします!」
そう言って頭を下げ右手を出しているアキラ。
これって、「ちょっと待ったー!」とか言った方が良い奴?ん?伝わらない?そうか。忘れてくれ。
「アキラ、司ちゃんが困ってるだろ。普通に挨拶してやれ」
「そうだにゃ。それじゃまるで、告白タイムにゃ」
お、なんだ。同類がここにも居たじゃ無いか。猫耳をピコピコ動かしてご機嫌じゃ無いか。サザンスター。
「あ、そうですよね。すみません」
アキラは頭を上げ、ポリポリと頬をかいて誤魔化している。
きっと、タイプなんだろうな。司ちゃんみたいな子が。だが、今は男だ。それはそれで新しい何かに目覚め――いや、止めよう。アキラの性癖がねじ曲がっても責任は取れん。
さてと、部屋は後で案内するとしてだ。
とりあえず司ちゃんが出来る事を知る必要があるか。
「司ちゃんは特別なスキルとか魔法とかあるのか?」
ここは単刀直入に効いた方が早いだろう。
「特別な――ですか?良く分からないですけど物を仕舞ったり出したりは出来ます」
司ちゃんは制服を出したり仕舞ったりして見せる。
「収納か。他は?」
収納は多分勇者君パーティー全員持ってたな。アキラも使ってたしな。
そう言えば、あの勇者君今頃何してんのかな。
まぁ、何となく分かるけども。
きっと宿屋とかで、魔法使いちゃんと合体ごっことか電車ごっことかしてるよな。
うん。考えるの止めよう。
「他は……わかんないです。特に何も教えて貰って無いですし」
うーん、勇者君パーティーとは違って何も教えずに放り出したの?
ますます意味分からんな。
……いや、逆か。何も出来ないからさっさと放り出した、の方が正しいのかも知れないな。
それか、司ちゃん本人も気付かない様な何か魔法が掛けられていて、天然スパイとして使っているのか。
だがそれなら、この中の誰かが魔力の動きに気付くか。
はぁ……。分からん。
というか、考えるだけ無駄か。
敵が来るなら来れば良いしな。
司ちゃんを紹介しないといけないからな。とはいえ、この場合女の子って事で良いのかな?まぁ、本人が女だって言ってるんだから良いのか。
そうそう。司ちゃんが何故スカートじゃなったのか。それは、アレが気になって動き辛かったからだそうな。
スカートが捲れたらどうしよう。そう考えると、外に出たくなかったのだそうだ。
しかし、元の世界に帰るには魔王が――って話だったから、仕方なくズボンをもらったと。
何か可哀そう過ぎるな。
とまぁ、とりあえず。そのままって訳にもいかないから服を用意してあげた訳だ。
ゆったりとしたデニムのオーバーオールと大きめシャツ。
これなら、体形を気にしなくて済むだろ。
「何度も行き来させてすまんな。皆に紹介しておく。新しくこの城に住むことになった司ちゃんだ」
そう言って皆に司ちゃんの事を紹介する。
「あ、白鳥 司と言います。宜しくお願いします」
司ちゃんがしっかりお辞儀をする。
うんうん。ちゃんと挨拶が出来る子ってやっぱり良いよね。
「リルリーは……もう知ってるから良いか。こっちはマチルダ。それで、そっちの猫耳はサザンスターだ。で、その子がさおりちゃん。そしてアキラだ。まぁ、仲良くやってくれ」
「うふふ、宜しくね」「司ね、宜しく」「さおりちゃん……?つかさちゃん……?」
「お、俺っ、アキラって言います!宜しくお願いします!」
そう言って頭を下げ右手を出しているアキラ。
これって、「ちょっと待ったー!」とか言った方が良い奴?ん?伝わらない?そうか。忘れてくれ。
「アキラ、司ちゃんが困ってるだろ。普通に挨拶してやれ」
「そうだにゃ。それじゃまるで、告白タイムにゃ」
お、なんだ。同類がここにも居たじゃ無いか。猫耳をピコピコ動かしてご機嫌じゃ無いか。サザンスター。
「あ、そうですよね。すみません」
アキラは頭を上げ、ポリポリと頬をかいて誤魔化している。
きっと、タイプなんだろうな。司ちゃんみたいな子が。だが、今は男だ。それはそれで新しい何かに目覚め――いや、止めよう。アキラの性癖がねじ曲がっても責任は取れん。
さてと、部屋は後で案内するとしてだ。
とりあえず司ちゃんが出来る事を知る必要があるか。
「司ちゃんは特別なスキルとか魔法とかあるのか?」
ここは単刀直入に効いた方が早いだろう。
「特別な――ですか?良く分からないですけど物を仕舞ったり出したりは出来ます」
司ちゃんは制服を出したり仕舞ったりして見せる。
「収納か。他は?」
収納は多分勇者君パーティー全員持ってたな。アキラも使ってたしな。
そう言えば、あの勇者君今頃何してんのかな。
まぁ、何となく分かるけども。
きっと宿屋とかで、魔法使いちゃんと合体ごっことか電車ごっことかしてるよな。
うん。考えるの止めよう。
「他は……わかんないです。特に何も教えて貰って無いですし」
うーん、勇者君パーティーとは違って何も教えずに放り出したの?
ますます意味分からんな。
……いや、逆か。何も出来ないからさっさと放り出した、の方が正しいのかも知れないな。
それか、司ちゃん本人も気付かない様な何か魔法が掛けられていて、天然スパイとして使っているのか。
だがそれなら、この中の誰かが魔力の動きに気付くか。
はぁ……。分からん。
というか、考えるだけ無駄か。
敵が来るなら来れば良いしな。
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