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第74話 二人の王 (3) ※
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アルキバはリチェルの腰を下ろすと、寝台の傍らから香油の瓶を取り、指を濡らす。ぬるつく指を、舌に解された穴へと丹念に揉み込んだ。
一本、二本と指が侵入してくる。
緊張はしたが、嫌悪はなかった。アルキバの指が、中に。そう思うだけで胸が熱くなる。
何かを探るその指が、ある部分に触れられた時、電流が走った。未知の感覚にリチェルは驚き、身を震わせた。
「は……っ、な、何、これは……!?」
リチェルのうぶな反応にアルキバもまた驚く。
「なんだ、知らないのか。ったくどんな抱き方してたんだ連中は……」
アルキバはじっくりと感度を高めるように、その部位を指でなでさすった。リチェルは腰が溶かされるような初めての感覚に喘ぎ、身をよじる。
「ふぅ、は……っ、あう……っ」
丁寧に時間をかけてほぐされた。アルキバが囁く。
「俺が欲しいか?」
中をアルキバの指にかき混ぜられながら、リチェルは、はあはあと呼吸する。
「私を……アルキバで埋めてくれ……。そなただけで……」
懇願するリチェルを熱い視線で見つめながら、アルキバは指を引き抜き、ずしりとリチェルの上にのしかかった。
そり返る凶暴なものを、双丘の狭間にあてがう。黒い双眸が真っ直ぐにリチェルを射抜いた。
「愛してる」
リチェルは震えながらうなずき、乞うような眼差しで片手をアルキバに伸ばした。
アルキバはふっと微笑み、五指を絡ませその手を握る。
アルキバに握られた手の甲がシーツに沈められた瞬間。
猛る先端がリチェルの中へと押し入ってきた。
「くっ……」
覚えのある恐怖が不意に蘇り、リチェルは眉間に皺を寄せる。脳裏を掠める、あの地下室。
アルキバはぴたりと侵入を止め、リチェルの唇や頬にいくつもキスを落とした。
気遣われている、とリチェルは気づく。アルキバの手を強く握った。
「大……丈夫だ、続けてくれ……」
アルキバはリチェルの耳を食み、囁いた。
「ここにいるのは俺だ、アルキバだ、永遠にリチェルだけを愛する男だ」
リチェルは泣きそうになりながら応える。
「私も……。私も永遠に、そなただけを愛する」
アルキバの張り詰めたものが、再びリチェルの中へと進み始める。リチェルは呼吸を整えて、その重く熱いものを己の中へと受け入れていく。
内側から裂かれるような痛みと同時に蘇る、あの地下室の光景を、全身でアルキバを感じることで懸命に追いやる。
戦神のごとき美しい肉体を、魂を射抜く双眸を、酔いしれるような男の色香を。
ただアルキバだけを己に刻む。
全て飲み込んだリチェルを見下ろし、アルキバは堪えるように息をついた。
「やっと……繋がれた……」
そう言って、幸福そうに微笑んだ。
初めて恋を知った少年のように。
リチェルはぐっと瞳を潤ませた。
(ああ、アルキバ)
アルキバの愛情が、輝きとなってリチェルの暗闇を照らす。
脳に根を張る忌まわしい記憶の全てが、粉々に打ち砕かれる。
「私は……この体は……アルキバだけのもの」
「そう、俺だけのものだ、リチェル」
リチェルは灼熱に圧倒されながら、はあはあと呼吸して、アルキバの手をきつく握りしめた。
アルキバは少しづつ、腰を揺さぶり始めた。
ゆっくりと掘り広げるように。鈍い痛みはあるが揺すられる途中に先ほどの感じる部位を慎重に刺激され、リチェルは甘く身悶えする。
「あっ……、はあ……っ」
鈍痛と快感の狭間で苦悶するリチェルのあちこちに、優しい口付けが落とされる。頬や眉や口元に。手をしっかりと握ったまま。もう片方の手はリチェルの屹立に絡み、あやすように扱かれる。
処女の体を大切に開くような行為だった。
これ程大事に抱かれている事実に胸が震えた。
まるで揺籃のように、アルキバの行為はリチェルの病んだ魂を癒していく。
アルキバの丹念な動きはやがて、全ての痛みを快楽へと変貌させた。リチェルの内側に、官能が溢れていく。
「あぁっ、はあ……っ、あっ、ああっ……」
先端ですくと立つものが蜜をだらだらとこぼす。雄の部分で感じるのとは全く違う、深い快感の波がリチェルを翻弄する。全身が溶解しそうだった。こんな感覚など知らなかった。
陶酔していたら、アルキバが不意に動きを変える。
「っ……!ああああっ……!」
リチェルは身を仰け反らせた。アルキバの雄は、まださらなる高みがあることをリチェルの体に思い知らせる。突かれ、擦られ、かき混ぜられ。
背筋を駆け上がる快感にリチェルは嬌声を上げることしかできない。
「あぁっ!はぁっ、ああ……っ、あう……っ。あああああああんっ」
「リチェル、愛してる。愛してる、愛してる、愛してる」
真っ白な頭の中、アルキバの愛の言葉だけが反響する。アルキバに与えられる愉悦は激しさを増し、怒涛のように波を打ち、リチェルは絶頂へと上り詰めていく。
「あっ、あっ、あっ、あんっ、あああああ……っっ……!」
全身が沸騰し蒸発するような、強烈な絶頂をリチェルは迎えた。
長く続く絶頂の途中、アルキバの精が中に放たれる。その感触にまた達してしまう。
神経が焼き切れるような、絶え間ない絶頂に、リチェルは身を痙攣させ続けた。
◇ ◇ ◇
一本、二本と指が侵入してくる。
緊張はしたが、嫌悪はなかった。アルキバの指が、中に。そう思うだけで胸が熱くなる。
何かを探るその指が、ある部分に触れられた時、電流が走った。未知の感覚にリチェルは驚き、身を震わせた。
「は……っ、な、何、これは……!?」
リチェルのうぶな反応にアルキバもまた驚く。
「なんだ、知らないのか。ったくどんな抱き方してたんだ連中は……」
アルキバはじっくりと感度を高めるように、その部位を指でなでさすった。リチェルは腰が溶かされるような初めての感覚に喘ぎ、身をよじる。
「ふぅ、は……っ、あう……っ」
丁寧に時間をかけてほぐされた。アルキバが囁く。
「俺が欲しいか?」
中をアルキバの指にかき混ぜられながら、リチェルは、はあはあと呼吸する。
「私を……アルキバで埋めてくれ……。そなただけで……」
懇願するリチェルを熱い視線で見つめながら、アルキバは指を引き抜き、ずしりとリチェルの上にのしかかった。
そり返る凶暴なものを、双丘の狭間にあてがう。黒い双眸が真っ直ぐにリチェルを射抜いた。
「愛してる」
リチェルは震えながらうなずき、乞うような眼差しで片手をアルキバに伸ばした。
アルキバはふっと微笑み、五指を絡ませその手を握る。
アルキバに握られた手の甲がシーツに沈められた瞬間。
猛る先端がリチェルの中へと押し入ってきた。
「くっ……」
覚えのある恐怖が不意に蘇り、リチェルは眉間に皺を寄せる。脳裏を掠める、あの地下室。
アルキバはぴたりと侵入を止め、リチェルの唇や頬にいくつもキスを落とした。
気遣われている、とリチェルは気づく。アルキバの手を強く握った。
「大……丈夫だ、続けてくれ……」
アルキバはリチェルの耳を食み、囁いた。
「ここにいるのは俺だ、アルキバだ、永遠にリチェルだけを愛する男だ」
リチェルは泣きそうになりながら応える。
「私も……。私も永遠に、そなただけを愛する」
アルキバの張り詰めたものが、再びリチェルの中へと進み始める。リチェルは呼吸を整えて、その重く熱いものを己の中へと受け入れていく。
内側から裂かれるような痛みと同時に蘇る、あの地下室の光景を、全身でアルキバを感じることで懸命に追いやる。
戦神のごとき美しい肉体を、魂を射抜く双眸を、酔いしれるような男の色香を。
ただアルキバだけを己に刻む。
全て飲み込んだリチェルを見下ろし、アルキバは堪えるように息をついた。
「やっと……繋がれた……」
そう言って、幸福そうに微笑んだ。
初めて恋を知った少年のように。
リチェルはぐっと瞳を潤ませた。
(ああ、アルキバ)
アルキバの愛情が、輝きとなってリチェルの暗闇を照らす。
脳に根を張る忌まわしい記憶の全てが、粉々に打ち砕かれる。
「私は……この体は……アルキバだけのもの」
「そう、俺だけのものだ、リチェル」
リチェルは灼熱に圧倒されながら、はあはあと呼吸して、アルキバの手をきつく握りしめた。
アルキバは少しづつ、腰を揺さぶり始めた。
ゆっくりと掘り広げるように。鈍い痛みはあるが揺すられる途中に先ほどの感じる部位を慎重に刺激され、リチェルは甘く身悶えする。
「あっ……、はあ……っ」
鈍痛と快感の狭間で苦悶するリチェルのあちこちに、優しい口付けが落とされる。頬や眉や口元に。手をしっかりと握ったまま。もう片方の手はリチェルの屹立に絡み、あやすように扱かれる。
処女の体を大切に開くような行為だった。
これ程大事に抱かれている事実に胸が震えた。
まるで揺籃のように、アルキバの行為はリチェルの病んだ魂を癒していく。
アルキバの丹念な動きはやがて、全ての痛みを快楽へと変貌させた。リチェルの内側に、官能が溢れていく。
「あぁっ、はあ……っ、あっ、ああっ……」
先端ですくと立つものが蜜をだらだらとこぼす。雄の部分で感じるのとは全く違う、深い快感の波がリチェルを翻弄する。全身が溶解しそうだった。こんな感覚など知らなかった。
陶酔していたら、アルキバが不意に動きを変える。
「っ……!ああああっ……!」
リチェルは身を仰け反らせた。アルキバの雄は、まださらなる高みがあることをリチェルの体に思い知らせる。突かれ、擦られ、かき混ぜられ。
背筋を駆け上がる快感にリチェルは嬌声を上げることしかできない。
「あぁっ!はぁっ、ああ……っ、あう……っ。あああああああんっ」
「リチェル、愛してる。愛してる、愛してる、愛してる」
真っ白な頭の中、アルキバの愛の言葉だけが反響する。アルキバに与えられる愉悦は激しさを増し、怒涛のように波を打ち、リチェルは絶頂へと上り詰めていく。
「あっ、あっ、あっ、あんっ、あああああ……っっ……!」
全身が沸騰し蒸発するような、強烈な絶頂をリチェルは迎えた。
長く続く絶頂の途中、アルキバの精が中に放たれる。その感触にまた達してしまう。
神経が焼き切れるような、絶え間ない絶頂に、リチェルは身を痙攣させ続けた。
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