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番外編 竜の城の恋人たち
6.フロルの発情② ※
しおりを挟む「遅くなって……ごめん」
フロルの両手が伸びてレオンの首に回る。一層花の香りが強くなり、レオンは堪えきれず唇を合わせた。フロルの舌も、歯も、唾液も、全てが甘い。口の中の全てを味わい尽くすようにゆっくりと舐めていく。舌を伝う唾液はまるで甘露のようで、夢中になって全てを飲み込んだ。
レオンが真っ白なフロルの肌に触れれば、まるで手に吸い付くように滑らかだった。首から胸へと舌を這わせ、触れてもいないのにぴんと膨らんだ粒を口に含む。舌で転がし、柔らかく食めばしなやかな体が跳ねた。フロルの陰茎はもうとっくに濡れそぼり、後孔からは蜜がこぼれている。レオンの手が慎ましやかな陰茎に触れると、フロルは大きく体を反らした。
「やッ! あっ……あ!」
どぷりと先端から白濁がこぼれ、フロルの体をたちまち快感が突き抜けた。体は細かく震え、目尻からは涙がこぼれる。触れられただけで達した恥ずかしさと扱き上げられる気持ちよさに、後孔からはさらに蜜が溢れた。
「ど……して?」
「すごい……。後ろもこんなに濡れてる」
溢れた蜜がだらだらと白い腿を伝う。フロルは自分でも驚いていた。今までに経験した発情期は薬で発情を抑えるのが常だった。欲求を無理やり抑え込んでいたせいか、体は重くずっと寝込んでばかりいた。
(レオンがいるだけで……こんなに、気持ちいい)
フロルの窄まりはふっくらと柔らかく、レオンが指を入れると中はもう熱くぬかるんでいた。肉襞はすぐにレオンの指に吸い付いて、ぐちゅぐちゅと水音をたてる。レオンはフロルの全身がうっすらと赤く染まるのを見て、ごくりと喉を鳴らした。指を増やしてかき回せば、耳を溶かすような甘い声が聞こえる。
「れ……おん。もっと……」
「もっと? フロル、もっと欲しい?」
こくりと頷くフロルにレオンが口づければ、フロルは自分から舌を絡めてきた。レオンは貪るようにフロルの舌を吸い上げ、指先でフロルの肉襞の一点を押す。フロルの体が大きく跳ねて、出したばかりの陰茎からはさらに白濁が噴き出した。
続けての吐精にがくりとフロルの体から力が抜ける。レオンは、ずるりと肉襞から指を引き抜いた。
――今すぐフロルの中に入りたい。
レオンは体を起こして、引きちぎる勢いで自分の服を全て脱いだ。体中の血が下半身に集中して、はちきれんばかりだった。放心したようにあどけない顔を向けるフロルに微笑んで、真っ白な体を反転させる。雪のように美しい背中に唇を寄せて強く吸い上げれば、幾つも赤い花びらが浮かんだ。これは自分の所有の証だと思うと、フロルの体中に痕を付けたくなる。
心配そうに振り向くフロルに口づけると、細い腰をしっかりと掴んだ。
「フロル……もう、入れるね」
ずしりと重みのある陰茎をフロルの窄まりに当て、一気に奥まで突き立てた。
「あ、あああっ!」
「……っ! ……フロル」
フロルの肉襞はすぐにレオンにきゅうきゅうと吸い付いてくる。レオンはあやうく放ちそうになるのを堪えて、何度も腰を打ち付けた。フロルの細い体が揺れ、切れ切れにレオンの名を呼ぶ。その姿が可愛くていじらしくて、レオンは我を忘れた。浅い場所を狙うように擦れば体が跳ね、奥を突けば甘い鳴き声を上げる。どんな姿のフロルもレオンの劣情を煽るばかりだった。
――もっと、もっと感じてほしい。
「どこが好き? フロル?」
「……んっ! ど……こって……」
「言ったらもっと気持ちよくなる。……言ってごらん」
口ごもるフロルに、レオンは先端で一点を突いた。甘い悲鳴が上がり、フロルの中から蜜がじゅわりと溢れる。レオンが動きを止めると、フロルが必死で敷布を掴んだ。
「……すき。そ、そこ……でも」
「でも?」
「お、おくは……もっと、すき。……いっぱい、つながれ……るから」
たどたどしい言葉に、レオンは自分の脳髄が焼き切れる思いがした。
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