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第Ⅳ章 天国へ至る迷宮
〈天雷〉の如く
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「己! 時代遅れの上位竜めっ!」
王城から現国王が現れ、勇ましく兵士たちに指示を出している。赤魔道士組合や〈治癒神の御手教会〉からも次々に援軍が現れてくる。夜間の突然の急襲にここまで迅速に対応できているのは、おそらく向こうも魔族領側からの何らかのアクションを想定していたからだろう。
「囲め! 囲め! 上位竜といえど、無限の体力があるわけではない! 魔法や弓で攻撃し続ければ、やがては我らが勝つ!」
大陸一とも名高い王都の全人口の、数パーセントとはいえ、魔道士や弓兵なのだ。そいつらが攻撃に一斉に出れば、確かに上位竜といえど、多勢に無勢すぎて勝ち目などないかもしれない。
「上位竜の武器は、爪と牙、そしてブレスだ! まずは羽に穴を空け、折ってしまえ! 地上に落ちれば、ワイバーンなどと大して変わらん!」
長い年月をかけて、竜を殺すための戦術もきちんと考えられている。
まずイヌガミを地上に落とすというのは、確かにいいアイデアだ。
「だけど――当然、そんな真似はさせない。こっちから下りてやるさ」
俺はイヌガミの背中から、真下にある塔に向かって飛び降りた。
今の俺は、黒い服を着ている上に、〈潜伏〉を使用している。まず発見などできないだろう。
「〈壱の秘剣――〉」
かつて初めて見た上位竜を思い出す。
あの時は地上から上空へ。天を切り裂かんばかりに昇った。
だが、今度は逆。
上空から真下。地面を引き裂かんばかりにシノビの最上位スキルを放った。
「――〈雷切〉ッ!!」
ナラクというシノビは、シノビのスキルをただ放つだけではなく、様々な使い方のアレンジを加えることで、別の効果を加えるということに成功した。
俺はそれに倣い、〈壱の秘剣・雷切〉を別の使い方にした。
「――――ッ!」
激しい閃光に、王都中の人々が息を呑むような音が聞こえた。その一拍後、〈天雷〉のごとき雷が、大地を撃ち抜いた。
もし〈天雷の塔〉の一撃を見たことがある人がいたら、きっとまさに〈天雷〉と思っただろう。
その一撃によって、〈治癒神の御手教会〉の新たなシンボルとなっていた塔は、粉々に破壊された。
王城から現国王が現れ、勇ましく兵士たちに指示を出している。赤魔道士組合や〈治癒神の御手教会〉からも次々に援軍が現れてくる。夜間の突然の急襲にここまで迅速に対応できているのは、おそらく向こうも魔族領側からの何らかのアクションを想定していたからだろう。
「囲め! 囲め! 上位竜といえど、無限の体力があるわけではない! 魔法や弓で攻撃し続ければ、やがては我らが勝つ!」
大陸一とも名高い王都の全人口の、数パーセントとはいえ、魔道士や弓兵なのだ。そいつらが攻撃に一斉に出れば、確かに上位竜といえど、多勢に無勢すぎて勝ち目などないかもしれない。
「上位竜の武器は、爪と牙、そしてブレスだ! まずは羽に穴を空け、折ってしまえ! 地上に落ちれば、ワイバーンなどと大して変わらん!」
長い年月をかけて、竜を殺すための戦術もきちんと考えられている。
まずイヌガミを地上に落とすというのは、確かにいいアイデアだ。
「だけど――当然、そんな真似はさせない。こっちから下りてやるさ」
俺はイヌガミの背中から、真下にある塔に向かって飛び降りた。
今の俺は、黒い服を着ている上に、〈潜伏〉を使用している。まず発見などできないだろう。
「〈壱の秘剣――〉」
かつて初めて見た上位竜を思い出す。
あの時は地上から上空へ。天を切り裂かんばかりに昇った。
だが、今度は逆。
上空から真下。地面を引き裂かんばかりにシノビの最上位スキルを放った。
「――〈雷切〉ッ!!」
ナラクというシノビは、シノビのスキルをただ放つだけではなく、様々な使い方のアレンジを加えることで、別の効果を加えるということに成功した。
俺はそれに倣い、〈壱の秘剣・雷切〉を別の使い方にした。
「――――ッ!」
激しい閃光に、王都中の人々が息を呑むような音が聞こえた。その一拍後、〈天雷〉のごとき雷が、大地を撃ち抜いた。
もし〈天雷の塔〉の一撃を見たことがある人がいたら、きっとまさに〈天雷〉と思っただろう。
その一撃によって、〈治癒神の御手教会〉の新たなシンボルとなっていた塔は、粉々に破壊された。
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