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第Ⅱ章 赤魔道士組合の悪夢
消された職業
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※書籍版とWEB版でストーリーが大きく異なります。
◇
包帯を巻かれた足を吊った勇者アレクサンダーは、退屈そうに大きなベッドに寝そべっていた。
ここは、宗教都市ロウにある赤魔道士組合支部――その地下にある豪華な広い隠し部屋。まるで本物と見紛うほどの写実的な風景画が四方に掛けられおり、天井も高く、シャンデリア型のマジックアイテムによって明るいため閉塞感はない。
このような隠し部屋のある支部を持つのは、宗教都市ロウに多数存在する組合系の中で唯一、赤魔道士組合だけだろう。
それだけではない。隠し部屋の情報の機密性を保てるだけの戦力を常駐させているのも赤魔道士組合くらいのものだ。
特別待遇なのは、同じ勇者パーティーにエリーゼがいたからだ。
(どぉーなっちゃうのかなー……?)
〈火の小神〉の加護を持ち、容姿にも恵まれて立派な家に生まれたフェルノ。彼女はあまり悩まない。悩むくらいならさっさとその面倒事を他人に押しつければいいという性格だったから。
さいわいフェルノの家は、大貴族というほどではないが、大貴族もむげには扱えない程度の家格がある。
まして今の彼女は、勇者パーティーの1人という経歴まで手に入れた。
今の彼女に強く文句を言える人間は少ない。
実際、つい先程まで行われた赤魔道士組合の取り調べに対しても「えー……わかんなーい」や「もぉーお腹すいたよー……」というようなセリフだけで切り抜けていた。
頭を使うのは苦手だが、直感には自信がある。この件の扱いがどうなるかわからない以上、下手なことは言わない方がいいと感じ取ったのだ。
バカな振りをした方が面倒を避けられて楽だ。それがフェルノの持論。だがさすがに今回の一件はいろいろと考えさせられた。
赤魔道士組合の取り調べと違い、〈教会〉の追及は明らかにこちらにも非を認めさせようとするものだったのでバッサリ切り捨てていた。
「あたしは無関係だってばー。エリーゼとは元友達。元だよ、元。今は赤の他人だもん。他人他人。他人がどうしようが知らないってば!」
そんな態度が許されるのも、恵まれたフェルノだからこそ。
「なぁ……エリーゼの父親は、こけたな」
天井を見上げたまま勇者が、ぼそりとつぶやいた。
エリーゼの父は生死不明だという。大量の血痕が残されていたことから、死亡は確実視されているが、これほどの大問題が起きたのだから生死など今さら関係ない。
「うん。こけたね。見事にこけたね。……立ち上がれないくらいに」
こけたエリーゼの父の派閥に救いの手を差し伸べる勢力はないだろう。むしろ踏みつけて踏み台にし、少しでも高みに上ろうとするに違いない。
〈天雷〉の騒ぎの際、しばらく気を失っていたフェルノと勇者アレクサンダーが真っ先に取った行動は、逃走だった。もしかしたら近くにいたかもしれないエリーゼのことなど眼中になかった。
ただ自分。
ただ自分だけが生き残ることを必死に考えた。
片足がへし折れていた勇者アレクサンダーは立ち上がった瞬間、激痛に呻いたものの、すぐさま勇者の最上位スキル〈勇気の心〉を使用して、激しい痛みと曲がった足の違和感を克服した。そしてたまたま同じようなタイミングで立ち上がったフェルノと一緒に、最も近くにある安全な場所――巨大な赤魔道士組合支部に駆け込んだのだ。
「エリーゼの父親は、なかなか偉大な人物だった……」
勇者アレクサンダーは己の思考を整理しようとするかのように淡々と語り出した。ただ単に病床に伏してヒマだったからかもしれないが。
「9人いる上位聖職者の中で最も次期トップに近かった。新しい聖女になったマドゥルカを推す派閥とトップ争いをしている真っ最中だったとはいえ、エリーゼが聖女になっていれば、エリーゼの父がトップに君臨したのは確実だったろうな……」
エリーゼも、今回のS級ダンジョンクリアの名声と聖女になることで、自らの父を後押しして、父とともに親子で完全に〈教会〉を牛耳れる可能性だってあった。
実際、エリーゼの家は、〈教会〉の切り札ともいえる〈天雷の塔〉の管理を現トップから任されていたほどだ。
ただし失敗してご破算。
今、元エリーゼの屋敷は、別荘の土地も含めてすべて立ち入り禁止になっている。
「事態の真相究明のため」
とされているが事実は違う。
エリーゼの父が隠し持っていたマズイ書類や美術品などを押さえるためだ。
マズイ書類の中には、王家にバラしていいものもあれば、バレると〈教会〉全体の責任になるものもある。
選り分けている最中に違いない。
王家にバラしていいものは、王家に告げ口することで、エリーゼの父の派閥に属した者たちを政治の世界から抹殺するのに使える。
そしてマズイ書類が赤魔道士組合などの他の組織に握られて、脅されないようにするためでもある。
美術品関係は、エリーゼの父が、王国の税金を逃れるために所持していた脱税の品が多数あるだろう。どこの大家も似たようなことをしている。
こちらはシンプルに、〈教会〉の上層部で山分けとなるはずだ。
エリーゼの母は、事件のあった日に心労のため倒れ、そのまま帰らぬ人になった……ということになっているがほぼ間違いなく暗殺された。
エリーゼの母はエリーゼに似て美人で頭の回転が早く気が強かった。空中分解する寸前とはいえ、一度はトップに立つ寸前までいった派閥。勢いづくとまずいから徹底的に潰されたのだろう。
エリーゼの屋敷に仕えていたメイドも執事も庭師などもすべて抹殺済み。
もし上手く行けば彼らは、〈教会〉トップの愛人や〈教会〉トップの筆頭執事になれたのだから、相応のリスクを負っていたといえるかもしれない。
仮にエリーゼが生きていたとしても、屋敷には戻れないし、無理に戻ろうとしたら殺される。現在派閥を握った側としては、エリーゼの存在は邪魔なのだから。もっともすでに死亡したと伝え聞いたから意味のない仮定だが。
エリーゼの父の派閥の残党がいるからこそ、かなり強引に金と権力にものをいわせて新聖女を立てた。
……ということを、なんとなくフェルノは、使用人や街の人たちの会話で理解している。彼女は天稟という部分だけに限れば、エリーゼより遥かに恵まれていた。加護しかり。ただし、深く物事を考えず、努力は嫌いなため十全に活かしきれているわけではない。
噂によればエリーゼの遺体は、大量の死骸と一緒に、適当に燃やして、穴に埋められたそうだ。
墓地に埋められたのはせめてもの情けで、本来の〈教会〉なら、「〈天雷の塔〉に内通者を通した罪」などを問うただろう。実際にエリーゼたちが招き入れなければあんなところまで気づかれずに潜り込めるとは思えないから。奴隷たちも合わせれば20人を超える大所帯だ。
「死霊に鞭打つ」
というのは一般人には知られていない〈教会〉の方針だ。死んでも責任からは逃れられず、家族も親族も使用人も一蓮托生。
実体をもたないレイスを鞭で打ち据えることなどできないのに、そうする、というところがどこか狂信的めいていて、〈教会〉の本質の一端をよく表している比喩だ。
ドンドン、と瀟洒な木彫りのあるドアがノックされた。音が鈍いのは、それだけ仕込まれた鉄板が分厚いからだ。
「緑のアフタヌーンティーを持って参りました!」
外に立つ衛兵が声を張り上げた。
「入って入って!」
フェルノも大きめの声で返す。
すぐに分厚い扉が開き、黒髪のメイドが入ってきた。
フェルノも勇者も顔をしかめる。
見た目が気に入らない。あの盗賊を連想させる。
だが何より、つんと鼻をつく臭いがたまらなかった。
銀色に輝くワゴンの上には、アフタヌーンティーのセットっぽいものが載っているが、見る者が見れば不自然に感じるだろう。
そもそもこれほど草をすり潰したような臭いのするメイドなどいるはずもない。その上、見た目を重視されるメイドという職にありながら、顔色は悪く、ほとんど日光を浴びたことがないのが一目でわかる有様だった。
「さっさと閉めて」
フェルノの命令に、すぐさま衛兵がドアを閉めた。
のろのろと動いていた黒髪のメイドのお尻に勢いよくぶつかったが、衛兵から謝る声はなかったし、勇者から心配する声もかからなかった。
「おい。フェルノ……。もっと他にいなかったのかよ」
「仕方ないよー。だってだって、貴重だし」
黒髪の女が、ワゴンの上のティーポットを開けると、中から煎じた草の臭いがした。緑っぽい煙さえ幻視してしまいそうなほど強烈な香り。
「貴重ねえ……まぁ、確かに薬師でちゃんと薬が使えるヤツなんて初めて見たけどな」
「しーっ! この地下には信用できる者しか入れてないし、扉は分厚いけど、めったなこと言わないでよ! 〈教会〉にバレるとマズイんだから!」
◇
包帯を巻かれた足を吊った勇者アレクサンダーは、退屈そうに大きなベッドに寝そべっていた。
ここは、宗教都市ロウにある赤魔道士組合支部――その地下にある豪華な広い隠し部屋。まるで本物と見紛うほどの写実的な風景画が四方に掛けられおり、天井も高く、シャンデリア型のマジックアイテムによって明るいため閉塞感はない。
このような隠し部屋のある支部を持つのは、宗教都市ロウに多数存在する組合系の中で唯一、赤魔道士組合だけだろう。
それだけではない。隠し部屋の情報の機密性を保てるだけの戦力を常駐させているのも赤魔道士組合くらいのものだ。
特別待遇なのは、同じ勇者パーティーにエリーゼがいたからだ。
(どぉーなっちゃうのかなー……?)
〈火の小神〉の加護を持ち、容姿にも恵まれて立派な家に生まれたフェルノ。彼女はあまり悩まない。悩むくらいならさっさとその面倒事を他人に押しつければいいという性格だったから。
さいわいフェルノの家は、大貴族というほどではないが、大貴族もむげには扱えない程度の家格がある。
まして今の彼女は、勇者パーティーの1人という経歴まで手に入れた。
今の彼女に強く文句を言える人間は少ない。
実際、つい先程まで行われた赤魔道士組合の取り調べに対しても「えー……わかんなーい」や「もぉーお腹すいたよー……」というようなセリフだけで切り抜けていた。
頭を使うのは苦手だが、直感には自信がある。この件の扱いがどうなるかわからない以上、下手なことは言わない方がいいと感じ取ったのだ。
バカな振りをした方が面倒を避けられて楽だ。それがフェルノの持論。だがさすがに今回の一件はいろいろと考えさせられた。
赤魔道士組合の取り調べと違い、〈教会〉の追及は明らかにこちらにも非を認めさせようとするものだったのでバッサリ切り捨てていた。
「あたしは無関係だってばー。エリーゼとは元友達。元だよ、元。今は赤の他人だもん。他人他人。他人がどうしようが知らないってば!」
そんな態度が許されるのも、恵まれたフェルノだからこそ。
「なぁ……エリーゼの父親は、こけたな」
天井を見上げたまま勇者が、ぼそりとつぶやいた。
エリーゼの父は生死不明だという。大量の血痕が残されていたことから、死亡は確実視されているが、これほどの大問題が起きたのだから生死など今さら関係ない。
「うん。こけたね。見事にこけたね。……立ち上がれないくらいに」
こけたエリーゼの父の派閥に救いの手を差し伸べる勢力はないだろう。むしろ踏みつけて踏み台にし、少しでも高みに上ろうとするに違いない。
〈天雷〉の騒ぎの際、しばらく気を失っていたフェルノと勇者アレクサンダーが真っ先に取った行動は、逃走だった。もしかしたら近くにいたかもしれないエリーゼのことなど眼中になかった。
ただ自分。
ただ自分だけが生き残ることを必死に考えた。
片足がへし折れていた勇者アレクサンダーは立ち上がった瞬間、激痛に呻いたものの、すぐさま勇者の最上位スキル〈勇気の心〉を使用して、激しい痛みと曲がった足の違和感を克服した。そしてたまたま同じようなタイミングで立ち上がったフェルノと一緒に、最も近くにある安全な場所――巨大な赤魔道士組合支部に駆け込んだのだ。
「エリーゼの父親は、なかなか偉大な人物だった……」
勇者アレクサンダーは己の思考を整理しようとするかのように淡々と語り出した。ただ単に病床に伏してヒマだったからかもしれないが。
「9人いる上位聖職者の中で最も次期トップに近かった。新しい聖女になったマドゥルカを推す派閥とトップ争いをしている真っ最中だったとはいえ、エリーゼが聖女になっていれば、エリーゼの父がトップに君臨したのは確実だったろうな……」
エリーゼも、今回のS級ダンジョンクリアの名声と聖女になることで、自らの父を後押しして、父とともに親子で完全に〈教会〉を牛耳れる可能性だってあった。
実際、エリーゼの家は、〈教会〉の切り札ともいえる〈天雷の塔〉の管理を現トップから任されていたほどだ。
ただし失敗してご破算。
今、元エリーゼの屋敷は、別荘の土地も含めてすべて立ち入り禁止になっている。
「事態の真相究明のため」
とされているが事実は違う。
エリーゼの父が隠し持っていたマズイ書類や美術品などを押さえるためだ。
マズイ書類の中には、王家にバラしていいものもあれば、バレると〈教会〉全体の責任になるものもある。
選り分けている最中に違いない。
王家にバラしていいものは、王家に告げ口することで、エリーゼの父の派閥に属した者たちを政治の世界から抹殺するのに使える。
そしてマズイ書類が赤魔道士組合などの他の組織に握られて、脅されないようにするためでもある。
美術品関係は、エリーゼの父が、王国の税金を逃れるために所持していた脱税の品が多数あるだろう。どこの大家も似たようなことをしている。
こちらはシンプルに、〈教会〉の上層部で山分けとなるはずだ。
エリーゼの母は、事件のあった日に心労のため倒れ、そのまま帰らぬ人になった……ということになっているがほぼ間違いなく暗殺された。
エリーゼの母はエリーゼに似て美人で頭の回転が早く気が強かった。空中分解する寸前とはいえ、一度はトップに立つ寸前までいった派閥。勢いづくとまずいから徹底的に潰されたのだろう。
エリーゼの屋敷に仕えていたメイドも執事も庭師などもすべて抹殺済み。
もし上手く行けば彼らは、〈教会〉トップの愛人や〈教会〉トップの筆頭執事になれたのだから、相応のリスクを負っていたといえるかもしれない。
仮にエリーゼが生きていたとしても、屋敷には戻れないし、無理に戻ろうとしたら殺される。現在派閥を握った側としては、エリーゼの存在は邪魔なのだから。もっともすでに死亡したと伝え聞いたから意味のない仮定だが。
エリーゼの父の派閥の残党がいるからこそ、かなり強引に金と権力にものをいわせて新聖女を立てた。
……ということを、なんとなくフェルノは、使用人や街の人たちの会話で理解している。彼女は天稟という部分だけに限れば、エリーゼより遥かに恵まれていた。加護しかり。ただし、深く物事を考えず、努力は嫌いなため十全に活かしきれているわけではない。
噂によればエリーゼの遺体は、大量の死骸と一緒に、適当に燃やして、穴に埋められたそうだ。
墓地に埋められたのはせめてもの情けで、本来の〈教会〉なら、「〈天雷の塔〉に内通者を通した罪」などを問うただろう。実際にエリーゼたちが招き入れなければあんなところまで気づかれずに潜り込めるとは思えないから。奴隷たちも合わせれば20人を超える大所帯だ。
「死霊に鞭打つ」
というのは一般人には知られていない〈教会〉の方針だ。死んでも責任からは逃れられず、家族も親族も使用人も一蓮托生。
実体をもたないレイスを鞭で打ち据えることなどできないのに、そうする、というところがどこか狂信的めいていて、〈教会〉の本質の一端をよく表している比喩だ。
ドンドン、と瀟洒な木彫りのあるドアがノックされた。音が鈍いのは、それだけ仕込まれた鉄板が分厚いからだ。
「緑のアフタヌーンティーを持って参りました!」
外に立つ衛兵が声を張り上げた。
「入って入って!」
フェルノも大きめの声で返す。
すぐに分厚い扉が開き、黒髪のメイドが入ってきた。
フェルノも勇者も顔をしかめる。
見た目が気に入らない。あの盗賊を連想させる。
だが何より、つんと鼻をつく臭いがたまらなかった。
銀色に輝くワゴンの上には、アフタヌーンティーのセットっぽいものが載っているが、見る者が見れば不自然に感じるだろう。
そもそもこれほど草をすり潰したような臭いのするメイドなどいるはずもない。その上、見た目を重視されるメイドという職にありながら、顔色は悪く、ほとんど日光を浴びたことがないのが一目でわかる有様だった。
「さっさと閉めて」
フェルノの命令に、すぐさま衛兵がドアを閉めた。
のろのろと動いていた黒髪のメイドのお尻に勢いよくぶつかったが、衛兵から謝る声はなかったし、勇者から心配する声もかからなかった。
「おい。フェルノ……。もっと他にいなかったのかよ」
「仕方ないよー。だってだって、貴重だし」
黒髪の女が、ワゴンの上のティーポットを開けると、中から煎じた草の臭いがした。緑っぽい煙さえ幻視してしまいそうなほど強烈な香り。
「貴重ねえ……まぁ、確かに薬師でちゃんと薬が使えるヤツなんて初めて見たけどな」
「しーっ! この地下には信用できる者しか入れてないし、扉は分厚いけど、めったなこと言わないでよ! 〈教会〉にバレるとマズイんだから!」
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