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ああああ!何もする気が起きない。
「お嬢様。お暇なのは分かりますが、レディーとして、その格好は如何なものかと思ます」
ルルンからそう言われ、私は一応体を起こす。
先日の試合から、私はお父様から『お出かけ禁止令』を出されているのだ。でも、その命令を下したお父様は、試合の次の日から王宮に行っていて、一度も帰ってきていない。
そう。隙を見て私はいつでも抜け出せる状態なのだ。だが‥‥。
「ねぇ、ルルン。私外に出──」
「──ダメです」
ルルンが常時私の近くにいるせいで、全く外に出れない。出れるところといえば、家の庭ぐらいだ。
一応言っておくと、ここはゲームの世界だ。
ここの所色々ありすぎて、思わずここが前世のゲームの世界だと忘れてしまう事が多々あるが、ここはゲームの世界なのだ。
「‥‥なんかつまんない」
もっと、ドロドロの沼みたいなのに引き込まれる(実際のゲームは全年齢向け)のかと思っていたが、そんなこともなく。というか、大方私は先日の一件で危険人物と認識されただろう。
はぁー。なんであんなに暴れたんだろ。
今更後悔しても遅いことは百も承知だが、こうも暇だと考えてしまう。
「ルルン~」
「はいはい。なんですか?」
「ふふふ~呼んでみただけ~」
「はぁー、なんですか?それは」
私が前世で良くしていた「呼んでみただけ~」をルルンにやってみると、ルルンは呆れたようにしながらも、笑ってくれた。
それが無性に嬉しく感じられ、私はむず痒くなった。
「うう~」
「なんですか。急にうなったりして」
ルルンに冷たい目を向けられたが、私の心はとてもポカポカしていた。
「お嬢様。お暇なのは分かりますが、レディーとして、その格好は如何なものかと思ます」
ルルンからそう言われ、私は一応体を起こす。
先日の試合から、私はお父様から『お出かけ禁止令』を出されているのだ。でも、その命令を下したお父様は、試合の次の日から王宮に行っていて、一度も帰ってきていない。
そう。隙を見て私はいつでも抜け出せる状態なのだ。だが‥‥。
「ねぇ、ルルン。私外に出──」
「──ダメです」
ルルンが常時私の近くにいるせいで、全く外に出れない。出れるところといえば、家の庭ぐらいだ。
一応言っておくと、ここはゲームの世界だ。
ここの所色々ありすぎて、思わずここが前世のゲームの世界だと忘れてしまう事が多々あるが、ここはゲームの世界なのだ。
「‥‥なんかつまんない」
もっと、ドロドロの沼みたいなのに引き込まれる(実際のゲームは全年齢向け)のかと思っていたが、そんなこともなく。というか、大方私は先日の一件で危険人物と認識されただろう。
はぁー。なんであんなに暴れたんだろ。
今更後悔しても遅いことは百も承知だが、こうも暇だと考えてしまう。
「ルルン~」
「はいはい。なんですか?」
「ふふふ~呼んでみただけ~」
「はぁー、なんですか?それは」
私が前世で良くしていた「呼んでみただけ~」をルルンにやってみると、ルルンは呆れたようにしながらも、笑ってくれた。
それが無性に嬉しく感じられ、私はむず痒くなった。
「うう~」
「なんですか。急にうなったりして」
ルルンに冷たい目を向けられたが、私の心はとてもポカポカしていた。
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