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小等部

おマヌケ誘拐犯?

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 いやーどうもどうも~!簡単に、自己紹介をうさぎさんとかわしました!
 そして、思い出しました。
 この子。ゲームの攻略対象じゃないか!と。しかも、2人いた。

「あなたは、どなた?私はグループの令嬢よ!」
小笠原  姫華おがさわら  ひめか】女
 金髪で、長髪!そして、青い瞳!そう!王道中の王道!『金髪碧眼』だよ!しかも、お肌はフランス人形バリの白さ!もうヤバいよ!陶器人形だよ!触ったら壊れるよ!
 ここにも!ここにも王道様がいたー!
 将弥の[お嬢様枠]の攻略対象で、輝のほうでは、[悪役令嬢枠]だ。
 私より1歳年上で、今5歳じゃないかな?たしか5歳で婚約したってキャラ設定似合ったから、もう攻略対象の【蘭野  菊弥らんの  きくや】と婚約しているだろう。

「あ、あの。君って大友グループの令嬢さん?」
小笠原  創おがさわら  そう】男
 銀髪で、短髪。そして、瞳は、暁です。肌は、白い。そう!陶器人形のように白い!
 いや、もうウサギでしょ?怖いのかプルプル震えてるしさ?これうさぎ以外に何がある?もうなでたい!
 歳は、私のに2個下だったと思う。だから、2歳?いやにハッキリ言葉が言えて羨ましい~。
 とりあえず、ジト目を流すと、怯えられたのでやめる。
 姫華とは、姉弟していの関係で、たしかに顔つきが、どことなく似てることもなくもなくもない。
 将弥とは、関係がなくて、関係があるのは、輝だけだ。光の方では、[かわいい系後輩枠]で、輝とくっつけてもいいと思っている。

「はい。存じております。小笠原  姫華様と小笠原  創様。お二人は姉弟の関係だったと、記憶しております(ニコッ)」
 外行用の、笑顔を顔に貼り付けて、令嬢用の言葉遣いをする。
 すると、私がいやに落ち着いているからか、2人ともキョトンっとした。
 何この可愛さ!創にかんしては、首ちょっと傾げてるし!かわいい~!!
「あなたは?」
「え?」
「あなたの名前を教えなさい!私たちが名前を言ったのに、あなたが言わないなんて、失礼ですわ!」
 あ、そっか。ゲームのことに気をとられて、つい忘れてた。
わたくしは、大友  蘭夜です。大友グループの令嬢です。こんな格好で申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いします」
 私が頭を下げると、向こうも慌てて顔を下げてきた。
 もうかわいい~!前世の年齢あわせて、45歳を超えてるからか、周りの子供が可愛く見えてしょうがない。
 てか、誘拐犯は、先程を恨むように私に促していた。王道では、そういうのって、明桜さんが誘拐犯に何かしたってことでしょ?なら、誘拐されるのって、私だけでよくない?なんでこの2人まで‥‥まさか。
「あの。姫華様?」
「‥‥姫華」
「え?」
「姫華で、いいわ!私も蘭夜って呼ぶから!敬語もいらないわ!」
 お耳を真っ赤にして、姫華が投げやりに言ってきた。
 え?ツンデレ?この子ツンデレだったの!?か、かわいい~!!
「うん!姫華!よろしく!っで、聞きたいことが一つあるんだげど‥‥いい?」
「っ!‥‥な、何‥よ。ら‥‥蘭夜」
 ああ~!!もう顔赤くして私の名前を言ってくる姫華!悶絶ものだよ!
 こんなとこじゃなかったら、悶絶してたよ!
「コホン。誘拐犯なんだけどね?姫華達を誘拐する時に、何か言ってなかった?覚えてる範囲でいいの。それと、誘拐された日にちとか」
「え?えっと~‥‥『こいつらじゃない!』とか『早く見つけてやっちまえ!』とか言ってたわよ?ね?創」
「う、うん!そうだよ!それと、今日誘拐されたんだ。えっと‥‥蘭夜‥‥お姉ちゃん?」
「はぅ!」
 ヤバい!うさぎさんに名前を呼ばれて、『お姉ちゃん』呼びされた!ヤバい!とにかくヤバい!

 ま、これで分かった。たぶん、これは輝と将弥の過去イベントだ。
 たしか、主人公は、昔誘拐されたことがあって、それがトラウマになって、主人公のトラウマ使っての好感度アップストーリーがあったはず。
 今思い出すと、なかなか酷いよね~。それをめっちゃ楽しそうに見てた私も酷いけど‥‥
 ま、それは置いといて、誘拐犯は、最初は輝と将弥を狙った。でも、手違いで、小笠原姉弟をさらってしまった。そして、急遽標的を変えることにして、次の標的にしたのが、私だった‥‥うん。
 これ完全におマヌケ誘拐犯のせいで、小笠原姉弟が巻き込まれちゃったんだね。
「なら、私が解決しなくちゃね」
「「え?」」
 私は、部屋の中を見渡した。すると、尖っているもの見つけたよー!月明かりに照らされて、光ってた!
 いや~。前世で脱出ゲームもプレーしてて、もの探しとか得意になってて助かったよ。
「ほ!あらよっと!‥‥よいしょ(ズリ)よいしょ(ズリ)‥‥や!えいや!おとと‥‥えっと、背を向けて、おいしょ!」
「え!?何してるの!?蘭夜お姉ちゃん!」
「うん?私がしたいこと?ここにある尖ったもので、縄を切るの!」
 私がとった行動は、『まず、反動つけてのうつ伏せ→アオムシみたいに移動頑張って立つ!→尖ったものに背を向けて縄を切ろうと試みる!』だ!
 別に変な行動はしていない。いや、令嬢らしからぬ動きは、したけどね?

「‥‥あ、切れた!やりー!!待ってね!今足の縄切ってからそっちも助けるよ!」
 しばらく縄を切るために、集中すると、縄が切れた。すぐに足の縄も切ってから、2人の方へ行く。
「あれ?なんで足縛られてないの?」
「あ、それは、私が足を縛られる時に暴れまわったからですわ!」
「姉さんが暴れたことで、僕も暴れると思われて、僕の方も手だけ、縛られたよ!」
 ドヤ顔で、言い放った、姉弟。
 いや、誘拐犯相手に暴れるって‥‥スゴイネ姫華チャン。
「うし!切れた!さ!脱出しよう!」
「うん!」「はい!」
 さて、脱出口は、最初に確認した、あそこしかないかな?

 私たちは、階段みたいに物を積み上げて、窓までの登路を作る。今、1番小さいうさぎ‥‥コホン。創に窓の外の様子を見てもらっている。
 もし、窓の外が3階の窓とかだったら、すぐにこの脱出方法は、やめるつもりだ。
「どう?行けそう?」
「うん。そのは、茂みになってて、草がクッションがわりになってくれそうだよ」
「よし!行こう!そして、人呼べたら呼んでね?」
「うん!」
 そう言って、創は、窓の外に行ってしまった。
 よし、次は姫華だ。
「姫華。次‥‥ん?どうしたの?」
 私の後ろにいた姫華が、震えている。もしかして、高所恐怖症で、上に上がれないとか?やば!それ考えてなかった!
「ひ、姫華?大丈夫?」
 とりあえず、姫華の顔色を伺うように、顔をのぞき込む。
「ら蘭夜~。どうしましょう。外に行く勇気がありません。登れますが、1人で外に行けません~」
 あ、そっちか。よかった。それなら脱出出来る。
「大丈夫だよ?私もすぐに脱出して、姫華のとこ行くから‥‥だから、行って?外で待ってて?」
「‥‥絶対ですわよ?早く来てくださいよ?」
 あああぁぁぁあああぁぁあああ!誰か!この子をどうにか私から離して!襲う!このままじゃ、撫で回しててしまう!
 私が1人で悶絶しているあいだに、姫華は1人で窓のところまで登っていた。
 こちらを見て、不安げな顔をするので、手を振って、笑って頷いて見せた。

「さて、行く(ドンドン!ドンドン!)っ!‥‥ヤバいな~」
 姫華がゆっくり外に行ったのを見届けて、私も外にいくために登り始めた時だった。扉を強く叩く音がしてしまったのだ。
 どうする。どうする。
 姫華は、無事にいるだろうか。創は、無事に人を呼びに行けただろうか。不安が一気に頭を駆け巡った。
「‥‥‥よし。反撃するしかない」
 近くにあった、木のバットを持つ。前世の剣道の容量でいけば、大丈夫だ。私の体はまだ小さくて、バットが重いが、持てないほどでは、ない。
「‥‥来い」
 バットを握りしめる。来るなら来い。相手してやる!
「(ガチャガチャ)‥‥」
 やばい。冷や汗が酷すぎる。やっぱり、命がかかってるから?どうなのかは、分からないが、とにかく汗がやばい!
 ‥‥‥来る!
「お嬢さ「やぁあああぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!」っ!!(パシッ)」
 私は、入ってきた人物に、思いっきりバットを振り下ろした。
 だが、手で受け止められたらしく、軽い音がでただけだった。
 ダメだ。やっちゃった。
 絶望に覆われて、顔を上げる。すると、そこには、ありえない人物がいた。

「お嬢様‥‥助けに来ましたよ?」
「か‥わ‥‥かみ、さん。あ!手!手は大丈夫!?ごめんなさい!」

 バットを受け止めた人物は、川上さんだった。私は慌てて謝りながら、川上さんの手を見る。赤くなっている。
「うわ~!ごめんなさい!運転手なのに、手が赤くなっちゃった!骨とかにヒビ入ってないよね!?」
「お嬢様‥‥そこなのですか?」
 え?他に何かあった?だって、運転手は、手を使うんだよ?それなのに、手を怪我したらダメじゃん。
 あ、もしかして!
「あ、私の他に捕まってた子がい「蘭夜お姉ちゃん!姉さんを保護したよ!」‥‥無事だったのね」
 私が言い終わらないうちに、創が来て、姫華の保護を報告してくれた。
 よかった~!陶器人形みたいだったから、落ちた時に壊れちゃったんじゃないかと心配したんだよね。
「お嬢様‥‥違います。もっと他にあるでしょ!」
「うぇ!?えっと‥‥どうしてここに川上さんがいるのか?とか?」
「違います!‥‥はぁー」
 え!?ため息疲れたよ!?どうして!?思ったことちゃんと言ったのに!

「‥‥怖くありませんでしたか?よく、1人で頑張りましたね?」

 そう言って、川上さんは、私を抱きしめて、頭を撫でてくれた。
「え?何言ってるの?私は大丈夫だよ?怖くなんてな「蘭夜お姉ちゃん。涙」え?」
 創に指摘されて、自分の頬を触ってみたら、たしかに濡れていた。
 一旦自覚すると、顔の笑顔が崩れて、泣くしかできなくなった。
「う、うわぁぁぁぁあああん!頑張って‥ヒック‥‥怖く‥うわぁああああぁあぁ」
 私は、この世界に来て、初めて人前で思いっきり泣いた。私は甘えるように、川上さんに抱きついて、そのまま眠ってしまった。
 川上さんは、私が寝るまで、背中や頭を撫でてくれた。
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