28 / 41
小等部
帰ろう
しおりを挟む
「蘭夜!無事か!」
部屋に入ってきたのは青い顔をした悠真だった。
「え!?悠真!?なんでここにいるの!?」
私はちょうどベッドの上でゴロゴロマンガを見ていたので、驚きのあまりに飛び上がってしまった。
悠真は私の姿を確認すると、すぐによってきて体をペタペタと触り始めた。
あ、胸とかは触られてないよ?
「怪我は!?何もされなかったか!?」
必死の表情で怪我を探す悠真は、私から見てとても面白かったりする。
「大丈夫だよ?ほら!怪我なんてひとつもない!」
ひとまず悠真をなだめるために、何も心配ないと、腕を出したり足を出したりした。
足を出した瞬間に、悠真がすごい勢いで青い顔を赤色に染めて、私の足を布団で隠した。
そこ速度、正しく光のごとくってね。
「バカ野郎!男の前で何足出してんだ!!とういかお前は元々ーー」
あ、これは長引くタイプの説教だ。
前世の知識からして、悠真みたいなタイプは、説教を始めると本当に長くなるタイプだと思う。
ーーーーーーーーーーーー
「ーーだ!わかったか!?」
説教が終わった頃には、もう何人か部屋に入ってきて、私が説教されているのを、とても暖かい目で眺めている見物人達がいた。
「‥‥悠真ぁー」
「なんだ」
悠真は気づいていないようなので、私は悠真の後ろを指さして、今の状況を教えてあげる。
「‥‥な、な」
悠真は見事に固まって、そのままカチコチと動いて、ベッドから降りて、何事も無かったかのように無心になった。
「‥‥悠真。もう手遅れ」
「っ!言うなぁ!!」
悠真は頭を抱えて床の上で悶絶してしまった。
私はそれを哀れむ目で見てから、見物人達の中で、1番歳を食っていそうな白い髪で、とても優しそうな老人に、目だけで『あなた方の事の、説明プリーズ』と言ってみた。
するとその老人は頷いて、私に説明してくれた。
「私達は、水永家に使える者です。大友様。助けに来るのが遅れてしまい、誠に申し訳ありませんでした」
そう言って、全員揃って頭を下げてきた黒スーツの皆様方。
小学生に向かって、頭を下げている大勢の黒スーツの図。
‥‥なかなかシュールだな。
「あ、えっと、捕まっているあいだ、それほど苦でもなかったし、逆に快適だったというか、羽根伸ばしができたというか‥‥」
「!‥‥なるほど‥‥ふぉふぉふぉ」
老人は驚いたような表情を見せた後、笑いだしてしまった。
私は悠真の様子を横目で見てみると、まだ悶絶していた。
「‥‥悠真?」
「なんだよ」
一応悠真から返事は帰ってきた。
「‥‥帰ろっか?」
「‥‥‥‥‥‥ああ」
私が差し出した手に、悠真は手を伸ばしてくれた。
「‥‥ほぅ」
さっきの老人が小さくそう呟いたが、私は気にしないことにした。
部屋に入ってきたのは青い顔をした悠真だった。
「え!?悠真!?なんでここにいるの!?」
私はちょうどベッドの上でゴロゴロマンガを見ていたので、驚きのあまりに飛び上がってしまった。
悠真は私の姿を確認すると、すぐによってきて体をペタペタと触り始めた。
あ、胸とかは触られてないよ?
「怪我は!?何もされなかったか!?」
必死の表情で怪我を探す悠真は、私から見てとても面白かったりする。
「大丈夫だよ?ほら!怪我なんてひとつもない!」
ひとまず悠真をなだめるために、何も心配ないと、腕を出したり足を出したりした。
足を出した瞬間に、悠真がすごい勢いで青い顔を赤色に染めて、私の足を布団で隠した。
そこ速度、正しく光のごとくってね。
「バカ野郎!男の前で何足出してんだ!!とういかお前は元々ーー」
あ、これは長引くタイプの説教だ。
前世の知識からして、悠真みたいなタイプは、説教を始めると本当に長くなるタイプだと思う。
ーーーーーーーーーーーー
「ーーだ!わかったか!?」
説教が終わった頃には、もう何人か部屋に入ってきて、私が説教されているのを、とても暖かい目で眺めている見物人達がいた。
「‥‥悠真ぁー」
「なんだ」
悠真は気づいていないようなので、私は悠真の後ろを指さして、今の状況を教えてあげる。
「‥‥な、な」
悠真は見事に固まって、そのままカチコチと動いて、ベッドから降りて、何事も無かったかのように無心になった。
「‥‥悠真。もう手遅れ」
「っ!言うなぁ!!」
悠真は頭を抱えて床の上で悶絶してしまった。
私はそれを哀れむ目で見てから、見物人達の中で、1番歳を食っていそうな白い髪で、とても優しそうな老人に、目だけで『あなた方の事の、説明プリーズ』と言ってみた。
するとその老人は頷いて、私に説明してくれた。
「私達は、水永家に使える者です。大友様。助けに来るのが遅れてしまい、誠に申し訳ありませんでした」
そう言って、全員揃って頭を下げてきた黒スーツの皆様方。
小学生に向かって、頭を下げている大勢の黒スーツの図。
‥‥なかなかシュールだな。
「あ、えっと、捕まっているあいだ、それほど苦でもなかったし、逆に快適だったというか、羽根伸ばしができたというか‥‥」
「!‥‥なるほど‥‥ふぉふぉふぉ」
老人は驚いたような表情を見せた後、笑いだしてしまった。
私は悠真の様子を横目で見てみると、まだ悶絶していた。
「‥‥悠真?」
「なんだよ」
一応悠真から返事は帰ってきた。
「‥‥帰ろっか?」
「‥‥‥‥‥‥ああ」
私が差し出した手に、悠真は手を伸ばしてくれた。
「‥‥ほぅ」
さっきの老人が小さくそう呟いたが、私は気にしないことにした。
0
お気に入りに追加
448
あなたにおすすめの小説
見ず知らずの(たぶん)乙女ゲーに(おそらく)悪役令嬢として転生したので(とりあえず)破滅回避をめざします!
すな子
恋愛
ステラフィッサ王国公爵家令嬢ルクレツィア・ガラッシアが、前世の記憶を思い出したのは5歳のとき。
現代ニホンの枯れ果てたアラサーOLから、異世界の高位貴族の令嬢として天使の容貌を持って生まれ変わった自分は、昨今流行りの(?)「乙女ゲーム」の「悪役令嬢」に「転生」したのだと確信したものの、前世であれほどプレイした乙女ゲームのどんな設定にも、今の自分もその環境も、思い当たるものがなにひとつない!
それでもいつか訪れるはずの「破滅」を「回避」するために、前世の記憶を総動員、乙女ゲームや転生悪役令嬢がざまぁする物語からあらゆる事態を想定し、今世は幸せに生きようと奮闘するお話。
───エンディミオン様、あなたいったい、どこのどなたなんですの?
********
できるだけストレスフリーに読めるようご都合展開を陽気に突き進んでおりますので予めご了承くださいませ。
また、【閑話】には死ネタが含まれますので、苦手な方はご注意ください。
☆「小説家になろう」様にも常羽名義で投稿しております。
めんどくさいが口ぐせになった令嬢らしからぬわたくしを、いいかげん婚約破棄してくださいませ。
hoo
恋愛
ほぅ……(溜息)
前世で夢中になってプレイしておりました乙ゲーの中で、わたくしは男爵の娘に婚約者である皇太子さまを奪われそうになって、あらゆる手を使って彼女を虐め抜く悪役令嬢でございました。
ですのに、どういうことでございましょう。
現実の世…と申していいのかわかりませぬが、この世におきましては、皇太子さまにそのような恋人は未だに全く存在していないのでございます。
皇太子さまも乙ゲーの彼と違って、わたくしに大変にお優しいですし、第一わたくし、皇太子さまに恋人ができましても、その方を虐め抜いたりするような下品な品性など持ち合わせてはおりませんの。潔く身を引かせていただくだけでございますわ。
ですけど、もし本当にあの乙ゲーのようなエンディングがあるのでしたら、わたくしそれを切に望んでしまうのです。婚約破棄されてしまえば、わたくしは晴れて自由の身なのですもの。もうこれまで辿ってきた帝王教育三昧の辛いイバラの道ともおさらばになるのですわ。ああなんて素晴らしき第二の人生となりますことでしょう。
ですから、わたくし決めました。あの乙ゲーをこの世界で実現すると。
そうです。いまヒロインが不在なら、わたくしが用意してしまえばよろしいのですわ。そして皇太子さまと恋仲になっていただいて、わたくしは彼女にお茶などをちょっとひっかけて差し上げたりすればいいのですよね。
さあ始めますわよ。
婚約破棄をめざして、人生最後のイバラの道行きを。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ヒロインサイドストーリー始めました
『めんどくさいが口ぐせになった公爵令嬢とお友達になりたいんですが。』
↑ 統合しました
魔性の悪役令嬢らしいですが、男性が苦手なのでご期待にそえません!
蒼乃ロゼ
恋愛
「リュミネーヴァ様は、いろんな殿方とご経験のある、魔性の女でいらっしゃいますから!」
「「……は?」」
どうやら原作では魔性の女だったらしい、リュミネーヴァ。
しかし彼女の中身は、前世でストーカーに命を絶たれ、乙女ゲーム『光が世界を満たすまで』通称ヒカミタの世界に転生してきた人物。
前世での最期の記憶から、男性が苦手。
初めは男性を目にするだけでも体が震えるありさま。
リュミネーヴァが具体的にどんな悪行をするのか分からず、ただ自分として、在るがままを生きてきた。
当然、物語が原作どおりにいくはずもなく。
おまけに実は、本編前にあたる時期からフラグを折っていて……?
攻略キャラを全力回避していたら、魔性違いで謎のキャラから溺愛モードが始まるお話。
ファンタジー要素も多めです。
※なろう様にも掲載中
※短編【転生先は『乙女ゲーでしょ』~】の元ネタです。どちらを先に読んでもお話は分かりますので、ご安心ください。
家庭の事情で歪んだ悪役令嬢に転生しましたが、溺愛されすぎて歪むはずがありません。
木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるエルミナ・サディードは、両親や兄弟から虐げられて育ってきた。
その結果、彼女の性格は最悪なものとなり、主人公であるメリーナを虐め抜くような悪役令嬢となったのである。
そんなエルミナに生まれ変わった私は困惑していた。
なぜなら、ゲームの中で明かされた彼女の過去とは異なり、両親も兄弟も私のことを溺愛していたからである。
私は、確かに彼女と同じ姿をしていた。
しかも、人生の中で出会う人々もゲームの中と同じだ。
それなのに、私の扱いだけはまったく違う。
どうやら、私が転生したこの世界は、ゲームと少しだけずれているようだ。
当然のことながら、そんな環境で歪むはずはなく、私はただの公爵令嬢として育つのだった。
悪役令嬢に転生したので落ちこぼれ攻略キャラを育てるつもりが逆に攻略されているのかもしれない
亜瑠真白
恋愛
推しキャラを幸せにしたい転生令嬢×裏アリ優等生攻略キャラ
社畜OLが転生した先は乙女ゲームの悪役令嬢エマ・リーステンだった。ゲーム内の推し攻略キャラ・ルイスと対面を果たしたエマは決心した。「他の攻略キャラを出し抜いて、ルイスを主人公とくっつけてやる!」と。優等生キャラのルイスや、エマの許嫁だった俺様系攻略キャラのジキウスは、ゲームのシナリオと少し様子が違うよう。
エマは無事にルイスと主人公をカップルにすることが出来るのか。それとも……
「エマ、可愛い」
いたずらっぽく笑うルイス。そんな顔、私は知らない。
乙女ゲーのモブデブ令嬢に転生したので平和に過ごしたい
ゆの
恋愛
私は日比谷夏那、18歳。特に優れた所もなく平々凡々で、波風立てずに過ごしたかった私は、特に興味のない乙女ゲームを友人に強引に薦められるがままにプレイした。
だが、その乙女ゲームの各ルートをクリアした翌日に事故にあって亡くなってしまった。
気がつくと、乙女ゲームに1度だけ登場したモブデブ令嬢に転生していた!!特にゲームの影響がない人に転生したことに安堵した私は、ヒロインや攻略対象に関わらず平和に過ごしたいと思います。
だけど、肉やお菓子より断然大好きなフルーツばっかりを食べていたらいつの間にか痩せて、絶世の美女に…?!
平和に過ごしたい令嬢とそれを放って置かない攻略対象達の平和だったり平和じゃなかったりする日々が始まる。
転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。
しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。
冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!
わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?
それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?
乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか〜
ひろのひまり
恋愛
生まれ変わったらそこは異世界だった。
沢山の魔力に助けられ生まれてこれた主人公リリィ。彼女がこれから生きる世界は所謂乙女ゲームと呼ばれるファンタジーな世界である。
だが、彼女はそんな情報を知るよしもなく、ただ普通に過ごしているだけだった。が、何故か無関係なはずなのに乙女ゲーム関係者達、攻略対象者、悪役令嬢等を無自覚に誑かせて関わってしまうというお話です。
モブなのに魔法チート。
転生者なのにモブのド素人。
ゲームの始まりまでに時間がかかると思います。
異世界転生書いてみたくて書いてみました。
投稿はゆっくりになると思います。
本当のタイトルは
乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙女ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか?〜
文字数オーバーで少しだけ変えています。
なろう様、ツギクル様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる