37 / 50
投獄
しおりを挟む
ガチャン
「獅凰、どういうことなのです?」
獅凰達は突如投獄されたのだ。それもまさかギルドの地下にある牢屋とはさらに都合が悪い。
投獄される数時間前、獅凰達はショッピングを楽しんでいた。食べ物を屋台で買ったり、ミラに教えておくためにここにある商品、店をメモしていた。するとあることに気がついた。ギルドの本部があるじゃないかと。獅凰達は顔を伏せて行動した。少し怪しいが、人が多いため紛れることが出来ていた。しかし、付近で事件が起こっていたらしい。連続万引き犯がいたそうだ。その被害は膨大でどこの店もてを焼いていたらしい。その万引き犯の捕縛がギルドからの依頼として出ていたそうだ。獅凰達はそれに関わってしまった。
「例の万引き犯だ!誰か捕まえてくれ!」
獅凰は迷わずその男を追いかけた。獅凰は、実際にそれを功績としようと思ったり、それを仕事として金銭のやり取りをしようとは全く思っていなかった。ただ純粋な善意だけでの行動である。
「ぐわぁ!何なんだお前は、あり得ないスピードで走りやがって。クソッ」
獅凰は、戦闘の積み重ねで足の裏と地面との設置の瞬間に能力を発動させることで爆発的なバネを作り出し、恐るべきスピードを出せるようになっていた。獅凰にとって、万引き犯を追いかけて捕まえることは何もしんどくない事だったのだ。
「あーあんたありがとう。本当に助かったよ。ギルドに依頼は出していたんだがなかなか解決してくれなくて…」
そんなおじさんの声を聞いたときに、人混みの後ろから大きな声が聞こえてきた。
「人の依頼を奪うのは良くないなぁ。ルールってもんを何一つ分かっちゃいねぇ。人の獲物を横取りするのはご法度だろ?そんなことも分かんねぇなんてどこのルーキーだよ!」
どうやらギルドからの依頼を受注していた者らしい。
「悪かった、横取りをするつもりなどない。そもそも、ギルドに勤めてもいないからな」
男達は顔を見合わせた。そして、あることを思い出した。ギルドに入らずに功績をあげようとする異端な者がいると。そして、それを見つけ次第拘束せよと。それは、ギルドに勤めるものすべてに伝えられていたものであった。そして、それが獅凰だと考えた。その彼らがとる行動はひとつしかない。ギルドのルールに乗っ取ったように見せて、獅凰を捕まえること。さらに、依頼の報酬と獅凰を捕まえたことによる報酬を貰うことだ。
「だとしても、人の仕事を奪うってのはいいことじゃないだろ?俺たちだってこれで日々飯を食ってんだからな。そんな大切な仕事を奪われちゃたまったもんじゃない。」
男達は、大袈裟に獅凰を避難した。
「いや、もともと報酬何て貰うつもりないから、それはあんたが貰ったらいい。俺は何もしなかった。万引き犯を捕まえたのはあんただ。それでいいだろ?」
獅凰は、これ以上面倒なことになって存在が明らかになることを恐れて一刻も早くこの場を去りたかった。しかし、すでに獅凰であると気付いている男達は逃がすはずもない。なぜなら莫大な報酬が目の前にあるのだから。
「ちょっとついてきてもらおうか。少しギルドの談話室でも借りて話そうじゃないか。」
男は力強く獅凰の腕を掴んだ。それをようやく後ろから追い付いてきたシフェリとレイラが目撃した。レイラは、怒り男を殺す勢いで近づいてきた。
「待てレイラ。落ち着け。」
レイラは、獅凰の言葉で落ち着きを取り戻した。
「何だ仲間か。おい!こいつらも連れていけ!」
結果的にシフェリとレイラまでも巻き込んでしまうこととなった。
そして、今に至る。
「どうしてって俺がやっちまったからだろ」
「そういうことじゃない」
レイラは、じっと獅凰を見つめる。
「獅凰ならあの状況を打開できた。武力にでなくとも制圧できたはず。今だってそう。逃げようと思えば逃げれる。なのに獅凰はしない。なんで?」
「あー、そういうことか。理由は、一つ国王に迷惑をかけたくないそれだけ。もし、俺たちの行動が国王の耳に届いてみろ。俺たちを見捨てるにせよ庇うにせよ、国王は、危険人物をギルグットに連れ込んだ人間になってしまう。それではうまくいく会談もどうなるか分からない。」
すると二人はしゅんとした。逃げるすべはないと言われたようなものだから。
「けど、心配すんな。最悪の場合強行突破する。出来る限りの抜け道を探したあとでだけどな。」
二人は少しほっとした表情を見せた。
「獅凰、どういうことなのです?」
獅凰達は突如投獄されたのだ。それもまさかギルドの地下にある牢屋とはさらに都合が悪い。
投獄される数時間前、獅凰達はショッピングを楽しんでいた。食べ物を屋台で買ったり、ミラに教えておくためにここにある商品、店をメモしていた。するとあることに気がついた。ギルドの本部があるじゃないかと。獅凰達は顔を伏せて行動した。少し怪しいが、人が多いため紛れることが出来ていた。しかし、付近で事件が起こっていたらしい。連続万引き犯がいたそうだ。その被害は膨大でどこの店もてを焼いていたらしい。その万引き犯の捕縛がギルドからの依頼として出ていたそうだ。獅凰達はそれに関わってしまった。
「例の万引き犯だ!誰か捕まえてくれ!」
獅凰は迷わずその男を追いかけた。獅凰は、実際にそれを功績としようと思ったり、それを仕事として金銭のやり取りをしようとは全く思っていなかった。ただ純粋な善意だけでの行動である。
「ぐわぁ!何なんだお前は、あり得ないスピードで走りやがって。クソッ」
獅凰は、戦闘の積み重ねで足の裏と地面との設置の瞬間に能力を発動させることで爆発的なバネを作り出し、恐るべきスピードを出せるようになっていた。獅凰にとって、万引き犯を追いかけて捕まえることは何もしんどくない事だったのだ。
「あーあんたありがとう。本当に助かったよ。ギルドに依頼は出していたんだがなかなか解決してくれなくて…」
そんなおじさんの声を聞いたときに、人混みの後ろから大きな声が聞こえてきた。
「人の依頼を奪うのは良くないなぁ。ルールってもんを何一つ分かっちゃいねぇ。人の獲物を横取りするのはご法度だろ?そんなことも分かんねぇなんてどこのルーキーだよ!」
どうやらギルドからの依頼を受注していた者らしい。
「悪かった、横取りをするつもりなどない。そもそも、ギルドに勤めてもいないからな」
男達は顔を見合わせた。そして、あることを思い出した。ギルドに入らずに功績をあげようとする異端な者がいると。そして、それを見つけ次第拘束せよと。それは、ギルドに勤めるものすべてに伝えられていたものであった。そして、それが獅凰だと考えた。その彼らがとる行動はひとつしかない。ギルドのルールに乗っ取ったように見せて、獅凰を捕まえること。さらに、依頼の報酬と獅凰を捕まえたことによる報酬を貰うことだ。
「だとしても、人の仕事を奪うってのはいいことじゃないだろ?俺たちだってこれで日々飯を食ってんだからな。そんな大切な仕事を奪われちゃたまったもんじゃない。」
男達は、大袈裟に獅凰を避難した。
「いや、もともと報酬何て貰うつもりないから、それはあんたが貰ったらいい。俺は何もしなかった。万引き犯を捕まえたのはあんただ。それでいいだろ?」
獅凰は、これ以上面倒なことになって存在が明らかになることを恐れて一刻も早くこの場を去りたかった。しかし、すでに獅凰であると気付いている男達は逃がすはずもない。なぜなら莫大な報酬が目の前にあるのだから。
「ちょっとついてきてもらおうか。少しギルドの談話室でも借りて話そうじゃないか。」
男は力強く獅凰の腕を掴んだ。それをようやく後ろから追い付いてきたシフェリとレイラが目撃した。レイラは、怒り男を殺す勢いで近づいてきた。
「待てレイラ。落ち着け。」
レイラは、獅凰の言葉で落ち着きを取り戻した。
「何だ仲間か。おい!こいつらも連れていけ!」
結果的にシフェリとレイラまでも巻き込んでしまうこととなった。
そして、今に至る。
「どうしてって俺がやっちまったからだろ」
「そういうことじゃない」
レイラは、じっと獅凰を見つめる。
「獅凰ならあの状況を打開できた。武力にでなくとも制圧できたはず。今だってそう。逃げようと思えば逃げれる。なのに獅凰はしない。なんで?」
「あー、そういうことか。理由は、一つ国王に迷惑をかけたくないそれだけ。もし、俺たちの行動が国王の耳に届いてみろ。俺たちを見捨てるにせよ庇うにせよ、国王は、危険人物をギルグットに連れ込んだ人間になってしまう。それではうまくいく会談もどうなるか分からない。」
すると二人はしゅんとした。逃げるすべはないと言われたようなものだから。
「けど、心配すんな。最悪の場合強行突破する。出来る限りの抜け道を探したあとでだけどな。」
二人は少しほっとした表情を見せた。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後
空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。
魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。
そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。
すると、キースの態度が豹変して……?
華麗なる凱旋
たかし
ファンタジー
職業"配達員"預金残高"100万"一生懸命働く平凡な一般人、、そんな主人公
"佐藤明"は,5年前とある女性と結婚する。それは,東北地方の末家であった九条家の長女"九条 茜"であり彼女は,九条商会の社長でもある。この5年間で東北地方で名を挙げるほどの期待の新生までに成長した。 茜は,プライドが高く自分の彼氏が
平凡な一般人であることに恥を感じる。
茜は,自分の会社をより多くするため今度の[東北プロジェクトパートナー会]の主席を狙うため、
大陸一の資産を持ち絶対な力を持つ
"東天国際"の部長 "伊集院家"
に関係を持ち始める。
茜の野望と聡の思いとは?
恋愛逆転コメディー"華麗なる凱旋"です。
※1話では,九条家の上位家系"中村家"が
東天国際と取引をする中で東北最大グループ今川グループの妨害が入り中村通商は最大の危機が訪れた。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる