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第15章 隠された真実

母ラルフ 2

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 文を出した三日後、ゼーラルが魔界へ戻ったと連絡があった。帰還したゼーラルは何より誰より先にガルフの元へと行き人間界に居た間の話をガルフに聞かせ、これからの戦況を計画するとの話を聞いた。その為、ミーラとは二日後になるだろうと。
 その間にも私は毎日毎日同じ修行をした。
 秘儀を聞いたから余計に気合いを入れた。
 母様が秘儀を使い魔法を使えなくなる、力を使えなくなるなら私も同じかも知れない。それに、秘儀を使わず勇者ラルトに勝てるとは思えない。彼は魔界一力のある初代魔王から恐れられた聖剣を持っている。どんな力かは分からないが、初めて見た聖剣からは恐れを感じるほど、いや、それ以上に力を感じた。
 
「聖剣を出されたら…」

 秘儀を使わなくては勝てない。自分が今どれほどの力があるのか?そんなのは分からない。けれどラルトが聖剣を持ち目の前に立った時私は、魔界に住む魔族を守るため力を使わなくてはならない。
 だけれど、例え勝てたとしてその後魔法が使えなければラルト自身に勝てても聖剣を討ち破らなければ魔族に平和はない…

 ゼーラルがミーラに逢いに来るまでミーラは日に日に修行を厳しくして行った。
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