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第10章 初めての討伐 ラルトside
疑う事実と真実 5
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「私が助ける必要が無いと判断しました。」
「は?必要が無い…ですと…」
悪魔ゼーラルは必要がないと言った。その言葉を聞いた時信じられないと思った。自分より前からミーラを知っていて前から関わりがあった筈の彼が何故そんな軽く切り捨てるように言ったのか信じられないと。自分ならそんな事はしないと、少なくとも彼より少ない時間しか一緒に居なかった自分だけれど…
ーー俺はミーラの為なら何でもする
そう断言出来る。なのに…
ラルトは、気付くと怒りを込めた目でゼーラルを睨んで拳を血の滲むほどに握り締めていた。
ーー今聖剣があったら…
そう思っていたが、次の瞬間ゼーラルはラルトに近寄って来た。その距離は動かない身体でも拳を向け突き出せば届くくらい。
そして、ゼーラルは頭を下げた。
"貴方になら救えるはず"
"お嬢様を救って下さい"
と、一瞬の出来事に頭が混乱して聞き取れなかった。驚いたラルトはもう一度と聞いた。
「勇者ラルトに願います。お嬢様を魔王の娘ミーラを救って下さい。」
「な…なにを⁈救えるとは?急で分からない!貴方はミーラを見捨てたようなもの…」
ラルトに言われたゼーラルは涙を浮かべながら「お願いします」と言った。地面に食い込んでしまいそうなくらいに頭をより深く下げ言った。
「勇者ラルトに全てをお話し致しますので、お嬢様だけは!助けてください…もう貴方しか居ない」
ラルトには断る事が出来ないと直感した。彼はミーラの側に居たのだ、自分の知らないミーラを知っている。なら何があったのか?何が起きているのか?ミーラはどうしているのか?
聞きたい知りたいとゼーラルの姿を見て直感したし、自分がミーラの為に何か出来るのなら聞くべきだと感じたのだ。
しかしそれはラルトの知りたかった事であり知ったら後戻りは出来ない世界の真実に近い話だった。
「は?必要が無い…ですと…」
悪魔ゼーラルは必要がないと言った。その言葉を聞いた時信じられないと思った。自分より前からミーラを知っていて前から関わりがあった筈の彼が何故そんな軽く切り捨てるように言ったのか信じられないと。自分ならそんな事はしないと、少なくとも彼より少ない時間しか一緒に居なかった自分だけれど…
ーー俺はミーラの為なら何でもする
そう断言出来る。なのに…
ラルトは、気付くと怒りを込めた目でゼーラルを睨んで拳を血の滲むほどに握り締めていた。
ーー今聖剣があったら…
そう思っていたが、次の瞬間ゼーラルはラルトに近寄って来た。その距離は動かない身体でも拳を向け突き出せば届くくらい。
そして、ゼーラルは頭を下げた。
"貴方になら救えるはず"
"お嬢様を救って下さい"
と、一瞬の出来事に頭が混乱して聞き取れなかった。驚いたラルトはもう一度と聞いた。
「勇者ラルトに願います。お嬢様を魔王の娘ミーラを救って下さい。」
「な…なにを⁈救えるとは?急で分からない!貴方はミーラを見捨てたようなもの…」
ラルトに言われたゼーラルは涙を浮かべながら「お願いします」と言った。地面に食い込んでしまいそうなくらいに頭をより深く下げ言った。
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