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第9章 結成勇者パーティー ラルトside

焚き火を囲んで

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 その夜俺たちは、村外れに小さなテントを張り作戦を立てる為野営をしていた。

「さぁ、勇者ラルト。貴方はどうするのかい?」

 最初に口火を切ったのはバルン。まだ謎のあるバルンはまるでラルトの力量を図るかの如く聞いてくる。
 そのバルンの一言をきっかけにザル、アミラ、ダットから一気に注目される。だが、注目の目にはそれぞれ意思や意味が違って存在していた。

「作戦を立てなくては彼ら魔族に勝てないと俺は思う。」
「まぁ、ラルが言うならオレは構わないぞ!」
「ザルが良いなら私もその作戦とやらを聞くわ。」
「…僕は、内容による。」
「ありがとう。みんな。」

 普通に考えれば素直に皆んなの協力に感謝しかない。しかし、彼らの視線の意味に気付いている俺にはどうしてもこのまま作戦を立てる事が優先とは考えれない。
ーーやるなら協力して事に当たらなくてはいけない。だから…

「その前に皆んなの話しを聞かせてくれないか?」
「何よ、急に。今回に関係があるように思わないわ?」
「オレは、んー。ラルに話してないことは無いと思うけどな?」
「このバルンに秘密なんかないよぉ?」
「…お前が一番謎。」
 急に聞かせてくれと言って聞かせてもらえるとは思わない。だからこそ引けない。なにせ俺は、今回のブラック・ラビット討伐を機に彼らの戦い方、彼らとの連携の為に彼ら自身を知らなくてはいけないからだ。
「頼む。俺の事も話す!だから…」
 俺は、焚き火の周りに人数分ある程度離して配置された丸太から離れ暗がりの地面に頭を付け土下座した。彼らは一瞬驚き声を発しかけたが近くの村で子供達が眠っているだろう事を思い出し口には出さない。
 そして、つかの間の沈黙を破ったのはまさかのダットだった。

「…分かりました。そこまで言うのなら、僕から話します。」
「あぁ!ありがとうダット。」
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