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第4章 別れの始まり

変化の前触れ

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 ミーラを庇ったラルトは満身創痍だった。
 動く力も無い、思考するだけの頭も回らない。それでもミーラを離さないとラルトは腕に力を入れる。
 そんなラルトをミーラは自ら引き離しゆっくりと横たわらせた。
 ラルトよりはミーラの方が力があるはずが無い。そう思って疑わなかったラルトだが、現時点で深傷を負ったラルトはミーラの力に抗えなかった。

「ミ…ミーラ…な、なにを」
「ラルト。…大丈夫だ。」
「大丈夫っな、わけっ…俺がっ」
「うん。護ってくれてありがとうラルト。次は私の番だ。だから…」

 ミーラは、まだ話をしようとするラルトからそっと離れようとした。しかし、逃さないと言わんばかりにラルトはミーラの右手の小指に触れた。
 ラルトには右手自体を握る程の力は無かった。せめてと伸ばした手が触れたのはミーラの小さな小指だった。
 そんなラルトにミーラはここに来て初めての”笑顔”で振り返り言った。

「ありがとうラルト。さようなら…もう見ないで…」
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