God & Devil-Ⅱ.森でのどかに暮らしたいミカエルの巻き込まれ事変-

日灯

文字の大きさ
上 下
83 / 174
4章.Tractus

ペット*

しおりを挟む
 怠い身体で目覚めると、ヤグニエの部屋にいた。部屋が明るい。昼ごろだろうか。

「ナカは綺麗にしたぜ。さぁ、足を開いてよく見せろ」

 仰向けの状態で、ミカエルは股を開いた。促され、尻の下から手を出し入口が見えやすいようにする。

「ここも少し使い込んだ風合いになったな」
「…っ…っ…」

 ぷっくりと膨らんだアヌスの縁を指でなぞられた。

「まったく、好き勝手してくれる。ああ、今夜はそなたをドッグクラブに――」

 頭がぼんやりしていて、ヤグニエの言葉を理解する前に右から左へ流れていってしまう。

「――仕方がない。さぁ、俺のをくれてやる」

 彼がズボンから取り出したソレはすでに猛っていた。

「ねだってみろ」
「……犯して」
「あいつらと一緒にするな。……抱いて、だろ」

 前髪を横に撫でつけられ、顔を寄せられた。ヤグニエの視線は兵士たちより熱っぽい。ミカエルは唇を震わせて、その言葉を口にした。

「ぁあっ…イイッ、ァッ…」
「素直なそなたは、かわいいなっ。早く孕めッ。そうなればっ、もう誰にもヤらせない…ッ」

 日が暮れる頃、ようやく解放されて眠りに就いたミカエルは、夜に起こされ昨夜のように首輪や手足の拘束具を装着された。
 服は何も着ていない。素っ裸でマントを纏う。目隠しをされ、連れて行かれた部屋にいた隊長の前に突き出された。

「この者は、殿下が目を掛けているので?」
「ああ、そうだ。側室候補だぞ」
「え。俺が使ってよろしいんですか」
「散々愉しんだやつが何を言う。まだ俺だけのものにできないんだよ」

 ヤグニエは腹立たしげに言った。そんな相手を前に、隊長はニヤニヤ笑う。

「そいつぁよかった。ではありがたく」
「まったく…」

 ミカエルを残し、ヤグニエは奥の部屋に行ってしまった。

「相当気に入られているようだな。殿下が観覧に来ることは稀だぜ」

 おもむろに頭に何かを装着された。まず素っ裸なのが落ち着かない。

「カチューシャってやつでな。犬みたいな耳がついてるだろ。これを触られると…」
「ぁっ…なんっンッ…」
「感じちまうんだよなぁ。そんで、これが尻尾。壁に手をついて股広げろ」

 言われた通りにすると、当然のようにお尻を拡げてアヌスに突っ込まれた。犬の尻尾のような飾りつきの玩具だ。その尻尾を撫でられても背筋がゾクゾクし、下腹部に甘い痺れが走った。

「今夜のお前は俺の犬だ」

 もはや人間以下らしい。しかしながら、実にシュールだ。

「なんで、こんな…」
「あ? 伝統ってやつでな、この集まりのルールになっている。理由は知らん」

 そういう趣味の者が集まって始まったのだろうと、隊長は適当に言った。

「ああ、プレイ時間まで声を出すなよ」

 首輪から伸びる鎖に引っ張られ、四つん這いになって進む。
 奥の部屋はこじんまりとしており、丸テーブルを囲んで何人かが席に着いていた。足許には、それぞれ犬役の少年が控えている。
 隊長が席に着き、会議らしきものが始まった。
 どうやら話されている内容は、政治や戦のことらしい。術をかけれたのかよく聞きとれない。それに、ミカエルはそれどころではなかった。ナカに挿れられている物が動き出したのだ。

「っ…っっ…っ…」
「それでは、プレイ時間としよう」

 どれだけ経ったか、声がきちんと聞こえ、話し合いが終わったらしいことを知った。

「勝手にイクなよ。まずは口でご奉仕しろ」

 なんとか堪えつつ、首輪を引かれて隊長の一物に舌を這わせる。彼の目を見て見せつけるようにすると、どんどん太さを増して猛々しく反り立った。けれど、追い込まれているのはミカエルも同じで。

「ご主人様より先にイくなんて、許されるわけないよなぁ」

 ミカエルの顔を見下ろした隊長は、限界が近いのを感じていやらしく犬耳を撫でてきた。

「勝手にイったら罰を与える」
「…っは、ぅんっ、ンっ…」

 抑え込まれた快感が出口を求め、体内で暴れ回っている。

 ――も、むりっ…!

「アっ…んっぁ…あ、アア…――!」

 刺激する玩具に押されて、精液が出てしまったかのようだった。零れるようにトロトロ落ちて勢いがない。その間ずっと絶頂が続き、ミカエルは開いたままの口から溢れる喘ぎ声を抑えられなかった。
 隊長はわかりきっていたような顔で、心底呆れたように言う。

「ご主人様の命令が聞けない駄犬は、お仕置きしねえとなぁ。床が汚れた。舐めて綺麗にしろ」
「……あ?」
 
 ぼんやり呟くと、後頭部を掴まれガッと前に倒されて鼻先が床につきそうになった。磨き抜かれた黒い石の床にミカエルの放ったものがよく映える。

「犬らしくケツ上げて尻尾振れ」
「ッ、」
 
 腹の下に伸ばした靴先で下腹部を蹴り上げられてお尻を上げる。

「見ない犬ですね」

 ふと投げられた声。

「うちの子犬と戯れてみませんか」
「躾中だったんだがな。……いいぜ。何させるんだ?」
「そうですねぇ。その飾り立てた乳首を使わせてもらいましょうか」

 ――助かった。
 男の後ろに控えていた少年が四つん這いでやって来て、ミカエルのすぐ前でお座りした。ミカエルより年下の少年だ。紫っぽい大きな目が印象的な、かわいい子である。

「サフラン、そちらの犬の乳首を使ってイキなさい」
「はい、ご主人様」

 サフランと呼ばれた少年は伸びあがるようにミカエルに近づくと、小さな口から舌を伸ばしてミカエルの乳首を舐め始めた。

「っおい、」
「おまえは動くな」

 サフランの乳首は女性のように大きくぷっくりしている。ここをたくさん使っていたら、このようになるのだろうか。

 ――それはイヤだ。

 ミカエルの乳首が充分濡れると、サフランは自身の乳首をそこに押し当て擦り始めた。

「あぁっ…ぁ…んんっ…きもちぃっ…」

 ゆらゆらと腰を振り、見せつけるように淫らに感じて官能的な表情で喘いでいる。宴でみずから男たちのもとへ向かった少年の中には、快楽を求める子もいたかもしれない。――などとミカエルが思考しているうちに、サフランは絶頂に近づいていた。

「……ぁっ、ぁ あ、アッ…ァアッ…ア…イクっイグぅ――ッ!」

 首を反らしてビクビク震え、半端に口を開いたまま溢れる声が止まらない。彼の性器を見ると、透明な液体は出ていたが勃起していなかった。

「メスイキか」
「汚れなくていいでしょう」

 ここを開発されたら、ここだけでここまで感じるようになる。恍惚に浸るサフランの目は上を向き、何も映していないようである。ミカエルはその感覚がわかる気がして、そんな自分にヒヤリとした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

婚約者に会いに行ったらば

龍の御寮さん
BL
王都で暮らす婚約者レオンのもとへと会いに行ったミシェル。 そこで見たのは、レオンをお父さんと呼ぶ子供と仲良さそうに並ぶ女性の姿。 ショックでその場を逃げ出したミシェルは―― 何とか弁解しようするレオンとなぜか記憶を失ったミシェル。 そこには何やら事件も絡んできて? 傷つけられたミシェルが幸せになるまでのお話です。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

悪役令息の死ぬ前に

やぬい
BL
「あんたら全員最高の馬鹿だ」  ある日、高貴な血筋に生まれた公爵令息であるラインハルト・ニーチェ・デ・サヴォイアが突如として婚約者によって破棄されるという衝撃的な出来事が起こった。  彼が愛し、心から信じていた相手の裏切りに、しかもその新たな相手が自分の義弟だということに彼の心は深く傷ついた。  さらに冤罪をかけられたラインハルトは公爵家の自室に幽閉され、数日後、シーツで作った縄で首を吊っているのを発見された。  青年たちは、ラインハルトの遺体を抱きしめる男からその話を聞いた。その青年たちこそ、マークの元婚約者と義弟とその友人である。 「真実も分からないクセに分かった風になっているガキがいたからラインは死んだんだ」  男によって過去に戻された青年たちは「真実」を見つけられるのか。

処理中です...