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第八話 宿屋に着きました
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カランコロン♪
「ありがとうございました~♪」
「こちらこそありがとうございました」
「また来るウサ……今度は一人で」
セイントちゃんがポツリと小声で何か言ってましたが聞こえませんでした。
お腹いっぱいに食べた私達は店を出た後セイントちゃんの泊まっている宿屋に行きました。
「ここウサ」
「なかなか大きいですね」
セイントちゃんと一緒に宿屋の中に入ります。
宿屋は三階建ての木造建築のようで一階は全部食堂になってました。
「じゃあ私はリンリンちゃんの泊まる部屋の受付をしておくからちょっとだけ待っててウサ」
「わかりました」
セイントちゃんが受付をしている間、私は壁に貼ってある食堂のメニューを見ます。
「『怪鳥のオムライス』に『自家製ソースのハンバーグ』ですか。どれも美味しそうですね」
さっきお腹いっぱい食べたばかりなのにメニューを見たらまだまだ食べたくなりました。
「お待たせウサ」
ちょうどメニューを全部見終えたところで受付を終えたセイントちゃんが戻ってきました。
セイントちゃんは私の目を見ながら。
「あーー! リンリンちゃんさっきあんなに食べたのにま~た食べたそうにしてるウサ」
「どうしてわかったのですか!?」
「そりゃこんなに目がキラキラしてたら誰でもわかるウサ」
「えへへ」
「褒めてないウサ。リンリンちゃんは夕飯までお預けウサ」
「そんな~」
「駄々こねるなら今度は奢ってあげないウサ」
「ごめんなさい」
私はすぐ頭を下げます。
「わかればいいウサ。それとはいこれ。これがリンリンちゃんの泊まる部屋の鍵ウサ」
セイントちゃんが鍵を渡してくれました。
「? 別々の部屋なんですか?」
「当たり前ウサ」
「なんでですか? 一緒の部屋の方が絶対楽しいですよ」
「それは……へ、部屋を案内するウサ!」
セイントちゃんが逃げるように階段を登ります。
一体どうしたのでしょう?
「リンリンちゃんの部屋は私の部屋の正面ウサ。夕飯の時間になったら呼ぶからそれまでゆっくりしてウサ」
そう言うとセイントちゃんは自分の部屋に入らず今来たところを引き返していきます。
「セイントちゃんどこか行くの?」
「私は今から食堂に行くウサ」
「食堂に!」
「リンリンちゃんは来ないでウサ」
「どうしてですか?」
「それは……と、とにかくリンリンちゃんは夕飯まで部屋で大人しくするウサ!」
セイントちゃんが「ついて来たら夕飯奢らないウサ」と言って逃げるように階段を降りていきました。
「私も食堂に行きたかったのに残念です」
私は落ち込みながらセイントちゃんからもらった鍵を使って部屋に入ります。
部屋の中は質素ながらも本が置いてあったりお風呂までついていました。それも天然温泉です。
「わぁ~温泉ですか」
森の中を歩いていたとあってそこらじゅう汚れていたので真っ先に服を脱いで温泉に浸かりました。
「極楽です~」
なんだか疲れが吹っ飛びます。でも。
「どうせならセイントちゃんと一緒に入りたかったな~」
一人は寂しいと思いましたが温泉に浸かっていると体も心もポカポカしてきました。
30分後。
「これ以上はのぼせそう~」
あまりの気持ちよさに長い時間温泉に入ってましたが、頭がふらふらしてきたので身の危険を感じ温泉からでました。
服を着替えようとしましたが。
「そうでした。私替えの服を持ってません」
このまま裸でいるわけにもいかず、汚れていた服を手洗いして乾くまでの間私は宿にあったタオルで体を隠してベッドに寝転がりながら本を読んで過ごしました。
「ありがとうございました~♪」
「こちらこそありがとうございました」
「また来るウサ……今度は一人で」
セイントちゃんがポツリと小声で何か言ってましたが聞こえませんでした。
お腹いっぱいに食べた私達は店を出た後セイントちゃんの泊まっている宿屋に行きました。
「ここウサ」
「なかなか大きいですね」
セイントちゃんと一緒に宿屋の中に入ります。
宿屋は三階建ての木造建築のようで一階は全部食堂になってました。
「じゃあ私はリンリンちゃんの泊まる部屋の受付をしておくからちょっとだけ待っててウサ」
「わかりました」
セイントちゃんが受付をしている間、私は壁に貼ってある食堂のメニューを見ます。
「『怪鳥のオムライス』に『自家製ソースのハンバーグ』ですか。どれも美味しそうですね」
さっきお腹いっぱい食べたばかりなのにメニューを見たらまだまだ食べたくなりました。
「お待たせウサ」
ちょうどメニューを全部見終えたところで受付を終えたセイントちゃんが戻ってきました。
セイントちゃんは私の目を見ながら。
「あーー! リンリンちゃんさっきあんなに食べたのにま~た食べたそうにしてるウサ」
「どうしてわかったのですか!?」
「そりゃこんなに目がキラキラしてたら誰でもわかるウサ」
「えへへ」
「褒めてないウサ。リンリンちゃんは夕飯までお預けウサ」
「そんな~」
「駄々こねるなら今度は奢ってあげないウサ」
「ごめんなさい」
私はすぐ頭を下げます。
「わかればいいウサ。それとはいこれ。これがリンリンちゃんの泊まる部屋の鍵ウサ」
セイントちゃんが鍵を渡してくれました。
「? 別々の部屋なんですか?」
「当たり前ウサ」
「なんでですか? 一緒の部屋の方が絶対楽しいですよ」
「それは……へ、部屋を案内するウサ!」
セイントちゃんが逃げるように階段を登ります。
一体どうしたのでしょう?
「リンリンちゃんの部屋は私の部屋の正面ウサ。夕飯の時間になったら呼ぶからそれまでゆっくりしてウサ」
そう言うとセイントちゃんは自分の部屋に入らず今来たところを引き返していきます。
「セイントちゃんどこか行くの?」
「私は今から食堂に行くウサ」
「食堂に!」
「リンリンちゃんは来ないでウサ」
「どうしてですか?」
「それは……と、とにかくリンリンちゃんは夕飯まで部屋で大人しくするウサ!」
セイントちゃんが「ついて来たら夕飯奢らないウサ」と言って逃げるように階段を降りていきました。
「私も食堂に行きたかったのに残念です」
私は落ち込みながらセイントちゃんからもらった鍵を使って部屋に入ります。
部屋の中は質素ながらも本が置いてあったりお風呂までついていました。それも天然温泉です。
「わぁ~温泉ですか」
森の中を歩いていたとあってそこらじゅう汚れていたので真っ先に服を脱いで温泉に浸かりました。
「極楽です~」
なんだか疲れが吹っ飛びます。でも。
「どうせならセイントちゃんと一緒に入りたかったな~」
一人は寂しいと思いましたが温泉に浸かっていると体も心もポカポカしてきました。
30分後。
「これ以上はのぼせそう~」
あまりの気持ちよさに長い時間温泉に入ってましたが、頭がふらふらしてきたので身の危険を感じ温泉からでました。
服を着替えようとしましたが。
「そうでした。私替えの服を持ってません」
このまま裸でいるわけにもいかず、汚れていた服を手洗いして乾くまでの間私は宿にあったタオルで体を隠してベッドに寝転がりながら本を読んで過ごしました。
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