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第五十二話 ペンドラゴン視点②
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「ほらほら~、ゆっくり慌てずに出てきてね~」
案内役の女性が、城から出てくる人々を誘導する。
それを眺めながら俺ペンドラゴンは、炊き出し用の大鍋をかき混ぜていた。
「お兄ちゃん、助けてくれてありがとう」
同じく隣で鍋をかき混ぜている妹が声をかけてきた。
「俺は別に何も……」
「ふふふ、冗談ばっかり。お兄ちゃんは世界一頼りになるもの。今回も助けてくれると思ってたよ」
キラキラした目で妹が笑顔を見せてきた。
「ヒュー、相変わらず妹ちゃんはお兄ちゃん大好きだな」
「ラブラブでゴザル」
「私としては好ましくないけど、こ、今回だけは譲ってあげるわ」
俺の左側で大鍋をかき混ぜているSランクハンターの仲間達からやじが飛んできた。
それを聞くと、また騒がしかった日常が戻ってきたようで嬉しい。
だから何度もありがとうと伝えたい。ロデーを倒してくれたクロノ様と女神、イヤリス様に……。
数時間前。
ロデーの宣言通り、城の中に罠などなく、俺、クロノ様、何故かクロノ様にお姫様抱っこされたイヤリス様は正面のエレベーターから地下に降りた。
「く、クロノ中佐、は、はは恥ずかしいのでそろそろおろして……」
「ダメ」
「そ、そそんにゃ~」
噛みながら恥ずかしがるイヤリス様。心の中で俺は、クロノ様に感謝していた。
尊いイヤリス様の照れ顔、ありがとうございます。
そんな事もありつつ、体感的に10分くらいだろうか、エレベーターが止まり、ドアが開いて広く真っ暗な空間に着いた。
「デデデ、よく来たデ」
俺達から正面、最奥に上空から電気が灯り、一人の少女が姿を現す。
忘れもしない、あいつこそ俺にとって最大の宿敵。
「ロデー!!」
太刀を取り、弱体してるにも関わらず俺は飛び出していた。
「『シャイニングソウル』『メタルボディ』『パワーソウル』『マジックアップ』『ドラゴンソウル』『オーラデビル』『デスキラー』」
90%弱体化してようが関係ない、コイツは俺の最大パワーで殺す!
様々なパワーアップスキルにより、俺は弱体化する前の半分まで力を取り戻す。
「『オーラスラッシュ・ファイナル』」
寿命を削る最後の切り札を使用。
俺の姿は赤いオーラで真っ赤に燃えており、隕石のような速さで動き、今できる限界以上の力でロデーを切る!
「死ねぇええええええ!!」
ロデーは反応すらせず、お腹を切られる。
「やった……!?」
ロデーの皮膚にぶつかった太刀は真っ二つに折れていた。かすり傷すらついていない。
「こんなに、こんなに力の差が……」
「デデデ、邪魔な虫ケラは死ね」
ロデーの上に白い電気が集まる。やがてその電気は巨大な白い竜の形になり、俺を食い殺そうと牙を剥いた。
「ビリオンボルト・ドラゴ――」
「消えろ」
いきなり黒い影が俺の正面に現れた。
ボッ。
黒い影がぶれると同時に、目の前で白い竜が消えた。
「デ!?」
「お前もだ」
ボッ。
そしてロデーも、シャボン玉が弾けるようにパッと消えた。
「何が……」
「終わったぞ、ペンドラゴン」
案内役の女性が、城から出てくる人々を誘導する。
それを眺めながら俺ペンドラゴンは、炊き出し用の大鍋をかき混ぜていた。
「お兄ちゃん、助けてくれてありがとう」
同じく隣で鍋をかき混ぜている妹が声をかけてきた。
「俺は別に何も……」
「ふふふ、冗談ばっかり。お兄ちゃんは世界一頼りになるもの。今回も助けてくれると思ってたよ」
キラキラした目で妹が笑顔を見せてきた。
「ヒュー、相変わらず妹ちゃんはお兄ちゃん大好きだな」
「ラブラブでゴザル」
「私としては好ましくないけど、こ、今回だけは譲ってあげるわ」
俺の左側で大鍋をかき混ぜているSランクハンターの仲間達からやじが飛んできた。
それを聞くと、また騒がしかった日常が戻ってきたようで嬉しい。
だから何度もありがとうと伝えたい。ロデーを倒してくれたクロノ様と女神、イヤリス様に……。
数時間前。
ロデーの宣言通り、城の中に罠などなく、俺、クロノ様、何故かクロノ様にお姫様抱っこされたイヤリス様は正面のエレベーターから地下に降りた。
「く、クロノ中佐、は、はは恥ずかしいのでそろそろおろして……」
「ダメ」
「そ、そそんにゃ~」
噛みながら恥ずかしがるイヤリス様。心の中で俺は、クロノ様に感謝していた。
尊いイヤリス様の照れ顔、ありがとうございます。
そんな事もありつつ、体感的に10分くらいだろうか、エレベーターが止まり、ドアが開いて広く真っ暗な空間に着いた。
「デデデ、よく来たデ」
俺達から正面、最奥に上空から電気が灯り、一人の少女が姿を現す。
忘れもしない、あいつこそ俺にとって最大の宿敵。
「ロデー!!」
太刀を取り、弱体してるにも関わらず俺は飛び出していた。
「『シャイニングソウル』『メタルボディ』『パワーソウル』『マジックアップ』『ドラゴンソウル』『オーラデビル』『デスキラー』」
90%弱体化してようが関係ない、コイツは俺の最大パワーで殺す!
様々なパワーアップスキルにより、俺は弱体化する前の半分まで力を取り戻す。
「『オーラスラッシュ・ファイナル』」
寿命を削る最後の切り札を使用。
俺の姿は赤いオーラで真っ赤に燃えており、隕石のような速さで動き、今できる限界以上の力でロデーを切る!
「死ねぇええええええ!!」
ロデーは反応すらせず、お腹を切られる。
「やった……!?」
ロデーの皮膚にぶつかった太刀は真っ二つに折れていた。かすり傷すらついていない。
「こんなに、こんなに力の差が……」
「デデデ、邪魔な虫ケラは死ね」
ロデーの上に白い電気が集まる。やがてその電気は巨大な白い竜の形になり、俺を食い殺そうと牙を剥いた。
「ビリオンボルト・ドラゴ――」
「消えろ」
いきなり黒い影が俺の正面に現れた。
ボッ。
黒い影がぶれると同時に、目の前で白い竜が消えた。
「デ!?」
「お前もだ」
ボッ。
そしてロデーも、シャボン玉が弾けるようにパッと消えた。
「何が……」
「終わったぞ、ペンドラゴン」
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