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第六話 ある星のスーパーアイドル

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 デスジャングル。

 そんないかにも危険そうな名前の星でスーパーアイドルである私のとった行動は――。

「森の中はヤバそうだから~私は空から攻めるよ~♪」

 ってことで。

「ふっふっふ。とうっ!」

 私『カラトリス』は今、背中についてある折り畳み自在な羽根を広げて空高く飛んだよ。
 空飛ぶことは反則じゃないよね。そうだよね。よかった♪

「猛獣さんはどこかな~♪」

 上空千メートルまで一気に上昇し、空の上から敵を安全に探すよ。やっぱり私頭いいね♪
 すると早速。

「あはっ、みーけっ!」

 数キロ先に何かの群れを見つけたのですぐに飛んで向かったよ。
 ぐんぐん近づくにつれて姿もハッキリ見えてきたよ。

「クケ、ケケケケケ」

「うわーー! 大きい鳥ーー!」

 それは全長5メートルほどの巨大な怪鳥達の群れだっだよ。こんなに大きいと普通の女の子なら怖気つくよね? でもスーパーアイドルである私は違うの。

「たとえ~。大きくたってぇ~~♪」

 私は猛スピードで一気に距離を詰めながら腕に生えている自前の刃で怪鳥の首を切り裂いたよ。

「クキャッ……」

「柔い柔い♪」

「クキャアア」

 別の怪鳥が私の存在に気づいたけど気づいたのと同時に首を切り裂いたよ~♪

「あはっ♪ その程度の速さで私は捉えられないよ~♪」

 私は歌いながら目につく怪鳥合計10匹全て切り裂き、死骸は下に落ちる前に袋に収納したよ。その間なんとたったの1分! 凄いね私新記録だよ!

「1匹で20ポイントだったから~、一気に200ポイントも貯まっちゃった。楽勝楽勝~♪」

 なんたって私は世界最強のスーパーアイドルだし~♪
 今回の試験始まりの合図とともに全員が……あっ、違った。一人だけメカメカしい光る翼を羽ばたかせて空を飛んでいた娘がいたよ。でもね。

「その娘は私とは反対側にある大きな木があった方向に向かっていったから~。この辺りは私オンリーってことでしょ? つ・ま・り」

 思わずにんまりしちゃった。だって他に空飛ぶ子はいないも同然だもの。

「これは楽勝かな~♪」

 次の群れを探してあちこち飛んだよ。そしたらすぐ大きな点々が見えたよ。

「見つけた~♪ ま~た狩~るよ~~♪」

 群れを見つけるたびに歌いながら狩って狩って狩まくったよ~~~♪

 数十分後。

「だいぶ狩ったし~。ちょっとここらで一息つこうかな~♪」

 ポケットからどこでも休む事ができるアイテム。『通称どこでもテント』が入ってあるカプセルを上空3千メートルの高さで広げてテントを設置したよ♪
 このテントは特殊な素材でできていてね。たとえ風速80メートルの暴風でも、雷や氷柱など落ちてきてもビクともしないんだよ。凄いよね♪
 そのかわりどうしてかな? 地面の上には設置できないけど……それでも空ならどこでも設置できる私の星で50ピルカで販売してる便利アイテムなんだよ♪ お申込先はこちら→《CDW 11TG 39》までご連絡お待ちしております。みんな買ってね♪

「たっだいまー♪……って私だけなんだけどね♪」

 空中に固定して完成した縦180センチ、横220センチのテントの中に入ったよ。
 中はね~。特殊な技術で外見よりも広くなっていて、私が10人いても余裕あるくらいには広いんだ~♪
 キッチンや冷蔵庫、ソファにテレビ、トイレにお風呂、その他諸々必要なものはほぼ全てあるから実家に帰ったように落ち着くよ~♪
 私は設置してある冷蔵庫から甘~いドリンクを取り出して一気にグイッと飲んだよ。

「んっ、んっ……ぷはーっ! あー生き返る~♪」

 私はドリンクを机に置いて設置してあるソファに寝転んでポイントを確認したよ。

「まだ520ポイントか~。こりゃ大物倒さないとキツイかな~。
 まぁ休んでから頑張ればいっさ~♪」

 ドリンクを飲みながらごろごろ寝転んで一時間が経過したよ。

「う~~~ん。そろそろ行くか~」

 休んだおかげで体力は満タンになったけど……。

「うーーだるい~。
 けどが~ん~ば~るーーーっ!」

 スーパーアイドルたるもの。どんなに休みたくても仕事はこなさないとね♪
 無理矢理体を起き上がらせ、テントをカプセルへと戻し狩へと出っ発~つ♪
 またまた上空から獲物を探していると――。

「あはっ♪ みっけ♪」

 2時の方向に怪鳥の群れを発っ見~ん♪

「さ一さー、またまたカラトリスちゃんが狩らせてもらうよーーーっ!」

 グングン距離を詰めていき、怪鳥の首を狙える距離まで近づいて腕から生えた刃で一気に――。

 ピカッ。

「クャ……」

 光る何かが怪鳥を貫き、私の足を通り抜けたよ。

「えっ? なに今の光……」

 下を見ても何もないよ? 何も…………っ!?

「う、そ、で、しょっ……」

 私の膝から下が消えていた。

「ぎゃああああああっ!!」

 意識した途端に焼き焦げるような匂いと今まで感じた事のないすごい激痛がきた。

「なんでっ! 痛いっ! 熱いっ! 痛いよおおおおっ!!」

 何が起きた!? ~~っ痛い痛い痛い痛い痛い痛いっ! なんでっ!? なんっで私の足が消えたの!?

 ピカッ。

「ぎぁああああっ!!」

 今度は左手も消えた! 痛い! 痛い! 死ぬ死ぬ死ぬ! 早く逃げないとっ! ボールッ! ギーブボールッ! ギーーブーーッ!

 痛みに耐えきれずポケットにあるギーブボールを手で握り潰しながら割ると、中から煙が吹き出し私を包みこんだ。

「あ……れ……は……?」

 意識が遠のいていく中、煙の間から見えたのは木の上から私を狙い撃つように左腕の砲門を向ける、毛むくじゃらで人型の大きな猛獣だった……よ……。
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