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ドラゴンの女王編
第七十二話 俺の感情がころころ変わりすぎて草
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「しばらくそうやって反省しなさい」
「シクシク、わかりました」
「まったく、アンタって人はガミガミ、ガミガミ――」
涙目で椅子の下にひざまづき、ミイナに説教される俺。
DM(ドM)という新たな境地を開いたはずなのに悲しい、ミイナに怒られるのがとても辛い。
そんな感情のまま、しばらく説教されることおよそ30分。
「ガミガミ――だからもうあんな真似は二度としないこと、いいわね?」
「はい、もう二度とあんな真似はしません、反省してます」
と、見事な土下座をミイナにした。
「……よろしい。もう席に戻ってもいいわよ」
「ははあ、ありがたき幸せ」
許可が下りたので、最後に土下座でお礼してセイントちゃんが座っていた場所に座る。
だがしかし、セイントちゃんの温もりは消えていた。
それだけではなく、普通に座れば4人は座れる広さの席に俺一人だけという非常な現実。
シクシク、寂しい。寂しいよ。
顔には出さず、心の中でわんわん泣いていると、ミイナがセイントちゃんへ話しかける。
「セイント、私と席替えしましょう」
「え!? 僕はいいウサだけど、ミイナちゃんはそっちでいいの?」
「ええ、別に構わないわ」
ミイナの堂々とした態度に、セイントちゃんが魔王退治に行く勇者を見送るような表情をした。
「……そうかウサ。ミイナちゃんの覚悟、僕にもひしひしと伝わったウサ」
「? 覚悟って何かしら?」
キョトンとするミイナに、何もかも分かったような顔でセイントちゃんがうんうん頷く。
「それ以上は言わなくてもいいウサ。
さ、あの男のいる席に座るウサよ」
「? よく分からないけど分かったわ」
!? この流れは、来るぞ! ジン!
わかってるって俺!
俺の中に存在するもう一人の俺と俺本体の想定通り、「隣いいかしら」と最高ランクの美少女であるミイナが俺に尋ねてきた。
そのおかげで秒でハイテンションになった俺は、全力でミイナを歓迎した。
「マジで!?
ヒャホーーー!! 汚い席ですがどうぞどうぞ!」
ぱんぱんと俺の座っていたスペースを手ではたいてミイナを案内する。
「お前の存在がもう汚いだろウサ!」
「ぶひぃぃぃ、そうです! 俺が汚――」
「ジ、ン?」
DMになった俺を見るミイナの目から光が消えていく。
まずいぞジン!
わかってるって俺、リバースオープン『天使の裸』!
脳内に保存されていた裸の天使を思い浮かべるぜ!
「…………ふぅ」
天使のおかげで、興奮がどんどん冷めて冷静になっていく。
「ジンくん……酷い」
なんか聞こえたが無視だ無視。
そして今なら可能、ミイナを席へとご案内するぜ⭐︎。
「さあ座りな、ミイナ」
「……ええ、座るわよ」
目に光が戻ると同時に、どんなアロマよりいい匂いと、どんな空気清浄機よりも澄み切った綺麗な風が流れながら、アニメの推しヒロインを何十倍も可愛くした異次元の美少女が、俺のすぐ隣に座った。
ミイナの存在効果『ジン・ハートブレイク』が発動!
それにより『ジン』と名のつくミイナから半径1メートル以内の人間は全て嬉しさが天元突破し、ガチ泣きするぜ!
「う、うう、嬉しい。
座った、ミイナが俺のいる席に座ったぁぁぁぁぁぁ~~~」
「ちょっと、なんで泣いてるのよ」
「ミイナが、ミイナが座ってるからだよぉぉぉ~~」
「そ、そうなの……。
嬉しいけど、うるさいからそろそろ泣き止みなさい」
また、ミイナの目から光が消えた。
アカン、これは非常~にアカン。
「サーイエッサー!」
「……流石ね、ジン」
「イエスマム!」
一瞬でピタリと泣き止み、敬礼する俺を見たミイナの目に光が戻った。
ふぅ、危なかったぜ。
内心はらはらしていると、ミイナがすすすっと体を俺に寄せてきた。
「ミイナ?」
「い、いいでしょ、これくらい」
ピタッ。
すぐ隣から、信じられないほどのいい匂いがする。
「ミイナさん!?」
「なんで『さん』付けなのよ」
お互い装備越しだが、ミイナと俺の体がぶつかっている!!??
何これ何これ何これっ!!
「シクシク、わかりました」
「まったく、アンタって人はガミガミ、ガミガミ――」
涙目で椅子の下にひざまづき、ミイナに説教される俺。
DM(ドM)という新たな境地を開いたはずなのに悲しい、ミイナに怒られるのがとても辛い。
そんな感情のまま、しばらく説教されることおよそ30分。
「ガミガミ――だからもうあんな真似は二度としないこと、いいわね?」
「はい、もう二度とあんな真似はしません、反省してます」
と、見事な土下座をミイナにした。
「……よろしい。もう席に戻ってもいいわよ」
「ははあ、ありがたき幸せ」
許可が下りたので、最後に土下座でお礼してセイントちゃんが座っていた場所に座る。
だがしかし、セイントちゃんの温もりは消えていた。
それだけではなく、普通に座れば4人は座れる広さの席に俺一人だけという非常な現実。
シクシク、寂しい。寂しいよ。
顔には出さず、心の中でわんわん泣いていると、ミイナがセイントちゃんへ話しかける。
「セイント、私と席替えしましょう」
「え!? 僕はいいウサだけど、ミイナちゃんはそっちでいいの?」
「ええ、別に構わないわ」
ミイナの堂々とした態度に、セイントちゃんが魔王退治に行く勇者を見送るような表情をした。
「……そうかウサ。ミイナちゃんの覚悟、僕にもひしひしと伝わったウサ」
「? 覚悟って何かしら?」
キョトンとするミイナに、何もかも分かったような顔でセイントちゃんがうんうん頷く。
「それ以上は言わなくてもいいウサ。
さ、あの男のいる席に座るウサよ」
「? よく分からないけど分かったわ」
!? この流れは、来るぞ! ジン!
わかってるって俺!
俺の中に存在するもう一人の俺と俺本体の想定通り、「隣いいかしら」と最高ランクの美少女であるミイナが俺に尋ねてきた。
そのおかげで秒でハイテンションになった俺は、全力でミイナを歓迎した。
「マジで!?
ヒャホーーー!! 汚い席ですがどうぞどうぞ!」
ぱんぱんと俺の座っていたスペースを手ではたいてミイナを案内する。
「お前の存在がもう汚いだろウサ!」
「ぶひぃぃぃ、そうです! 俺が汚――」
「ジ、ン?」
DMになった俺を見るミイナの目から光が消えていく。
まずいぞジン!
わかってるって俺、リバースオープン『天使の裸』!
脳内に保存されていた裸の天使を思い浮かべるぜ!
「…………ふぅ」
天使のおかげで、興奮がどんどん冷めて冷静になっていく。
「ジンくん……酷い」
なんか聞こえたが無視だ無視。
そして今なら可能、ミイナを席へとご案内するぜ⭐︎。
「さあ座りな、ミイナ」
「……ええ、座るわよ」
目に光が戻ると同時に、どんなアロマよりいい匂いと、どんな空気清浄機よりも澄み切った綺麗な風が流れながら、アニメの推しヒロインを何十倍も可愛くした異次元の美少女が、俺のすぐ隣に座った。
ミイナの存在効果『ジン・ハートブレイク』が発動!
それにより『ジン』と名のつくミイナから半径1メートル以内の人間は全て嬉しさが天元突破し、ガチ泣きするぜ!
「う、うう、嬉しい。
座った、ミイナが俺のいる席に座ったぁぁぁぁぁぁ~~~」
「ちょっと、なんで泣いてるのよ」
「ミイナが、ミイナが座ってるからだよぉぉぉ~~」
「そ、そうなの……。
嬉しいけど、うるさいからそろそろ泣き止みなさい」
また、ミイナの目から光が消えた。
アカン、これは非常~にアカン。
「サーイエッサー!」
「……流石ね、ジン」
「イエスマム!」
一瞬でピタリと泣き止み、敬礼する俺を見たミイナの目に光が戻った。
ふぅ、危なかったぜ。
内心はらはらしていると、ミイナがすすすっと体を俺に寄せてきた。
「ミイナ?」
「い、いいでしょ、これくらい」
ピタッ。
すぐ隣から、信じられないほどのいい匂いがする。
「ミイナさん!?」
「なんで『さん』付けなのよ」
お互い装備越しだが、ミイナと俺の体がぶつかっている!!??
何これ何これ何これっ!!
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