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ドラゴンの女王編
第六十四話 汚れてしまった(物理的な意味で)
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「アサオは連れて行くの」
ドラコが、ボーゼンとしている国王の首根っこの服を掴んだ。
すると『鼻水と液体まみれの汚ねぇぼろぼろなテーブル』もといアザセルさんが、国王を助けようとして手を伸ばす。
だが届かない。体はぼろぼろでかつ汚れていて動けないままだ。
「誰でもいい、陛下を助けてください……」
と俺達に助けを求めたが、現状一番強いリンリンは落ちてからまだ登って来ないし、天使はエ◯ァ666号機が壊されて泣いているし(ザマァ)、俺はドラコお姉さんとは例え300万円渡されても戦いたくない。(400万円ならちょっと考える(´・ω・`))
となると……。
「しょうがないわね」
首をゴキゴキ、指をポキポキ鳴らして、ミイナが殺意をたぎらせながら、剣先をドラコに向けた。
いやいやいやいや、無理無理無理!!
「ミイナダメだ!」
「そんなの切ってみなきゃわからないでしょ!」
ミイナの背中に薄い純白の羽根が生えた。
そして、目にも止まらないスピードで動き、ドラコの背後に立つ。
「死になさい『ホーリースラッシュ』」
リングのような円形の斬撃が剣から出て、高速回転しているそれをドラコの首に押し付けた。
「やった」
「人間。その程度では痛くも痒くもないの」
斬撃は確実に首を切っているのに、ドラコの首にはかすり傷すら付いていない。
「化け物ね」
「そこを退くの」
素手で斬撃を握り潰すドラコ。
斬撃はクシャッと潰れて、蛍のように小さな光となって消えた。
ドラコは続いてミイナの剣も掴む。
「えいなの」
そして、リンリンと同じく窓の外へとぶん投げた。
「きゃあああ――」
「ミイナああああ!」
かなりの高さから落ちるミイナ。
大丈夫だと信じているが、ミイナは国宝級に大切な存在なので、すぐに窓へと駆け寄り無事を確認した。
が、ミイナの姿はどこにもなかった。
「嘘だろミイナ。お前はこの高さから落ちても死なないよなあ、なあ!」
「人間、ドラコはもう帰るの。バイバイなの」
そう言って、国王を猫のように掴んだまま、ドラコお姉さんは真上に飛んで、遥か空の彼方へと消えた。
「陛下……」
アザセルさんがドンっと机を叩く。
俺は、ミイナが心配で心配で国王なんて気にしている場合じゃなかった。
ミイナ、ミイナあ!
「ミイナああああああああああああああ!」
「何かしら」
後ろからミイナの声がした。
そんなはずはない、きっとショックによる幻聴だ。
「ミイナああああ――!」
「うるさい!」
ゲンコツ!
「痛ってぇええええ!」
頭上に殴られた衝撃が伝わる。めちゃくちゃ痛い。
涙目で後ろを振り向くと、無傷のミイナとリンリンが立っていた。
生きてたのかミイナ!
感極まって、手を広げてミイナに抱きつ――。
「ミイナさん生きててよかったぁ」
――こうとしたが、割り込んだ天使により、俺は急ブレーキせざるを得なくなり、反動で真横に回転して何かに抱きついた。
その何かは、もの凄くベタベタヌメヌメしていて気持ち悪い。
「……あの、なんで抱きついているのですか」
「シクシク、知らねえよバーロー」
俺は『鼻水と液体まみれの汚ねぇぼろぼろなテーブル』もといアザセルさんに抱きついていた。
それにより『クリアクリーン』で綺麗になった服や体は、目覚めた頃なんか比べ物にならないくらい汚くなる。
ちなみにMP不足で『クリアクリーン』は使えない。
「ううう、なんでやねん!」
涙やら鼻水やら謎の液体やらで顔や体がぐちょぐちょに汚れながら、俺は関西人の如く、全力で自分自身の現状にツッコんだ。
ドラコが、ボーゼンとしている国王の首根っこの服を掴んだ。
すると『鼻水と液体まみれの汚ねぇぼろぼろなテーブル』もといアザセルさんが、国王を助けようとして手を伸ばす。
だが届かない。体はぼろぼろでかつ汚れていて動けないままだ。
「誰でもいい、陛下を助けてください……」
と俺達に助けを求めたが、現状一番強いリンリンは落ちてからまだ登って来ないし、天使はエ◯ァ666号機が壊されて泣いているし(ザマァ)、俺はドラコお姉さんとは例え300万円渡されても戦いたくない。(400万円ならちょっと考える(´・ω・`))
となると……。
「しょうがないわね」
首をゴキゴキ、指をポキポキ鳴らして、ミイナが殺意をたぎらせながら、剣先をドラコに向けた。
いやいやいやいや、無理無理無理!!
「ミイナダメだ!」
「そんなの切ってみなきゃわからないでしょ!」
ミイナの背中に薄い純白の羽根が生えた。
そして、目にも止まらないスピードで動き、ドラコの背後に立つ。
「死になさい『ホーリースラッシュ』」
リングのような円形の斬撃が剣から出て、高速回転しているそれをドラコの首に押し付けた。
「やった」
「人間。その程度では痛くも痒くもないの」
斬撃は確実に首を切っているのに、ドラコの首にはかすり傷すら付いていない。
「化け物ね」
「そこを退くの」
素手で斬撃を握り潰すドラコ。
斬撃はクシャッと潰れて、蛍のように小さな光となって消えた。
ドラコは続いてミイナの剣も掴む。
「えいなの」
そして、リンリンと同じく窓の外へとぶん投げた。
「きゃあああ――」
「ミイナああああ!」
かなりの高さから落ちるミイナ。
大丈夫だと信じているが、ミイナは国宝級に大切な存在なので、すぐに窓へと駆け寄り無事を確認した。
が、ミイナの姿はどこにもなかった。
「嘘だろミイナ。お前はこの高さから落ちても死なないよなあ、なあ!」
「人間、ドラコはもう帰るの。バイバイなの」
そう言って、国王を猫のように掴んだまま、ドラコお姉さんは真上に飛んで、遥か空の彼方へと消えた。
「陛下……」
アザセルさんがドンっと机を叩く。
俺は、ミイナが心配で心配で国王なんて気にしている場合じゃなかった。
ミイナ、ミイナあ!
「ミイナああああああああああああああ!」
「何かしら」
後ろからミイナの声がした。
そんなはずはない、きっとショックによる幻聴だ。
「ミイナああああ――!」
「うるさい!」
ゲンコツ!
「痛ってぇええええ!」
頭上に殴られた衝撃が伝わる。めちゃくちゃ痛い。
涙目で後ろを振り向くと、無傷のミイナとリンリンが立っていた。
生きてたのかミイナ!
感極まって、手を広げてミイナに抱きつ――。
「ミイナさん生きててよかったぁ」
――こうとしたが、割り込んだ天使により、俺は急ブレーキせざるを得なくなり、反動で真横に回転して何かに抱きついた。
その何かは、もの凄くベタベタヌメヌメしていて気持ち悪い。
「……あの、なんで抱きついているのですか」
「シクシク、知らねえよバーロー」
俺は『鼻水と液体まみれの汚ねぇぼろぼろなテーブル』もといアザセルさんに抱きついていた。
それにより『クリアクリーン』で綺麗になった服や体は、目覚めた頃なんか比べ物にならないくらい汚くなる。
ちなみにMP不足で『クリアクリーン』は使えない。
「ううう、なんでやねん!」
涙やら鼻水やら謎の液体やらで顔や体がぐちょぐちょに汚れながら、俺は関西人の如く、全力で自分自身の現状にツッコんだ。
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