40 / 87
エンペラーゴブリン編
第三十七話 最強の降臨。ここから先はオレのターン!!
しおりを挟むそして場面は現世へと切り替わる。
「ホーーッホッホ。第二形態の私を追い詰めた勇者でさえこの程度ですか」
チリひとつない空を見上げながら、無抵抗で呆気なく爆発した俺に対し、エンペラーゴブリンが鼻で笑って馬鹿にしていた。
「ホッホッ。次はあの【九将軍】とその娘どもを殺せば、この地は私達ゴブリンのもの同然。ですね」
ぐるりと周り、腰に手を当て、ミイナ達の隠れている方向へとゆっくり歩きながら。
「別に人間の土地など支配する気はありませんでしたが、私達ゴブリンの今後の為にも、この私自ら人間どもを奴隷にでもして有効活用するとしましょうか」
ギュピッ。ギュピッ。ギュピッ。
独特な足音で近づいてくるエンペラーゴブリンは恐怖の権化そのものであり、人間なのに魔王のようなサダンさんでさえ、今度こそ本気で死を覚悟したのか。
「クソが。これまでか」
と額に汗を滲ませながら悔しがっていた。
「だがミイナ。マカ。お前達だけはこのワシが命をかけて絶対にここから逃してやる」
すぐ隣で気絶している二人の少女を見ながら、最後の力を振り絞って立ち上がり、残っている右手に全エネルギーを込め。その時が来るのをじっと待っていると、突然空から光の柱が降りてきた。
ドォォォンッ!
「「!?」」
「やれやれ。合体したのはいいが、とんだ姿になったもんだぜ」
空間を突き破って落ちてきた衝撃で周囲にあった木々や大地を吹っ飛ばし、黄金の光に包まれながら天上界からオレは降臨した。
「この気配は――馬鹿な!?」
驚きながら後ろを振り向くのと同時に。
「遅いぜ。エンペラーゴブリンくん」
「がぁぁぁぁっっ!」
一瞬で距離を詰め、固く握った拳で顔面に一撃くらわせた。
殴った勢いでメキメキと顔が三日月のように凹みながら、遥か遠くにある崖まで飛んでいく。
サダンくんがその様子をポカンと眺めている中。
「まだだ。オレの攻撃はまだ始まったばかりだぜ、エンペラーゴブリンくん」
ジャラジャラとゴールドーチェインを体中に巻き、黒いマントに白いジャケットを身につけ、黒と金の混ざった髪の毛をバチバチと逆立てながら、アニメやゲームでしか存在しないような超絶イケメンになったオレは、大地を蹴ってひとっ飛びで空を飛んでいるエンペラーゴブリンくんへと追いつき。
「いくぜ。オレの攻撃。『混沌なる破滅の蹴り』」
「ウボォォォォッ!!」
腹を蹴り、くの字に折れ曲がりながら地面に叩きつけられるエンペラーゴブリンくん。
「ぐぅっ。馬鹿なぁぁぁっ!」
衝撃で出来た小規模なクレーターの中心でヨロヨロ立ち上がり、口から血を大量に吐きながら、空で見下しているオレを指差しながら。
「ガハッ。な、なんだ貴様は!」
「ふっ。知りたいなら今回だけ特別に教えてやるぜ。弱虫ゴブリンくん」
「何ぃぃっ!? 『ゴブリンビーム』」
「そんな攻撃。かすりもしないぜ」
ブチ切れたエンペラーゴブリンくんの攻撃を軽くかわし、バサバサして邪魔なマントを空へと脱ぎ捨て、空中で両腕を組みながら。
「オレは勇者と天使が一つになった存在。『混沌なる開闢の天勇者』であり『最強の決闘王』カミバライ=ジンだぜ!」
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第二章シャーカ王国編
序盤でボコられるクズ悪役貴族に転生した俺、死にたくなくて強くなったら主人公にキレられました。え? お前も転生者だったの? そんなの知らんし〜
水間ノボル🐳
ファンタジー
↑「お気に入りに追加」を押してくださいっ!↑
★2024/2/25〜3/3 男性向けホットランキング1位!
★2024/2/25 ファンタジージャンル1位!(24hポイント)
「主人公が俺を殺そうとしてくるがもう遅い。なぜか最強キャラにされていた~」
『醜い豚』
『最低のゴミクズ』
『無能の恥晒し』
18禁ゲーム「ドミナント・タクティクス」のクズ悪役貴族、アルフォンス・フォン・ヴァリエに転生した俺。
優れた魔術師の血統でありながら、アルフォンスは豚のようにデブっており、性格は傲慢かつ怠惰。しかも女の子を痛ぶるのが性癖のゴミクズ。
魔術の鍛錬はまったくしてないから、戦闘でもクソ雑魚であった。
ゲーム序盤で主人公にボコられて、悪事を暴かれて断罪される、ざまぁ対象であった。
プレイヤーをスカッとさせるためだけの存在。
そんな破滅の運命を回避するため、俺はレベルを上げまくって強くなる。
ついでに痩せて、女の子にも優しくなったら……なぜか主人公がキレ始めて。
「主人公は俺なのに……」
「うん。キミが主人公だ」
「お前のせいで原作が壊れた。絶対に許さない。お前を殺す」
「理不尽すぎません?」
原作原理主義の主人公が、俺を殺そうとしてきたのだが。
※ カクヨム様にて、異世界ファンタジージャンル表紙入り。5000スター、10000フォロワーを達成!
「魔王のいない世界には勇者は必要ない」と王家に追い出されたので自由に旅をしながら可愛い嫁を探すことにしました
夢幻の翼
ファンタジー
「魔王軍も壊滅したし、もう勇者いらないよね」
命をかけて戦った俺(勇者)に対して魔王討伐の報酬を出し渋る横暴な扱いをする国王。
本当ならばその場で暴れてやりたかったが今後の事を考えて必死に自制心を保ちながら会見を終えた。
元勇者として通常では信じられないほどの能力を習得していた僕は腐った国王を持つ国に見切りをつけて他国へ亡命することを決意する。
その際に思いついた嫌がらせを国王にした俺はスッキリした気持ちで隣町まで駆け抜けた。
しかし、気持ちの整理はついたが懐の寒かった俺は冒険者として生計をたてるために冒険者ギルドを訪れたがもともと勇者として経験値を爆あげしていた僕は無事にランクを認められ、それを期に国外へと向かう訳あり商人の護衛として旅にでることになった。
といった序盤ストーリーとなっております。
追放あり、プチだけどざまぁあり、バトルにほのぼの、感動と恋愛までを詰め込んだ物語となる予定です。
5月30日までは毎日2回更新を予定しています。
それ以降はストック尽きるまで毎日1回更新となります。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
クラスで一人だけ男子な僕のズボンが盗まれたので仕方無くチ○ポ丸出しで居たら何故か女子がたくさん集まって来た
pelonsan
恋愛
ここは私立嵐爛学校(しりつらんらんがっこう)、略して乱交、もとい嵐校(らんこう) ━━。
僕の名前は 竿乃 玉之介(さおの たまのすけ)。
昨日この嵐校に転校してきた至極普通の二年生。
去年まで女子校だったらしくクラスメイトが女子ばかりで不安だったんだけど、皆優しく迎えてくれて ほっとしていた矢先の翌日……
※表紙画像は自由使用可能なAI画像生成サイトで制作したものを加工しました。
【R18】スライムにマッサージされて絶頂しまくる女の話
白木 白亜
ファンタジー
突如として異世界転移した日本の大学生、タツシ。
世界にとって致命的な抜け穴を見つけ、召喚士としてあっけなく魔王を倒してしまう。
その後、一緒に旅をしたスライムと共に、マッサージ店を開くことにした。卑猥な目的で。
裏があるとも知れず、王都一番の人気になるマッサージ店「スライム・リフレ」。スライムを巧みに操って体のツボを押し、角質を取り、リフレッシュもできる。
だがそこは三度の飯よりも少女が絶頂している瞬間を見るのが大好きなタツシが経営する店。
そんな店では、膣に媚薬100%の粘液を注入され、美少女たちが「気持ちよくなって」いる!!!
感想大歓迎です!
※1グロは一切ありません。登場人物が圧倒的な不幸になることも(たぶん)ありません。今日も王都は平和です。異種姦というよりは、スライムは主人公の補助ツールとして扱われます。そっち方面を期待していた方はすみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる