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エンペラーゴブリン編
第三十二話 本来の姿
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「ありがとうガーくん。お礼にチューーー❤️」
「んんっ!」
地上に上がって早々、激しくデープキスをかます二体のゴブリン。
イイナァ……。
その光景を見た瞬間、俺の内にあるダークな部分がまた半分だけ体を乗っ取り。
「ヒャハハハ! リア充は死ね『シャイニング・スター・スラッシュ』」
「無駄だ」
キスを中断したガーディアンゴブリンが立ちはだかり、斬撃を無表情で受け止めた。
チッ。これだから『斬撃無効』は厄介だぜ。
しばらく動かないで様子を見ていると、瀕死で倒れているエンペラーゴブリンの右手がランサーゴブリンの左足に触れた。
「え、エンペラーゴブリン様!?」
「何故ここに!?」
どうやら二体とも今この瞬間エンペラーゴブリンの存在に気がついたようでめちゃくちゃ驚いている。
「あなた達の力、私の為に使わせていただきますよ」
「それってまさか――きゃあああ!」
ランサーゴブリンの全身が光り、触れられている左足からスライムに取り込まれるようにエンペラーゴブリンの体内へと入っていく。
「や、やめてくださいエンペラーゴブリン様」
「ホッホッホ。やめませんよ。私の糧になりなさい」
「そ、そんな……」
涙目で必死に抵抗するが、取り込まれるスピードは変わらず。
「嫌だよ、ガーくん。助けて、ガーくんん!」
下半身が完全に取り込まれ、上半身が今まさに取り込まれながら両手を仰ぎガーディアンゴブリンの名前を呼ぶが、ガーディアンゴブリンはピクリとも動かず、背を向けたままじっとしていた。
ヒャハハハ、ビビって彼女を見捨てたのか! コイツァ傑作だ。
と思いながら神眼でランサーゴブリンのステータスを見る。
《ランサーゴブリン》(魔物)
ATK 10000
DEF 10000
SPD 10000
《スキル》
槍の名人。攻撃力超強化。防御力超強化。素早さ超強化。
《身長》
165センチ
《体重》
54キロ
《スリーサイズ》
バスト 105 ウエスト 63 ヒップ 95
《好きなタイプ》
ガーディアンゴブリン
《経験人数》
0人
《好きな体位》
不明
ーーーーーーーーーーーー
「お前処女かよおおおお!」
マジか。こんなラブラブなくせに経験ゼロだと!?
俺の叫びに同意するように、ガーディアンゴブリンが唇を噛み、ランサーゴブリンは大泣きしながら。
「嫌だよ! ガーくん、助けて、ガーくん――!」
「ホッホッホ。私の一部になれる事を光栄に思いなさい」
この言葉を最後に、ランサーゴブリンは完全に取り込まれた。するとエンペラーゴブリンの消えた左手と左足が新しく生え、体格も変化していく。
「さあガーディアンゴブリンさん。次はあなたの番ですよ」
そう言い、変身途中にもかかわらず、ガーディアンゴブリンの背中に触れた。
「わかってます。我の力をお使いください」
「ホッホッホ。あなたは物分かりがよくて助かりますよ。私の中で『彼女さん』と末永くお幸せに」
という会話の後、ガーディアンゴブリンはあっさりと吸収された。
そして始まるのはエンペラーゴブリンによる変身タイムだ。
黄色いオーラが周囲に吹き荒れ、台風が発生したかのような物凄い暴風が俺を襲う。
ヤベェ。闇堕ちしている場合じゃねぇ。
俺は正気に戻り、瀕死のお義父さん、ミイナ、マカを担いで安全な場所まで全力でダッシュした。
お義父さんからは移動中ボコボコ殴られたが、ミイナとマカを背負っていたので走れる程度に手加減された殴りだった。
「では俺は行きます」
「は、とっととぶっ殺しに行けよオラァ。そしたらワシが戻ってきたお前を殺してやるからなコラァ」
という脅迫じみた心強いお言葉をお義父さんからいただき(本気じゃないよな?)、三人を離れた木陰に下ろして暴風の吹き荒れる中に突っ込みなんとか元の場所まで戻ると、途端に暴風が止み。姿の変わったエンペラーゴブリンが抱きつくように両手を前に広げながら。
「変身完了。これが私本来の姿です」
緑色の皮膚にまん丸な頭で人間タイプの尻尾のないフリー◯様最終形態と瓜二つの存在が、俺へ不気味に微笑み立っていた。
やっぱり最終形態はこの姿か。ヤベェ。スーパー◯イヤ人にならないと死ぬかも。
「ふむふむ」
確かめるように拳をグーパー握り、エンペラーゴブリンが右手を俺に向ける。
するとあら不思議、タネも仕掛けもなく俺の体がワイヤーで吊るされたようにフワリと宙に浮く。
こ、これはまさか!?
地上から10メートル近くまで上がったところでピタリと止まり、ニィと笑うエンペラーゴブリン。やっぱり!?
まさか自分がク◯リン体験するとは思わなかったので、これから待ち受けるだろう出来事から助かりたい一心で思いっきり叫んだ。
「や、やめろーーーエンペラーゴブリン!」
「さようなら」
「うわあああマジか!? ミイナアアアァァァァァァァァァァァァ――!」
ぐっと開いた右手を握るエンペラーゴブリン。
その瞬間、俺の体内が膨張しながら光り、チュドーンという爆発音とともに俺は死んだ。
「んんっ!」
地上に上がって早々、激しくデープキスをかます二体のゴブリン。
イイナァ……。
その光景を見た瞬間、俺の内にあるダークな部分がまた半分だけ体を乗っ取り。
「ヒャハハハ! リア充は死ね『シャイニング・スター・スラッシュ』」
「無駄だ」
キスを中断したガーディアンゴブリンが立ちはだかり、斬撃を無表情で受け止めた。
チッ。これだから『斬撃無効』は厄介だぜ。
しばらく動かないで様子を見ていると、瀕死で倒れているエンペラーゴブリンの右手がランサーゴブリンの左足に触れた。
「え、エンペラーゴブリン様!?」
「何故ここに!?」
どうやら二体とも今この瞬間エンペラーゴブリンの存在に気がついたようでめちゃくちゃ驚いている。
「あなた達の力、私の為に使わせていただきますよ」
「それってまさか――きゃあああ!」
ランサーゴブリンの全身が光り、触れられている左足からスライムに取り込まれるようにエンペラーゴブリンの体内へと入っていく。
「や、やめてくださいエンペラーゴブリン様」
「ホッホッホ。やめませんよ。私の糧になりなさい」
「そ、そんな……」
涙目で必死に抵抗するが、取り込まれるスピードは変わらず。
「嫌だよ、ガーくん。助けて、ガーくんん!」
下半身が完全に取り込まれ、上半身が今まさに取り込まれながら両手を仰ぎガーディアンゴブリンの名前を呼ぶが、ガーディアンゴブリンはピクリとも動かず、背を向けたままじっとしていた。
ヒャハハハ、ビビって彼女を見捨てたのか! コイツァ傑作だ。
と思いながら神眼でランサーゴブリンのステータスを見る。
《ランサーゴブリン》(魔物)
ATK 10000
DEF 10000
SPD 10000
《スキル》
槍の名人。攻撃力超強化。防御力超強化。素早さ超強化。
《身長》
165センチ
《体重》
54キロ
《スリーサイズ》
バスト 105 ウエスト 63 ヒップ 95
《好きなタイプ》
ガーディアンゴブリン
《経験人数》
0人
《好きな体位》
不明
ーーーーーーーーーーーー
「お前処女かよおおおお!」
マジか。こんなラブラブなくせに経験ゼロだと!?
俺の叫びに同意するように、ガーディアンゴブリンが唇を噛み、ランサーゴブリンは大泣きしながら。
「嫌だよ! ガーくん、助けて、ガーくん――!」
「ホッホッホ。私の一部になれる事を光栄に思いなさい」
この言葉を最後に、ランサーゴブリンは完全に取り込まれた。するとエンペラーゴブリンの消えた左手と左足が新しく生え、体格も変化していく。
「さあガーディアンゴブリンさん。次はあなたの番ですよ」
そう言い、変身途中にもかかわらず、ガーディアンゴブリンの背中に触れた。
「わかってます。我の力をお使いください」
「ホッホッホ。あなたは物分かりがよくて助かりますよ。私の中で『彼女さん』と末永くお幸せに」
という会話の後、ガーディアンゴブリンはあっさりと吸収された。
そして始まるのはエンペラーゴブリンによる変身タイムだ。
黄色いオーラが周囲に吹き荒れ、台風が発生したかのような物凄い暴風が俺を襲う。
ヤベェ。闇堕ちしている場合じゃねぇ。
俺は正気に戻り、瀕死のお義父さん、ミイナ、マカを担いで安全な場所まで全力でダッシュした。
お義父さんからは移動中ボコボコ殴られたが、ミイナとマカを背負っていたので走れる程度に手加減された殴りだった。
「では俺は行きます」
「は、とっととぶっ殺しに行けよオラァ。そしたらワシが戻ってきたお前を殺してやるからなコラァ」
という脅迫じみた心強いお言葉をお義父さんからいただき(本気じゃないよな?)、三人を離れた木陰に下ろして暴風の吹き荒れる中に突っ込みなんとか元の場所まで戻ると、途端に暴風が止み。姿の変わったエンペラーゴブリンが抱きつくように両手を前に広げながら。
「変身完了。これが私本来の姿です」
緑色の皮膚にまん丸な頭で人間タイプの尻尾のないフリー◯様最終形態と瓜二つの存在が、俺へ不気味に微笑み立っていた。
やっぱり最終形態はこの姿か。ヤベェ。スーパー◯イヤ人にならないと死ぬかも。
「ふむふむ」
確かめるように拳をグーパー握り、エンペラーゴブリンが右手を俺に向ける。
するとあら不思議、タネも仕掛けもなく俺の体がワイヤーで吊るされたようにフワリと宙に浮く。
こ、これはまさか!?
地上から10メートル近くまで上がったところでピタリと止まり、ニィと笑うエンペラーゴブリン。やっぱり!?
まさか自分がク◯リン体験するとは思わなかったので、これから待ち受けるだろう出来事から助かりたい一心で思いっきり叫んだ。
「や、やめろーーーエンペラーゴブリン!」
「さようなら」
「うわあああマジか!? ミイナアアアァァァァァァァァァァァァ――!」
ぐっと開いた右手を握るエンペラーゴブリン。
その瞬間、俺の体内が膨張しながら光り、チュドーンという爆発音とともに俺は死んだ。
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