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番外編

95 こんにちは赤ちゃん 4 ※

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そして昼間寝まくった俺は眠れる筈もなくまた、ワタヌキを誘った。

「先輩、この前どうして逃げたんです?」

あれ、怒ってらっしゃる?

「うわぁ、最初からその話するか?もしかしてやる気満々だったりする?」

そう言って茶化してみたが、次の瞬間には腕を掴まれワタヌキの家に連れていかれた。

入った途端にキスをされる。

「……何か綺麗になってませんか?いや、元から綺麗だけど……抑さえきれなくなりそうだ。」

苦し気に焦がれた様にワタヌキが言うから、先輩のよしみで昂ったそこを膝で擦った。

「なぁーに、こんなおじさん口説いてんだよ。」

首に腕を回して下から貪る様にキスをした。

「俺はずっと口説いてたんですが……」

ワタヌキが怖い事を言うから黙れとばかりに下におりていき、ベルトに手をかけると既に元気に上を向いていた凶器を解放して口に含んだ。

「うっ……そ、んな事を……あっ。」

歯を立てないように口一杯に含み舐めあげる。同じ男のなのにワタヌキのそれは愛しくてもっと気持ちよくなってほしくて、一生懸命舐めた。初めてだから上手くはないだろうが、本の中の「嫁」がよくやっているのを真似してみた。えっと、含んだまま上目使いで見るんだっけ?

「くっ……なっ……」

ワタヌキは俺と目が合うと乱暴に俺の口から自身を引抜き、俺を立たせるとベッドルームへ引っ張って行き押し倒した。

「……今の他の男にやった事、勿論ないですよね?」

顔の両脇に手を置き、怒った様にワタヌキが言うから俺は全力で首を振った。

「お前以外のなんて気持ち悪くて無理に決まってる。」

ボスンッ!!!

途端に顔の横を殴られる。ひぃ!なんで!?

「……んで……それだけ分かっていて、……何で貴方は俺のものにならないんですかね……もう、逃がしませんよ……先輩。」

ブルッ

猛獣に首根っこを掴まれているような気持ちになり震えた。

でも、やっぱりどうしても捕まりたくなくて俺は………逃げた。

「――テレ……んぐっ!」

口にシーツを入れられテレポートを封じられた。

「――逃がさないって言った。」

怒りと情欲を纏わせながらその日ワタヌキは俺を手酷く抱いた。

逃げないといけないとは分かっているけれど、あれから毎日のように呼び出され抱かれている。俺のそこはワタヌキの形を覚えて記憶して入れられるとそれだけで満たされてイってしまう様になった。もう、ワタヌキ専用の穴のようだ。

気持ちよくて逃げられない。


――フウとため息をつくと隣に座り机の上に何やら図面のような物を書いている彼がその手を止めた。

「お前、最近ため息多いぞ?何かあったか?生理か?なら生理休暇取るか?」

俺は冷めた目で彼の書いている図面にペンで落書きをした。「ぎゃー!何しやがる!」とか言ってるけど知ったこっちゃない。

「それ、セクハラで訴えますからね。」

「……んだよ。生理きてないのか……まさか失敗?……まぁ、いいか。いいのか?」

彼は首を捻りながら納得のいかない様子で作業を始めた。

「……それ、何を作っているんですか?」

「んっ?これ?爆弾。」

シュッシュッとペンをはしらせながら何でもないような感じで彼が言うから「へぇー、ばく、だん?それ、俺必要ですか?……前の実験はどうなったんですかね?」とこちらも何でもない事のように尋ねた。

彼はピタッとペンの動きを止めこちらを見た。そしてニタリと笑う。この顔面をここまで可愛くなく出来るとは……。

「これ、終盤に近づいたらアレンに匹敵する魔力量のお前の力が必要になる。完成したら、小さな国1つ位は吹っ飛ばせるんだけどショボいよなぁ。せめて中ぐらいの国1つ位は吹っ飛ばせるくらいにしたいんだ……あっち?あれは、完成して、今モニターで試験段階。」

……ん?

「モニターってやってくれる奴いたんですか?物好きな奴がいたものだなぁ。」

最初の世迷い言は無視して後の話に食いついた。


「……うん!」


うっわー邪悪な……。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「……んっ……はぁっ……あっ……ああっ……」

正面から規則正しく突かれ気持ちよさに後ろ手にシーツを掴む。その手を外されワタヌキの首にしがみつく様に促されてぎゅっと巻き付けると開かれていた足もワタヌキの腰に絡み付ける。「煽らないで下さいよ!」ワタヌキが呻きながらそう言うと腰の動きの激しさが増しベッドがガタガタと揺れシーツが乱れに乱れていく。

「あっ……んっ……んっ……あっ……あっ……あああっ!!」

俺が絶頂を向かえるとワタヌキも俺の中に惜しみなく放った。

ずるっと自身を引き抜いたワタヌキは俺の横に寝転ぶとふぅと息を吐いた。

「こんな気持ちのいい事、何年も我慢していたなんて俺はバカだった。……18年も無駄にしたんだ。……もう、無駄にしたくない。……一緒に住みませんか?」

俺はまだ余韻の残る下半身をもて余しながら右腕で目を覆った。

「……男同士で一緒に住んでどうするんだよ?……お前は可愛い嫁を貰って幸せにならないと駄目だろう?」

俺があの時お前の当たり前の幸せを壊してしまった。

「俺は綺麗で優しいあなたの中に入っている時が一番幸せです。……最近毎日俺とシてるから風呂に入って綺麗になった貴方の美貌が噂の的になっていて俺、嫉妬しているんですよ……もう、風呂なんか入らないで俺の精液まみれで出勤したらいいのに……ルカ先輩、好きです。ずっと好きでした。……いい加減俺に落ちて下さい。」

そう言うとワタヌキは俺の片足を肩に抱え横向きにすると自分は正常位のまま俺の中に入ってきた。

「ああっ……深、いいっ……そんな、事……んあっ……俺は出来なっぃいっ……ああっ」

俺は快感に身を委ねながら無意識にワタヌキの愛の告白を否定した。ワタヌキが俺の事を?……そんなの駄目に決まってる。



――そしてそれが決別の言葉になったのか、次の日からワタヌキは俺を呼び出さなくなった。

この数週間で教え込まれたワタヌキの形を求め、たまにそこが疼く事があるが、俺はホッとしていた。

でも、ワタヌキが本当の幸せを手にいれたら、また酒でも呑んでバカな話をしあえる仲になりたいなんてそんな夢みたいな事を思って泣いた。


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