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番外編
87 ずっとずっと大好きな人
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俺はアレンが入れないように結界を張ってある一室に息子殿下によって監禁されていた。あいつは書けと言って何処かへ行ってしまった。書くまでアレンには会わせてもらえないらしい。こんな酷いことを平気でするなんて、あいつが国王になったら名前のように暴君になるに違いない。民の為にアレンは国王を続けるしかないのか……
ふぅと息を吐き、空を見つめる。
ペンを持つ手が中々進まない。
――まさかあいつがあんなに巨大化するなんて思わなかったんだ。もし、あの液体を俺があの時飲んでいたら?……今頃アレンをブチ犯せていたのか?しかしあれでは……あの薬を作る事を法律で禁止された今となっては分からない。もし俺が作ることを再開したら国王からのブチ犯しの刑って……
……ふぅ。
あいつを使ったのはただ都合が良かった、それだけ、恨みなんてなかった。あるはずがないじゃないか
……只のネズミに。
息子殿下は俺に何を書けと言うんだ。
……箇条書き?
「そこにあいつ(ネズミ)がいたからです。」
一行しか書けない……
――トンッ
俺がアレンロスで泣きそうになりながら箇条書きを書いていると結界が張ってあるはずの部屋にいきなり人の気配がした。俺はアレンが愛の力で助けに来てくれたと思い、席をたつと期待に胸を膨らませて振り返った。
「……ティアラ?」
そこにはチャームポイントだったソバカスは消え、しかし可愛らしかった面影はそのままの美しい女性になったティアラが微笑みを携えて立っていた。
「ラインハルト様、アレンの魔の手から助けに来ました。遅くなってしまってごめんなさい。」
ティアラは俺に近付くと俺の手を取り俺を見上げた。
助ける?……魔の手?
「えと……ティアラ久しぶりだな。元気にしてたか?助けるって言われても、アレンと夫婦だったティアラには言いにくいが、俺達ラブラブなんだ。ぶっちゃけ一緒にいる時は常にやってるっていうか……ブチ犯されてるって感じで……もう人目も憚らずに……何かお前と息子には悪いことをしてるとは思ってはいる。」
「ラインハルト様。それは愛されているっていうのでしょうか?それではただの都合のいい女ですわ。本当に大切ならそんな人目のつくところで貴方を抱いたりしないはずです。好きな人の体を見られるなんて嫌なのが普通でしょう?それにラインハルト様は復活したばかりで体が弱いのに毎回死にそうになるまで抱き潰すなんて正気の沙汰ではありません。そんなDV男から離れて私の国へ来ませんか?国王である兄も貴方を国の宝として歓迎すると言っています。」
DV……。
「――でもアレンは俺の事大好きで(毎日ブチ犯されて……)……俺は……俺は都合のいい女だったのか?」
かつての愛しい妹のような存在が今では母親のように俺の前に立ち諭され心がぐらついていく。
「……でも、どうしてそんな事が分かるんだ?」
「分かります、女ですもの。」
女ですもの、女ですもの、女ですもの……
俺、女じゃないから分からなかった。
……俺、アレンに遊ばれていたんだ。
かつて俺の住んでいた家に今、前王と住んでいる俺に似た父だという醜男。あまりの醜さに目が痛かった。男はアレンにボディタッチを沢山して、アレンはアレンでそんな男の手をしっかり握って楽しそうに話していた。
アレンは醜男が好きなんだ、俺よりもさらに醜かったあの男。アレンの好みのドンピシャだ。
俺がいない間に好きなやつが出来てたんだ。俺みたいな超天才のただの醜男なんかに超天才だからって本気になるはずがないじゃないか!どうして気づかなかったんだ。俺、超天才なのに、女じゃないからそういうの分かんなかった。超天才のくせに……女じゃないから。……でも――
「でも、俺、それでもいいからアレンといたい……。」
ティアラは俺の言葉に息を飲み、そして聖母のように優しく微笑んだ。
「では、ラインハルト様のそのお気持ちを尊重して賭けをしましょう。もし私が賭けに勝ったらラインハルト様を連れていきます。邪魔をするならアレンを抹殺してでも。こんな事があろうかと対アレン拘束具を義姉様に開発してもらったんですもの。あの子上手く使ってるみたいですね。ここへもあの子に手引きしてもらったんです。いい子でしょう?」
はい、極度のマザコンの熟女好きですね。
「どうしてそこまで……」
ティアラよアレンに何の恨みがあるって言うんだ。
「私はアレンの魔の手により、これ以上不幸な人間が増えるのが耐えられないんです。あの時、私はあの少年を救えなかった。……もう私は逃げたりしません。私が賭けに勝ったらラインハルト様を無理矢理にでも連れて行きます。ラインハルト様、逃げないで下さいね。逃げたりしたら私の国との全面戦争が始まると思っていて下さい。こちらには近代魔法発明の母と言われている私の義姉の王妃様がついています。勝ち目はないと思って下さいね。」
近代魔法発明の母?……めちゃ興味あるんですけどぉ!!!
ティアラの賭けはアレンがSEXを我慢できるかというものだった。俺は毎回の激しいSEXが引き金となりSEXすると命を縮めてしまう事が判明したと告白してアレンがSEXを我慢できたら俺の勝ち。我慢できずに俺を襲ったらティアラの勝ちとなる。
アレンはどうせ俺の事、都合のいい女としか思ってないんだ。我慢出来るわけがない。それでも俺は一緒にいたい……
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
――チュッ
「どうしたの?4時間ぶりだね。まだ俺のが中に残っている?……ライ、入れたい。駄目?」
目の前が真っ暗になる。無理だ無理ゲーだ。今や性欲魔神となったアレンが俺の命が縮むからと言って止まるはずがない。
無理とは分かっていながらも俺はアレンのキス攻撃をかわしてなるべく真剣な顔で言った。
「アレン、俺、最近体調悪くて……」
ぐっと涙を堪える。駄目だ、言えない。……アレンと離れるなんて嫌だ。
「まさか……つわり?つわりだ。つわりだよね……やっぱり、ね。最近ライが愛しすぎて愛しすぎて愛しすぎて、可愛すぎるから自分を押さえられなかった。ライが可愛いのが大分悪い……でもそうか、ライに似た子か……今が一番大事な時期だ、無理しないで。……よし退位だ。身重のライを俺が支えなくて誰が支えるの?うん退位だ。退位してライを支えるからライは安心してライ2世を産むといいよ。」
ハチミツ笑顔で俺に笑いかけるアレン。
アレン大好き。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「――俺、めちゃんこ愛されてた。」
俺は事のあらましを説明すると「いやぁお恥ずかしい」と後頭部をかいた。
「……そうですか。ラインハルト様は今、幸せなのね。それならいいんです。」
ティアラは諦めたように笑うと「もう、帰らないと。」と言って席をたった。
「――心配してくれてありがとう。」
俺の為にこっそり、離縁先に来るなんてすごい勇気のいる事だよな。
するとティアラはあの頃のようにくもりのない可愛い笑顔を見せてくれた。
「ラインハルト様、今度こそ幸せになって下さい。」
「……ああ、ティアラは幸せなのか?」
俺が問うと今度は初めて見る女性の笑みをした。
「はい、好きな人がいます。」
そうか――
「――良かったなんて思わない下さいね。私の一番は変わらないんですから。その方は二番目でもいいと言って下さった。それだけの事です。」
ティアラの真っ直ぐにこちらを見る凛とした佇まいに俺は暫くの間見蕩れて目が離せなかった。
「……ティアラ、美しくなったな。」
「まぁ、今頃気付いても遅いです。逃がした魚は大きかったんですからね。」
一転、淑女らしからぬあっかんべぇをした後、「あの子をよろしくお願いいたします。」と華麗にお辞儀をしてティアラはテレポートを唱えると消えてしまった。
ズクン。
胸が疼くのは可愛いあの子が大人になったせい……?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
息子殿下の名前。
「ネロ・クレベウディウス・カエサル・アウグストゥッス・ゲルマニクス・フォン・プロテイン」
です。長いので作中では出てきません……
その昔、ハリー殿下は少女の素晴らしい発明の数々に目をつけると少女の所へ入り浸り、自分になびかないどころか迷惑そうな顔をする少女に恋をして紆余曲折はありましたが、色々乗り越えて最後は少女を強引に嫁にしました。その少女は今や近代魔法発明の母と呼ばれ初めて開発した作品の「魔法機録音」は今や全世界で使われています。そして、エスカルド王国の王妃として国王となったハリーを支えているそうです。
ええ、そうです。モブ少女Aさんの事です。
ふぅと息を吐き、空を見つめる。
ペンを持つ手が中々進まない。
――まさかあいつがあんなに巨大化するなんて思わなかったんだ。もし、あの液体を俺があの時飲んでいたら?……今頃アレンをブチ犯せていたのか?しかしあれでは……あの薬を作る事を法律で禁止された今となっては分からない。もし俺が作ることを再開したら国王からのブチ犯しの刑って……
……ふぅ。
あいつを使ったのはただ都合が良かった、それだけ、恨みなんてなかった。あるはずがないじゃないか
……只のネズミに。
息子殿下は俺に何を書けと言うんだ。
……箇条書き?
「そこにあいつ(ネズミ)がいたからです。」
一行しか書けない……
――トンッ
俺がアレンロスで泣きそうになりながら箇条書きを書いていると結界が張ってあるはずの部屋にいきなり人の気配がした。俺はアレンが愛の力で助けに来てくれたと思い、席をたつと期待に胸を膨らませて振り返った。
「……ティアラ?」
そこにはチャームポイントだったソバカスは消え、しかし可愛らしかった面影はそのままの美しい女性になったティアラが微笑みを携えて立っていた。
「ラインハルト様、アレンの魔の手から助けに来ました。遅くなってしまってごめんなさい。」
ティアラは俺に近付くと俺の手を取り俺を見上げた。
助ける?……魔の手?
「えと……ティアラ久しぶりだな。元気にしてたか?助けるって言われても、アレンと夫婦だったティアラには言いにくいが、俺達ラブラブなんだ。ぶっちゃけ一緒にいる時は常にやってるっていうか……ブチ犯されてるって感じで……もう人目も憚らずに……何かお前と息子には悪いことをしてるとは思ってはいる。」
「ラインハルト様。それは愛されているっていうのでしょうか?それではただの都合のいい女ですわ。本当に大切ならそんな人目のつくところで貴方を抱いたりしないはずです。好きな人の体を見られるなんて嫌なのが普通でしょう?それにラインハルト様は復活したばかりで体が弱いのに毎回死にそうになるまで抱き潰すなんて正気の沙汰ではありません。そんなDV男から離れて私の国へ来ませんか?国王である兄も貴方を国の宝として歓迎すると言っています。」
DV……。
「――でもアレンは俺の事大好きで(毎日ブチ犯されて……)……俺は……俺は都合のいい女だったのか?」
かつての愛しい妹のような存在が今では母親のように俺の前に立ち諭され心がぐらついていく。
「……でも、どうしてそんな事が分かるんだ?」
「分かります、女ですもの。」
女ですもの、女ですもの、女ですもの……
俺、女じゃないから分からなかった。
……俺、アレンに遊ばれていたんだ。
かつて俺の住んでいた家に今、前王と住んでいる俺に似た父だという醜男。あまりの醜さに目が痛かった。男はアレンにボディタッチを沢山して、アレンはアレンでそんな男の手をしっかり握って楽しそうに話していた。
アレンは醜男が好きなんだ、俺よりもさらに醜かったあの男。アレンの好みのドンピシャだ。
俺がいない間に好きなやつが出来てたんだ。俺みたいな超天才のただの醜男なんかに超天才だからって本気になるはずがないじゃないか!どうして気づかなかったんだ。俺、超天才なのに、女じゃないからそういうの分かんなかった。超天才のくせに……女じゃないから。……でも――
「でも、俺、それでもいいからアレンといたい……。」
ティアラは俺の言葉に息を飲み、そして聖母のように優しく微笑んだ。
「では、ラインハルト様のそのお気持ちを尊重して賭けをしましょう。もし私が賭けに勝ったらラインハルト様を連れていきます。邪魔をするならアレンを抹殺してでも。こんな事があろうかと対アレン拘束具を義姉様に開発してもらったんですもの。あの子上手く使ってるみたいですね。ここへもあの子に手引きしてもらったんです。いい子でしょう?」
はい、極度のマザコンの熟女好きですね。
「どうしてそこまで……」
ティアラよアレンに何の恨みがあるって言うんだ。
「私はアレンの魔の手により、これ以上不幸な人間が増えるのが耐えられないんです。あの時、私はあの少年を救えなかった。……もう私は逃げたりしません。私が賭けに勝ったらラインハルト様を無理矢理にでも連れて行きます。ラインハルト様、逃げないで下さいね。逃げたりしたら私の国との全面戦争が始まると思っていて下さい。こちらには近代魔法発明の母と言われている私の義姉の王妃様がついています。勝ち目はないと思って下さいね。」
近代魔法発明の母?……めちゃ興味あるんですけどぉ!!!
ティアラの賭けはアレンがSEXを我慢できるかというものだった。俺は毎回の激しいSEXが引き金となりSEXすると命を縮めてしまう事が判明したと告白してアレンがSEXを我慢できたら俺の勝ち。我慢できずに俺を襲ったらティアラの勝ちとなる。
アレンはどうせ俺の事、都合のいい女としか思ってないんだ。我慢出来るわけがない。それでも俺は一緒にいたい……
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
――チュッ
「どうしたの?4時間ぶりだね。まだ俺のが中に残っている?……ライ、入れたい。駄目?」
目の前が真っ暗になる。無理だ無理ゲーだ。今や性欲魔神となったアレンが俺の命が縮むからと言って止まるはずがない。
無理とは分かっていながらも俺はアレンのキス攻撃をかわしてなるべく真剣な顔で言った。
「アレン、俺、最近体調悪くて……」
ぐっと涙を堪える。駄目だ、言えない。……アレンと離れるなんて嫌だ。
「まさか……つわり?つわりだ。つわりだよね……やっぱり、ね。最近ライが愛しすぎて愛しすぎて愛しすぎて、可愛すぎるから自分を押さえられなかった。ライが可愛いのが大分悪い……でもそうか、ライに似た子か……今が一番大事な時期だ、無理しないで。……よし退位だ。身重のライを俺が支えなくて誰が支えるの?うん退位だ。退位してライを支えるからライは安心してライ2世を産むといいよ。」
ハチミツ笑顔で俺に笑いかけるアレン。
アレン大好き。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「――俺、めちゃんこ愛されてた。」
俺は事のあらましを説明すると「いやぁお恥ずかしい」と後頭部をかいた。
「……そうですか。ラインハルト様は今、幸せなのね。それならいいんです。」
ティアラは諦めたように笑うと「もう、帰らないと。」と言って席をたった。
「――心配してくれてありがとう。」
俺の為にこっそり、離縁先に来るなんてすごい勇気のいる事だよな。
するとティアラはあの頃のようにくもりのない可愛い笑顔を見せてくれた。
「ラインハルト様、今度こそ幸せになって下さい。」
「……ああ、ティアラは幸せなのか?」
俺が問うと今度は初めて見る女性の笑みをした。
「はい、好きな人がいます。」
そうか――
「――良かったなんて思わない下さいね。私の一番は変わらないんですから。その方は二番目でもいいと言って下さった。それだけの事です。」
ティアラの真っ直ぐにこちらを見る凛とした佇まいに俺は暫くの間見蕩れて目が離せなかった。
「……ティアラ、美しくなったな。」
「まぁ、今頃気付いても遅いです。逃がした魚は大きかったんですからね。」
一転、淑女らしからぬあっかんべぇをした後、「あの子をよろしくお願いいたします。」と華麗にお辞儀をしてティアラはテレポートを唱えると消えてしまった。
ズクン。
胸が疼くのは可愛いあの子が大人になったせい……?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
息子殿下の名前。
「ネロ・クレベウディウス・カエサル・アウグストゥッス・ゲルマニクス・フォン・プロテイン」
です。長いので作中では出てきません……
その昔、ハリー殿下は少女の素晴らしい発明の数々に目をつけると少女の所へ入り浸り、自分になびかないどころか迷惑そうな顔をする少女に恋をして紆余曲折はありましたが、色々乗り越えて最後は少女を強引に嫁にしました。その少女は今や近代魔法発明の母と呼ばれ初めて開発した作品の「魔法機録音」は今や全世界で使われています。そして、エスカルド王国の王妃として国王となったハリーを支えているそうです。
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