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第1章
15 迷惑な奴がやって来た!
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「キャオゥ!」
俺は侮蔑を含んだ瞳でそれを見た。
小さなそれは目をクリクリさせて俺を見ている。見た目はカメレオンサイズの蜥蜴。そこら辺を這っていたら踏み潰す自信がある。
「おいおい、どうしてこうなった?お前、生きているのが辛くないか?俺がいっそのこと……」
こんなに小さかったら俺の剣で楽に殺してやれるだろう。
【世界を救ってやった我に随分ではないか?】
やっぱり……
「お前、龍か。」
【いかにも。我は万物の王にして、絶対王、唯一無二の存在。エンラファンネストだ。】
あっ、そんな名前だったの。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【特別に我の保護をお前にさせてやろう。】
「丁重にお断りします。」
俺はこの出会いをなかったことにしてその場を去ろうとした。
【何故だ!こんな名誉は他にはないぞ!!】
小さな蜥蜴がすがってくる。そんな素晴らしい名誉でしたら、他のかたに譲ります~!
【そうか、この世界を滅ぼされたいか……】
蜥蜴の癖に物騒な事を言う。洒落にならない雰囲気だ。ゴゴゴゴ……と後ろから渦巻く音が聞こえてきそうだ。
「あーもう!分かったよ!?何で俺なんだよ!!面倒くさい!」
【めっめんど……我はやつとの最終決戦の際、相討ちになり滅びかけた。気が遠くなるような永い年月を生きたのだ、それも良いかと思ったのだが最後の一瞬何かが胸の奥底に引っ掛かったのだ。】
悪い予感しかしない。
【何故かお前の生っ白い人形のような顔が浮かんだのだ。人形のような顔の癖に、快感に身を委ねている時は、壮絶な色気があった。あの時、我はお前に挿れられない事に絶望した。その絶望を胸に、やつを滅ぼしに向かった。】
あのあとすぐ行ったんだね。絶望ってお前……
【これが終わったら、お前を抱き行く一心だったのだ。】
怖!?俺、貞操の危機?あんなデカいの今でも無理だって!!
【まだ死にたくない。この世に存在してから初めて思ったのだ。その時、神が久しぶりに姿を現した。】
神様が久しぶりって、あんた本当に何者ですか?
【我にやつを倒したご褒美をやるのだといい、死の淵から条件付きで生還させたのだ。しかし、神でも我のような存在を完璧に復活させることは出来なかった。今の我は産まれた時と同じ姿だ。】
そうですか?力がないので俺に保護しろと。目の前のふんぞり返っている存在にイラっとする。もしかして、踏み潰せるんじゃないか?
【こんな姿でも、この国くらいなら一瞬で滅ぼせるぞ。】
なら保護いらないじゃん!
【お前の側を離れると我は滅びる。神が我を助ける為に出した条件だ。】
「なんだそれは!?」
【生まれて初めて愛したものを守れとの事らしい。】
蜥蜴はふんぞり返っている。
イヤイヤイヤ!それ愛じゃないから!!只の性欲だから!しかも変態入ってるから~~!面倒な奴を押し付けやがって神様の馬鹿野郎~!!
俺は侮蔑を含んだ瞳でそれを見た。
小さなそれは目をクリクリさせて俺を見ている。見た目はカメレオンサイズの蜥蜴。そこら辺を這っていたら踏み潰す自信がある。
「おいおい、どうしてこうなった?お前、生きているのが辛くないか?俺がいっそのこと……」
こんなに小さかったら俺の剣で楽に殺してやれるだろう。
【世界を救ってやった我に随分ではないか?】
やっぱり……
「お前、龍か。」
【いかにも。我は万物の王にして、絶対王、唯一無二の存在。エンラファンネストだ。】
あっ、そんな名前だったの。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【特別に我の保護をお前にさせてやろう。】
「丁重にお断りします。」
俺はこの出会いをなかったことにしてその場を去ろうとした。
【何故だ!こんな名誉は他にはないぞ!!】
小さな蜥蜴がすがってくる。そんな素晴らしい名誉でしたら、他のかたに譲ります~!
【そうか、この世界を滅ぼされたいか……】
蜥蜴の癖に物騒な事を言う。洒落にならない雰囲気だ。ゴゴゴゴ……と後ろから渦巻く音が聞こえてきそうだ。
「あーもう!分かったよ!?何で俺なんだよ!!面倒くさい!」
【めっめんど……我はやつとの最終決戦の際、相討ちになり滅びかけた。気が遠くなるような永い年月を生きたのだ、それも良いかと思ったのだが最後の一瞬何かが胸の奥底に引っ掛かったのだ。】
悪い予感しかしない。
【何故かお前の生っ白い人形のような顔が浮かんだのだ。人形のような顔の癖に、快感に身を委ねている時は、壮絶な色気があった。あの時、我はお前に挿れられない事に絶望した。その絶望を胸に、やつを滅ぼしに向かった。】
あのあとすぐ行ったんだね。絶望ってお前……
【これが終わったら、お前を抱き行く一心だったのだ。】
怖!?俺、貞操の危機?あんなデカいの今でも無理だって!!
【まだ死にたくない。この世に存在してから初めて思ったのだ。その時、神が久しぶりに姿を現した。】
神様が久しぶりって、あんた本当に何者ですか?
【我にやつを倒したご褒美をやるのだといい、死の淵から条件付きで生還させたのだ。しかし、神でも我のような存在を完璧に復活させることは出来なかった。今の我は産まれた時と同じ姿だ。】
そうですか?力がないので俺に保護しろと。目の前のふんぞり返っている存在にイラっとする。もしかして、踏み潰せるんじゃないか?
【こんな姿でも、この国くらいなら一瞬で滅ぼせるぞ。】
なら保護いらないじゃん!
【お前の側を離れると我は滅びる。神が我を助ける為に出した条件だ。】
「なんだそれは!?」
【生まれて初めて愛したものを守れとの事らしい。】
蜥蜴はふんぞり返っている。
イヤイヤイヤ!それ愛じゃないから!!只の性欲だから!しかも変態入ってるから~~!面倒な奴を押し付けやがって神様の馬鹿野郎~!!
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