酒を呑んで飲まれた宰相殿

はるか

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 飛ぶ鳥を落とす勢いで世界統一を成し遂げようとする若く美しく猛々しい英雄王。忌ま忌ましい事にあの男は結婚相手に事欠かない優良物件だ。



 しかも出会ってその夜には性交におよぶ節操なし。その噂を聞きつけた良家の子女や他国の姫君達は我先にと舞踏会や晩餐会に参加しその純潔(かどうかは預かり知らないが)を散らしていた。



 あの夜、隣国の末の姫も勿論その気で参加し、あの男も食い散らかす気満々で二人はベタベタとしていたが、調子に乗った姫のある言葉に状況は一変した。



 「結婚はいつにしましょうか? 準備もありますし、すぐには無理でございましょう? 」



 うるるん、ぷるるんとあの男に撓垂れながら自国から持参した珍しい酒を男に注ぐ姫。



 我が国の者達はあ~あ言っちゃったと頭を抱えた。



 「お前と結婚するつもりはない。不自由なこの身だ。結婚相手くらい好きな女を選ぶ。つべこべ言わずにその股を開けば子種くらいはやる。」



 ドレスの裾をめくりあげ、姫の秘所にその太い腕を差し込んだ男は何やら何やらゴソゴソベチャベチャと……



 「――なんだウブなナリしてガバガバだな。」



 姫は男に渾身の右ストレートをヒットさせ、その場から逃げるように出ていった。公衆の面前でドレスの中に手を入れるとは、戦争だ。また戦争なのか。



 私の頭の中はどうにかして戦争を回避出来ないかとグルグル回転していた。その時、姫のドレスの中から出した手を使用人に拭かせていたあの男と不本意にも目が合ってしまった。



 「これはこれは宰相殿。この酒は美味だぞ。一杯どうだ?」



 この男はヒョロヒョロひ弱の宰相が酒に弱いのだと思っている。公衆の面前で私をバカにするつもりだろう。私はザルだバカモノめ。



 ――そうして私は一生分の後悔をする事になるのだがそれは前々回までのお話。



 問題は隣国の姫が持参した酒だ。



 世にも珍しい酒だったのだ。



 誰でも飲めばたちまち妊娠しやすくなる幻の秘酒。姫は正妃の座をゲットすべく、一晩のアバンチュールの末の妊娠を狙ったのだ。



 そう、男でも例外ではない。万能妊娠酒で。







 ……はぁ。そう言えば隣国は子沢山だったなぁ。








 「――とうたま? おべんきょう、しゅき?」



 すべすべ、つやつやのマシュマロほっぺをピンクに染めた私の息子は大きな金色の瞳に光をキラキラと反射させながら心配そうに覗き込んでくる。



 私が彼の世話で大好きな勉強が出来ないのを心配しているのだ。1

才と3ヶ月の幼児が。だ。



 何て事だ。姿形はあの男にそっくりだが、頭は私に似て聡明で思慮深く賢い。物凄く賢い。



 完璧だ。私は完璧な人間を産んでしまった。完璧即ち私の息子と言っても過言ではない。



 「ああ、父は勉強が好きだ。だからリノールと過ごす時間はとてつもない宝物だ。とても勉強になるからね。君の成長の全てが私の知らない事ばかりで楽しくて幸せで仕方がないよ。生まれて来てくれてありがとう。」



 1才と3ヶ月だ。理解できないのも仕方がない。キョトン顔がまた愛しい。大変だ。可愛い瞳がこぼれ落ちそうだ。



 「つまりはリノールが大好きって事だ。」



 「しゅきぃ? リノもぉっ。」



 ギュウっと私の首に抱きついてくる柔らかな体を優しく抱き締め、頬にキスをする。



 ご覧の通り、概ね私の子育ては順調だ。



 妊娠が発覚した後の私の行動は早かった。幸運にも宰相の地位は解任された所だったし、泣き叫び引き留める後任者に1ヶ月で引き継ぎをした後、避暑地に家を買いそこに移った。



 そこで各国から取り寄せた本をのんびりと読みながら我が子の誕生を待った。そしてお利口なリノールが予定日に生まれようと私に地獄の責め苦を課し始めると、死に目に合いながらも涙の出産を果たした。真っ赤しわくちゃ元気一杯泣き叫ぶリノール。出会った瞬間から目に入れても痛くないほど可愛くて愛しくて仕方がなかった。



 ベテラン乳母を雇い、分からない事を習いながらの子育ては楽しくて面白くて愛しくて、この世の春を謳歌した。元来興味のあるものには寝る間も惜しんで取り組むタチなので、子育てという新たな勉強に飽きることなく取り組む事が出来た。そしてこれから先も飽きることはないと断言出来る。他の勉強はリノールが可愛いお嫁さんをもらって家庭をもったらまた始めればいいんだ。それまで僅の間、この勉強に勤しめる喜びに震える日もあった。

 

 『忘れない――君と歩いたあの丘を――夕焼けに染まる君の頬に若葉が張り付いていたね。若葉さえも虜にする君を――どこぞの山の王が拐いやしないかとヤキモキしたものさ。』



 毎日がポエムだった。



 そう、私は幸せの絶好調だった。



 「――なのに私は何故またここにいるんだ?」 



 見飽きた質素な執務室の机にかじりつき、採択をせっせとする。愛しいリノールは何処だ?リノール。リノーォル。



 「仕方ないですよ。宰相殿がお辞めになってから城は陛下の思うがままのヤりたい放題シ放題。至るところで女性に盛る陛下を見ました。女であれば見境なしです。女性の臣下は尽く辞めていき、陛下ってあれでしょう? 男が大の嫌いでしょう? 近付くだけで目で殺されるって言うか、何て言うか。で文官は誰も陛下に近付けなくなりまして、まぁ、ヤりたい放題シ放題の末に――」



 「――財政が破綻したというのだな。」



 コクコクと首肯く私の後釜だった男はこの2年ばかりの間に10才ほど老けたようだ。



 兵士を血、血、血の戦地で戦わせておいて、自分は城でせっせと盛るとは。暴君暴君だと思ってはいたが、ここまで酷いとは。私が手綱を握らねばこの国は滅びてしまう。



 「9時→5時だ。休日出勤、残業は一切しない。たとえ国が滅びようともだ。」



 私は深い溜め息をついた後に冷気を纒ながら年老いてしまった後釜を睨み付けた。



 「あ”りがどうございまずぅ。」



 鼻水を足らしながら泣きじゃくる男を尻目に私は愛しい息子に思いをはせた。



 1才やそこらで父と朝から夕方まで会えなくなるなんて不憫すぎてこちらの方が泣きたい。



 今日、泣きながら私の服を握って離さなかったリノール。断腸の思いでその手を離したんだ。あれを毎日やるのか。地獄だな。生き地獄だな。



 「まぁ、それでも陛下がいらっしゃれば何とかなるような心強さがありました。しかし、今回の陛下のご病気でこの国はガタガタになり。藁をもすがる気持ちで宰相殿を呼び戻したのです。」



 そう、一部の者にしか知らされてはいなかったが、あの何をされても死なないような男が病を患い寝込んだというのだから――笑える。



 病床のあの男を笑ってやるかと駆けつけてみれば、復活したと言うし。ならばと目を通したとんでもない王命の数々に半ば怒りを通り越して呆れた。



 あんなもの。却下、却下、きゃーっかだ。



 「それにしても、戦争が終わって良かったです。宰相殿がお戻りになられていなかったら、と思うと本当に背筋が凍ります。」



 確かにあれは酷かった。兵士を捨て駒にするなど君主にあってはならぬこと。あの男、暴君だが無能ではなかった。それがこの2年近い間に無能の暴君に成り下がったと言うならば、これから先、用心深く見張り場合によっては首をすげ替えなくてはならない。



 可愛いリノールがこの国で幸せに生きる為にもな。


 「――リ、リノール。」



 込み上げて来るものを押さえきれずにボタボタと溢れさせた。



 「さっきまで起きてお待ちになられてたんですが、等々待ちきれずにお眠りになられました。」



 ああ、なんてことだ。マシュマロ頬に涙の跡を見つけ絶望する。



 「泣いて、うっ、泣いて待っていたのかっ。」



 泣きながら問うと、困ったように首肯くシッター。



 朝からずっと――。



 『何ー故?君と過ごした日々は輝いてるの?何ー故?君がいないと心が悲鳴をあげるの?何ー故?君より大切な人はいないのに、父は働き蟻のように働くの?それは暴君。きっと暴君。されど暴君。僕らを引き裂く暴君は君の父親――』



 悲しいポエムが頭を過りながら、その夜はリノールを抱き締めて泣いて寝た。はぁ、辛い。









 愛しい我が子と半日を離れて暮らす生活も1ヶ月を過ぎた頃、最近大人しかったあの男から呼び出しを受けた。嫌々顔を出せば100年ぶりに現れた聖女が傍らに立っていた。まさかこの男、聖女にまで手を出したんじゃないだろうか。教会と戦争かと内心冷や汗をかいていると、聖女の全身が聖なる光に包まれた。



 ――神託。



 聖女が聖なる光に包まれる時、神託が始まるのは常識だ。私は頭を垂れそれを待った。



 聖女は男とも女ともとれぬ不思議な声で紡ぎだした。



 一に、これから数年から十数年ののち魔王が現れる。



 二に、魔物は活性化し、人間はあっという間に半数に減る。



 三に、希望の光は勇者のみ。



 四に、その勇者は世界を統一する王の子として生まれる。



 

 世界を統一する王……





 「――ずっと昔。母親の腹の中にいる時だったか、天啓を受けた。その王が俺だと。」



 王座に座る男の顔は真剣そのもので、嘘のない事が見てとれた。

 

 「それが陛下の今までの常軌を逸した行動の答えなのですね。にわかに信じがたい事ですが、確かに最近魔物の活動が活発化しているとの報告をよく受けます。そして100年ぶりに現れた聖女の神託。信じる他ないでしょう。」



 オーマイガッ。魔王光臨なんてどうしてリノールが生を受けた時代に起きるんだ。何処に何処に隠したらあの子が半数の生き残りに入れる?



 「確かに兵が必要ですね。魔術師10000万人、戦馬10億頭用意しましょう。民からも兵を募るのもいいでしょう。いっそ、徴兵制度を導入しますか。早いところ世界統一して結束を固めなければ。この前帰ってきた兵士を全軍戦地に送り返しましょう。大丈夫です。彼らはその為に存在してるのですから、本望な筈です。早く王命を――」



 「――落ち着け。お前冷静に見えるが、実は激しく動揺してるだろう。」



 ああ、私は動揺している。だってリノールを平和な世の中で真綿でくるむように優しく育てるつもりだったんだ。そんな魔王や魔物のデンジャラスな世界で逞しく育てる気なんて相当なかった。
 


 「勇者が生まれるはずなんだが、ここ数年種付けをしても一向にできん。最悪な事にこの前の高熱で子種がなくなった。」



 だから至る所で盛ってたのかっ。しかし、場所は考えろっ。



 「そこでだ。頭のいい宰相殿に調べて欲しい事がある。」



 絶望的なこの状況の中、爛々と輝くこの瞳には覚えがある。もう、悪い予感しかしない。そしてそれは私が聖女でなくてもあたると断言出来る。



 「2年ほど前、俺は子作りの酒を飲んで一晩中種付けをした。隣国の姫が言うには一晩中子種を注げば100%出来てるそうだ。その相手が誰だか調べろ。そして子が何処にいるか探し出せ。」


 子って、十中八九リノールしかいない。そんな……リノールが勇者。確かにリノールは可愛くて頭がよくて完璧だ……大変だ。勇者と言ったらリノールしかないくらいしっくりくるじゃないか。どうして今まで気付かなかったんだ。勇者=リノールだと。いや、しかし――



 「――恐れながら陛下は下戸で、一度酒を口にしますれば記憶がないと聞いております。何故一晩中、ゴニョゴニョだとか……」



 まぁ、お腹パンパンになるまで注がれたが。



 「――断片的だが、白く細い体を思う存分突きまくったのを覚えている。乳はなかったが、下半身は俺のを貪欲に絞り取ろうとうねって絡み付いてきて最高だった。いつもは1度で萎えるがあの夜は違った。止めてと泣くのもそそり、奥まで突けば快楽に泣くのもたまらない。間違いなくあれは名器だ。思い出しても疼いて見境なく女を犯したくなる。そうだ、見つけたら后にしてもいいな。」 



 ペロリと舌舐めずりする男に恐怖を覚え思わず後ずさった。



 「ふん。童貞の宰相殿には刺激が強かったようだな。」



 「机上の空論ですな。」



 バカにしたようにニヤニヤと笑っていた男の顔が強張る。



 「前、……もこの会話をしたか?……そういえば。ホクロがあった。」



 ホクロだと?ホクロなど私にはない。真っ白シロシロだ。まさか人違――



 「白い太股の付け根に。足を広げたら見えた。きっと本人も知らんだろう。あれはエロいぞ。」



 ゾクリ。



 爛々爛々と獲物を狙う獣の目で私を挑発するように見る男。



 その先に私の分身もあったと思うが、幸いな事に男嫌いのフィルターが作動して記憶にないのか?



 「――そう言えば、宰相殿には子供がいたな。いつの間にやらだ。丁度1才くらいか。」



 ヒィッ。



 いつの間にやら私こそ男に壁際まで追い詰められていた。



 「おい。あの夜俺が抱いたのは誰だ?……まさか、お前じゃあるまいな?……もし、お前だったら――」



 ヒィッ。



 顔っ。顔が近いっ。目を爛々させながら血走らせるな。わっ、私だったら何だと言うんだ。



 「もし、そうだったら――」



 うわぁ。人間って怒ったらこんなに動脈浮き出るんだなぁ。涙目。



 「――お前を殺す。」



 そう言いながら噛み付くようにエロいキスをしてくるこの男。



 ああ、理不尽。
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