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帝国編
14 乳首がピンクなのが悪い
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腫れ物を触るようにして案内された一軒家はこじんまりとしていて落ち着きそうな造りだった。
じっと手を見る。
俺は先程自分が行ってしまった暴力にまだ打ちのめされていた。ジワリと瞳に涙の膜が張っていく。
「ほーら、ほら?大丈夫ですよ?私は何ともありませんから、もう泣かないで。」
見上げると男が一生懸命両手をバタバタさせてディラン猫に傷だらけにされた顔をニコニコさせている。
「ふっ、確かに私が叩いてしまった跡より猫にやられた所の方が酷いな。」
男のコミカルな動きに救われて少し笑ってしまう。
「……なんという事だ。マイスィートハートエンジェル。私の堕ちた天使。貴方は私の宝物。どうか私を下僕にしてください。」
ぱぁあああああ。とグリーンがかったヘーゼル色の瞳を輝かせ頬を薔薇色に染めた男が俺にひざまずくと短髪の栗毛がクルクルとしている所が見えてとても好感が持てる。
「……下僕。それはいいな。」
――この日、帝国に下僕が出来た。
男はその日最高級の夕食を用意すると夜遅くまで居座り、明日の朝は帝国最高級モーニングを持って参ります!と言いながら帰って行った。
「ディラン猫。帝国は良いところかもしれないな。……今日は遅いし、このベッドで寝てみるか?」
ベッドに横になり布団を剥ぎポンポンと叩くとディラン猫はストンとそこに収まり丸くなって寝た。それに布団をかけると俺も疲れていたのかすぐに眠りについた。
お約束だが朝起きるとディラン猫はディランになっていた。目覚めてこの顔が眼前にあると心臓が止まりかける。
「うっ!……っはぁ。」
俺は何とか生き残ったぞ。
それにしても美しいなんて言葉では言い尽くせないほど神々しい造形だ。眠っているといつもの冴え渡る怜悧な印象が薄れ幼く見える事により儚さが強調されより一層汚してはいけない存在なのだと痛感する。
「なんという美しさだ。生きている事が奇跡のようだ。……乳首はピンクなのだろうな?」
風呂に入れて貰うときディランは鉄壁の防御で薄い服を着ている。私だけ裸とはいただけないが入れてもらう身なので甘んじて受けていた。しかし、濡れた時少し透けた先にうっすらとピンクの蕾が見えるような気がしていた。透けるような肌の色だ絶対にピンクに違いない。と思い込みのようなものかもしれないが。茶色かピンクかまさか黒なのか!?
「どっちなのだ?」
俺は眠っているディランの服のボタンを一つずつ丁寧にかつ慎重に外していった。
言い訳をしよう。寝惚けていたのだ。
しかし四つ目のボタンを外した先に見えた蕾の色にハッキリと目が覚めた。
「……ピンクだ。」
やはりか。やはりだ。そうでなくてはいけない。
俺はおおいに頷くと目の前にある蕾に優しくかぶりついた。
甘いだと⁉
何故甘いのか。夢中になってコロコロと舌で転がしていると冷気を感じ、くわえたまま顔を傾け上を見ると絶対零度の瞳と目があった。
「……お前は何をしている。」
ゴゴゴゴ……と聞こえてくるほど怒っている。
「すまない。つい、そこにピンクの乳首があったものだから。」
男はピンクの乳首があったら舐めずにはいられない事はよく分かるだろう?
――俺に反省の色が見えなかったのが悪かったのか……。
身体をひっくり返されると上の服を剥ぎ取られ乳首にしゃぶりつかれた。
「わっ!何をする!ひっ!痛い!ディラン殿!気は確か!?あっ……んっ!」
ディランは顔をあげると唾液で赤く染まった唇をニヤリとさせた。
「ここにピンクの乳首があったものだから。仕方ないよな?」
そう言って更に舐め回した。
じっと手を見る。
俺は先程自分が行ってしまった暴力にまだ打ちのめされていた。ジワリと瞳に涙の膜が張っていく。
「ほーら、ほら?大丈夫ですよ?私は何ともありませんから、もう泣かないで。」
見上げると男が一生懸命両手をバタバタさせてディラン猫に傷だらけにされた顔をニコニコさせている。
「ふっ、確かに私が叩いてしまった跡より猫にやられた所の方が酷いな。」
男のコミカルな動きに救われて少し笑ってしまう。
「……なんという事だ。マイスィートハートエンジェル。私の堕ちた天使。貴方は私の宝物。どうか私を下僕にしてください。」
ぱぁあああああ。とグリーンがかったヘーゼル色の瞳を輝かせ頬を薔薇色に染めた男が俺にひざまずくと短髪の栗毛がクルクルとしている所が見えてとても好感が持てる。
「……下僕。それはいいな。」
――この日、帝国に下僕が出来た。
男はその日最高級の夕食を用意すると夜遅くまで居座り、明日の朝は帝国最高級モーニングを持って参ります!と言いながら帰って行った。
「ディラン猫。帝国は良いところかもしれないな。……今日は遅いし、このベッドで寝てみるか?」
ベッドに横になり布団を剥ぎポンポンと叩くとディラン猫はストンとそこに収まり丸くなって寝た。それに布団をかけると俺も疲れていたのかすぐに眠りについた。
お約束だが朝起きるとディラン猫はディランになっていた。目覚めてこの顔が眼前にあると心臓が止まりかける。
「うっ!……っはぁ。」
俺は何とか生き残ったぞ。
それにしても美しいなんて言葉では言い尽くせないほど神々しい造形だ。眠っているといつもの冴え渡る怜悧な印象が薄れ幼く見える事により儚さが強調されより一層汚してはいけない存在なのだと痛感する。
「なんという美しさだ。生きている事が奇跡のようだ。……乳首はピンクなのだろうな?」
風呂に入れて貰うときディランは鉄壁の防御で薄い服を着ている。私だけ裸とはいただけないが入れてもらう身なので甘んじて受けていた。しかし、濡れた時少し透けた先にうっすらとピンクの蕾が見えるような気がしていた。透けるような肌の色だ絶対にピンクに違いない。と思い込みのようなものかもしれないが。茶色かピンクかまさか黒なのか!?
「どっちなのだ?」
俺は眠っているディランの服のボタンを一つずつ丁寧にかつ慎重に外していった。
言い訳をしよう。寝惚けていたのだ。
しかし四つ目のボタンを外した先に見えた蕾の色にハッキリと目が覚めた。
「……ピンクだ。」
やはりか。やはりだ。そうでなくてはいけない。
俺はおおいに頷くと目の前にある蕾に優しくかぶりついた。
甘いだと⁉
何故甘いのか。夢中になってコロコロと舌で転がしていると冷気を感じ、くわえたまま顔を傾け上を見ると絶対零度の瞳と目があった。
「……お前は何をしている。」
ゴゴゴゴ……と聞こえてくるほど怒っている。
「すまない。つい、そこにピンクの乳首があったものだから。」
男はピンクの乳首があったら舐めずにはいられない事はよく分かるだろう?
――俺に反省の色が見えなかったのが悪かったのか……。
身体をひっくり返されると上の服を剥ぎ取られ乳首にしゃぶりつかれた。
「わっ!何をする!ひっ!痛い!ディラン殿!気は確か!?あっ……んっ!」
ディランは顔をあげると唾液で赤く染まった唇をニヤリとさせた。
「ここにピンクの乳首があったものだから。仕方ないよな?」
そう言って更に舐め回した。
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