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八丁堀
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「時ちゃん、おまたせ。行くわよー」
時次郎は、昨日の夜はおヒサ姉さんの夢のせいで、あまり眠れなかったために、ついウトウトしていた。
「お、おう!」
慌てて起きて、支度をして外に出る。
おヒサ姉さんとおタマちゃんは、既に完璧な『髪結いの女』と『そのお手伝い』の出で立ちになっていた。さすが、女は怖いなあ。オレがさっき見た『朝ご飯食べてる二人の女』とは大違いだ。
誰でも、この人達に髪結いを任せたくなる、そう言う雰囲気が出ている。二人とも洒落た着物を着こなし、流行りの帯を巻いている。キチンと整えた綺麗な髪にかんざしをピッとさす。やはり、黒髪にべっ甲のかんざしは似合うなあ。
全体に、薄めの化粧の中で、口紅はハッとするほど明るい赤だ。
まあ、おヒサ姉さんは、元が美人なのは昔から知ってるから、更に磨きかかってるー!ってな感じだけど。
驚いたのは、おタマちゃんだ。綺麗な着物に着替えて、化粧をすれば、どこの町の美人ですか?と言うぐらいのイイ女に化けている。
うーん、『化けている』は可哀想か。多分、元々美人なんだ。だけど、磨いて来なかっただけなんだろう。
おヒサ姉さんの磨き方も良いんだろうが、原石が良いと、ここまで光ると言う見本だな。
これに、おヒサ姉さんみたいな豊満な乳房が付いたら、男ならどんなヤツでもメロメロだ。
もしも、オレがもう少し若くて、おヒサ姉さんを知らなかったなら、一目で常連になるな。
オレが二人を前にして、目をシバシバさせていると……
「ナニじろじろ見てるの! 今更、あたし達の美貌に驚いてどうすんのさ。さあ、時ちゃん行くわよ、八丁堀に。チャンと刀身は持った? 忘れ物は無い?」
「ハイハイ! 美人のお姉さん方」
オレは言われるままに、ホイホイ付いてくよー。
***
八丁堀に着いたら、今日は表玄関から堂々と入る。目的がはっきりしているから、誰はばかることもない。
今日は八丁堀の奥様、有名な髪結いの師弟を呼んだのね? 変な若いニイちゃんが付いてきているけど、アレは美人師弟の用心棒よね。
そんな感じで、全然違和感が無い。
「お!鍛冶屋を廃業したら、おヒサ姉さんの用心棒にでもなるか?」
「何言ってんの! 髪結いの亭主なんでしょ、今は。チャンと話を合わせて頂戴!」
オレに向かってヒソヒソ話す。と、気がついたようにおタマちゃんにも耳許でささやく。
「あ、おタマちゃんも話を合わせてね。時チャンは、アタシの亭主って事になってるから」
「アイ、わかりまスた。師匠も、本気で時次郎サンと所帯を持ったらどうですか?お似合いでスよ、本当に」
「冗談はやめてよ、おタマちゃん。さあ、さあ、お仕事よ。ごめん下さいー、髪結いのおヒサですー!」
八丁堀の奥方様、待ちわびていたのか直ぐに玄関に現れる。
「あらあら、お待ちしてました。おヒサさんのご主人、時次郎さんもようこそ。時次郎さんは、奥の間へどうぞ。宅の主人が待っております」
そう言って奥方様は奥の間に通じる廊下を指し示す。
「おヒサさんとおタマちゃんは、こちらの居間へどうぞ。今日は、どんな髪形にしようかしら?」
そう言いながら、奥方様は嬉しそうに、おヒサ姉さん、おタマちゃんと連れ立って居間に向かって歩き始める。
オレは、二人と別れて、奥座敷の方に進んで行った。
奥の間は障子が閉まっていた。オレは、障子の前で片膝を立てて座りながら、言った。「時次郎で御座います。八丁堀の旦那、入ってもよろしゅうござんすか?」
障子の奥から、太い声が聞こえた。
「おお! 待ちわびたぞ。時次郎! 早く入れ」
スーッ
障子を開けて部屋に入ると、後ろを向いて、廊下をもう一度見回してから障子を閉じる。
スーッ。トス。
「壁に耳あり、障子に目あり、だ。八丁堀だからって、油断は禁物だ」
「流石だな、御用のスジとの付き合いに慣れているな」八丁堀の旦那が独り言を言った。
「へえ。一応、話の内容が、内容ですからね」
「ウム、正にその通りだ、内密な話をするには、そのぐらいの気持ちが無ければな。して、どうだったのだ?」
オレは、最初に昨日打ったばかりの刀身を和紙に包まれた状態で胸元から取り出して、旦那の前に置いた。
旦那は、その和紙を丁寧に開いて刀身を手に取った。
「ほほー、これは、素晴らしい。ここまでの物だとは思わなかった。時次郎も良い仕事をしてくれた様だな。今度は、儂の刀や十手も頼もうか?」
「へえ、そうしてくれると、オレもやり甲斐が有ります」
とりあえずは、軽く挨拶を交わす。
「まあ、それはそれとして。この短刀に込められていた思いを、説明させていただきます。最初に申しますが、今から話すことは、この短刀が教えてくれた事だけです。そっから先の判断は、旦那にお任せします」
「ウム、あい分かった。それでは、頼む。聞かせてくれ」
「先ずこの短刀の持ち主は、何処ぞのお武家さまの娘さんです。そして、その娘さんは、手籠めにされました」
……ウーム……それから?
「娘さんは、自害しなかった事を、凄く後悔しています。そして、仇討ちをするために、自分を手籠めしにした男に近づきました。しかし、どうも娘さんの恋仲の男が、その事に気がついた様です。これは、娘さんが思っているだけで、どうやって恋仲の男が気付いたのかは、分かりません」
八丁堀の旦那は腕を組んで静かにうなずいている。
「娘さんは、自分を手籠めにした男を、何処かの寺の境内に呼び出しました。そこで娘さんとその恋仲の男が、二人でこの短刀を使って、手籠めにした男に復讐しました」
オレは話を続ける。
「その男にとっては、不意打ちに近い形で刺されています。あっという間に刺された様です。多分、逃げることも、逆らうことも出来ない状態だったのでしょう」
旦那は閉じていた目を見開いて、じろりとオレの方を見る。しかしまだ黙ったままだ。
「以上が、この短刀から読み取れる事柄です。あとは、旦那の判断で、煮るなり焼くなり、してくだせえ。オレとしては、この短刀は元に戻して、持ち主に返してやりたいだけです」
最後にオレの気持ちを八丁堀の旦那に告げる。
「そうか、なるほどな。そういう事なら、儂の腑に落ちるところがある」
八丁堀の旦那は深くうなずいて、静かに語った。
「所で、もう一つ。彼ら、と言うか、短刀の持ち主の行きそうな場所は分かるか?」
「うーん、あまり言いたく無いのですが……。この二人、婚約者なのでしょうが、結婚する前から頻繁に逢引きしていた様です。本当にお互いに好きなんでしょう」
やはり、そう来たか。
居場所を知る手がかりが欲しいもんな。
「逢引茶屋の場所は、大井の宿です」
八丁堀の旦那は驚いたように口を開く。
「おお! そこまで分かるのか。品川宿までは探索の手を広げていたが、大井の宿までは気が付かなかった」
そういうと、八丁堀の旦那はすぐに立ち上がって言った。
「良し! 大井宿の逢引茶屋か、安宿に狙いを絞って、探させよう。時次郎殿、かたじけない。これで万事、事が運ぶだろう」
「八丁堀の旦那、やはり、お縄にするんですか?これって、手籠めにされた娘から見たら、天下御免の仇討ちと同じじゃあ無いんですか?」
オレは、チョット感傷的になって旦那に言う。
「時次郎。それは違う。これは、やはり人殺しだよ。手籠めにされたのは確かに不憫だ。その時に、間違って相手を刺してしまっていたら違うさばきも出来よう」
八丁堀の旦那は外出する準備をしながら、話し続ける。
「しかし、どんなに相手が悪者でも、無抵抗の人間を二人で刺したら、それは殺人だ。それを、サムライだからとか、八丁堀の嫡男だからとか言って見逃したら、天下のご定法が成り立たなくなっちまう」
時次郎の気持ちを見透かすように、しかし毅然と言い放つ。
「お情けは、裁きの時にしっかりとお奉行様にかけてもらうから、今はキチンとお縄にしないとな」
八丁堀の旦那は最後に時次郎にこう言って、あっと言う間に出て行った。
「時次郎。本当にご苦労だった」
……
時次郎は、昨日の夜はおヒサ姉さんの夢のせいで、あまり眠れなかったために、ついウトウトしていた。
「お、おう!」
慌てて起きて、支度をして外に出る。
おヒサ姉さんとおタマちゃんは、既に完璧な『髪結いの女』と『そのお手伝い』の出で立ちになっていた。さすが、女は怖いなあ。オレがさっき見た『朝ご飯食べてる二人の女』とは大違いだ。
誰でも、この人達に髪結いを任せたくなる、そう言う雰囲気が出ている。二人とも洒落た着物を着こなし、流行りの帯を巻いている。キチンと整えた綺麗な髪にかんざしをピッとさす。やはり、黒髪にべっ甲のかんざしは似合うなあ。
全体に、薄めの化粧の中で、口紅はハッとするほど明るい赤だ。
まあ、おヒサ姉さんは、元が美人なのは昔から知ってるから、更に磨きかかってるー!ってな感じだけど。
驚いたのは、おタマちゃんだ。綺麗な着物に着替えて、化粧をすれば、どこの町の美人ですか?と言うぐらいのイイ女に化けている。
うーん、『化けている』は可哀想か。多分、元々美人なんだ。だけど、磨いて来なかっただけなんだろう。
おヒサ姉さんの磨き方も良いんだろうが、原石が良いと、ここまで光ると言う見本だな。
これに、おヒサ姉さんみたいな豊満な乳房が付いたら、男ならどんなヤツでもメロメロだ。
もしも、オレがもう少し若くて、おヒサ姉さんを知らなかったなら、一目で常連になるな。
オレが二人を前にして、目をシバシバさせていると……
「ナニじろじろ見てるの! 今更、あたし達の美貌に驚いてどうすんのさ。さあ、時ちゃん行くわよ、八丁堀に。チャンと刀身は持った? 忘れ物は無い?」
「ハイハイ! 美人のお姉さん方」
オレは言われるままに、ホイホイ付いてくよー。
***
八丁堀に着いたら、今日は表玄関から堂々と入る。目的がはっきりしているから、誰はばかることもない。
今日は八丁堀の奥様、有名な髪結いの師弟を呼んだのね? 変な若いニイちゃんが付いてきているけど、アレは美人師弟の用心棒よね。
そんな感じで、全然違和感が無い。
「お!鍛冶屋を廃業したら、おヒサ姉さんの用心棒にでもなるか?」
「何言ってんの! 髪結いの亭主なんでしょ、今は。チャンと話を合わせて頂戴!」
オレに向かってヒソヒソ話す。と、気がついたようにおタマちゃんにも耳許でささやく。
「あ、おタマちゃんも話を合わせてね。時チャンは、アタシの亭主って事になってるから」
「アイ、わかりまスた。師匠も、本気で時次郎サンと所帯を持ったらどうですか?お似合いでスよ、本当に」
「冗談はやめてよ、おタマちゃん。さあ、さあ、お仕事よ。ごめん下さいー、髪結いのおヒサですー!」
八丁堀の奥方様、待ちわびていたのか直ぐに玄関に現れる。
「あらあら、お待ちしてました。おヒサさんのご主人、時次郎さんもようこそ。時次郎さんは、奥の間へどうぞ。宅の主人が待っております」
そう言って奥方様は奥の間に通じる廊下を指し示す。
「おヒサさんとおタマちゃんは、こちらの居間へどうぞ。今日は、どんな髪形にしようかしら?」
そう言いながら、奥方様は嬉しそうに、おヒサ姉さん、おタマちゃんと連れ立って居間に向かって歩き始める。
オレは、二人と別れて、奥座敷の方に進んで行った。
奥の間は障子が閉まっていた。オレは、障子の前で片膝を立てて座りながら、言った。「時次郎で御座います。八丁堀の旦那、入ってもよろしゅうござんすか?」
障子の奥から、太い声が聞こえた。
「おお! 待ちわびたぞ。時次郎! 早く入れ」
スーッ
障子を開けて部屋に入ると、後ろを向いて、廊下をもう一度見回してから障子を閉じる。
スーッ。トス。
「壁に耳あり、障子に目あり、だ。八丁堀だからって、油断は禁物だ」
「流石だな、御用のスジとの付き合いに慣れているな」八丁堀の旦那が独り言を言った。
「へえ。一応、話の内容が、内容ですからね」
「ウム、正にその通りだ、内密な話をするには、そのぐらいの気持ちが無ければな。して、どうだったのだ?」
オレは、最初に昨日打ったばかりの刀身を和紙に包まれた状態で胸元から取り出して、旦那の前に置いた。
旦那は、その和紙を丁寧に開いて刀身を手に取った。
「ほほー、これは、素晴らしい。ここまでの物だとは思わなかった。時次郎も良い仕事をしてくれた様だな。今度は、儂の刀や十手も頼もうか?」
「へえ、そうしてくれると、オレもやり甲斐が有ります」
とりあえずは、軽く挨拶を交わす。
「まあ、それはそれとして。この短刀に込められていた思いを、説明させていただきます。最初に申しますが、今から話すことは、この短刀が教えてくれた事だけです。そっから先の判断は、旦那にお任せします」
「ウム、あい分かった。それでは、頼む。聞かせてくれ」
「先ずこの短刀の持ち主は、何処ぞのお武家さまの娘さんです。そして、その娘さんは、手籠めにされました」
……ウーム……それから?
「娘さんは、自害しなかった事を、凄く後悔しています。そして、仇討ちをするために、自分を手籠めしにした男に近づきました。しかし、どうも娘さんの恋仲の男が、その事に気がついた様です。これは、娘さんが思っているだけで、どうやって恋仲の男が気付いたのかは、分かりません」
八丁堀の旦那は腕を組んで静かにうなずいている。
「娘さんは、自分を手籠めにした男を、何処かの寺の境内に呼び出しました。そこで娘さんとその恋仲の男が、二人でこの短刀を使って、手籠めにした男に復讐しました」
オレは話を続ける。
「その男にとっては、不意打ちに近い形で刺されています。あっという間に刺された様です。多分、逃げることも、逆らうことも出来ない状態だったのでしょう」
旦那は閉じていた目を見開いて、じろりとオレの方を見る。しかしまだ黙ったままだ。
「以上が、この短刀から読み取れる事柄です。あとは、旦那の判断で、煮るなり焼くなり、してくだせえ。オレとしては、この短刀は元に戻して、持ち主に返してやりたいだけです」
最後にオレの気持ちを八丁堀の旦那に告げる。
「そうか、なるほどな。そういう事なら、儂の腑に落ちるところがある」
八丁堀の旦那は深くうなずいて、静かに語った。
「所で、もう一つ。彼ら、と言うか、短刀の持ち主の行きそうな場所は分かるか?」
「うーん、あまり言いたく無いのですが……。この二人、婚約者なのでしょうが、結婚する前から頻繁に逢引きしていた様です。本当にお互いに好きなんでしょう」
やはり、そう来たか。
居場所を知る手がかりが欲しいもんな。
「逢引茶屋の場所は、大井の宿です」
八丁堀の旦那は驚いたように口を開く。
「おお! そこまで分かるのか。品川宿までは探索の手を広げていたが、大井の宿までは気が付かなかった」
そういうと、八丁堀の旦那はすぐに立ち上がって言った。
「良し! 大井宿の逢引茶屋か、安宿に狙いを絞って、探させよう。時次郎殿、かたじけない。これで万事、事が運ぶだろう」
「八丁堀の旦那、やはり、お縄にするんですか?これって、手籠めにされた娘から見たら、天下御免の仇討ちと同じじゃあ無いんですか?」
オレは、チョット感傷的になって旦那に言う。
「時次郎。それは違う。これは、やはり人殺しだよ。手籠めにされたのは確かに不憫だ。その時に、間違って相手を刺してしまっていたら違うさばきも出来よう」
八丁堀の旦那は外出する準備をしながら、話し続ける。
「しかし、どんなに相手が悪者でも、無抵抗の人間を二人で刺したら、それは殺人だ。それを、サムライだからとか、八丁堀の嫡男だからとか言って見逃したら、天下のご定法が成り立たなくなっちまう」
時次郎の気持ちを見透かすように、しかし毅然と言い放つ。
「お情けは、裁きの時にしっかりとお奉行様にかけてもらうから、今はキチンとお縄にしないとな」
八丁堀の旦那は最後に時次郎にこう言って、あっと言う間に出て行った。
「時次郎。本当にご苦労だった」
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