明楽日生

江上蒼羽

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1月23日(日)

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私が住んでいる賃貸物件は駐車場に難あり。

我が家を含めて3軒共有の私道があり、そこを必ず通らないと通りに出られない。

私道は其々の家の前にある駐車場から伸び、変形したフォークのような形で敷かれていて、途中から一本に繋がっている状態。

私道は車1台しか通れず、中でUターン出来ないので、通りから車をバックさせて駐車場まで下がらないといけないからちょっと面倒くさい。

普段から只でさえ手間を感じているのに、雪が降ると更に面倒になる。

で、共有の私道に拘わらず、私道の除雪をするのは通りから一番距離のある我が家。

ウチは夫婦揃って出勤時間が早いから仕方がないとは思うのだが、どうにも不公平を感じずにはいられない。

不満を抱えつつも、除雪をしなければ仕事に行けないので、早朝から汗だくになりながら夫婦で除雪を頑張った。

朝は仕方がないけれど、せめて夕方くらいは……と期待しながら帰路に着いたその日、私道の前に差し掛かって愕然とした。

除雪車が来たのか、雪の塊がドカドカ置かれ私道の入り口を塞いでいたのだ。

入り口の雪は50㎝くらい高さがあったと思う。

とてもじゃないけれど、車を入れられる状態じゃない。

なのに、そこから強引に車を出したようなタイヤの跡があってビックリ。

降りたてじゃなく、水分を含んだ重たくてガチガチ状態の雪なのに強引に車を出したら車壊れるじゃん……とドン引き。

多分ウチのお隣の奥さん。

私道入り口から一番近い家の前には動かした形跡のない車が2台。

在宅の仕事なのか、ずっと家にいるっぽい20代くらいの姉弟の車。

除雪車が雪の塊を置いていくのは仕方がないけど、ずっと家にいるなら入り口の雪くらいどけてくれてもいいんでないの?!自分の車出せれば他どうでもいいの?!と、私の中の何かが切れた。

通りは割りと車が通るから長時間の路駐は厳しい。

普段の判断の遅さが嘘みたく、すぐさま助手席側に置いてある長靴に履き替え、ゴム手袋を装着。

それから車のトランクからスコップと取り出し、日頃のダラけ嫁っぷりからは想像もつかないような素早い動きと怪力で入り口の雪の塊を退けていった。

車さえ入れられればいい所を頭に血が昇っていたもんで、入り口が終わったらウチ以外の2軒へ当て付けるみたいに、我が家の前だけキレ~に除雪してやった。

いつもなら除雪のやり方がぁ~とか小言を言う旦那が珍しく褒めてくれるくらい綺麗にしたった。

それが水曜か木曜くらいの話。

それから暫く全身の筋肉痛に苦しみ、今日になってやっと痛みが引いて機敏に動けるようになった。

こんなに筋肉痛が長引くとは。

歳って怖いわぁ……

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