前向き時々後ろ向き

江上蒼羽

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10月27日

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10月27日(日)


母方の伯母がお見舞いに来てくれた。

伯母といっても私と直接的な血の繋がりはない。

母の兄のお嫁さん。

正確な年齢は分からないけれど、恐らく70歳前後かと。

血の繋がりがないにも拘わらず、母が亡くなってから、自分が母代わりだと言わんばかりに私等4姉弟を気に掛けてくれている。

伯母と旦那が対面したのは数える程なのに、今回の旦那の入院を非常に心配してくれ、わざわざ駆け付けてくれた。

実家の父が何気なく伯母に旦那の件を話してしまったのだろう。

旦那側の親戚には一切知らせていないのに、私側の親戚には着実に話が広まっていっている。

因みに、旦那の友達にも知らせていない。

自分から入院してんだ~なんて連絡するのも変な話だろ、と旦那は言うけれど、本音は見舞いに来て話し相手になって欲しいんじゃないかと思う。

伯母は声が大きくて甲高い為、他の患者の迷惑にならないよう、談話室へとすぐに移動した。

伯母と世間話をする旦那を“珍しくよく喋るな……”と思いながら私は眺めていた。

面会は大体20分くらい。

旦那は伯母に何度も何度もお礼を言って見送っていた。

その後、旦那は、タクシーで帰るといって去った伯母が無事に家に着いたかを気にして、私に電話するように指示。

伯母の帰宅を確認して、ホッとしたように笑ってた。

「俺とはほとんど関わりないのに心配して貰えてありがたい」と、嬉しそうに言っていた。

「それに比べて自分の実の父親は一度も顔出さない……俺、アイツの息子じゃないらしいよ」と、一度も病院に来ない義父に対して皮肉めいた事を言っていた。

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