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しおりを挟む「チャンネル登録数も視聴回数も少ないから俺だと気付かれないだろうと高を括っていたんですが………あっさり伊原さんにバレるとは……」
悔しさを滲ませつつも弱々しく笑いながら言う久世さんは、会社での無愛想な雰囲気とは一変して柔らかい空気を纏っている。
こちらが本来の彼の姿なのだろう。
「毎日何回も動画を再生しまくってるファンを侮っては駄目ですよ?」
「はは………完全に想定外でした」
初めこそ単なる好奇心だった。
久世さんとリュークが同一人物かを確かめてみたかっただけだった。
だからこんな風に向かい合って話をするとは全く予想してなくて。
大好きな声をたっぷり堪能させて貰って大満足だ。
………と、言いたい所だけれど。
どういう訳か、自分の中で欲が膨らんでいっているのを感じている。
「そ、それであの………この事は他言無用でお願いします……」
念を押すように言ってくる久世さんににこやかに「勿論です」と返す。
「口止め料をお支払いさせて頂きます。あまり多い額は払えませんが……」
「そんなの要りません」
「それなら……何か要求があれば何なりと仰って下さい。俺に出来る事なら何でもしますから」
久世さんの必死な様からして、余程私の口を塞いでおきたいのだろう。
誰かに言い触らしたりするつもりなんてないのに。
「そんなに心配しなくても人に言い触らしたりSNSとかで発信したりしませんよ」
「ですが……」
「ま、昨日が初対面で、よく知りもしない人間を信用出来ないのは分かります。ましてや女は口が軽いですし」
ここで自分の欲を満たす為に一つの提案……というか、お願いをしてみる事にした。
「お金は要りません。ただ………一つお願いがあります」
その“お願い”の内容を聞いた久世さんは、目を見開いたまま絶句した。
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