150 / 161
最終章 白雪姫
150話 誰の為に貴女は願う
しおりを挟む
「はやく彼女の「白紙の頁」に王妃の役割を書くのです」
鎖を引くたびに首元につなげられた鎖のせいでマロリーの体は乱暴に動かされていた。
「やめなさい!」
サンドリオンは彼女を助けようとどうにかして縄を解こうとするが両手両足に固く結ばれた縄は振りほどけそうになかった。
「……ローズ、どうしてこんなことを……」
サンドリオンと同じ問いを少女はローズに向けた。サンドリオンにとってはまだ出会ってそう長い付き合いでもない関係だったが、彼女と騎士二人はこれまで長い旅をしてきたことは分かっていた。彼の態度にマロリーはサンドリオン以上に困惑していた。
「……もう一度言います。彼女に王妃の役割を書きなさい」
マロリーの質問を無視してローズは彼女に命令する。
「……嫌です、彼女は白雪姫の役割を担うことを承諾してくれました……王妃では約束が異なります」
騎士の命令に少女は歯向かった。その目をみるなりローズは眉間にしわを寄せた。
「……ほぅ、それなら……」
ローズは手に持っていた鎖を勢いよく地面に向けて振り下ろした。鎖に繋がれた少女は引っ張られるように地面に顔を叩きつけられる。
「なっ……」
サンドリオンはその行為を見て再び言葉を失ってしまう。
「あなたが私の命令に従うまで何度でもこうします。死にたくなければ大人しく書きなさい」
「……嫌です」
少女の反抗を聞いたローズは鎖を振り回す。少女は地面を擦る形で引きずられる。
「やめなさい!」
「あなたは黙っていなさい!」
サンドリオンの叫びにローズは言葉を返す。その間も彼女を痛めつける行為はやまなかった。
「はやくしないと、傷が残りますよ……いいんですか?」
「…………」
少女は従う意思はないといった様子で歯を食いしばってこらえていた。なかなかいう通りにしない彼女に怒りを覚えたのかローズの攻撃は更に激化した。
今度は鎖をマロリーとは反対側に勢いよく降ると少女の体は浮いてそのまま壁に激突する。近くの棚に置かれていた薬品などが衝撃で地面に落ちる。
「……がっ!」
「はぁ……はぁ……このままでは本当に死にますよ……」
騎士は肩で息をしながら頭から血を流す少女に言葉を投げる。すでに少女の体は痣と滲んだ血で見るも絶えない姿になっていた。
「…………」
「この……」
少女が何も答えない様子に我慢できなくなったローズは鎖を振り上げる。同じように反対側の壁に叩きつけようとしていたのはすぐに分かった。
「待ちなさい!」
サンドリオンが大声でローズに叫ぶ。今度はピタリとその動きをやめて騎士はサンドリオンの方を目だけで追った。
「私は王妃の役割を受け入れるわ……だからそれ以上彼女を傷つけないで」
「……ほぅ」
サンドリオンの言葉を聞いてローズは笑う。傷だらけになった少女は何かを言おうとしていたが、言葉が聞こえなかった。騎士は気づいていなかったが、すでに彼女は言葉を話せないほどに傷を負っていたのだ。
「私は大丈夫……だからマロリーさん、お願い」
サンドリオンは少女の名前を呼ぶ。これ以上目の前で一人の少女が傷つくのを見るのは耐えられなかった。
鎖を引かれた少女はサンドリオンの目の前までやってくると震えた手でサンドリオンの胸元に手を当てる。すると彼女の伸ばした手はサンドリオンの胸の中に入り込み、やがて1枚の「白紙の頁」を胸元にまで取り出した。
「…………」
少女の目とサンドリオン目が交わった。
少女を不安にさせまいとサンドリオンはにこりと笑う。
「よろしくね、素敵な王妃にしてちょうだい」
サンドリオンの強がりを聞いたマロリーはどこから取り出したか羽根の付いたペンを手にもうとサンドリオンの「白紙の頁」に文字を書き始めた。
「…………あ」
文字が綴られると同時にサンドリオンは意識が混濁する。意識を失うとはまた異なる感触、自分自身が別の何かに変わってしまうような感覚に包み込まれる。
「……これでいい……これでこの世界の人間と彼女は救われる」
意識が何かに飲み込まれる直前、サンドリオンは笑った。最初思い描いたこの世界を救う手段とは異なるが、それでも結末に変わりはない……そう信じたのだった。
(彼のように……グリムのように、私も……今度は私がこの世界を救って見せる)
自身の体と心を襲う何かに支配される前に抱いた最後の意思だった。
◇◇
「…………終わり……ました」
少女は言い終えると筆を「頁」から切り離した。「頁」はもともとの所有者の体内に自然に収まっていく。
「ご苦労様……おやおや、これはこれは……」
ローズは「頁」の戻った女性を見て笑う。その笑みは彼女が最後に見せた笑顔とは対極に位置するような下品なものだった。
「「頁」に役割を与えられた人間はその役割に沿った容姿になりますが……まさかこうなるとはね」
ローズは黒髪となり肌の色が白くなった彼女を見て満足げな様子だった。
「あなたは誰ですか?」
ローズの問いを聞いてピクリと目の前の黒髪になったサンドリオンは反応を示す。
「私は……この国の王妃……白雪姫を殺す人間です」
その目にはつい先ほどまでのまっすぐな意思が宿ったような輝きはなかった。
「グリムという男を覚えていますか?」
「グ……リム?」
黒髪の女性は初めて聞いた言葉のような反応を示し、それを見たローズは口角を上げた。
この能力を使ってしまえば以前の記憶を失ってしまうことなどわかりきっていた。それでもわずかでもそうならないことを望んで彼女の「頁」に役割をつづったが、その結果が実ることはなかった。
「素晴らしい……さすがは与える能力です」
ローズは記憶を失った彼女とマロリーを見て惚れ惚れするような態度をとった。
与える能力とはよく言ったものだとマロリーは唇を噛んで手を震わせた。
他者の記憶を奪い、自由に生きる権利までも奪うこの能力のどこに与える力があるというのかわからなかった。
グリムと出会った時、彼は他者から「頁」を取り出すことが出来ると言っていた。彼はその能力を使うことをひどく嫌っていた。グリムの方が目の前の騎士よりもよっぽどマロリーの気持ちに共感してくれそうな存在だった。
「ところで……この世界の王妃の結末をあなたはご存じですか?」
少女は何も答えなかった。それでもかまわないとローズは言葉を続ける。
「熱した鉄板の上で熱の籠ったガラスの靴を履いて死ぬまで踊り続けるのですよ……シンデレラに憧れた彼女にとって、とても素敵な結末だと思いませんか」
その言葉を聞いてマロリーはローズをにらみつけた。彼の言葉には何一つ同意しかねた。
「あなたにはまだやってもらうことがあります……そうですね、まずは「白雪姫の頁」を作ってもらいましょうか」
鎖を引っ張りながら騎士は少女に命令を下してくる。その顔を見て少女はこの部屋でサンドリオンが王妃と会話を交えていた時に見せた彼の顔が見間違いではなかったことにようやく気が付いた。
物語はたった一人の外から現れた騎士によってかき乱されようとしていた。
(お願いです……誰か……)
少女は願った。誰でもいいからこの世界を……目の前の女性を救ってほしい
と……
鎖を引くたびに首元につなげられた鎖のせいでマロリーの体は乱暴に動かされていた。
「やめなさい!」
サンドリオンは彼女を助けようとどうにかして縄を解こうとするが両手両足に固く結ばれた縄は振りほどけそうになかった。
「……ローズ、どうしてこんなことを……」
サンドリオンと同じ問いを少女はローズに向けた。サンドリオンにとってはまだ出会ってそう長い付き合いでもない関係だったが、彼女と騎士二人はこれまで長い旅をしてきたことは分かっていた。彼の態度にマロリーはサンドリオン以上に困惑していた。
「……もう一度言います。彼女に王妃の役割を書きなさい」
マロリーの質問を無視してローズは彼女に命令する。
「……嫌です、彼女は白雪姫の役割を担うことを承諾してくれました……王妃では約束が異なります」
騎士の命令に少女は歯向かった。その目をみるなりローズは眉間にしわを寄せた。
「……ほぅ、それなら……」
ローズは手に持っていた鎖を勢いよく地面に向けて振り下ろした。鎖に繋がれた少女は引っ張られるように地面に顔を叩きつけられる。
「なっ……」
サンドリオンはその行為を見て再び言葉を失ってしまう。
「あなたが私の命令に従うまで何度でもこうします。死にたくなければ大人しく書きなさい」
「……嫌です」
少女の反抗を聞いたローズは鎖を振り回す。少女は地面を擦る形で引きずられる。
「やめなさい!」
「あなたは黙っていなさい!」
サンドリオンの叫びにローズは言葉を返す。その間も彼女を痛めつける行為はやまなかった。
「はやくしないと、傷が残りますよ……いいんですか?」
「…………」
少女は従う意思はないといった様子で歯を食いしばってこらえていた。なかなかいう通りにしない彼女に怒りを覚えたのかローズの攻撃は更に激化した。
今度は鎖をマロリーとは反対側に勢いよく降ると少女の体は浮いてそのまま壁に激突する。近くの棚に置かれていた薬品などが衝撃で地面に落ちる。
「……がっ!」
「はぁ……はぁ……このままでは本当に死にますよ……」
騎士は肩で息をしながら頭から血を流す少女に言葉を投げる。すでに少女の体は痣と滲んだ血で見るも絶えない姿になっていた。
「…………」
「この……」
少女が何も答えない様子に我慢できなくなったローズは鎖を振り上げる。同じように反対側の壁に叩きつけようとしていたのはすぐに分かった。
「待ちなさい!」
サンドリオンが大声でローズに叫ぶ。今度はピタリとその動きをやめて騎士はサンドリオンの方を目だけで追った。
「私は王妃の役割を受け入れるわ……だからそれ以上彼女を傷つけないで」
「……ほぅ」
サンドリオンの言葉を聞いてローズは笑う。傷だらけになった少女は何かを言おうとしていたが、言葉が聞こえなかった。騎士は気づいていなかったが、すでに彼女は言葉を話せないほどに傷を負っていたのだ。
「私は大丈夫……だからマロリーさん、お願い」
サンドリオンは少女の名前を呼ぶ。これ以上目の前で一人の少女が傷つくのを見るのは耐えられなかった。
鎖を引かれた少女はサンドリオンの目の前までやってくると震えた手でサンドリオンの胸元に手を当てる。すると彼女の伸ばした手はサンドリオンの胸の中に入り込み、やがて1枚の「白紙の頁」を胸元にまで取り出した。
「…………」
少女の目とサンドリオン目が交わった。
少女を不安にさせまいとサンドリオンはにこりと笑う。
「よろしくね、素敵な王妃にしてちょうだい」
サンドリオンの強がりを聞いたマロリーはどこから取り出したか羽根の付いたペンを手にもうとサンドリオンの「白紙の頁」に文字を書き始めた。
「…………あ」
文字が綴られると同時にサンドリオンは意識が混濁する。意識を失うとはまた異なる感触、自分自身が別の何かに変わってしまうような感覚に包み込まれる。
「……これでいい……これでこの世界の人間と彼女は救われる」
意識が何かに飲み込まれる直前、サンドリオンは笑った。最初思い描いたこの世界を救う手段とは異なるが、それでも結末に変わりはない……そう信じたのだった。
(彼のように……グリムのように、私も……今度は私がこの世界を救って見せる)
自身の体と心を襲う何かに支配される前に抱いた最後の意思だった。
◇◇
「…………終わり……ました」
少女は言い終えると筆を「頁」から切り離した。「頁」はもともとの所有者の体内に自然に収まっていく。
「ご苦労様……おやおや、これはこれは……」
ローズは「頁」の戻った女性を見て笑う。その笑みは彼女が最後に見せた笑顔とは対極に位置するような下品なものだった。
「「頁」に役割を与えられた人間はその役割に沿った容姿になりますが……まさかこうなるとはね」
ローズは黒髪となり肌の色が白くなった彼女を見て満足げな様子だった。
「あなたは誰ですか?」
ローズの問いを聞いてピクリと目の前の黒髪になったサンドリオンは反応を示す。
「私は……この国の王妃……白雪姫を殺す人間です」
その目にはつい先ほどまでのまっすぐな意思が宿ったような輝きはなかった。
「グリムという男を覚えていますか?」
「グ……リム?」
黒髪の女性は初めて聞いた言葉のような反応を示し、それを見たローズは口角を上げた。
この能力を使ってしまえば以前の記憶を失ってしまうことなどわかりきっていた。それでもわずかでもそうならないことを望んで彼女の「頁」に役割をつづったが、その結果が実ることはなかった。
「素晴らしい……さすがは与える能力です」
ローズは記憶を失った彼女とマロリーを見て惚れ惚れするような態度をとった。
与える能力とはよく言ったものだとマロリーは唇を噛んで手を震わせた。
他者の記憶を奪い、自由に生きる権利までも奪うこの能力のどこに与える力があるというのかわからなかった。
グリムと出会った時、彼は他者から「頁」を取り出すことが出来ると言っていた。彼はその能力を使うことをひどく嫌っていた。グリムの方が目の前の騎士よりもよっぽどマロリーの気持ちに共感してくれそうな存在だった。
「ところで……この世界の王妃の結末をあなたはご存じですか?」
少女は何も答えなかった。それでもかまわないとローズは言葉を続ける。
「熱した鉄板の上で熱の籠ったガラスの靴を履いて死ぬまで踊り続けるのですよ……シンデレラに憧れた彼女にとって、とても素敵な結末だと思いませんか」
その言葉を聞いてマロリーはローズをにらみつけた。彼の言葉には何一つ同意しかねた。
「あなたにはまだやってもらうことがあります……そうですね、まずは「白雪姫の頁」を作ってもらいましょうか」
鎖を引っ張りながら騎士は少女に命令を下してくる。その顔を見て少女はこの部屋でサンドリオンが王妃と会話を交えていた時に見せた彼の顔が見間違いではなかったことにようやく気が付いた。
物語はたった一人の外から現れた騎士によってかき乱されようとしていた。
(お願いです……誰か……)
少女は願った。誰でもいいからこの世界を……目の前の女性を救ってほしい
と……
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのはあなたですよね?
長岡更紗
恋愛
庶民聖女の私をいじめてくる、貴族聖女のニコレット。
王子の婚約者を決める舞踏会に出ると、
「卑しい庶民聖女ね。王子妃になりたいがためにそのドレスも盗んできたそうじゃないの」
あることないこと言われて、我慢の限界!
絶対にあなたなんかに王子様は渡さない!
これは一生懸命生きる人が報われ、悪さをする人は報いを受ける、勧善懲悪のシンデレラストーリー!
*旧タイトルは『灰かぶり聖女は冷徹王子のお気に入り 〜自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのは公爵令嬢、あなたですよ〜』です。
*小説家になろうでも掲載しています。
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる