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天使は甘いキスが好き
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「でしょう!? 一緒に食べよ? いちごのアイスも美味しいよ?」
「そうだな」
龍之介は微笑んで頷いた。
「…処で、それにしてもお父さん遅いね」
恵は頬を染めて窓の外を眺める。
「近くの本屋で時間潰しだそうだ。話しが終わったら、本屋まで送り届ける約束をしてる」
「…そうなんだ?」
ーーー後でお父さんに、ありがとうって云おう。
恵は嬉しくなって、双子が凄く可愛いと近状報告をする。 恵はふと鈴を思う。送ったメールの返事がまだ来ないのだ。恵は再度メールを送ってみた。
「鈴、携帯また鳴ってるぞ?」
平片がCDショップに立ち寄りたいと云うので、一緒に来ていた。恵からのメールは既に気付いている。ベッドの中での、平片の恵を呼ぶ声。思い出すと哀しくなって問い質したくなるが、平片とやっと両思いになったのだ。嫌われたくない。女々しいかも知れないが、小さい時からの片思いが通じたのだ。壊したくない。鈴は溜息を吐いて、メールの返事を打つ。
『夕方、お祖母ちゃんのご飯ご馳走になるから、僕の分伝えておいて』
鈴はメール送信する。
『うん。鈴の好きな物作って貰うね? 勉強の方宜しくね?』
恵のメールを呼んで、デイバッグにしまう。
「裕太、お腹空いた。お昼ご飯行こうよ。パスタ行こうパスタ」
「あぁ。これ会計したらな」
平片が同じCDを二枚レジに持って行き、紙袋にそれぞれ入れて貰って、片方を鈴に手渡した。
「何?」
「前、レストランで流れてた曲。鈴この曲好きだって云ってたろ?」
ーーー覚えていてくれてた?
鈴は微笑んで紙袋に入ったCDを胸に抱き締めた。
「ありがとう。大事にする」
平片は照れ臭そうに、頭を掻いた。
「食事行くか。南越谷のサンシティの所に在るパスタ屋さん、お勧めなんだ」
平片が鈴の肩をポンと叩く。鈴は微笑む。それなら行くかと、二人は駅の改札口を抜けて行った。
着信メールを確認する。恵は送られたメールを見て、帰りにケーキでも買って行こうと思った。
「……そういえばあの…美加さんって人。龍之介さんの彼女…なの?」
パフェで身体が冷えたので、追加でアメリカンを頼む。
「あの人から、あんたのせいでって云われた。俺、あの人に何か悪い事したのかな」
龍之介は躊躇ったが、恵の頬に手を当てる。
「恵のせいじゃないよ」
全てを話したいが、そうすれば恵の神経が持たないだろう。
「そうなの? …。そうだ、話変わるけどお父さんの所に行く時、ケーキ屋さんに寄りたい」
「構わないよ?」
「それと…お願いがあるんだ……もっと声も聞きたい。龍之介さんの声…」
龍之介が双眸を見開く。恵は耳まで染めた。
「メールだけじゃなくて、声を聞きたい。それに思い出さなきゃいけないと思うんだ。消えた記憶。さっきみたいな、誰か解らない人から怒られたら、俺…はっきり云って怖いしさ」
「…恵、無理をしないで欲しい」
「でも…いつまでも甘えていたくないんだ。皆に迷惑もかけたくない」
「しかし。…君はまだ」
解ってる。恵は顔を横に振った。
「本当は凄く怖いよ? さっきも云ったけど、覚えの無い人が行き成り俺に怒鳴り付けて来たら…でも。このままじゃ前に進めない。進みたいんだ。俺ね? 最近夢で天使の白い羽を見るんだ」
「…羽?」
「うん。なんでだろう。解らないけど…多分事故の時何かが遭って、何かに遭遇したんだと思う」
龍之介は鳩尾が冷やりとした。
ーーー恵は勘が良い。
心配なのは親戚一同から離縁された、崎山俊彦が行方不明になった事だ。逆恨みで恵に何もしなければ良いが。
そうとは知らず、恵はアメリカンを美味しそうに飲んだ。
「そうだな」
龍之介は微笑んで頷いた。
「…処で、それにしてもお父さん遅いね」
恵は頬を染めて窓の外を眺める。
「近くの本屋で時間潰しだそうだ。話しが終わったら、本屋まで送り届ける約束をしてる」
「…そうなんだ?」
ーーー後でお父さんに、ありがとうって云おう。
恵は嬉しくなって、双子が凄く可愛いと近状報告をする。 恵はふと鈴を思う。送ったメールの返事がまだ来ないのだ。恵は再度メールを送ってみた。
「鈴、携帯また鳴ってるぞ?」
平片がCDショップに立ち寄りたいと云うので、一緒に来ていた。恵からのメールは既に気付いている。ベッドの中での、平片の恵を呼ぶ声。思い出すと哀しくなって問い質したくなるが、平片とやっと両思いになったのだ。嫌われたくない。女々しいかも知れないが、小さい時からの片思いが通じたのだ。壊したくない。鈴は溜息を吐いて、メールの返事を打つ。
『夕方、お祖母ちゃんのご飯ご馳走になるから、僕の分伝えておいて』
鈴はメール送信する。
『うん。鈴の好きな物作って貰うね? 勉強の方宜しくね?』
恵のメールを呼んで、デイバッグにしまう。
「裕太、お腹空いた。お昼ご飯行こうよ。パスタ行こうパスタ」
「あぁ。これ会計したらな」
平片が同じCDを二枚レジに持って行き、紙袋にそれぞれ入れて貰って、片方を鈴に手渡した。
「何?」
「前、レストランで流れてた曲。鈴この曲好きだって云ってたろ?」
ーーー覚えていてくれてた?
鈴は微笑んで紙袋に入ったCDを胸に抱き締めた。
「ありがとう。大事にする」
平片は照れ臭そうに、頭を掻いた。
「食事行くか。南越谷のサンシティの所に在るパスタ屋さん、お勧めなんだ」
平片が鈴の肩をポンと叩く。鈴は微笑む。それなら行くかと、二人は駅の改札口を抜けて行った。
着信メールを確認する。恵は送られたメールを見て、帰りにケーキでも買って行こうと思った。
「……そういえばあの…美加さんって人。龍之介さんの彼女…なの?」
パフェで身体が冷えたので、追加でアメリカンを頼む。
「あの人から、あんたのせいでって云われた。俺、あの人に何か悪い事したのかな」
龍之介は躊躇ったが、恵の頬に手を当てる。
「恵のせいじゃないよ」
全てを話したいが、そうすれば恵の神経が持たないだろう。
「そうなの? …。そうだ、話変わるけどお父さんの所に行く時、ケーキ屋さんに寄りたい」
「構わないよ?」
「それと…お願いがあるんだ……もっと声も聞きたい。龍之介さんの声…」
龍之介が双眸を見開く。恵は耳まで染めた。
「メールだけじゃなくて、声を聞きたい。それに思い出さなきゃいけないと思うんだ。消えた記憶。さっきみたいな、誰か解らない人から怒られたら、俺…はっきり云って怖いしさ」
「…恵、無理をしないで欲しい」
「でも…いつまでも甘えていたくないんだ。皆に迷惑もかけたくない」
「しかし。…君はまだ」
解ってる。恵は顔を横に振った。
「本当は凄く怖いよ? さっきも云ったけど、覚えの無い人が行き成り俺に怒鳴り付けて来たら…でも。このままじゃ前に進めない。進みたいんだ。俺ね? 最近夢で天使の白い羽を見るんだ」
「…羽?」
「うん。なんでだろう。解らないけど…多分事故の時何かが遭って、何かに遭遇したんだと思う」
龍之介は鳩尾が冷やりとした。
ーーー恵は勘が良い。
心配なのは親戚一同から離縁された、崎山俊彦が行方不明になった事だ。逆恨みで恵に何もしなければ良いが。
そうとは知らず、恵はアメリカンを美味しそうに飲んだ。
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