32 / 51
第5章 ラギウスの秘密
5-7・お前は聖女をやめられるか?
しおりを挟む
部屋に入るとラギウスはまだ眠っているようで、扉の開閉音にわずかに身じろぎをしただけだった。
セラスの助言通り扉は開けたままでベッドに近付くと、半分ずり落ちたブランケットの下から、ほどよく日に焼けた逞しい胸板が見える。だいぶ見慣れた光景になりつつあるが、メルヴィオラがこうしてラギウスの肌を直視できるのは彼が眠っているからだ。
それでも何も身に付けていない上半身はやっぱり目のやり場に困る。メルヴィオラを幾度となく抱きしめた腕も、割れた腹筋も、窓から差し込む朝日に照らされて妙な色気を放っていた。
いつも適当に結んでいる髪は解かれていて、シーツに赤い色を散らせている。夢でも見ているのか、時々狼の耳がぴくぴくと動くものだから、メルヴィオラはつい小さな声を漏らして笑ってしまった。
「ガン見してんじゃねぇよ」
メルヴィオラの笑い声に起きたのか、緩く寝返りを打ったラギウスが、大きく伸びをした後にゆっくりと瞼を開いた。さっきまで深く眠っていたはずなのに、メルヴィオラを見上げるマリンブルーはしっかりと覚醒しているようだ。その証拠に、いつものからかうような笑みが口元を彩っている。
「起きてたのっ?」
「お前が部屋に入ってきた時にな」
だとすればぴくぴくと動いていた耳は夢を見ていたわけではなく、メルヴィオラの動向を探っていたということになる。相変わらず油断ならない男だ。
「わざわざ起こしに来るなんて、何かあったのか?」
「別に何もないわ。ただ、いつまでも寝てると示しが付かないって、セラスが」
「口うるせぇ小舅みてぇだな」
ラギウスがそう言うと、まるで相づちでも打つかのように、開いた扉の向こうから誰かのくしゃみが聞こえてきた。
「ねぇ、早く起きてよ。いつまでもその格好じゃ、目のやり場に困るわ」
「あんまり見るとカネ取るぞ」
「何よ、そんな大層な体でもあるまいし」
「へぇ。ならお前は大層な体してんのかよ」
手首を取られたかと思うと、あっという間にベッドの中に引きずり込まれる。寝起きのあたたかい肌は汗で少しだけ湿っていて、その感触にメルヴィオラの心臓がどくんと大きく脈打った。
まだ薄く体温の残るブランケットがメルヴィオラの足に絡まる。そのブランケットを上からラギウスの膝がベッドに押し付けてのし掛かるものだから、メルヴィオラは狭いベッドの上で身動きを完全に封じられてしまった。
「ちょっと……、何するのよ!」
「大層な体がどんなもんか、見せてもらおうと思ってな」
「朝から発情しないでよっ! このエロ狼!」
「んなモンに、朝も夜も関係ねぇだろ」
顔の横に両手をつかれ、メルヴィオラはいま完全に組み敷かれている状態だ。目を合わせることもできず、かといって視線を逸らした先には裸の胸板があって。もうどうしていいかわからずに、メルヴィオラは軽いパニックに陥ってしまった。
体温はどんどん上昇して、メルヴィオラの白い肌をわかりやすく恥じらいの色に染めてしまう。
「ドア……っ! 開いてるからっ!」
「構わねぇよ」
「構うの!」
どこまでが冗談で、どこから本気なのか。メルヴィオラはラギウスに翻弄されるばかりで、彼の心がわからない。
そうこうしているうちに、とうとうラギウスの指が胸元の編み上げた紐の端を摘まんでしまい、ひどくゆっくりと解かれて。
「待って……っ、本気なの!?」
「俺はいつでも本気だぜ?」
「見たらお金取るわよっ!」
「金でも財宝でも欲しけりゃやるよ。……だから見せてみろよ」
しゅる、と解いた紐から離した指先で、今度は掠めるように首筋をなぞられる。触れるか触れないかの淡い感触はくすぐったくもあって、けれど同時に体の奥からぞわりとした熱も呼び覚ましてしまう。その熱く滾る底なし沼のような熱を、メルヴィオラはほんの少しだけ怖いと思った。
「ヴィオラ」
名を呼ぶ声に、もう冗談の色は混じっていない。
「お前は聖女をやめられるか?」
問うているのに、乞うように。ラギウスがメルヴィオラの髪を一房掬って、そこにそっとくちづけを落とした。
視線は逸らされないまま、ラギウスのマリンブルーがメルヴィオラの心をまっすぐに射抜いてくる。髪に口付けられているというのに、なぜか唇がじんと痺れていくようで、その甘い刺激にメルヴィオラの思考までもが麻痺していく。
かすかに震えた指先をなぞり、ラギウスの指が割って入る。そのまま指を絡めて強く手を握りしめられたかと思うと、ふっと朝日が遮られて。
――見開いたままの視界いっぱいに、ラギウスの赤い髪が映り込んだ。
「ラギ……っ」
キスされるのかと思えば唇は頬に落ちて。それを予想外だと思った自分に、また体がカッと熱を持つ。けれどそんな自分を恥ずかしいと思う暇すら与えられず、頬に落ちた唇が涙のように滑り落ちて、今度は耳朶をひどく優しく甘噛みされた。
耳を掠める吐息に混ざって、またも切なげに名を呼ばれ――。
「聖女をやめる覚悟が、あるか?」
顎のラインをなぞって下りた唇が、首筋を辿って鎖骨に落ちた瞬間。ピリッとした小さな痛みを感じて、メルヴィオラはたまらず小さな声を漏らしてしまった。
「続きはお前の返事を聞いてからだ」
やっと体が離れていったかと思えば、最後に鎖骨を軽く突かれる。服にギリギリ隠れるか隠れないかのラインに、白い肌を染めて赤い痕がくっきりと残されていた。
「なっ、……なによこれ! 信じらんないっ!」
「リッキーが変な気起こさないようにしとかねぇとな」
「彼がそんなことするわけないでしょう! あなたがおかしいのよ」
「バーカ。男はみんな狼なんだよ」
肩をとん、と押されて、メルヴィオラは再びベッドの上に仰向けに倒れ込んだ。またのし掛かられるのかと思ったが、ラギウスは不敵に笑うだけで、今度こそベッドから完全に起き上がった。
床に脱ぎ捨てたままの上着を拾う後ろ姿、そこに狼の黒い尻尾が気怠げに揺れている。先程の言葉と合わせてみれば、冗談でも比喩でもなくラギウス自身が既に狼だという事実に呆れて溜息がこぼれてしまう。
「馬鹿はあなたよ。狼なんてあなたひとりでじゅうぶんだわ!」
「なら、お前専用の狼になってやるよ」
「いらないっ」
「そりゃ、残念」
肩を竦めていても、ラギウスの顔から笑みが消えることはない。いつまでたっても面白おかしくからかわれ、メルヴィオラの心はまるで嵐に呑まれる船のようにぐちゃぐちゃだ。
翻弄されるのがわかっていて、自ら海へ溺れている。苦しくて、楽しくて、終わりを思えば胸を突くほどに、かなしい。
この気持ちは何なのか。心の奥にいつしか芽吹き、蕾をつけた花の名前をメルヴィオラはもう見て見ぬふりなどできなかった。
「この船は、今からイダ島に行く。そこでお前の体調を万全にしてから、最後の聖地ローレインの墓所へ向かう」
「……えぇ。パトリックが、そう言ってたわ」
シャツの上からいつもの上着を羽織ると、ラギウスがテーブルに置いてあった金色の懐中時計を手に取った。無言でしばらく見つめた後、それをポケットにしまい込んでメルヴィオラを振り返る。
向けられたマリンブルーの瞳が、真面目な光を宿してメルヴィオラをじっと見つめてきた。
「最後だ」
「……え?」
「次で、最後の聖地だ。俺もお前も、覚悟を決めねぇとな」
何の覚悟か問おうとして、口を噤む。重なり合う瞳の奥に、問いの答えは既にあるのだ。
メルヴィオラの覚悟が、今までの生活をすべて捨ててしまうことならば、ラギウスの覚悟は一体何なのか。そこに、メルヴィオラだけが知らない彼の秘密が隠されているように思えた。
セラスの助言通り扉は開けたままでベッドに近付くと、半分ずり落ちたブランケットの下から、ほどよく日に焼けた逞しい胸板が見える。だいぶ見慣れた光景になりつつあるが、メルヴィオラがこうしてラギウスの肌を直視できるのは彼が眠っているからだ。
それでも何も身に付けていない上半身はやっぱり目のやり場に困る。メルヴィオラを幾度となく抱きしめた腕も、割れた腹筋も、窓から差し込む朝日に照らされて妙な色気を放っていた。
いつも適当に結んでいる髪は解かれていて、シーツに赤い色を散らせている。夢でも見ているのか、時々狼の耳がぴくぴくと動くものだから、メルヴィオラはつい小さな声を漏らして笑ってしまった。
「ガン見してんじゃねぇよ」
メルヴィオラの笑い声に起きたのか、緩く寝返りを打ったラギウスが、大きく伸びをした後にゆっくりと瞼を開いた。さっきまで深く眠っていたはずなのに、メルヴィオラを見上げるマリンブルーはしっかりと覚醒しているようだ。その証拠に、いつものからかうような笑みが口元を彩っている。
「起きてたのっ?」
「お前が部屋に入ってきた時にな」
だとすればぴくぴくと動いていた耳は夢を見ていたわけではなく、メルヴィオラの動向を探っていたということになる。相変わらず油断ならない男だ。
「わざわざ起こしに来るなんて、何かあったのか?」
「別に何もないわ。ただ、いつまでも寝てると示しが付かないって、セラスが」
「口うるせぇ小舅みてぇだな」
ラギウスがそう言うと、まるで相づちでも打つかのように、開いた扉の向こうから誰かのくしゃみが聞こえてきた。
「ねぇ、早く起きてよ。いつまでもその格好じゃ、目のやり場に困るわ」
「あんまり見るとカネ取るぞ」
「何よ、そんな大層な体でもあるまいし」
「へぇ。ならお前は大層な体してんのかよ」
手首を取られたかと思うと、あっという間にベッドの中に引きずり込まれる。寝起きのあたたかい肌は汗で少しだけ湿っていて、その感触にメルヴィオラの心臓がどくんと大きく脈打った。
まだ薄く体温の残るブランケットがメルヴィオラの足に絡まる。そのブランケットを上からラギウスの膝がベッドに押し付けてのし掛かるものだから、メルヴィオラは狭いベッドの上で身動きを完全に封じられてしまった。
「ちょっと……、何するのよ!」
「大層な体がどんなもんか、見せてもらおうと思ってな」
「朝から発情しないでよっ! このエロ狼!」
「んなモンに、朝も夜も関係ねぇだろ」
顔の横に両手をつかれ、メルヴィオラはいま完全に組み敷かれている状態だ。目を合わせることもできず、かといって視線を逸らした先には裸の胸板があって。もうどうしていいかわからずに、メルヴィオラは軽いパニックに陥ってしまった。
体温はどんどん上昇して、メルヴィオラの白い肌をわかりやすく恥じらいの色に染めてしまう。
「ドア……っ! 開いてるからっ!」
「構わねぇよ」
「構うの!」
どこまでが冗談で、どこから本気なのか。メルヴィオラはラギウスに翻弄されるばかりで、彼の心がわからない。
そうこうしているうちに、とうとうラギウスの指が胸元の編み上げた紐の端を摘まんでしまい、ひどくゆっくりと解かれて。
「待って……っ、本気なの!?」
「俺はいつでも本気だぜ?」
「見たらお金取るわよっ!」
「金でも財宝でも欲しけりゃやるよ。……だから見せてみろよ」
しゅる、と解いた紐から離した指先で、今度は掠めるように首筋をなぞられる。触れるか触れないかの淡い感触はくすぐったくもあって、けれど同時に体の奥からぞわりとした熱も呼び覚ましてしまう。その熱く滾る底なし沼のような熱を、メルヴィオラはほんの少しだけ怖いと思った。
「ヴィオラ」
名を呼ぶ声に、もう冗談の色は混じっていない。
「お前は聖女をやめられるか?」
問うているのに、乞うように。ラギウスがメルヴィオラの髪を一房掬って、そこにそっとくちづけを落とした。
視線は逸らされないまま、ラギウスのマリンブルーがメルヴィオラの心をまっすぐに射抜いてくる。髪に口付けられているというのに、なぜか唇がじんと痺れていくようで、その甘い刺激にメルヴィオラの思考までもが麻痺していく。
かすかに震えた指先をなぞり、ラギウスの指が割って入る。そのまま指を絡めて強く手を握りしめられたかと思うと、ふっと朝日が遮られて。
――見開いたままの視界いっぱいに、ラギウスの赤い髪が映り込んだ。
「ラギ……っ」
キスされるのかと思えば唇は頬に落ちて。それを予想外だと思った自分に、また体がカッと熱を持つ。けれどそんな自分を恥ずかしいと思う暇すら与えられず、頬に落ちた唇が涙のように滑り落ちて、今度は耳朶をひどく優しく甘噛みされた。
耳を掠める吐息に混ざって、またも切なげに名を呼ばれ――。
「聖女をやめる覚悟が、あるか?」
顎のラインをなぞって下りた唇が、首筋を辿って鎖骨に落ちた瞬間。ピリッとした小さな痛みを感じて、メルヴィオラはたまらず小さな声を漏らしてしまった。
「続きはお前の返事を聞いてからだ」
やっと体が離れていったかと思えば、最後に鎖骨を軽く突かれる。服にギリギリ隠れるか隠れないかのラインに、白い肌を染めて赤い痕がくっきりと残されていた。
「なっ、……なによこれ! 信じらんないっ!」
「リッキーが変な気起こさないようにしとかねぇとな」
「彼がそんなことするわけないでしょう! あなたがおかしいのよ」
「バーカ。男はみんな狼なんだよ」
肩をとん、と押されて、メルヴィオラは再びベッドの上に仰向けに倒れ込んだ。またのし掛かられるのかと思ったが、ラギウスは不敵に笑うだけで、今度こそベッドから完全に起き上がった。
床に脱ぎ捨てたままの上着を拾う後ろ姿、そこに狼の黒い尻尾が気怠げに揺れている。先程の言葉と合わせてみれば、冗談でも比喩でもなくラギウス自身が既に狼だという事実に呆れて溜息がこぼれてしまう。
「馬鹿はあなたよ。狼なんてあなたひとりでじゅうぶんだわ!」
「なら、お前専用の狼になってやるよ」
「いらないっ」
「そりゃ、残念」
肩を竦めていても、ラギウスの顔から笑みが消えることはない。いつまでたっても面白おかしくからかわれ、メルヴィオラの心はまるで嵐に呑まれる船のようにぐちゃぐちゃだ。
翻弄されるのがわかっていて、自ら海へ溺れている。苦しくて、楽しくて、終わりを思えば胸を突くほどに、かなしい。
この気持ちは何なのか。心の奥にいつしか芽吹き、蕾をつけた花の名前をメルヴィオラはもう見て見ぬふりなどできなかった。
「この船は、今からイダ島に行く。そこでお前の体調を万全にしてから、最後の聖地ローレインの墓所へ向かう」
「……えぇ。パトリックが、そう言ってたわ」
シャツの上からいつもの上着を羽織ると、ラギウスがテーブルに置いてあった金色の懐中時計を手に取った。無言でしばらく見つめた後、それをポケットにしまい込んでメルヴィオラを振り返る。
向けられたマリンブルーの瞳が、真面目な光を宿してメルヴィオラをじっと見つめてきた。
「最後だ」
「……え?」
「次で、最後の聖地だ。俺もお前も、覚悟を決めねぇとな」
何の覚悟か問おうとして、口を噤む。重なり合う瞳の奥に、問いの答えは既にあるのだ。
メルヴィオラの覚悟が、今までの生活をすべて捨ててしまうことならば、ラギウスの覚悟は一体何なのか。そこに、メルヴィオラだけが知らない彼の秘密が隠されているように思えた。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
心の声が聞こえる私は、婚約者から嫌われていることを知っている。
木山楽斗
恋愛
人の心の声が聞こえるカルミアは、婚約者が自分のことを嫌っていることを知っていた。
そんな婚約者といつまでも一緒にいるつもりはない。そう思っていたカルミアは、彼といつか婚約破棄すると決めていた。
ある時、カルミアは婚約者が浮気していることを心の声によって知った。
そこで、カルミアは、友人のロウィードに協力してもらい、浮気の証拠を集めて、婚約者に突きつけたのである。
こうして、カルミアは婚約破棄して、自分を嫌っている婚約者から解放されるのだった。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
【完結】誰にも相手にされない壁の華、イケメン騎士にお持ち帰りされる。
三園 七詩
恋愛
独身の貴族が集められる、今で言う婚活パーティーそこに地味で地位も下のソフィアも参加することに…しかし誰にも話しかけらない壁の華とかしたソフィア。
それなのに気がつけば裸でベッドに寝ていた…隣にはイケメン騎士でパーティーの花形の男性が隣にいる。
頭を抱えるソフィアはその前の出来事を思い出した。
短編恋愛になってます。
そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる