上 下
126 / 137

第105話「もうやだこの杖」

しおりを挟む
 ──拝啓。
 日本におりますお父様、お母様。
 時間軸が一緒であれば、今頃はそちらも初夏でしょうか。
 柔らかな日差しの下で、爽やかな風がそよぐ素晴らしい季節となりましたが、お元気で過ごされている事をお祈り致します。
 なんて言えば心配性のお二人の事ですから、こちらの状況を聞き返しそうですね。
 安心してください。
 親不孝ながらも異世界転生を決め込んだ貴方がたの愚息は今──

「じゃからっ!! ノゾムから離れろと言うておるじゃろうが、こんのっ色情魔が!!」
「あら。今日は元気ね、お嬢様。安心したわ」
「頭を撫でるでないわ、戯けっ!! なんのつもりじゃ、貴様ぁ!!」
「将来的に義妹になるのなら、仲良くしたいと思うのは当たり前でしょう?」
「ゆ……許すか、たわけぇぇぇっ!!」

 ──王城の一室にて少女二人に挟まれて酷く胃を痛めております。
 なんて、我ながら濁りきった目で現実逃避を決め込んでいると、頭上から声がかけられた。
 その主は言うまでもなく、我が<ユニーク・スキル>である黒猫ノワールさんである。
「あらら。吹っ切れたのか、復活したのか。今日はバチバチですねぇ、ナイアは。……止めなくても良いんですか、ご主人?」
「お前も見てただろう? 俺にはどうしようもないって」
「るてるて、みてた、いちぶしじゅう。のぞーむ、みごとに、やくたたず」
「やかましいわっ」
 言葉と共に俺はいきなり喋り出した杖を指で弾く。
 相変わらずお喋りな魔杖さんだが、今回は重要な要素ともなるので持ち運ばざるを得なかったのが悩ましいところだ。
 るてるて、いたーい、とか言ってるのが本当にやかましい。
「というかこの後、遂に今日。『勇王』様と面会するんだよな? 改めて緊張が凄いんだが……。こんな緩い雰囲気で良いのか?」
「我々の本日の狙いは行方不明の『賢者』様の捜索ですけれど、表向きは王女様への痴漢の弁明ですもんねぇ」
「痴漢じゃないだろ!? 暗殺から助けた事への感謝だろ!?」
「結果的にはボインタッチだったじゃないですか」
「やめてぇぇ、必至に目を逸らしてるところを直視させるのはやめてぇぇ」
「まいっちんぐですねぇ、ご主人」
 身悶える俺とくすくすと楽しげに笑うノワールさん。
 他人事のような態度だが、俺が不敬罪で死刑とかになれば、コイツも死ぬことを分かっているんだろうか。
 俺が頭上の黒猫へ恨み節を飛ばしていると、横から宥めるような声がかけられた。
 見れば、ここ最近で柔らかな笑みを標準装備とした『勇国』の第二王女様のご尊顔がそこにはあった。
 美少女の笑顔なんて、思春期の男子としては勘違いをしそうになるから、近距離ではやめて頂きたい攻撃力である。
「その件でしたら大丈夫ですわよ。ノワールさん。私からも一言添えますし。もし、言及が強くても……ノゾムさんが親族になれば問題無い筈ですわ」
「なるほどのぅ。……って、問題しかないじゃろうがぁぁ!! 正気に戻らんかッ、このアバズレがッ!!」
「なっ!! 貴女はまたそんな言葉を!! はしたないですよ、控えなさい!!」
「はしたないのは貴様の方じゃ!!」
 ──そうして、また少女達は言い争うのだった。
 本日は終始この調子であり、全く話が進まない。
 一応、窓からの橙を見るに時刻は既に夕方。
 もういつ問題の面会が始まっても不思議ではないのだから、動きや注意点の確認くらいはしたかったのだが……なんて考えていると、今度の声は正面の老人から投げられた。
「安心せい、ノゾムくん。君には指の一本も触れさせんよ。……王城に入る口実に使って悪いのぅ」
「いえ、大丈夫ですよ、理事長。……お役に立てるなら光栄です」
 ほっほっ、と軽く笑いながら自らの髭をさする老人だが、いつもながらの快活さは無く、大人しいモノであった。
 その目の周りには隈があり、最近の睡眠状態を思わせる程には目立ってしまっていた。
「……失礼ですが、大丈夫でしょうか? 理事長?」
「正直に言えば、今は考え事が多くての。まぁ、師匠の訓練や研究では二徹、三徹は良くある事じゃったから平気じゃよ」
 パタパタと手を振る理事長だが、いやはや本当に大丈夫なんだろうか。
 ……まぁ、大丈夫な筈は無いよな。
 生死、行方、共に不明となったルーエさんだが、彼女に一番近かったのは、弟子であるこの理事長だろう。
 師弟の付き合いも何十年とあったようだし、簡単に気持ちの整理なんてつかない筈だ。
 そう考えて、俺は手元へ視線を落とし、言葉をかける。
 話題を変えて、理事長の気持ちが少しでも前向きになるようにと思いながら。
「それで、『魔杖・ルテラシアン』さんは、本当にルーエさんの場所が分かるんだよな?」
「いぇす、あい、どぅ。るてるて、これでも、こうせいのう。るーえの、そんざい、まだありける。ちかくに、いけば、わかるはず」
「……その割には魔石が全く光らんのは何故かのぅ?」
「けいやく、りんく、ぱすきえた。かいろが、ないから、ひかれない。でもでも、たぐづけ、のこってる。けんじゃの、わくに、かわりなく」 
「うぅむ。やはり、聞いてもよく分からんのぅ」
「これいじょうは、しゃべれない。かあさま、かみさま、ゆるさない。るてるて、てきには、ものたりない。おかゆい、ところに、てがでない」
 何度か話して分かったのだが、この『魔杖』にはいくつか『神具』としての制約がかかっているらしく、情報開示に歯がゆい部分が多くあった。
 ただ、その中でも『るてるて』としては、『賢者』の生存は間違いないらしく、近くにいけば場所も分かるだろうとの事であった。
 勿論、意思があっても『るてるて』が自立移動出来ない道具である事に変わりはないので、『賢者』以外で唯一触れる俺が王城へと持ち込む事になったのだ。
 王城の入口からこちら、玉座の間近くの控え室まで反応が無いのは残念の極みであるが。
「じゃあ、そろそろ各自の動きを確認しましょうか。まずは『勇王』との面談を切り抜けて──」
「その後、第二王女様の案内で──」
「アリアよ。ナリカネノゾム!」
「……こほん。アリア様の案内で王城を探索と」
「護衛は妾と理事長がいれば、まぁ問題なかろ」
「護衛ねぇ。気になるのなら、カリエもいれば良かったわね」
「小言がうるさいと、内緒で出てきたのは貴様じゃろうに」
「だって、ナリカネノゾムが絡むといつも以上にうるさいのよ。まぁ、書き置きは残してあるから、明後日くらいには追いついてくるでしょうけどね」
「魔導車が儂にも運転できる仕様で良かったのぅ」
「それで、ここからが気になるところなんですが、仮に……万が一『賢者』様を倒せる人が王城に居たとして……我々でどうにか出来るんですかね、ご主人?」
「……いや、それを俺に聞くか? ノワール。自慢じゃないけど、この中だと俺は最弱の存在だぞ」
「言うまでもなく、私も無理ね。──というか、この場の誰でも無理よ。『勇者』のエル姉様と張り合えるレベルの相手なんて、務まる訳がないもの」
「……ふぅむ。悔しいが厳しいじゃろうな。弟子の儂は勿論、師匠には敵わんわけじゃし」
「……え? じゃあ詰んでません、この作戦?」
 やんややんやと会話を進めて、いきなり衝撃の事実に行き当たった俺たち。
 大事な知り合いであるルーエさんの無事を確かめたくて、急行軍でここまで来たが、実際問題として『勇者』さん、もしくは『勇者』さんクラスのナニカが黒幕として敵対していた場合に、抵抗出来ないのであればこれはただの蛮勇である。
 カモがネギを背負ってきたというか、もはやネギが頑張ってカモを背負ってきたレベルである。
 そう気づき、今更ながら青ざめ始めた俺と黒猫だが、そんな窮地を救うのはいつもの如く大魔王様であった。
「ふっ。安心せい、ノゾム、ノワール。今宵は満月。そして、今の妾の回復具合じゃと……今宵の日没にはそろそろ全盛期の新月くらいには力が戻りそうじゃ」
「「「……はっ?」」」
「三百年前のように四人相手ならばいざ知らず、敵が一人であればどうとでもしてくれようぞ」
 そうして。
 あっけらかんと魔王様は言い切った。
 その言葉前に俺とノワール、ついでに理事長は絶句した。
 ナイアが魔王だと知らないアリア様だけは不思議そうに首を傾げていたが、内心はこちらも同じ気持ちであった。
「……ちょいちょい、ちょいちょい。ちょいと待ちなよ、ナイアさん。それって本当なのか?」
「なな……ナイア? 貴方、いつの間にそんなところまで回復を?」
「うん? おかしいのぅ。ノゾムとノワールには最近ダンジョンに潜った時に<ステータス>を共有した筈じゃろ?」
 そうして、ナイアまで不思議そうに首を傾げるという謎空間が発生したのであった。
 まぁ、そんなナイアの言葉で思い出したのだが、確かに以前、見せてもらったナイアの<ステータス>はこんな感じだったな。

名称
 <ナイア>

 LV:99
 HP   :2500/99999
 MP   :3000/99999

 攻撃力  :800/9999
 防御力  :800/9999
 魔力   :800/9999
 魔力防御 :800/9999
 速さ   :800/9999

 ステータス異常 <存在修復中>

 所持スキル
 <魔王>
 <拳王>
 <覇王>

 称号
 <魔法を極めしもの>
 <拳を極めしもの>
 <大陸を統べしもの>

 種族特性:ヴァンパイア
 <月に愛されしもの>


 改めて考えても凄すぎないか、この<ステータス>。
 これなら確かに、全盛期の新月時と同じくらいにはなるのか?
 いやでも、しかし、だが、だって。
 そんな事を言っても、『勇者』パーティの<ステータス>目安は、二千前後だとか言うし。
 しかも相手はそんな『勇者』パーティの『賢者』様を倒した可能性があるのである。そんな簡単に力関係を勘定出来るのだか。
 そう思った俺の不安は表情に出ていたのだろう。
 目があったナイアは、口をにんまりと歪めて、かかかっ、といつものように笑った。
「ノゾムよ。不安に思う気持ちも分かるがの。ここは妾を信じてくれんかの? 妾は友に嘘を吐かん」
 そして、彼女は本当に嬉しげに笑った。
 その強さ故に孤独に泣いた彼女が、今はその強さこそが誇らしいのだと言うように。
 もはや、孤独になぞならないと信じきっているように、破顔していたのだった。
「今宵の妾は絶好調よ。敵が『龍王』でもない限りは負けようがないのぅ!!」

 無垢な少女の一途な笑顔。
 現実の厳しさも、将来の見通しの不確かさも、何も知らないような、幼さの残る無根拠な自信を滲ませたような──

 ──そんな笑顔がただただ眩しくて。
 俺たちは何も言えなかったんだ。

 そして。

「あ、るーえだ。やっほー」

 ──『勇王』との面談が始まって五秒で、『るてるて』が『勇王』に言い放ったその時も。

 俺たちは何も言えなかったんだ……。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愛すべき『蟲』と迷宮での日常

熟練紳士
ファンタジー
 生まれ落ちた世界は、剣と魔法のファンタジー溢れる世界。だが、現実は非情で夢や希望など存在しないシビアな世界だった。そんな世界で第二の人生を楽しむ転生者レイアは、長い年月をかけて超一流の冒険者にまで上り詰める事に成功した。  冒険者として成功した影には、レイアの扱う魔法が大きく関係している。成功の秘訣は、世界でも4つしか確認されていない特別な属性の1つである『蟲』と冒険者である紳士淑女達との絆。そんな一流の紳士に仲間入りを果たしたレイアが迷宮と呼ばれるモンスターの巣窟で過ごす物語。

万能チートで異世界開拓! 〜辺境スタートの最強転移者スローライフ〜

山猪口 茸
ファンタジー
スローライフを夢見る平凡な高校生、藤峰卓人(ふじみね たくと)。屍のように日々を暮らしていた彼がある時転移したのは、岩だらけの辺境の土地だった! 「手違いで転移させちゃった///。万能チートあげるから、ここで自由に暮らしていいよ。ごめんね!」 そんな適当な女神のせいで荒地に転移してしまったものの……これって夢を叶えるチャンスでは? チートや魔法を有効活用しまくって、夢のスローライフを送ってやる!ついでに畑とか施設も作ってのんびり暮らそう!村なんか作っちゃってもいいかも!? そんな彼の送る、目指せほのぼのスローライフ! [投稿はかなり不定期です!小説家になろうにも同時にあげています]

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

独自ダンジョン攻略

sasina
ファンタジー
 世界中に突如、ダンジョンと呼ばれる地下空間が現れた。  佐々木 光輝はダンジョンとは知らずに入ってしまった洞窟で、木の宝箱を見つける。  その宝箱には、スクロールが一つ入っていて、スキル【鑑定Ⅰ】を手に入れ、この洞窟がダンジョンだと知るが、誰にも教えず独自の考えで個人ダンジョンにして一人ダンジョン攻略に始める。   なろうにも掲載中

転生 上杉謙信の弟 兄に殺されたくないので全力を尽くします!

克全
ファンタジー
上杉謙信の弟に転生したウェブ仮想戦記作家は、四兄の上杉謙信や長兄の長尾晴景に殺されないように動く。特に黒滝城主の黒田秀忠の叛乱によって次兄や三兄と一緒に殺されないように知恵を絞る。一切の自重をせすに前世の知識を使って農業改革に産業改革、軍事改革を行って日本を統一にまい進する。

転生令嬢の食いしん坊万罪!

ねこたま本店
ファンタジー
   訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。  そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。  プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。  しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。  プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。  これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。  こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。  今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。 ※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。 ※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

【完結】ガラクタゴミしか召喚出来ないへっぽこ聖女、ゴミを糧にする大精霊達とのんびりスローライフを送る〜追放した王族なんて知らんぷりです!〜

櫛田こころ
ファンタジー
お前なんか、ガラクタ当然だ。 はじめの頃は……依頼者の望み通りのものを召喚出来た、召喚魔法を得意とする聖女・ミラジェーンは……ついに王族から追放を命じられた。 役立たずの聖女の代わりなど、いくらでもいると。 ミラジェーンの召喚魔法では、いつからか依頼の品どころか本当にガラクタもだが『ゴミ』しか召喚出来なくなってしまった。 なので、大人しく城から立ち去る時に……一匹の精霊と出会った。餌を与えようにも、相変わらずゴミしか召喚出来ずに泣いてしまうと……その精霊は、なんとゴミを『食べて』しまった。 美味しい美味しいと絶賛してくれた精霊は……ただの精霊ではなく、精霊王に次ぐ強力な大精霊だとわかり。ミラジェーンを精霊の里に来て欲しいと頼んできたのだ。 追放された聖女の召喚魔法は、実は精霊達には美味しい美味しいご飯だとわかり、のんびり楽しく過ごしていくスローライフストーリーを目指します!!

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

処理中です...